奥深い歴史と伝統を有しつつ、技術革新によっていっそうの世界観を広げている腕時計。
多くの有名時計ブランドがその美技に対し進化を続け、新作や新機能を生み出しています。
各社の努力や魅力的な製品群の力もあってか、近年では腕時計市場は拡大し、過去最高の盛り上がりを見せてきました。
そんな腕時計市場において、トレンドや人気ランキングに適った「いまどき・買いどき」の腕時計とは、いったいどの一本なのでしょうか。
この記事では、東京銀座の時計専門店GINZA RASINのスタッフが、いまどき・買いどきの腕時計を厳選してみました!
※掲載する情報は2022年12月時点のものとなります。
目次
買うならこれ!いまどき高級腕時計名鑑 -IWC-
長い歴史の中で培ってきた技術遺産を強みに、傑出した腕時計を製造してきたIWC。
スイスの中でもドイツにほど近いシャフハウゼンを本拠としていることが、またIWCの質実剛健さを印象づけます。
なお、IWCはインターナショナル・ウォッチ・カンパニーの略称です。
なぜドイツ語圏で英語?と思うかもしれませんが、これは創業者がアメリカ ボストン出身の時計職人フロレンタイン・アリオスト・ジョーンズ氏であることに由来します。アメリカ市場を視野に入れてのネーミングだったようですが、現在では世界各国の時計愛好家から親しまれているブランドとなっております。
このIWC、技術のみならず、コンセプトやデザインも伝統に範を取ったコレクションを多数抱えています。
例えばポルトガル商人からの依頼に端を発するポルトギーゼ。1955年という早い段階から、高磁場下で働くプロフェッショナルへ向けて製造された耐磁時計インジュニア。あるいは超複雑かつ超高価格帯であるパーペチュアルカレンダーを、一般ユーザーが手の届く価格で提供することに成功したダヴィンチ・・・名作を挙げるとキリがありませんが、「いまどき」名鑑ということで、本稿ではパイロットウォッチをご紹介いたします。
IWC パイロットウォッチ マーク18
パイロットウォッチは文字通り、パイロットが任務中に着用することを想定して製造された腕時計を指しています。
ダイバーズウォッチなどと異なり標準化されているわけではありませんが、パイロットウォッチは「どんな状況でもすぐに時刻確認できる視認性」や「気圧・温度変化にも耐えうる堅牢性」、「コックピットの機器から放たれる磁気に対する耐磁性」などが求められます。
実際にパイロットの任務に就くといったことは非常に稀でしょうが、パイロットウォッチの機能美は、堪らない魅力がありますよね。
そんなパイロットウォッチは様々なブランドが手掛けておりますが、名手と言えばIWCです。
実際に同名コレクションを多数展開しておりますが、最も高い人気を誇る「マークシリーズ」をまずご紹介いたします。
パイロットウォッチやダイバーズウォッチなどといったツールウォッチは、軍用として発展した歴史があります。
IWCのマークシリーズも、1948年に誕生した英国空軍制式採用モデル「マーク11」に端を発しました。
出典:https://www.iwc.com/jp/ja/company/history.html
ちなみに「マーク」は、英国空軍が自軍の機器に用いてきたナンバリングだと言われています。
このマーク11自体は市販はあまりされませんでしたが、IWCは1994年、マーク11を復刻して一般ユーザー向けにマーク12をリリース。
以降、マークシリーズはマーク15・マーク16・マーク17へと進化を遂げていき(ちなみに13・14はありません)、2016年にマーク18の誕生へと至りました。
マーク18は初代マーク11から系譜を受け継ぎ、「優れた視認性」「高耐磁性」「高い信頼性」といったIWCのパイロットウォッチらしい要素を備えます。一方でケース直径40mm×厚さ11mmと、様々なシーンで扱いやすいサイズ感も魅力ですね。
さらに、マーク18より裏蓋にドイツのユンカース社製航空機Ju 52がエングレービングが施されるようになり、特別感がいや増しました(これまではプティ・プランスのような特別モデルを除き、文字の印字が主流でした)。
2022年にマーク20が登場したことで、マーク18は生産終了になるかとは思います(2022年12月現在、メーカーホームページには現行品とともに掲載されているマーク18の一部モデルもあるようですが)。
しかしながら流通量が豊富で、モデルにもよりますが中古なら状態の良いものでも50万円前後~手に入れられるのも、嬉しいポイント。近年はメーカー定価が円安が原価高の影響で上昇を続ける中、IWCクラスのクラシック・ウォッチを50万円~買えるというのは、かなりお得感が高いのではないでしょうか。
なお、マーク18は2018年に型番変更が行われます。これは、ムーブメントが変わったためです。
具体的にはETA社製からセリタ社製へとベースムーブメントが変わったことによる違いとなり、大きなスペックの変化はありません(ちなみに新作マーク20では、自社ムーブメントが搭載されるようになりました)。
マーク18の人気モデルは下記の通りです。
パイロットウォッチ マーク18 IW327015
ケースサイズ:直径40mm×厚さ約11mm
素材:ステンレススティール
文字盤:ブラック
駆動方式:自動巻き
ムーブメント:Cal.35111/パワーリザーブ約42時間
防水性:6気圧
定価:693,000円(税込)
パイロットウォッチ マーク18 IW327012
