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IWC, WEBマガジン, その他, デイトナ, ロレックス, 池田裕之, 腕時計選びのためのお勧め記事

ロレックス デイトナ 116500LNを買うなら知っておきたいこと

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ロレックス デイトナ 116500LN

発売から約7年が経過しているにもかかわらず、今なお人気が衰えないロレックスのデイトナ 116500LN。今では「キングオブクロノグラフ」という呼び名をほしいままにしております。

年々需要が高まり続けており、それに比例して相場も急上昇。さらには2023年にデイトナのモデルチェンジによって生産終了したことも相まって、今、最もロレックス市場を賑わせている存在と言って過言ではないでしょう。

 

ロレックスはスポーツモデルを始め、数多くのロングセラーを抱えています。

それらと一線を画すデイトナ 116500LNとは、いったいどのような魅力があるのでしょうか。
高まりすぎた相場にもかかわらず、なぜ「それでも欲しい」という紳士たちが後を絶たないのでしょうか。

この記事では、デイトナ 116500LNの魅力を徹底解剖します!

116500LNのディテールも細かく解説しておりますので、デイトナの購入を検討している方は、ぜひチェックしてみてくださいね。

※掲載する情報は2023年4月現在のものとなります。また、本稿掲載の価格推移グラフは、当店GINZA RASINで販売した中古品価格をもとに平均を算出しております

 

デイトナ 116500LNとはどのような時計か?

①DATA

デイトナ 116500LN

素材:ステンレススティール
ケースサイズ:直径40mm×厚さ12.5mm
駆動方式:自動巻き
ムーブメント:Cal.4130
パワーリザーブ:約72時間
防水性:100m
定価:1,757,800円

 

②概要

デイトナ 116500LNは、2016年のバーゼルワールドでリリースされました。

1963年に誕生したデイトナの第6世代にあたり、スポーツロレックスの最上位モデルとなります。

 

基本的なスペックは前世代から受け継がれています。

第5世代 116520で達成した完全自社製ムーブメントCal.4130を搭載。ちなみに第4世代のデイトナ 16520までは、ゼニスのエルプリメロをベースにしたCal.4030が搭載されていました。

ムーブメントが同一ですので、ケース厚や重量に大きな違いはありません。

ロレックス デイトナ

116520→116500LNのモデルチェンジで最も大きく変わったものであり、116500LNの人気を決定づけたものと言えば、セラクロムベゼルです。

詳細は後述しますが、セラクロムベゼルは近年ロレックスが順次スポーツロレックスに搭載させている仕様で、セラミックをベースにロレックスが開発・特許取得したハイテク素材です。

セラクロムベゼルは従来のメタル素材に比べて傷つきづらく耐蝕性・耐紫外線性に富み、経年劣化に強いといった特性を持ちます。

さらにメモリ部分をプラチナコーティングすることで、タキメーター(ベゼル部分のメモリ)の視認性を高めるだけでなく、デイトナにふさわしい光沢感・クラス感を備えることとなりました。

なお、116500LNより、リファレンスにアルファベットが付くようになりましたが、これはLunette Noir―フランス語で黒いベゼル―の略称と言われています。

ホワイトダイアル

左:新型Ref.116500LN/右:旧型Ref.116520

また、116500LNの白文字盤の方はベゼルだけでなくインダイアルにも黒みが備わり、よりメリハリのある顔立ちに仕上がります。

ちなみに12時位置のダイアルプリントもマイナーチェンジが加えられており(白・黒文字盤ともに)、アプライドになってより立体感・高級感が増していますね。

ダイアルのプリント
左 :新型116500LN / 右 :旧型116520

 

冒頭でも言及したように、116500LNはデイトナ史上、かつてない人気を博しています

もちろん歴代デイトナは非常に需要が高く、116520にしろ、その前の16520にしろ、定価を超えるプレ値が付いてはいました。

でも、116500LNほど、白熱していなかったようにも思います。

116500LNはリリース直後から当店にも膨大なお問い合わせを頂いており、当初から注目度がきわめて高かったことを表していますね。誕生当時は「相場が200万円超えるか?」「180万円くらいか?」などと言われていましたが、現在その予測を大きく裏切る結果になっているのはご存知の通り(詳細は、後述する相場の項でお伝えいたします)。

