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GMTマスター, WEBマガジン, サブマリーナ, デイトナ, ミドルクラスのモデル特集, ロレックス, 池田裕之

ロレックス相場研究所より。ついに相場下落がストップ?今買うべき一本を考察

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ここ数年ほどで、大きく相場を上げてきたロレックス。多少のアップダウンはあるものの、過去類を見ないような右肩上がりを記録しており、スポーツモデルに至ってはほとんど全てのモデルで定価を超えるプレミア価格をたたき出しました。

しかしながら2019年6月以降、ロレックスの一部モデルでの相場下落が確認されていましたね。ロレックス相場の最高値は2019年5月~6月初頭。その頃から比べると、モノによっては20万円~40万円近い値下がりとなりました。

「いったいどこまで下がるのか?」と思っていましたが、10月に入ってから、どうも下げ止まりの兆候を見せています

そこで気になるのが、まだ下がるのか、一転再び上昇ラインを描くのか、ということ。ロレックスを本当に欲しいと思ってる方にとっては、最もお得に買える時機を逃したくありませんね。また、全てのモデルが下げ止まっているのか、あるいはまだまだプレミア価格なのかもチェックしたいところ。

この記事では、ロレックス相場の現状や今後の動向、そこから読み解く今買うべき一本を、ロレックス相場に精通したスタッフの監修のもと、考察してみました!

ロレックス 相場研究 価格下落

※ロレックス定価・相場は2019年10月現在のものとなります。
※今後のロレックス相場をお約束するものではございません。参考程度にお読みください。

 

ロレックス相場の現状

2019年6月~9月にかけての、主要モデルの価格推移、すなわち相場状況を確認しましょう。
冒頭でも述べたように、ロレックスの一部モデル―しかも主要モデル―で相場が下がり傾向にありました。
特に下がったのが、ここ一年ほどで価格急騰したモデルです。

 

デイトナ 116500LN ホワイト

デイトナ 116500LN

素材:ステンレススティール
ケースサイズ:直径 40.0mm
全重量:142g
文字盤:ホワイト
インデックス:バー
ムーブメント:Cal.4130
パワーリザーブ:約70時間
防水性能:100m

定価:1,309,000円

ピーク価格:約305万円

現在価格:約270万円

 

デイトナ 116500LN ブラック

ロレックス 116500ln 定価

素材:ステンレススティール
ケースサイズ:直径 40.0mm
全重量:142g
文字盤:ホワイト
インデックス:バー
ムーブメント:Cal.4130
パワーリザーブ:約70時間
防水性能:100m

定価:1,309,000円

ピーク価格:約290万円

現在価格:約250万円

「下がった下がった」と言われるものの、さすがは王者デイトナ。常に定価の2倍以上のプレミア価格をキープしていました。

ちなみに冒頭で「相場が下げ止まりを見せている」とお話しましたが、その先駆けとなり、かつどのモデルよりも早く相場を上昇させつつあるのもまたデイトナです。

ちなみに黒・白文字盤ともに需要が高いですが、白文字盤の方が人気です。

 

GMTマスターII 126710BLRO

GMTマスターII 126710BLRO

素材:ステンレススティール
ケースサイズ:直径 40.0mm
全重量:142g
文字盤:ブラック
インデックス:クロマライト夜光
ムーブメント:Cal.3285
パワーリザーブ:約70時間
防水性能:100m

定価:976,800円

ピーク価格:約236万円

現在価格:約195万円

 

GMTマスターII 126710BLNR

GMTマスターII 126710BLNR

素材:ステンレススティール
ケースサイズ:直径 40.0mm
全重量:142g
文字盤:ブラック
インデックス:クロマライト夜光
ムーブメント:Cal.3285
パワーリザーブ:約70時間
防水性能:100m

定価:976,800円

現在価格:約178万円

 

2018年に赤青ベゼル(ペプシ)、次いで2019年に青黒ベゼル(バッドマン)を引っ提げて登場した126710系のGMTマスターII。

新作は出たばかりの頃は「相場が高くて当然」と言われます。新作は発表後、入荷してすぐは需要が集中するため、相場がぐんと上がるのです。これは、ロレックスのような超絶人気ブランドはもとより、オメガやタグホイヤー、ウブロなど多くの有名ブランドに当てはまる図式です。