ケースサイズ:直径40mm×厚さ約11mm
素材:ステンレススティール
文字盤:ホワイト
駆動方式:自動巻き
ムーブメント:Cal.35111/パワーリザーブ約42時間
防水性:6気圧
定価:572,000円(税込)
パイロットウォッチ マーク18 プティプランス IW327016
ケースサイズ:直径40mm×厚さ約11mm
素材:ステンレススティール
文字盤:ブルー
駆動方式:自動巻き
ムーブメント:Cal.35111/パワーリザーブ約42時間
防水性:6気圧
定価:693,000円(税込)
ちなみにこちらのプティプランス(Le Petit Prince)は、『星の王子様』の原題をモデル名としたシリーズで、『星の王子様』『夜間飛行』などを手掛けた作家であり、パイロットでもあったアントワーヌ・ド・サンテグジュペリ氏に敬意を表して製造されています。
夜空を思わせるミッドナイトブルー文字盤、特別仕様の裏蓋がなんとも美しく、マークシリーズの中でも特に人気を誇ります(現行マーク20にはレギュラーでブルー文字盤もあり)。
IWC パイロットウォッチ・クロノグラフ41
出典:https://www.iwc.com/ja/watches-and-wonders/pilots-watch-chronograph-41.html
マーク18と並んで、IWCの「いまどき・買い時」パイロットウォッチとして欠かせないコレクションがパイロットウォッチ・クロノグラフです。
文字通りクロノグラフ(ストップウォッチの機能を持つ、腕時計の人気機構)を搭載させたパイロットウォッチとなりますが、従来は43mmケースとややダイナミックな印象が強くありました。しかしながら2021年、少しダウンサイジングした41mmサイズのパイロットウォッチ・クロノグラフ41が登場。いっそう幅広い層が使いやすいコレクションへと昇華されました。
出典:https://www.iwc.com/ja/watches-and-wonders/pilots-watch-chronograph-41.html
このパイロットウォッチ・クロノグラフ41、自社ムーブメントが搭載され、シースルーバックが採用されたこと。従来の6気圧防水から10気圧防水へとスペックアップしたこと。ブレスレット・ストラップともに工具なしで容易交換可能なクイックチェンジシステムが搭載されたことなど、IWCの技術の粋がもりだくさん。
一方でIWCらしく洗練された美しい外装、高級感溢れる顔立ちは健在。
輝くようなブルーやグリーン文字盤、あるいはブロンズケースや特別モデル等、バリエーションも大変豊富ですので、ぜひお気に入りの一本を探してみてくださいね。
パイロットウォッチ クロノグラフ41 IW388101
ケースサイズ:直径41mm×厚さ約14.5mm
素材:ステンレススティール
文字盤:ブルー
駆動方式:自動巻き
ムーブメント:Cal.69385/パワーリザーブ約46時間
防水性:10気圧
定価:1,006,500円(税込)
パイロットウォッチ クロノグラフ41 IW388104
ケースサイズ:直径41mm×厚さ約14.5mm
素材:ステンレススティール
文字盤:ブルー
駆動方式:自動巻き
ムーブメント:Cal.69385/パワーリザーブ約46時間
防水性:10気圧
定価:1,116,500円(税込)
買うならこれ!いまどき高級腕時計名鑑 -ロレックス-
世界で最も有名と言って過言ではない、ロレックス。高級腕時計に興味のない方でも、ロレックスの名前は知っている方は少なくないでしょう。
ロレックスは、1905年に創業者であるハンス・ウイルスドルフがイギリスに時計輸入商社として「ウィルスドルフ&デイビス社」を設立したことから歴史をスタートします。その後スイス ジュネーブへと移転。以来、マニュファクチュールによって高精度・高性能の実用時計を実現してきました。
ロレックス三大発明―オイスター・パーペチュアル・デイトジャスト―は、こんにちの腕時計に多大なる影響を与えております。
ロレックスは長い歴史の中で、こういった性能や信頼性で他社に先鞭をつけてきた一方で、巧みなマーケティングによって不動の地位を確立してきたことも大いなる偉業の一つです(もちろん素晴らしい製品あってこそのマーケティングの成功ですが)。
世界初のエベレスト登頂と紐づけられ、過酷な探検のお供としての地位を確立したエクスプローラー。
現代ダイバーズウォッチとしてのコードを確立し、同ジャンルを代表する人気モデルとなったサブマリーナー。
ロレックスが誇る「実用性」を維持しつつ、ゴールドやプラチナを使ったハイエンドラインにも余念のないバリエーション展開。
マーケティングの成功と製品のずば抜けた上質さによって、高級腕時計業界のリーディングカンパニーとなり、市場を牽引する存在となっております。
ロレックス エクスプローラーI
ロレックスは各コレクションで大変高い人気を誇りますが、いつの時代も「いまどき・買い時」として、普遍的な魅力と価値を有するのはエクスプローラーIではないでしょうか。
1953年、世界で初めて英国遠征隊がエベレストを登頂した年。
公式スポンサーであったロレックスは、前人未踏の地へ果敢に挑戦していく全ての冒険家へ敬意を表し、同年にエクスプローラーⅠを誕生させました(ちなみに当時、エベレスト登頂時に携行された時計はオイスターパーペチュアルだったとか)。