 

さらには2023年―公式ではデイトナ誕生60周年の節目―に、ロレックスがデイトナをフルモデルチェンジしたことで126500LNが現行となり、116500LNは生産終了となりました。これに伴い、ムーブメントもCal.4130からCal.4131へとアップデートを果たしています。

ロレックス デイトナ 126500LN

出典:https://www.rolex.com/ja

新型デイトナ 126500LNは基本デザインは116500LNを踏襲しています。また、ムーブメントもCal.4131というナンバリングから、マイナーチェンジであることがわかります。このように新旧で大きな違いがない場合、相場への影響は少ないケースも多いのですが、そこはデイトナ 116500LN。生産終了後からお問合せは増え、価格もジワジワとですが、上昇しつつあります。

 

なぜデイトナ 116500LNはこれほどまでに高い相場を維持し、かつ買い控えが見られないのでしょうか。

116500LNは、なぜいつも我々を魅了するのでしょうか。

次項ではデイトナ 116500LNについて、徹底解説していきます!

 

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デイトナ 116500LNのディテールの解説とレビュー

次に、実際にデイトナ 116500LNの画像を用いて、ディテールの解説とそのレビューを行います。

 

①セラクロムベゼル

デイトナ 116500LN

デイトナ 116500LNを語る時、何をおいてもセラクロムベゼルでしょう。

デイトナ自体がレーシーなデザインでかっこいいのですが、やはりセラクロムベゼルによってさらにイケメン顔となったと言えるのではないでしょうか。

 

このセラクロムベゼル、デイトナ初搭載、というわけではありません。

2005年にGMTマスターII 116718LNで採用されて以降、様々なスポーツロレックスのベゼルを彩ってきましたが、デイトナ初は2011年リリースのエバーローズゴールド製116515LNでした。

さらにその二年後、デイトナ50周年を祝して初プラチナモデルRef.116506が登場します。

デイトナ 116506

デイトナ 116506

プラチナという特別感溢れる貴金属をダイナミックに使用した大胆さもさることながら、チェスナット(栗色)カラーのセラクロムベゼルと、清涼感のあるアイスブルー文字盤のカラーリングが非常に印象的。この個体は今なおロレックス随一のプレミアモデルとして君臨しています。

こういった背景を経て、2016年、SSデイトナ116500LNでもセラクロムベゼルの採用に至りました。

 

ちなみにデイトナはスポーツロレックスには珍しく、ケース・文字盤の素材バリエーションが豊富です。

ベゼルについても、ケースと同一のメタルベゼルとセラクロムベゼルがラインナップに並行して存在している形ですが、どちらかと言えばセラクロムベゼルに人気の軍配が上がるところを見ると、その実力のほどが伺えます(もちろん精悍なメタルベゼルもよく売れるデザインです)。

デイトナ 116500LN

このセラクロム、前述の通りロレックスの特許取得素材なのですが、独特の光沢感がデイトナのかっこよさと非常によくマッチしています。

セラミックは現在時計業界ではかなりメジャーな素材の一つで、ベゼルのみならずケースやブレスレットに採用するブランドは少なくありません。

セラミックはステンレススティールやゴールドといった伝統的な金属と異なり、傷つきづらい・紫外線で変色しづらい・錆びづらいといった特性があります。また、耐金属アレルギー性に富むことでも知られています。

腕時計は腕を振った拍子に何かにぶつけてしまったり、あるいは意識のないまま小傷が付いていたりしてしまいがち。そんな悩みを解消してくれるとあって、近年各メーカーが意欲的に採用している素材なのです。

ただ、セラミックはともすればカジュアルになりすぎる、と言ったきらいがあります。
そこでロレックスでは独自技術によってプラチナコーティングを行い、デイトナにふさわしい高級感・光沢を身につけました。