しかしながらこのご祝儀的な価格相場は、だいたい入荷から半年ほどすると落ち着いてきます(5月頃国内入荷が始まったとしたら、年末には下がって本来の需要に適した相場になる、ということ)。

そこを、126710、特に赤青ベゼルの126710BLROに至っては、ずっと200万円前後をキープするという驚くべき需要です。投資目的と言うよりも、本当にこの時計が欲しい。そんな需要が明確に存在することを意味します。
このGMTマスターIIは、まだ製造期間一年ほどと流通量の圧倒的少なさも重なり、デイトナを超えるレアロレックスとしても名高いです。

 

GMTマスターII 116710

GMTマスターII 116710LN

素材:ステンレススティール
ケースサイズ:直径 40.0mm
全重量:152g
文字盤:ブラック
インデックス:クロマライト夜光
ムーブメント:Cal.3186
パワーリザーブ:約48時間
防水性能:100m

定価:864,000円

ピーク価格:約177万円

現在価格:約136万円

 

GMTマスターII 116710BLNR

ロレックス 116710BLNR 定価

素材:ステンレススティール
ケースサイズ:直径 40.0mm
全重量:153g
文字盤:ブラック
インデックス:クロマライト夜光
ムーブメント:Cal.3186
パワーリザーブ:約48時間
防水性能:100m

定価:918,000円

ピーク価格:約200万円

現在価格:約183万円

バーゼルワールド2019で、完全に126710系リファレンスに移行され、116710系は現行ラインから姿を消すこととなったGMTマスターII。
ロレックスの価格高騰の図式に「生産終了すると需要が集中し、価格が上がる」というものがありますね。

それに則り、バーゼルワールド2019を契機に廃盤となった116710LNと116710BLNRは一気に価格急騰するのですが、116710LNの方は値上がりが止み、バーゼルワールド前の相場に揺り戻ろうとしています。

 

サブマリーナ 116610LN

サブマリーナ 116610LN

素材:ステンレススティール
ケースサイズ:直径 40.0mm
全重量:159g
文字盤:ブラック
インデックス:クロマライト夜光
ムーブメント:cal.3135
パワーリザーブ:約48時間
防水性能:300m

定価:898,700円

ピーク価格:約140万円

現在価格:約120万円

 

サブマリーナ 116610LV

サブマリーナ 116610LV

素材:ステンレススティール
ケースサイズ:直径 40.0mm
全重量:160g
文字盤:グリーン
インデックス:クロマライト夜光
ムーブメント:cal.3135
パワーリザーブ:約48時間
防水性能:300m

定価:954,800円

ピーク価格:約200万円

現在価格:約160万円

サブマリーナは生産終了品というわけではありませんが、もともと定番の人気機種。とは言え定番のシンプルさゆえかそこまでプレミアモデルと言うわけではなく、ここ一年でデイトナ相場などにつられる形で急騰を続けていました。しかしながら最近落ち着いて、やはり一年前の相場に戻ろうとしています。

 

サブマリーナ ノンデイト 114060

サブマリーナ ノンデイト 114060

素材:ステンレススティール
ケースサイズ:直径 40.0mm
全重量:160g
文字盤:ブラック
インデックス:クロマライト夜光
ムーブメント:Cal.3130
パワーリザーブ:約48時間
防水性能:300m

定価:787,600円

ピーク価格:約113万円

現在価格:約105万円

前述したように、サブマリーナはもともと人気機種とは言え、デイトナやGMTマスターIIなどの人気につられて相場を上げた感はあります。それはノンデイトでより顕著。

ノンデイトはデイトサブマリーナの廉価版といった立ち位置で、安く買えるロレックスの代表格でしたが、同じくデイトナなど超人気機種につられて高騰していました。これが、戻りつつあります。

 

シードゥエラー 126600

シードゥエラー 126600

素材:ステンレススティール
ケースサイズ:直径 43.0mm
全重量:194g
文字盤:ブラック
インデックス:クロマライト夜光
ムーブメント:Cal.3235
パワーリザーブ:約70時間
防水性能:1220m

定価:1,197,900円

ピーク価格:約183万円

現在価格:約154万円

サブマリーナの上位機種にあたるシードゥエラー。ガッツリと分厚いケースは直径43mm×厚さ約15mm!さらに防水性は1220mと、プロフェッショナルモデルとなります。