俳優の木村拓哉さんが主演ドラマでエクスプローラーⅠを装着していたことから、日本のメンズ腕時計ランキングの中でも非常に高い人気を誇ります。
過酷な状況下でも精密・精緻なムーブメントを保護するオイスターケース・ブレスレット。
視認性を最優先にした、デイト窓すら持たないシンプルな文字盤。
快適な着け心地・・・
いずれをとっても非常に優れた高級腕時計となっており、ビギナーにも好事家にもおすすめの一本です。
なお、現在のロレックスは「価格高騰」がとみに話題になっております。
ロレックスは歴史が長いため、決して各個体の流通量が少ないブランドではありません(一部モデルを除いて)。しかしながら世界的に高まりすぎた需要は流通をはるかに凌ぎ、人気モデルは定価や一般的な中古価格を大いに上回るプレミア価格が当たり前に。
そんな中において、エクスプローラーIもまた価格高騰しております。
しかしながら比較的よく流通しており、人気スポーツモデルの中ではお求めやすいプライスレンジです。
とは言え、なかなか読みづらいロレックス相場。今後の人気動向によってはさらに価格が上がってしまうこともありますので、なかなか目が離せませんね。
エクスプローラーI 124270
ケースサイズ:直径36mm×厚さ11.5mm
素材:ステンレススティール
ムーブメント:自動巻きCal.3230/パワーリザーブ約70時間
防水性:100m
定価:847,000円(税込)
ロレックスはロングセラーを多く抱えますが、そのいずれも時代に即した性能へと繰り返しのアップデートが果たされています。
エクスプローラーIもご多分に漏れず。こちらは2021年に誕生した、第七世代のRef.124270となっております。
ビジネススーツにもピッタリな36mmケースサイズに、ロレックスの最新ムーブメントCal.3230を搭載していることがミソ。高い精度や堅牢性はそのままに、約70時間と十分なパワーリザーブを有します。
初出時は180万円もの実勢相場をたたき出しましたが、現在では130万円前後~に落ち着いています。
エクスプローラーI 214270
ケースサイズ:直径39mm×厚さ11.3mm
素材:ステンレススティール
ムーブメント:自動巻きCal.3132/パワーリザーブ約48時間
防水性:100m
定価:687,500円(税込)
2010年~2021年まで製造された、先代エクスプローラーI Ref.214270です。
直径39mmと現行よりもやや大きく、このサイズ感の方が良いという方も結構いらっしゃいますよね。
生産終了したとは言え、まだまだ上質な個体がよく流通しているのが嬉しいところ。
2016年に一度文字盤の夜光および針の長さでマイナーチェンジしており、前期型・後期型に分類されています。
前期型の実勢相場は100万円前後~、後期型は130万円台~。もっとも、いずれも状態や付属品の有無によっても変わってきます。
なお、Ref.124270で最新ムーブメントをご紹介いたしましたが、Ref.214270等に搭載されてきたCal.31系もまた名機で、信頼性・堅牢性・メンテナンス性に長けていることは追記しておきます。
ロレックス サブマリーナー ノンデイト
エクスプローラーIと並んで、不朽の名作として挙げたいのがサブマリーナーです。
1926年に「オイスター」を発明したことからもわかる通り、ロレックスは早い段階から腕時計の防水技術に一家言有してきました。
この技術と情熱を活かして1953年に開発されたのがサブマリーナーです。
当時から既に100m防水(現行は300m防水)を備えていることに加えて、ダイビングタイムを計測する回転ベゼルを備えた初代サブマリーナーは、時計業界に大きな影響を与えることとなりました。
サブマリーナーは2023年で70周年を迎えるものの、初代意匠を大きく変えず、幅広い世代で愛され続けてきたアイコニックなコレクションでもあります。
映画『007』でジェームズ・ボンドを演じたショーン・コネリー氏やロジャー・ムーア氏を始め、様々な著名人からも愛され続けており、永世定番と言って良いでしょう。
サブマリーナー ノンデイト 124060
ケースサイズ:直径41mm×厚さ12.2mm
素材:ステンレススティール
ムーブメント:自動巻きCal.3230/パワーリザーブ約70時間
防水性:300m
定価:1,060,400円(税込)
サブマリーナーはデイト付きモデルも便利で良いですが、初めてのロレックスであればノンデイトがお勧めです。
価格がデイト付きよりも安く、また扱いやすいと言って良いでしょう(初代サブマリーナーに続くノンデイトモデルは、むしろ好事家に人気のある一本とも言えますが)。
サブマリーナーも初代から意匠を大きく変えていないとは言え、着々と進化を遂げております。
こちらは、2020年にリリースされた最新サブマリーナー ノンデイト Ref.124060。
前項でご紹介したエクスプローラーIと同じく最新世代ムーブメントを搭載しており、高精度やロングパワーリザーブが自慢の一本となっております。
実勢相場は中古で160万円台~となっております。
サブマリーナー ノンデイト 114060
ケースサイズ:直径40mm×厚さ12.7mm
素材:ステンレススティール
ムーブメント:自動巻きCal.3130/パワーリザーブ約48時間
防水性:300m
定価:832,700円(税込)
こちらは、2013年~2020年まで製造されたサブマリーナー ノンデイト Ref.114060です。
ムーブメントも一つ前となりますが、その性能や信頼性は抜群。