ちなみにセラクロムベゼルを一つ製造するのに、約40時間かかるとか。手間暇かけて作られていることがわかりますね。

デイトナ 116500LN

繰り返しになりますが、このセラクロムベゼルの高級感こそが、デイトナ 116500LNの醍醐味でしょう。

文字盤自体が十分な広さを採っており、サファイアクリスタルガラスの面積が大きい、ということもあるでしょうが、光を受けてきらっと輝く様は結構目立ちます。

仕事柄、お会いする方の腕元に目がいきがちなのですが、116500LNを着けている方はすぐにわかります

「あ、デイトナだ!」とすぐに思います。

つまり、セラクロムベゼルによってロレックス デイトナのステータス性がより強調されていると言えるでしょう。

 

なお、セラミックは一定方向の強い力に弱い、と言われており、激しい衝撃が加わると割れてしまうことがあります。

しかしながら116500LNのベゼルだけが割れた、というケースを私は知りません。そもそもそれだけ強い衝撃を与えれば、内部機構から不具合が発生するものですが・・・

そのため、実用性・デザイン性・ステータス性全てを担保する、超優秀なベゼルであることは間違いないでしょう。

デイトナ 116500LN

ちなみに、デイトナのイケメン顔に一役買う、ベゼルのタキメーター。これは1963年の誕生以来、いくつかのマイナーチェンジを経ております。

現行116500LNのタキメーターバージョンは16520以来から踏襲されている、「UNITS PER HOUR」表記が1時位置に来るタイプで、計測範囲は時速400km~60kmまで。

また、それぞれのキロ数値に逆三角形およびバー、そして100~60までに風防に沿ってサークルが描かれた意匠は、現行の金無垢デイトナと同一のものとなります。

 

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②ケースやブレスレット、そして着用感

デイトナ 116500LN

デイトナが、なぜクロノグラフの王者と呼ばれるのか。

その理由の一つは、完成された外装デザインにあるのではないでしょうか。

先ほどセラクロムベゼルについて取り上げましたが、もう一つデイトナのデザインを作り上げているもの。当然ながらケースとブレスレットなのですが、ロレックスは本当に「洗練された」「上品な」という修辞が似合う外装を誇ります。

デイトナ 116500LN サイド

ケースサイドから見て頂くとより鮮明におわかり頂けるでしょう。
ケース厚も、ブレスレット自体も、きわめて薄く製造されています。

「薄い」とは言えスポーツモデルですので、ケース厚は12mmほどありますし、ケース直径も40mmとスタンダード。でも、その厚みや大きさを感じさせないフォルムなのです!!

それでいて100m防水があるとは・・・同じ100m防水の他社モデルと比べてみても、デイトナは一切の武骨さがありません。

ロレックス デイトナ 116500LN

外装は116500LNだけでなく、116520や16520、あるいはエクスプローラーIやGMTマスターIIなどといった他のスポーツロレックスにも言えることなのですが、派手さはないのに本当によく作りこまれていて、サイズ感よりもずっとスタイリッシュに見えてしまいます。

仕上げ自体はポリッシュとサテンを組み合わせたスタンダードなものなのですが、荒っぽさは一切なく、また、ケースやコマが若干湾曲している造りのため、腕にもジャストフィットします。

デイトナ 116500LN

「薄い」「スタイリッシュ」とはいえステンレススティール製ですので、重量は140gちょっとと、通常のスポーツモデルと同程度。

でも、腕に良い感じにフィットするので、これまたそこまで重さを感じないでしょう。

実際、デイトナ 116500LNをご試着されて、「より欲しくなった」という方が少なくありません。

前述した「光沢」「高級感」と併せて、本当に「よくこの姿で生まれてきてくれました!!」と言いたいです。

 

なお、バックルは2015年頃から採用され始めた内部がポリッシュ仕上げの新クラスプとなっております。

ロレックス クラスプ

 

ロレックス クラスプ

116520だと後期の製造個体で確認されるものですね。

高級感があるだけでなく堅牢で、しっかりとハマって落下のリスクが低減された実用性高いものとなっており、ロレックスが「実用時計の王者」であることを、改めて感じさせる一幕です。

 

③ムーブメント

ロレックス Cal.4130

ロレックスは今時珍しく、シースルーバックを採用していません(ただし2023年、プラチナ製デイトナで実現しました)。あくまで実用時計であり続けることに、こだわっているのでしょう。