この大きさが「着ける人を選ぶ」と言われていましたが、むしろデカ厚ブームに上手にのって一躍人気モデルに。

最近では夏が終わったこともあり相場は下落ぎみですが、定価は安定して超えていることがわかります。さらに、2018年にランニングチェンジが行われ、「SWISS MADE」のロゴにクラウンが入る個体が出てきました。

GMTマスターII 126710BLRO

※画像のモデルはシードゥエラーではありません

これによって「ノークラウン」が海外ではジワジワ相場を上げてきているようです。

 

シードゥエラー ディープシー 126660

シードゥエラー ディープシー 126660

素材:ステンレススティール
ケースサイズ:直径 44.0mm
全重量:222g
文字盤:ブラック
インデックス:クロマライト夜光
ムーブメント:Cal.3235
パワーリザーブ:約70時間
防水性能:3900m

定価:1,298,000円

ピーク価格:約156万円

現在価格:約137万円

 

シードゥエラー ディープシー 126660 Dブルー

シードゥエラー ディープシー 126660

素材:ステンレススティール
ケースサイズ:直径 44.0mm
全重量:222g
文字盤:ブラック
インデックス:クロマライト夜光
ムーブメント:Cal.3235
パワーリザーブ:約70時間
防水性能:3900m

定価:1,332,100円

ピーク価格:約190万円

現在価格:約165万円

プロユース仕様のシードゥエラーの、さらに上位機種となるディープシー。3,900mという驚くべきハイスペックさを誇り、ケースサイズは直径44mm×厚さ約18mmというボリュームです。

文字盤カラーが黒とD-BLUEと二色ありますが、後者の方が人気の軍配は上がります。

 

エクスプローラーI 214270

ロレックス 214270 定価

素材:ステンレススティール
ケースサイズ:直径 39.0mm
全重量:136g
文字盤:ブラック
インデックス:クロマライト夜光
ムーブメント:cal.3132
パワーリザーブ:約48時間
防水性能:100m

定価:687,500円

ピーク価格:約85万円

現在価格:約84万円

ロレックスのエントリーモデルとして人気のエクスプローラーIですが、「安く買えるロレックス」的な立ち位置はなくなりました。安定して80万円を超える相場が維持されており、投機目的でご購入される方からは寧ろ「手堅いロレックス」として語られることもしばしばです。

ちなみに214270は2016年にマイナーチェンジしています。

エクスプローラーI 214270 ブラックアウト

こちらの画像は旧型。針が短く、3・6・9には現行と異なり夜光塗料が塗られていません(旧型のインデックス仕様をブラックアウトと呼ぶ)。

エクスプローラーIの214270自体は2010年から製造されており、流通量が豊富なのですが、徐々に状態の良い旧型が稀少になってきたことから、かつて新型より値段が安かった旧型版の相場がジワジワ上がっています。

 

エクスプローラーII 216570 ブラック

ロレックス 216570 定価

素材:ステンレススティール
ケースサイズ:直径 42.0mm
全重量:159g
文字盤:ブラック
インデックス:クロマライト夜光
ムーブメント:Cal.3187
パワーリザーブ:約48時間
防水性能:100m

定価:853,600円

ピーク価格:約107万円

現在価格:約100万円

 

エクスプローラーII 216570 ホワイト

エクスプローラーII 216570

素材:ステンレススティール
ケースサイズ:直径 42.0mm
全重量:159g
文字盤:ホワイト
インデックス:クロマライト夜光
ムーブメント:Cal.3187
パワーリザーブ:約48時間
防水性能:100m

定価:853,600円

ピーク価格:約108万円

現在価格:約103万円

エクスプローラーIの上位モデルにあたるエクスプローラーII。オレンジカラーのビビッドな24時間針、インデックスが直接印字されたメタルベゼルなど、従来のロレックスにはないデザインコードが熱狂的支持を集めます。

こちらもかつては「安く買えるロレックス」でしたが、他のスポーツロレックス人気につられて一躍定価超えの相場に。しかも下げ幅が少ないところを見ると、

モデル自体に魅力が大きく、値崩れしづらいことがわかります。

 

エアキング 116900

ロレックス 116900 定価

素材:ステンレススティール
ケースサイズ:直径 40.0mm
全重量:156g
文字盤:ブラック
インデックス:ミニッツインデックス
ムーブメント:Cal.3131
パワーリザーブ:約48時間
防水性能:100m