中古でも150万円前後~の実勢相場と高めの値付けとなっていますが、堅牢ゆえに中古であっても状態の良い個体が多く出回ります。
ロレックス デイトナ 116500LN
「憧れの高級腕時計は、やっぱりデイトナ!」
そんな男性陣も少なくないのではないでしょうか。
ロレックスの中でも最上級のスポーツモデルとして高い人気を博す、コスモグラフ デイトナ。
1963年に誕生して以来、熱狂的なファンを集め続けてきました。
デイトナもまた長い歴史を持ちますが(2023年で60周年)、「いまどき・買いどき」と言ったら、2016年に誕生した現行Ref.116500LNではないでしょうか。
同コレクション初となるブラックカラーのセラクロムベゼルは、往年の手巻きデイトナを思わせるとともに、とにかくかっこいい!プラチナコーティングによってえもいわれぬ輝きをも有しており、ラッカー文字盤と併せて高級感はひとしおです。
自社開発のクロノグラフムーブメントCal.4130を搭載しており、約72時間のパワーリザーブ、そして100m防水と、ロレックスらしく実用性に余念がないのも素晴らしい点ですね。
一つ難点を挙げるとしたら、「なかなか定価では買えない」でしょうか。
何度か言及しているように、ロレックスは近年驚くような価格高騰を遂げておりますが、この流れを牽引しているのがデイトナです。
一時期は700万円に手が届こうかという実勢相場(定価が1,720,400円であるにもかかわらず!)を更新。現在では少し落ち着いたとは言え、中古であっても白文字盤で420万円前後~、黒文字盤で370万円前後~と、依然として高値。
一方でデイトナは価値が落ちづらく、リセールバリューもまた高いため、売却時を考えれば決して損する価格帯とは言えないでしょう。
デイトナ 116500LN
素材:ステンレススティール
ケースサイズ:直径40mm×厚さ12.5mm
文字盤:黒または白
駆動方式:自動巻き
ムーブメント:Cal.4130/パワーリザーブ約72時間
防水性:100m
定価:1,720,400円
買うならこれ!いまどき高級腕時計名鑑 -カルティエ-
ジュエラーとしても、ウォッチメーカーとしても、輝かしい経歴を持つカルティエ。
創業は1847年ですが、1888年にはブランドとして初の女性向けブレスレットウォッチを製造。その後も腕時計の黎明を担った「サントス」や「タンク」、美しくもユニークな「パシャ」等、現行に続く名作コレクションを手掛けていきました。
もちろん「歴史」「経歴」で終わらず、今なお希代のウォッチメーカーであることが、カルティエの強みです。
カルティエというと美しく作りこまれた外装やジュエラーらしいハイセンスでエレガントなデザインがまずイメージされるかもしれませんが、実はムーブメントにも一家言あります。
カルティエは、2001年にカルティエ マニュファクチュールを設立し、2010年には自社開発ムーブメントCal.1904 MCを発表。ちなみに同年、ブランド初のメンズ専門ライン「カリブル ドゥ カルティエ」がリリースされ、カルティエ社製ムーブメントが搭載されることとなりました。
※マニュファクチュール・・・一般的には、自社で時計を一貫製造できるメーカーを指します。近年ではその形態が多様化しておりますが、カルティエは中でも「真のマニュファクチュール」などと称されることもあり、カルティエやジャガールクルト、IWC等が属するリシュモングループの基幹ムーブメントの設計などにも携わっているほどです。
カリブル ドゥ カルティエは現在生産終了しておりますが、前述したパシャやサントスといった代表コレクションで自社ムーブメントを搭載します。
このムーブメントは優れた精度と信頼性、耐磁性を有することは言わずもがな。外装に目を向けても美しさ・高級感に留まらず、防水性や装着感にも配慮されていることがわかります(ちなみにIWCの項でストラップのクイックチェンジについて言及しましたが、同じリシュモングループのカルティエでも採用しております)。
カルティエ カリブル ドゥ カルティエ ダイバー
2010年、自社開発ムーブメントを搭載し、かつブランド初のメンズ専用コレクションとしてリリースされたカリブル ドゥ カルティエ。
これまでもスポーティーなモデルがカルティエにないわけではありませんでしたが、ダイナミックなケースに力強いローマンインデックス、そしてエレガンスを残しつつも精悍なシルエットは、なかなかカルティエとは思えない雰囲気がありました。「新しいカルティエ」などと、囁かれたものです。
もっとも2010年当時はデカ厚時計のトレンド真っただ中。
肉厚ながら上品さも忘れないカリブル ドゥ カルティエが、人気を博すのに時間はかかりませんでした。
そして、本稿でご紹介しているカリブル ドゥ カルティエ ダイバーは、2016年にラインナップに加わったモデルです。
カリブル ドゥ カルティエらしい力強さとエレガンス、そして自社製ムーブメント搭載というアイデンティティはそのままに、逆回転防止ベゼルや300m防水といった、ダイバーズウォッチらしいスペックを有するのが大きな特徴です。
前述の通り、カリブル ドゥ カルティエは生産終了しております。
カリブル ドゥ カルティエ、特にダイバーは堅牢ゆえに経年に強く、中古市場でも良質な個体が出回りますが、それでもいつも潤沢にあるというわけではありません。
欲しい方は、見つけた時に買っておくことをお勧めいたします!