とは言え、そこはロレックス。ムーブメント一つとっても、ストーリーがあります。

 

先ほど概要欄でもご紹介したように、116500LNには116520と同一である、完全自社製ムーブメントCal.4130が搭載されています。このCal.4030、誕生当初から今に至るまで傑作機の呼び声高く、「もはや改良の余地なし」とまで称されてきました。

では、いったいどんなムーブメントなのでしょうか。

ちなみに1988年~2000年まで製造されたデイトナ第四世代 16520までは、ゼニスのエル・プリメロをベースにしたCal.4030がロレックス唯一のクロノグラフ機として用いられていました。当然現行品の方がスペックアップされているのですが、あえてエル・プリメロを搭載したデイトナの方をご購入されるロレックス愛好家はかなりの数いらっしゃいます。

ロレックス Cal.4030

※16520まで搭載されていたCal.4030

Cal.4130は4030と比べて、具体的に何が異なるのでしょうか。

Cal.4030ベースのエルプリメロは「ハイビート」が売りのムーブメントです。

このビートというのはテンプの振動数で、ここが速ければ速いほど高精度を叩き出すことが可能です。エルプリメロは36,000振動/時(1秒間に10振動)で、時計業界ではきわめてハイビートと言えます。そのため16520に搭載されていたCal.4030はハイビートゆえに高精度だったのですが、やや大きく肉厚という弱点を抱えていました。また、製造工程が複雑で、効率的な量産化という面で欠点があったとも言います。

 

そこでCal.4130では、クロノグラフ機構に関わるパーツを約60%削減し、さらにその他機構をダウンサイジング。

振動数を28,800振動/時(1秒間に8振動)に落とし、代わってパワーリザーブを従来の54時間から約72時間と、大幅に延長することに成功しました。

さらに今ではロレックスのムーブメントの主流となっているパラクロムヒゲゼンマイを初めて用い、耐磁性を高めたことも特筆すべき点となります(2007年頃から、ブルーに着色したブルーパラクロム・ヒゲゼンマイへとマイナーチェンジ)。

機械式時計 ヒゲゼンマイ

https://www.rolex.com/ja/watches/rolex-watchmaking/new-calibre-3255.html

ちなみにこの「約3日間」のロングパワーリザーブ。

今でこそ一種のスタンダードになっていますが、Cal.4130がリリースされた2000年当時はまだ2日程度が主流の時代です。この当時から、「土日に時計を外していても、月曜にまた動いている」という常識を覆した、ロレックスの先見性には驚かされます。

 

デイトナ 116500LN

なお、キャリバーは同一ですが、116520と116500LNで全く同じ機械が使われているかと言うと、厳密には違います。

ロレックスは2015年より、LiGA(Lithography Galvonoplasty)と呼ばれるミクロの加工技術によってパーツをチューンアップさせています。また、前述の通り2007年頃から、ヒゲゼンマイはブルーパラクロム・ヒゲゼンマイへと変更が加えられました。さらに独自の高精度クロノメーター規格(Superlative Chronometer)を用い、通常のCOSC(クロノメーター)よりもさらに厳格な検査に通った機械のみを製品化させたりと、ムーブメントの精度・信頼性・実用性の改良に余念がありません。

 

このようにCal.4130は、きわめて優れた自動巻きクロノグラフです。

そのため2023年のモデルチェンジの折も、全く異なるムーブメントに載せ替えされたのではなく、ロレックス曰く「前身のキャリバー 4130が備えていたすべての技術を採用し、さらに向上」させた、Cal.4131が誕生することとなりました。

すなわち、116500LNに搭載されているムーブメントは生産終了した今なお最先端であり、ロレックスの革新的な技術の粋が詰まっていると言えるでしょう。

 

もっとも、Cal.4130が誕生する以前のムーブメントが粗悪であるとか、そういった事実はありません。

むしろクロノグラフに限らずロレックスは年式の古い個体でもメンテナンスさえきちんと行えば問題なく普段使いできるものがほとんどで、これまたロレックスの実力の程が伺えるエピソードとなっています。

 

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デイトナ 116500LNは黒文字盤と白文字盤どちらが人気か?