定価:654,500円

ピーク価格:約76万円

現在価格:約71万円

デイトナやGMTマスターII、エクスプローラーほどのメインストリームではないものの、ロレックス最古のペットネーム「エアキング」をモデル名に冠したこちらは、大きく相場急騰はしていないものの、着実に価格上昇させてきた一本です。

 

ミルガウス 116400GV

ロレックス 116400GV ブラック 定価

素材:ステンレススティール
ケースサイズ:直径 40.0mm
全重量:152g
文字盤:ブラック
インデックス:クロマライト夜光
ムーブメント:Cal.3131
パワーリザーブ:約48時間
防水性能:100m

定価:864,600円

ピーク価格:約101万円

現在価格:約93万円

「1000ガウス(仏語でミルガウス)もの耐磁性能」を持つ、というコンセプトのもと誕生したミルガウス。エアキング同様、そこまで大きなメインストリームと言うわけではなかったのですが、2018年末~2019年のバーゼルワールド開催前にかけて、にわかに「現行ミルガウスが廃盤して、新型が出る」と言う噂が流れました。

それもあってかジワジワと高騰を見せ、今なお90万円台という堅調な相場をキープしています。来年のバーゼルワールドで新型が出る・・・なんて噂もあってか、このまま再上昇するのでしょうか。

なお、Zブルーダイアルと呼ばれる、ライトブルーカラーのモデルもありますが、黒文字盤と定価は同一で、相場もほとんど変わりません。

 

ロレックス相場の外観

2019年6月~10月にかけてのロレックス相場の推移を見ていただくと、ほとんどの主要モデルで下落傾向にあること。しかしながら、ずっと右肩下がりであったグラフが、下げ止まり、あるいはまた上昇を辿っていることがおわかりいただけるでしょう。

特に「デイトナ」「GMTマスターII」「サブマリーナ」「エクスプローラーI」と言った人気モデルはその傾向がよく見られます。

一方でサブマリーナ ノンデイトやエアキングなどは、確かに下落傾向にありますが、「急落した」と言うよりも「バーゼルワールド前の相場に戻った」と言えるのではないでしょうか。

ただし、以上でご紹介したモデルについて、時計買取店での査定相場はまだ下がっている、という報告もある、ということは気に留めるべき事象ではあります。

 

これに加えて、これまで「ロレックスの価格高騰」で取沙汰されてきたモデルはほとんどがステンレススティール製のスポーツモデルでしたが、ゴールドとのコンビモデル、あるいはオール金無垢モデルの需要が高まり、相場がぐんと上がっている、という現象も確認できます。

最も顕著なものはやはりデイトナ。SSであろうとコンビであろうとオール金無垢であろうとデイトナは王者の貫禄を相場状況でも見せています。

 

デイトナ 116519LN スティール

デイトナ 116519LN

素材:ステンレススティール
ケースサイズ:直径 40.0mm
全重量:160g
文字盤:グレー
インデックス:バー
ムーブメント:Cal.4130
パワーリザーブ:約72時間
防水性能:100m

定価:3,040,000円

 

デイトナ 116509 ブルー

デイトナ 116509 ブルー

素材:ホワイトゴールド
ケースサイズ:直径 40.0mm
全重量:220g
文字盤:ブルー
インデックス:バー
ムーブメント:Cal.4130
パワーリザーブ:約72時間
防水性能:100m

定価:3,962,200円

 

また、これまでロレックス屈指のコンプリケーションとして、スポーツモデルでありながら「知る人ぞ知る」のイメージであったスカイドゥエラーも、文字盤や素材にもよりますが高値傾向です。

 

スカイドゥエラー 326934 ブルー

スカイドゥエラー 326934 ブルー

素材:ステンレススティール
ケースサイズ:直径 42.0mm
全重量:180g
文字盤:ブルー
インデックス:バー
ムーブメント:Cal.9001
パワーリザーブ:約72時間
防水性能:100m

定価:1,520,200円

 

この他にはコンビのサブマリーナ 116613LB、ヨットマスターのエバーローズゴールドモデル 116655などが「相場上昇した金無垢ロレックス」として挙げられます。

なお、アンティークを中心とした生産終了モデルもにわかに高騰。これまではプレミアがついていなかったものの価格が釣り上げられている状態です。

つまり、結局のところ、ロレックス相場は全体としては値上がりしているのです。

では、今後年末から次のバーゼルワールド2020までにかけては、いったいロレックス相場はどのように変遷していくのでしょうか。

 