カリブル ドゥ カルティエ ダイバー W7100057
ケースサイズ:直径42mm×厚さ約11mm
素材:ステンレススティール
文字盤:ブラック
駆動方式:自動巻き
ムーブメント:Cal.1904-PS MC/パワーリザーブ約48時間
防水性:300m
参考定価:1,012,000円
カリブル ドゥ カルティエ ダイバー W7100055
ケースサイズ:直径42mm×厚さ約11mm
素材:ステンレススティール×ピンクゴールド
文字盤:ブラック
駆動方式:自動巻き
ムーブメント:Cal.1904-PS MC/パワーリザーブ約48時間
防水性:300m
参考定価:1,012,000円
サントス ドゥ カルティエ
カルティエの腕時計製造の歴史を象徴するような存在が、サントス ドゥ カルティエ(以下サントス)です。
20世紀初頭、まだ懐中時計の時代。
三代目ルイ・カルティエは、友人のアルベルト・サントス=デュモン(ブラジル出身の貴族であり、発明家であり、かつ飛行家という経歴!)から「飛行機の走行中、操縦桿から手を放さずに時間を確認できる時計」を所望されます。
そこで氏の名前にちなんだ「サントス」を製造し、1911年には市販化を果たしました。
このサントス、ただ懐中時計にベルトを通しただけでなく、しっかりしたラグを備えてベルトとケースを固定するとともに、腕に巻いて美しいデザインを確立していたことが、特筆すべき点です。そのため腕時計の黎明期を担った存在でもあり、カルティエがいかに早い段階から本格的にウォッチメーカーとして歩みだしていたかがわかるエピソードですね。
出典:https://www.facebook.com/cartier.jap/
現行サントスは、初代モデルをリバイバルした薄型エレガンスな「サントス デュモン」。モダンでラグジュアリー・スポーツウォッチにも通じる魅力を有する「サントス ドゥ カルティエ」の二本柱となっており、本項では後者をご紹介いたしております。
2018年にモデルチェンジが敢行され、自社製ムーブメントが搭載。またストラップ交換が容易となったクイックチェンジシステムを搭載するなど、実用性もアップしております。
サントス ドゥ カルティエ LM WSSA0030
素材:ステンレススティール
ケースサイズ:LM(直径39.8mm×厚さ9.8mm)
駆動方式:自動巻き
ムーブメント:Cal.1847MC/パワーリザーブ約40時間
防水性:10気圧
定価:998,000円(税込)
サントス ドゥ カルティエ クロノグラフ XL WSSA0017
素材:ステンレススティール
ケースサイズ:XL(直径43.3mm×厚さ12.4mm)
駆動方式:自動巻き
ムーブメント:Cal.1904 CH MC/パワーリザーブ約48時間
防水性:10気圧
定価:1,320,000円(税込)
買うならこれ!いまどき高級腕時計名鑑 -ウブロ-
ウブロは、イタリア人のカルロ・クロッコが1980年に立ち上げたブランドです。
その処女作「クラシック」は、ステンレススティールまたはゴールドで作られた高級時計にラバーストラップを組み合わせるという、当時としては驚くべき手法で以て登場しました。
さらに、当時勃興しつつあったラグジュアリー・スポーツウォッチの潮流を巧みに汲み取り、12か所にビスを打ったベゼルやストラップとシームレスになったケースフォルム、3・9時位置の耳を有した、アイコニックなデザインであったことも特徴です。
ちなみにこういったベゼルのビス留めは、同年代のラグジュアリー・スポーツウォッチに見られるデザインコードです。これは。ラグジュアリー・スポーツウォッチを生み出し、人気ジャンルへと押し上げた天才時計デザイナー「ジェラルド・ジェンタ氏」が舷窓(げんそう。船の丸窓)をデザインモチーフにしていたことが関係しているのでしょう。
なお、ウブロのブランド名はフランス語で、舷窓のことを指しています。
※ラグジュアリー・スポーツウォッチ・・・決まった定義はないものの、1970年代にハイブランドが打ち出したスポーツウォッチにルーツを持つジャンル。薄型で、ケース・ブレスレットがシームレスなことが多いです。
代表格であるオーデマピゲ ロイヤルオークやパテックフィリップ ノーチラスなどは、定価を大きく上回るプレミアム価格で売買なされています。
もっとも、クラシックの人気はイタリア市場がメインでした。
爆発的なヒットを飛ばし、ウブロを世界的なブランドへと押し上げたのが、2005年に発表されたビッグバンです(詳細は後述)。
ビッグバンは誕生の前年にあたる2004年、時計業界のカリスマと名高いジャン・クロード・ビバーをCEOに迎え入れたことで実現しました。
以降、ウブロはFUSION―融合―という新しいコンセプトを掲げ、初代モデルのように伝統的な腕時計と革新性―セラミックやチタン、カーボンファイバーなどといった現代的な素材使いを筆頭に―を融合。
現在では前述した素材や高度な技術力はもちろん、様々な業界とタイアップして新しい可能性に挑み続ける、目の離せない人気おすすめブランドです。
ウブロ ビッグバン
2005年に誕生し、ウブロ人気を大いに押し上げることとなったビッグバン。
ウブロ特有の、異なる素材同士が組み合わさったことによるメリハリもさることながら、インパクト抜群の外装が一目見たら忘れられない魅力を有します。
この魅力は、ケースが多層構造になっていることも大きいでしょう。