ロレックス デイトナ

デイトナ 116500LNのバリエーションは、黒文字盤か白文字盤の二択です。
そして、116520まではデイトナの人気カラーと言えば、間違いなく黒文字盤の方に軍配が上がりました。

しかしながら116500LNでは、その逆転現象が起きています。
すなわち、白文字盤の方が黒文字盤よりも人気を博しているのです。

ロレックス デイトナ

エクスプローラーIIなど、黒・白のツーラインである場合、そう大きく人気に差がつかないものです。どちらも使いやすく、定番のカラーリングであるためです。

しかしながらことデイトナとなると別。
発売当初から白文字盤への注目度が目立って高まっており、その勢いが途絶えていません。

定価も一緒ですし、カラーは好みの問題ではあります。
ただ、黒×白のコントラストが抜群に映えており、これまでのどのデイトナとも違った雰囲気が白文字盤の人気の理由の一つでしょう。

 

この人気の差は、実勢相場にも影響が出ており、白文字盤の方が発売以来ずっと黒文字盤よりも高値をキープしていました。

ロレックス コスモグラフデイトナ

※歴代デイトナ 黒文字盤

一方で黒文字盤が不人気だとか、そんなことは一切ありません。

黒の使いやすさや、近年「オールブラック」が時計業界の流行りの一つになっていることなども相まって、白文字盤同様、大変よく売れるモデルです。

むしろ、現在では相場が上がりすぎてしまった白文字盤よりもまだ「お値打ち感」があるとして、黒文字盤の方に買いが集中している傾向も見られます。

黒文字盤・白文字盤ともにスペックやカッコよさは変わりませんので、ぜひ欲しい方を買いましょう!

 

 

デイトナ 116500LN 実勢相場と今後の予測

①デイトナ 116500LN 黒文字盤

デイトナ 116500LN

定価:1,757,800円

中古相場:380万円台~430万円前後

なお、デイトナ 116500LN 黒文字盤の、過去の価格推移は下記の通りです。当店GINZA RASINで販売した中古品価格をもとに、各年度の平均を算出しております(ただし2023年は2月末までの平均となります)。

 

 

付属品 平均相場
2017年 箱/保証書 有 2,011,000円
2018年 箱/保証書 有 2,305,000円
2019年 箱/保証書 有 2,591,000円
2020年 箱/保証書 有 2,657,000円
2021年 箱/保証書 有 3,469,000円
2022年 箱/保証書 有 4,465,000円
2023年 箱/保証書 有 4,228,000円

 

②デイトナ 116500LN 白文字盤

デイトナ 116500LN

定価:1,757,800円

中古相場:430万円前後~480万円前後

白文字盤の方の、価格推移は下記の通りです。

 

 

付属品 平均相場
2017年 箱/保証書 有 2,137,000円
2018年 箱/保証書 有 2,516,000円
2019年 箱/保証書 有 2,800,000円
2020年 箱/保証書 有 2,931,000円
2021年 箱/保証書 有 3,985,000円
2022年 箱/保証書 有 5,262,000円
2023年 箱/保証書 有 4,680,000円

 

何度も述べているように、デイトナ 116500LNは、かつてないほどのプレミア価格を記録し続けています。

もちろん「デイトナの人気ゆえの高い相場」はこれまでも言われてきたことです。

例えば2000年に発売された116520も非常に人気のあるスポーツロレックスで、やはり発売当初から定価を超える実勢相場を維持し続けてきました。それでも、定価より30万円~40万円ほど高い、といった程度の相場高騰であったものです。

一方のデイトナ 116500LN、現在の実勢相場は、黒文字盤で定価の2倍以上、白文字盤に至ってはもはや定価の3倍を間近となっております。

 

なお、2022年の夏頃からデイトナ相場は少しずつ落ち着きを取り戻していました。しかしながら新作見本市のあった2023年3月の前後で、再びの上昇気流となっているのです。

もっともデイトナは多少のアップダウンはあれど、誕生以来、ほぼ右肩上がりの実勢相場を記録してきており、特にイベントなど無くとも高値が続くであろうことは、上記の価格推移グラフからおわかり頂けるでしょう。