今後のロレックス相場の考察

今後、ロレックス相場が上がるのか下がるのか。結論から申し上げますと、「相場が上がる」可能性が強い、と見ます。

なぜそう言えるのか。影響が強い4個の要因をご紹介いたします。

 

①消費者の購買スタイルの変遷

デイトナ 116500LN

ロレックスは資産価値の高さがしばしば取沙汰されます。これが、現在の相場上昇の大きな一因になっていると考えます。そのからくりは以下の通りです。

 

機械式時計は、リサイクルとまでは言わなくても、メンテナンスさえ行えば次にほしい人に受け継いでいける資産の役割を持ちます。

そんな機械式時計の中で、ロレックスは特に資産価値が高いと言われています。

品質が良いこと。長年不動の人気があることなどなど・・・その理由は様々ですが、近年では「儲けられること」が資産価値の高さを後押しすることとなりました。と言うのも、相場がどんどん上がるため、今買っておけば将来的に買値より高い金額で売却できる、投機的な側面がフォーカスされるようになったのです。

そうして、消費者のロレックス購買スタイルは、「かっこいいから」「ロレックスが好きだから」に加えて、「資産価値があるから」というものに変遷していくこととなりました。

事実、「使わなくなったらいくらで売れるか?」そんなリセールバリューを考慮してご購入されるお客様が増えてきたように思います。

「このモデル、何年後かには(相場が)上がってるかな?」「来年このモデルが生産終了するって聞いたけど本当?」そんなお問合せをいただくことが、昔に比べて増えてまいりました。

この「ロレックスのリセールバリューを気にする」現象は、時計の売買に慣れた愛好家や転売屋と呼ばれる方々に留まりません。初めてロレックスをご購入されるような、一般消費者の中でも「売った時」を考慮するという購買スタイルが当たり前になってきているのです。

GMTマスターII 16570

メルカリやヤフオクなどと言った、フリーマーケットアプリが発展したこと。前述のように二次流通市場が活性化していることも、この購買スタイルを後押しする要因です。街中の時計専門買取店も、昔に比べて格段に増えましたね。

こういった消費者の新たな購買スタイルが、ロレックスの相場高騰に拍車をかけたことは言うまでもありません。値段が上がれば上がるほど転売の動きが活発となり、巷ではロレックスマラソン(定価超えモデルを定価で買うことを目的に、街中のロレックス正規店を何軒も周ること)なる言葉まで出始めました。
正規店でなくとも、ある並行輸入店で買ったロレックスが、翌日には●万円もアップして買値よりさらに上の売値で売却できた、なんて場合も存在します。

 

この流れの中で、逆に今度は時計店にロレックス在庫が増えるようになった。つまり供給量が需要に迫るという現象が起こりました。

どういうことかと言うと、多数のロレックスが買取店に持ち込まれるようになり、結果として在庫・流通量が増えて価格が下落する、ということです。

これが、相場が下落した大きな要因の一つでしょう。

昨年出たばかりのGMTマスターII 126710BLROや2016年に発売されたデイトナ 116500LNはまだ製造期間は短いため在庫の確保が難しいですが、現在相場が下がり傾向にあるGMTマスターII 116710LNやサブマリーナ116610LNは、比較的息の長いモデルで、流通量は少ないわけではありません。一時期のロレックスバブルの中で、本来はそこまでプレミア化していなかったモデルにも需要が集まり、結果として相場がグングン上がりました。
しかしながらそれを転売する人が増えたことで時計店の在庫が増え、真っ先に「人気だけどわりかし弾数のあるモデル」の流通量が安定し、相場下落の一因になったと考えられます。

しかしながらそこはロレックス。相場が下がれば、こういった投機目的ではなく、本当にロレックスが欲しい層が買いやすくなります。また、「高すぎて買えない」と思っていた方も、この機会に購入を決められますね。

結局のところロレックス人気が落ちたわけではないため、在庫が増えればそのお店に買いが集中し、結果として相場は上がります

ロレックスは上場企業ではないためその売上高と言うのは正確にはわかりませんが、スウォッチグループなどのコングロマリットを超えて、時計専業メーカーの中ではぶっちぎりのナンバーワンです。当店でも、一番人気と言えばロレックスが挙げられます。

この事実だけ見ても、ロレックスが相場を再び大きく上昇させるポテンシャルは十二分です。

 