ビッグバンはパーツを細分化し、それらを多層的に組み合わせて構成するといった構造が採用されています。それゆえにダイナミックなインパクトを見る人に与えることはもちろん、高級感に欠かせない「立体的な造形」を実現しているのです。
ビッグバンはウブロを代表するコレクションだけあり、非常に多彩なバリエーション展開がなされているのも、魅力の一つとなっております。
自社製ムーブメントを搭載した「ビッグバン ウニコ」や精悍な「オールブラック」、あるいはブレスレットモデルとなる「ビッグバン インテグラル」・・・どれが良いか迷ってしまいますが、特に人気が高いのは以下の3本です。
ウブロ ビッグバン スティール セラミック 301.SB.131.RX
素材:ステンレススティール
ケースサイズ:直径45mm×厚さ15mm
駆動方式:自動巻き
ムーブメント:Cal.HUB4100(以前は1143)/パワーリザーブ約42時間
防水性:10気圧
定価:1,793,000円(税込)
ウブロ ビッグバン ウニコ チタニウム セラミック 441.NM.1170.RX
素材:チタン
ケースサイズ:直径42mm×厚さ14.5mm
駆動方式:自動巻き
ムーブメント:Cal.HUB1280/パワーリザーブ約72時間
防水性:10気圧
定価:2,160,000円(税込)
ウブロ ビッグバン ウニコ チタニウム セラミック 411.NM.1170.RX
素材:チタン
ケースサイズ:直径45mm×厚さ15mm
駆動方式:自動巻き
ムーブメント:Cal.HUB1242/パワーリザーブ約72時間
防水性:10気圧
定価:2,684,000円(税込)
ウブロ クラシックフュージョン
ウブロの処女作「クラシック」から範を取りつつ、FUSIONの精神性を落とし込んだコレクションがクラシックフュージョンです。
初代クラシックのように薄型エレガンスなケース、ビスが打たれたベゼル、独特のフォルムを有しつつも、現代スポーツウォッチの要素も取り入れられていることが特徴で、サイズ展開もメンズは45mm・42mm・38mm(3針モデルの場合)と、現代らしく豊富となっております。
ビジネススーツにマッチするエレガンスは、ビッグバンとはまた違った魅力を湛えているのではないでしょうか。
なお、クラシックフュージョンはビッグバンと比べると手の届きやすいプライスレンジであることも、魅力を押し上げます。
ベーシックなモデルであれば新品70万円台~、中古なら60万円前後~購入できる個体も出回っており、初めて高級腕時計を購入する方にもオススメです。
クラシックフュージョン チタニウム 45mmサイズ
素材:チタン
ケースサイズ:直径45mm×厚さ10.5mm
駆動方式:自動巻き
ムーブメント:Cal.HUB1112/パワーリザーブ約42時間
防水性:5気圧
定価:979,000円(税込)
クラシックフュージョン クロノグラフ チタニウム
素材:チタン
ケースサイズ:直径45mm×厚さ13mm
駆動方式:自動巻き
ムーブメント:Cal.HUB1143/パワーリザーブ約42時間
防水性:5気圧
定価:1,375,000円他(税込)
買うならこれ!いまどき高級腕時計名鑑 -オメガ-
メンズ高級腕時計の人気ランキングについて語るとき、ロレックスと並んで必ず話題にあがるブランドがオメガです。
オメガは1848年に設立され、後に同社が開発した高精度な懐中時計用ムーブメント「オメガ」が、1903年に社名になりました。
なお、オメガはギリシャ語のアルファベットの最後に登場する言葉で「物事の最終」を表しています。
オリンピックの公式時計、NASAの公式時計としての月面着陸など、華々しく壮大なストーリーを持つことも魅力のひとつ。
ロレックス同様、常に時計業界のトップクラスに位置し、技術・デザインともに時代を牽引してきました。
さらに近年では、コーアクシャル脱進機およびマスタークロノメーター認定によって、実用面で他社に先鞭をつけていることも特筆すべき点です。
コーアクシャル脱進機とは、簡単に言うと、特殊な構造によって従来品よりもパーツ摩耗を低減させた脱進機です。
脱進機は時計の精度を司るテンプにゼンマイのエネルギーを供給するとともに、各歯車へとテンプの往復運動を伝えて制御させる橋渡しのような役割を有しますが、構造上、どうしてもパーツが摩耗しやすくなります。
オメガではコーアクシャル脱進機によってこれを低減させ、オーバーホールのスパンを大きく延長させました。
マスタークロノメーターはオメガとスイス連邦計量・認定局(METAS)が共同で開発した時計に関する規格です。
クロノメーター認定機(クロノメーターは、時計の精度に関する規格)を対象に、8つの厳格なテストを突破した時計に対して与えられるマスタークロノメーター。とりわけ15000ガウスもの耐磁性能は、業界トップクラスとなっております。
磁気は、機械式時計にとっては大敵。時計の不具合の要因として非常に多い磁気帯び、近年各メーカーは対策を採っているところですが、マスタークロノメーターの高磁場下の想定は、なかなか真似できるものではありません。
このコーアクシャルおよびマスタークロノメーターをオメガは現行モデルの多くに搭載していることも、特筆すべき点です。
このように華やかなストーリーと確かな性能。
男心をくすぐるロマンに溢れた時計メーカーとして、オメガは絶大な人気を誇るブランドです。
オメガ スピードマスター プロフェッショナル ムーンウォッチ
オメガのフラグシップと言えば、スピードマスター プロフェッショナルです!