ロレックス 新型デイトナ

ちなみに2019年の5~6月頃が最初のピークで、黒文字盤が新品並行相場290万円程度、白文字盤に至っては300万円超えを記録しました。これは、高値がつきやすいステンレススティール製スポーツロレックスの中でも、大変稀有な事例です。

2020年に入って新型コロナウイルスの影響で流通量が減ったり、生産終了の噂が立ったりしたことでさらに急騰。2021年新作発表前夜に当たる3月には、白・黒文字盤ともに400万円を大きく超える実勢相場を記録しました。

そして2022年に入るとこの勢いはさらに加速し、一時期116500LN 黒文字盤は500万円前後、白文字盤は600万円超の相場感が続きました。凄まじいほどですよね。

しかしながら6月あたりからじょじょに下落傾向を見せ、「ようやく落ち着いてきたか」といった声をそこかしこで聞いたものです(そして安寧の日々が終わったことは、前述の通りです)。

 

いずれにせよ、まだまだ定価を大きく超えるプレミア価格であることは言わずもがな。

しかも業界人の中には「下げ止まった」といった声も多く・・・

では、社会情勢などの影響で、今後ロレックス相場は上がるのでしょうか。それとも、下がるのでしょうか。

 

相場の予測ポイントとして、「例年の動向」が挙げられます。

と言うのも、前述した「新作発表」に代表されるように、ロレックス相場のアップダウンはある時期に集中するといった、季節的要因があるのです。

下のグラフは、2018年11月~2022年10月までにかけての、デイトナ 116500LN ホワイト文字盤の価格推移を示したものです。

ほぼ右肩上がりに上昇していることが見て取れますが、この「上昇のタイミング」が顕著な時期があります。

それは11月から夏にかけてです。これは、2018年~2022年にかけて、ほぼ毎年見受けられる現象です。

具体的には、2018年11月から翌年6月にかけては8.7%。2019年11月から翌年6月にかけては5.9%。2020年11月から翌年6月にかけては22.4%。そして直近の2022年11月から翌年6月にかけては12.0%の上昇率を記録しています。

さらに期間を細分化すると、下記の通りとなります。

 

2018年11月~2019年3月:13%ダウン

2019年3月~2019年6月:10%アップ

2019年11月~2020年3月:6%ダウン

2020年3月~2020年6月:6.4%アップ

2020年11月~2021年3月:14%アップ

2021年3月~2021年6月:9.5%アップ

2021年11月~2022年3月:21%アップ

2022年3月~2022年6月:11.7%アップ

 

すなわち、2020年以降は期間全体で価格上昇が見受けられますが、とりわけ年末商戦から新作発表時期にかけての上昇率が高いことを確認できます。

ロレックス相場は、年末のボーナスやクリスマスシーズンに上昇しやすい、といった傾向はもともとありました。

これに加えて近年では、新作発表時期に「モデルチェンジするであろう個体」への買いが集中する、といった動向も見受けられます。「生産終了したモデルの相場は上昇する」。これは昔からあるロレックスならではの現象ですが、近年ではこの傾向が加速し、新作発表時期の2月末から3月にかけて、特定モデルに対しての需要が狂騒的なまでに高まるのです。

 

果たしてデイトナは2023年、「モデルチェンジ」したことに伴い、116500LNは生産終了。これによって2023年3月~夏にかけてさらに上昇するのではないか、と見込まれます。

前述の通り、116500LNがリリースされたのは2016年です。

決して流通量は少なくないのですが、製造期間はわずか7年ほどということを鑑みれば、現在の世界的な需要には追い付きません。新作の出回りが始まってみなくてはわからない面もありますが、生産終了で「品薄」が決定打となった116500LNにおいては、いっそうの価格高騰のシナリオは十分予測できるのではないでしょうか。

なお、2023年のこれから、歴代デイトナでさらに2割ほど価格が上昇するのでは、と、当店の時計バイヤーは語ります。

 