②時期的要因

エクスプローラーII 216570

高級品全てに言えることですが、年間を通して「相場が上がる時期」「下がる時期」というものがあります。

例えば「二八(にっぱち)」という用語があります。これは2月と8月は、正月後やボーナス後に出費がかさみ、その反動で買い控えが起こる、といったことを表す俗語です。これとは逆に、世の中の金回りが良くなる月もあります。その最たる月が「12月」です。特に高級時計において、12月は最も熱い繁忙期です。

なぜなら12月はボーナスとクリスマスが控えているため。ご自分用にも、プレゼント用にも高級時計へのニーズが最も高まることとなります。

こういった中で、ロレックスのような人気モデルは特に相場が上がる可能性が高くなります。流通量(供給量)は基本的に大きくは変わらないにもかかわらず、需要が高まるためです。

もちろんお店が在庫を多く確保し、結果として回転率が上がってお求めやすい価格になる。あるいは多くのお店で販促キャンペーンを行い、価格競争が起きる。こういった背景から相場を下げることもあるのですが、ボーナス月前などと比べると、上昇傾向となります。

 

③社会情勢

ロレックス GMTマスターII

2019年5月以降、円高傾向が続いてきたことが、ロレックス相場を下げた、とも言われています。ロレックスは海外ブランドですので、為替とは密接にかかわります。特に正規定価に縛られない並行輸入店は、円高になれば価格が下がり、円安になると価格が上がる、という相関関係にあります。

しかしながら最近また円安に振れてきています。今夏の米連邦準備理事会(FRB)の利下げを始め、世界的に金融緩和の向きが強まったことが大きいでしょうか。いずれにせよ、このまま円安が続けば、またロレックス相場が上昇ラインを描くであろうことは容易に想像できます。

加えて、インバウンド景気もまだまだ堅調です。

スイス時計にとって大きなマーケットである香港でのデモ活動によって、高級時計市場は大きな打撃を受けるのではないか、と言われてきました。一方で香港の富裕層や中国人観光客がシンガポールや日本など、別の大きなマーケットへと流出する、とも言われており、事実、先日の国慶節(中国の建国記念日。10/1~10/7までの七日間)では、中国人観光客による消費が各都道府県で盛んに行われていたようです。

こういった社会情勢によって、ロレックス相場が今後上昇の一途を辿る可能性が考えられます。

 

④時計・宝飾品市場も活発

ロレックス デイトナとデイトジャスト

前述した社会情勢で円安やインバウンド景気についてご紹介いたしましたが、かと言って景況感が高まったかと言うとそうでもありません。日本銀行が行う「生活意識に関するアンケート調査」。現在と一年前の景況感の比較では、直近で5期連続で悪化という結果になったようです。

また、米中貿易摩擦や香港の情勢悪化、中東情勢など国際社会でのリスクは高まっており、スイス時計産業にとって大きな市場であった中国経済が鈍化するのではないか。そして世界的な時計・宝飾品需要が減退している、と言った懸念の声は少なくありません。

しかしながら、現状はむしろ逆。時計・宝飾品市場は相変わらず活発で、成長すらしているのです。

事実、ウブロやタグホイヤー、ゼニス、ブルガリを抱えるLVMH(ルイヴィトン・モエヘネシー)グループ。オメガ、ブレゲ、ハリーウィンストンを抱えるスウォッチグループ。あるいはカルティエやIWC、ジャガールクルトを率いるリシュモングループといった、時計・宝飾産業大手コングロマリットは2018年度に軒並み増収増益。LVMHに至っては「さすがに香港情勢を鑑みれば減益するであろう」といった予想とはうらはらに、2019年第3四半期(7~9月)の売上高は17%の伸びという好決算を獲得しました。

つまり、時計・宝飾品を含むファッション産業の市場は堅調と言うことを意味します。

 

また、近年金価格が上昇し続けていることはご存知かもしれませんが、金はリサイクル可能な資源です。そのため金の精製業者やリサイクル市場(ユーズドなどの二次流通市場)がにわかに活気づいており、高価格帯の時計・宝飾製品が広く流通するようになりました。

金価格 上昇

さらに言うと、日本だけに目を向けても、高級時計への需要はかつてないほど盛り上がりを見せており、大手ネットショッピングの楽天やヤフーショッピングのブランド時計ジャンルは、前年比120%以上と大きな伸び率を記録しています。
バッグやジュエリーは伸び悩んでいるところもあるようですが、時計だけが高い成長率を保ち続けているのです。