1957年に誕生した同コレクションは、「スピードマスター」の名前通り、当時世界を熱狂させたモータースポーツでの使用を視野に入れたクロノグラフでした。
しかしながら「宇宙開発」「月面着陸」の印象もまた、強いのではないでしょうか。
そう、スピードマスター プロフェッショナルは1965年よりNASAの公式装備品に認定され、実際のミッション下で活躍しています。モータースポーツを前提とした堅牢かつ信頼性高いスピードマスターは、宇宙開発という分野でも重宝されたのでしょう。
とりわけ1969年のアポロ11号ミッションの月面着陸に携行されたこと。アポロ13号ミッションの、酸素爆発からの帰還時にスピードマスターのクロノグラフが時間計測で用いられたことは、華々しいストーリーです。
ちなみにスピードマスター プロフェッショナルは誕生から今に至るまで手巻きクロノグラフが踏襲されています。
これは、初代から搭載されているCal.321―名門レマニア社が開発に携わった名機―を長らく踏襲し続けたこと。宇宙空間では自動巻きのローターが巻き上がりづらいと言われていることなど様々な背景があるかもしれませんが、「手巻き」という機構がカルト的な人気の理由の一つになっていることでしょう。
誕生から60年以上も経過するスピードマスター プロフェッショナルも、現在は第八世代へ。
2021年に発表された最新スピードマスター プロフェッショナルはついにコーアクシャル脱進機&マスタークロノメーター化したこともあり、いっそうの注目度を集めています。
スピードマスター プロフェッショナル ムーンウォッチ 310.30.42.50.01.001
素材:ステンレススティール
ケースサイズ:直径42mm×厚さ13.2mm
駆動方式:手巻き
ムーブメント:Cal.3861/パワーリザーブ約50時間
防水性:5気圧
定価:880,000円(税込)
スピードマスター プロフェッショナル ムーンウォッチ 310.30.42.50.01.002
素材:ステンレススティール
ケースサイズ:直径42mm×厚さ13.2mm
駆動方式:手巻き
ムーブメント:Cal.3861/パワーリザーブ約50時間
防水性:5気圧
定価:990,000円(税込)
ちなみにスピードマスター プロフェッショナルは基幹モデルにリファレンスが末尾違いの二つがあります。
末尾02の方は、サファイアクリスタルガラス(01は硬化プラスチック)の加えて、シースルーバックが採用されていることがポイントです。
手巻きはローターがない分、クロノグラフ機構を鑑賞できるのが嬉しいですね。
オメガ シーマスター ダイバー300M
もう一つ、スピードマスターと並んでオメガに欠かせないコレクションがシーマスターです。
シーマスターは1948年に登場した、タウンユースに向けた防水腕時計です。
しかしながらスピードマスター誕生と時を同じくした1957年。オメガ初の本格ダイバーズウォッチとしてリリース。以来、ロレックスのサブマリーナーと並んで高級ダイバーズウォッチを代表する存在となっております。
シーマスターは、本当に種類が豊富です。
初代本格ダイバーズウォッチをリバイバルした「シーマスター300」。600m防水を誇る「シーマスター プラネットオーシャン」。あるいはエレガントな「シーマスター アクアテラ」・・・
そんな中でも幅広い年齢層から支持を集める、「シーマスター ダイバー300M」はいかがでしょうか。
光沢あるセラミックベゼルに文字盤、そして300m防水と堅牢ながらスタイリッシュな外装は、オメガらしい逸品に仕上がっております。
もちろんコーアクシャル脱進機&マスタクロノメーター認定機ですので、日常使いにも万全ですね。
シーマスター ダイバー300M 210.32.42.20.01.001
素材:ステンレススティール
ケースサイズ:直径42mm×厚さ13.6mm
駆動方式:手巻き
ムーブメント:Cal.8800/パワーリザーブ約55時間
防水性:30気圧
定価:693,000円(税込)
シーマスター ダイバー300M 210.30.42.20.03.001
素材:ステンレススティール
ケースサイズ:直径42mm×厚さ13.6mm
駆動方式:手巻き
ムーブメント:Cal.8800/パワーリザーブ約55時間
防水性:30気圧
定価:748,000円(税込)
買うならこれ!いまどき高級腕時計名鑑 -チューダー(チュードル)-
出典:https://www.tudorwatch.com/ja
最後にご紹介するのは、飛ぶ鳥落とす勢いで人気を拡大し続けているチューダーです!