相場は水物なので考察の範囲を出ませんが、実はデイトナに限らず、ロレックスの流通量に関して気になる事項があります。

ロレックスの流通量が、今なお決して豊富ではないです。

ロレックス デイトナ 116500LN

その理由は二つあります。

一つ目は、前述の通り今なお色濃く影響している新型コロナウイルスのによって、依然として新品流通量が増えていないこと。

2020年3月16日より、スイス国内での新型コロナウイルス感染拡大を受けて、ロレックスは工場の一時閉鎖を行いました。これによって一部報道では、2020年の製造個数は90万を下回るのでは、と言われています。

この影響は今なお色濃く、決して流通が潤沢とは言えない状況です。

ロレックスマラソン 六本木

さらに二つ目の理由として、2019年11月より本格的に開始された、ロレックスの転売対策も挙げられます。

ロレックスの魅力の一つは「資産価値が高い」ことですが、上がりすぎた実勢相場は、「正規店で定価で買ったデイトナを、時計買取店に持ち込む」といったロレックス投資を喚起することとなりました。

そこでロレックスでは、「販売時に保護シールを剥がす」「販売時に必ずブレスレット調整を行う」などを徹底するとともに、「人気モデルに関しては販売時に身分証明書の提示を求め、同一人に同一型番は5年以内の再購入不可」といった新たなルールを制定し、おいそれと転売ができないように対策を採ったのです。

 

これらの意味するところは、市場からの著しいまでの新品流通量の激減です。

とりわけ後者の転売対策は、「新品であっても保護シールがない」ことから未使用品扱いになったりと、2019年の早い段階から新品相場を上昇させる要因となっていました。

ロレックスの減産で、この品薄がさらに加速する恐れがあります。

 

さらに中古市場が安泰かと言われるとそうではありません。

投資は抜きにしても大人気のデイトナ 116500LN。時計専門店では絶対に在庫を切らせない製品ですので、業者は卸市場のみならず、個人買取で116500LNを仕入れることとなります。デイトナは高くても回転良く売れる商材です。業者間では争奪戦が起きており、どこも「他店より高く」買えることをアピールした結果、個人買取相場は釣り上がり、それが実勢相場にそのまま影響を与えている・・・こんな構図がデイトナ 116500LNでは、とみに強くなっている状況です。

116500LNの生産終了によって、この傾向はいっそう強くなることが予測できるのではないでしょうか。

つまり、結果的に新品にしろ二次流通品にしろ、供給を上回る需要は変わらず、それが相場に反映されて今後さらに上昇すると言えるのです。

 

繰り返しになりますが、今後の相場はあくまで予測・考察の粋を出ず、加えて社会情勢が不確定なご時世ですから、どうなるかは誰にもわかりません。

しかしながら、相場がやや落ち着いた今、買っておくというのは一つの選択肢としてお勧めできます。さらに言うと、何が起こるかわからないデイトナですから、欲しい時が買い時、とも言えますね。

 

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まとめ

ロレックスの一番人気デイトナ 116500LNの魅力について解説いたしました。

2016年の発売以来、常にトップを走り続けてきたモデルです。デザイン・時計としての使い勝手・ステータス・資産価値いずれを取っても文句なしの最強スポーツモデルの魅力をお伝えできたでしょうか。

なお、文中でもご紹介したように、デイトナは「試着してみたらより欲しくなった!」という方が少なくありません。そのため、購入は別にしても、ぜひ一度お手に取って、ご試着だけでもしてみてはいかがでしょうか?

文:鶴岡

 

ロレックスのご購入はこちら

 

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この記事を監修してくれた時計博士

池田裕之(いけだ ひろゆき)

(一社)日本時計輸入協会認定 CWC ウォッチコーディネーター
高級時計専門店GINZA RASIN 買取部門 営業企画部 MD課/買取サロン 課長

39歳 熊本県出身
19歳で上京し、22歳で某ブランド販売店に勤務。 同社の時計フロア勤務期に、高級ブランド腕時計の魅力とその奥深さに感銘を受ける。しばらくは腕時計販売で実績を積み、29歳で腕時計専門店へ転職を決意。銀座ラシンに入社後は時計専門店のスタッフとして販売・買取・仕入れを経験。そして2018年8月、ロレックス専門店オープン時に店長へ就任。時計業界歴17年

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