 

結論~今ロレックスは買いか待ちか?買うならどれ?~

ロレックス デイトナ

ここまでお話したことを簡単にまとめます。

 

ロレックス相場の現状

・2019年6月~9月にかけて一部モデルで相場下落したが、10月に入り下げ止まり

・一部モデルではまた相場が上昇傾向にある

 

今後のロレックス相場

・リセール目的での購入が増え、売買が活性化し、結果として幅広い層がロレックスを買うようになった

・今後迎えるボーナス月に相場を上げる可能性がある

・円安傾向、インバウンド消費の増加

・時計産業はかつてないほど活発

こういったことが起きていると考えられます。

 

 

では、以上を踏まえたうえで、今後のロレックス相場はどのようになっていくのでしょうか。

あくまで考察の域は出ませんが、これまでのような上昇率はないにせよ、今下げ止まっているモデルでも、今後再び高値に一転していくのではないかな、と思います。

また、既に相場上昇に転じているデイトナやGMTマスターIIは、今後まだまだ相場を上げていく、ということも考えられます。
この理由は、在庫があるある言われていますが、市場ではとんと見かけないレアモデルであるためです。

そして近年上がり調子となっている生産終了ロレックスに至っては、まだ上がりそうな勢いです。
時計産業のかつてないほどの成長、および二次流通市場の活性化していること。そして時代が「クラシカル回帰」にあり、往年の過去モデルが注目度を浴びているため、ヴィンテージロレックスの相場のポテンシャルは今なお計り知れないところがあるためです。

ちなみにもともと「レア仕様」と呼ばれる個体(GMTマスターのスティックダイアル、デイトナ16520の逆6、ブラウンアイなど)は超絶プレミア価格でしたが、現在同リファレンスの、なんでもない個体ですら相場をジワジワ上げている現状です。

このように、現行品のみならず生産終了品にまで目を向けると、どんどんロレックス市場が成長していってることがおわかりいただけるでしょう。

※ヴィンテージの個体の見分けは難しいため、具体的なレア仕様についてはこちらをご覧ください。

 

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つまり、ロレックス相場の下落は一時的なものであったと。今後まだ相場を上げるモデルはある。また、従来はプレミア価格ではなかったものも、脚光を浴びつつある、ということが言えます。

サブマリーナ ターノグラフ

では今「買い」のロレックスはどれなのでしょうか。

まだ相場が下がっている、すなわち買いやすい「今」に狙いを定めてモデルを購入するのもいいでしょう。いつまた価格高騰となるかわかりません。サブマリーナ ノンデイトやGMTマスターIIの黒ベゼル116710LNなどは、かつてよりはお買い求めやすくなっています。

一方でデイトナの今後のさらなる成長率に期待して、投機的な意味で買う、というのもアリと言えます。

しかしながら、本来ロレックスは投資対象品ではありません。

オリジナルからほとんど変わらない、長年親しまれてきたデザインアイコンを持ち、かつ完成された機能・性能を持つ、まごうことなき実用時計です。

そのため、本当に欲しい方は相場にかかわらず出会った時に出会った一本を買っておくべきですし、「今これを買うべき」「今は止めるべき」といった答えはないと言えますね。

 

まとめ

ロレックスの最近の価格動向と、今買うべき一本について考察いたしました。
文中では「投機目的のものではない」と述べましたが、そうは言ってもやっぱり自分の時計の相場が上がったら嬉しいものですよね。

相場は長期的に見る必要があります。
そのため、2019年下半期~2020年にかけても、ロレックス相場を追いかけていきたいと思います!

文:鶴岡

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この記事を監修してくれた時計博士

池田裕之(いけだ ひろゆき)

(一社)日本時計輸入協会認定 CWC ウォッチコーディネーター
高級時計専門店GINZA RASIN 買取部門 営業企画部 MD課/買取サロン 課長

39歳 熊本県出身
19歳で上京し、22歳で某ブランド販売店に勤務。 同社の時計フロア勤務期に、高級ブランド腕時計の魅力とその奥深さに感銘を受ける。しばらくは腕時計販売で実績を積み、29歳で腕時計専門店へ転職を決意。銀座ラシンに入社後は時計専門店のスタッフとして販売・買取・仕入れを経験。そして2018年8月、ロレックス専門店オープン時に店長へ就任。時計業界歴17年

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