ロレックスのディフュージョンブランド(普及を目的とした廉価ブランドのこと)として、ロレックスの創始者ハンス・ウィルスドルフ氏より創業されたチューダー。ロレックスがイギリス市場での販路拡大を目指して立ち上げました。
そのため、ブランド名はイングランド王国およびアイルランド王国に存在していた王朝にちなんでいます。ヘンリー8世やエリザベス1世等を輩出した名門チューダー家の名を冠することで、高貴なイメージを湛えつつも、イギリスで親しまれることを願ったのでしょう。
さすが、マーケティングに長けたロレックスですね。
ちなみに現在でもリューズに残る薔薇は、チューダー家の紋章でした。
ロレックスのディフュージョンブランドとしてチューダーは、ロレックス由来の優れた防水ケースや堅牢なバックルなどといった外装パーツを用いつつも、汎用ムーブメントを搭載させることで低価格帯を実現してきました。
昔のモデルには、裏蓋に「ORIGINAL OYSTER CASE BY ROLEX GENEVE」といった刻印や、ロレックスの王冠マークが残る個体も珍しくありません。
一方で、ロレックスとは違ったディテールを持つことで、差別化を図ってきたこともチューダーならではです。
とりわけ近年ではロレックスでは見られないデザイン・コンセプトを独自に展開することで、チューダーファンを確実に増やし続けてきています。
もちろん日本でも、この勢いはひとしお。
2018年より本格的に正規展開を行ったことを皮切りに知名度は高まり、人気もまた急上昇することとなりました。
なお、チューダーは相も変わらず高品質と良心的な価格設定を両立しています。
円安の時代においても、国内定価は30万円台~50万円台がプライスレンジ。チューダークラスのブランドでこの価格は、本当に良心的と言わざるをえません。
一方で人気モデルは供給を上回る需要によって価格高騰。さすがロレックスの兄弟ブランドと言うべきか、プレミア価格で売買されるモデルも多々あります。
とは言え手に入れやすい価格帯のモデルも、もちろん多いので、どれを買うべきか迷ったら、一度候補に入れてみましょう!
チューダー ブラックベイ58
出典:https://www.tudorwatch.com/ja
チューダーの代表コレクションは、ブラックベイです。
ブラックベイは2012年に誕生しました。チューダーの長い歴史から見ると結構最近ですが、1970年代の同社の「サブマリーナー」の中で採用されていた、イカ針を有する通称イカサブから範を取ったと言われているコレクションです。
ちなみにサブマリーナーはロレックスの同名コレクションへのオマージュですが、イカサブ始めチューダーらしさが存分に味わえる往年の名作ちなっております。
ブラックベイにもさらにバリエーションが展開されていますが、「いまどき・買い時」と言ったらやはりブラックベイ58でしょう。
ブラックベイ58は、2018年に誕生しました。
1958年に登場したRef.7924「ビッグ クラウン」から58の数字が採られています。
ビッグ クラウンはチューダーのダイバーズウォッチで初めて200m防水を獲得したモデルで、かつケース直径39mmサイズであったことが特徴です。
現行ブラックベイ58もまたケース直径39mmなのですが、このサイズ感が大受け!デザイン性・機能性の高さも相まって、チューダーを代表する人気モデルかつ価格高騰モデルとなっております。
ブラックベイ58 79030N
素材:ステンレススティール
ケースサイズ:直径39mm×厚さ12mm
文字盤:ブラック
ムーブメント:自動巻き Cal.MT5042/パワーリザーブ約70時間
防水性:200m
定価:460,900円(税込)
②ブラックベイ58 79030B
素材:ステンレススティール
ケースサイズ:直径39mm×厚さ12mm
文字盤:ブルー
ムーブメント:自動巻き Cal.MT5042/パワーリザーブ約70時間
防水性:200m
定価:460,900円(税込)
チューダー ブラックベイ セラミック 79210CNU
オールブラックが精悍なブラックベイ セラミック Ref.79210CNU。
2021年に発表されたモデルですが、ブラック基調のインパクト抜群なデザインもさることながら、なんとマスタークロノメーター認定機としてリリースされたことで、大きな話題となりました。
前項のオメガでご紹介した、マスタクロノメーター。
オメガとMETASによって設立された腕時計の認定で、15,000ガウスの耐磁性能を始めとした高性能で知られています。
これまではオメガの独擅場でしたが、2021年にチューダーでも採用!
その記念すべき一本が、こちらのRef.79210CNUというわけです。
シースルーバックから鑑賞できるムーブメントも、特別感に溢れていますね。
このモデルは限定生産ではなく、レギュラーモデル。
つまり、このカッコよくも信頼性高い名機は量産されており、定価も589,600円と、相も変わらず良心的です(もっとも、定価超えの実勢相場が続いていますが・・・)。
チューダーの実力を感じさせる一本となっております。
チューダー ブラックベイ セラミック 79210CNU
ケースサイズ:直径41mm×厚さ14.4mm
素材:ブラックセラミック
文字盤:ブラック
駆動方式:自動巻き
ムーブメント:MT5602-U/パワーリザーブ約70時間
防水性:200m
定価:589,600円(税込)
まとめ
トレンドを加味し、また、人気商品のためご用意のあるときが買いどきのモデルをご紹介させていただきました!
どの腕時計もデザイン・性能ともに一生手元を飾れる逸品です。
とは言え、人の数だけニーズやお気に入りがあるこの時代。
ご自身が欲しい、買いたいと思える一品に出会った瞬間が、いまどき・買いどきなのかもしれません。
文:鶴岡
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この記事を監修してくれた時計博士
新美貴之(にいみ たかゆき)
(一社)日本時計輸入協会認定 CWC ウォッチコーディネーター
高級時計専門店GINZA RASIN 店舗営業部 部長
1975年生まれ 愛知県出身。
大学卒業後、時計専門店に入社。ロレックス専門店にて販売、仕入れに携わる。 その後、並行輸入商品の幅広い商品の取り扱いや正規代理店での責任者経験。
時計業界歴24年