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WEBマガジン, サブマリーナ, その他, ラグジュアリーモデル特集, ロレックス

ロレックス サブマリーナー「青サブ」を買うなら知っておきたいこと

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みんな大好きロレックス サブマリーナー。ロレックスのみならず、ダイバーズウォッチを代表する存在と言っても過言ではないでしょう。

定番のSSモデルも素敵ですが、爽やかでラグジュアリーな「青サブ」はいかがでしょうか?

青サブは、ゴールドの華やかな輝きとブルーの洗練された美しさによって、サブマリーナーの風格をいっそう高めた至極の一本です。当店でも年間を通して高い人気を誇るモデルとなっており、かく言う私も熱心な青サブファンです。

 

そんな青サブ、いったいどんな歴史を持ち、これまでにどのようなモデルがリリースされてきたのでしょうか。また、近年ロレックス相場の高騰が各種メディアでも取り沙汰されていますが、青サブの実勢相場やリセールバリューは高いのでしょうか。

 

この記事では、ロレックス サブマリーナーの中でも特別な存在である「青サブ」を徹底解説いたします!

ロレックス 青サブマリーナ

※掲載する定価・相場は2023年3月の情報となります。

 

ロレックス サブマリーナー「青サブ」とは

冒頭でも言及している通り、ロレックス サブマリーナーはダイバーズウォッチを代表する存在です。実際、サブマリーナーはダイバーズウォッチというジャンルに大きな影響を与えたと言います。

 

ロレックス サブマリーナーについて簡単に解説すると、1953年に誕生し、翌年のバーゼルワールドでお披露目された超ロングセラーコレクションです。

ロレックスは1926年にオイスターケースを開発することで時計の防水性で他社に先鞭をつけることとなりますが、さらにサブマリーナーによって、初となる100m防水を実現します(ちなみに、初期モデルから既に200m防水でも販売)。加えてこのサブマリーナーは、ダイビングタイムが計測できる回転ベゼルを備えた、当時としてはとても画期的なプロダクトでした。

サブマリーナー発表当時、時計の防水性への研究・開発は各社で進んでいましたが、第二次世界大戦後にスキューバダイビングがレジャーとして普及していくと、ダイビングのための腕時計―すなわちダイバーズウォッチ―のニーズが誕生します。そのため1950年代には様々なブランドがダイバーズウォッチをリリースしますが、ロレックスのサブマリーナーは、その黎明を担った立役者の一人と言えるでしょう(ちなみにブランパンのダイバーズウォッチ「フィフティファゾムス」も1953年にリリースされているため、世界初という言い回しは避けています)。

その後、サブマリーナーはアップデートを繰り返し、現行モデルは300m防水がスタンダードになっていることはご存知の通りです。

 

サブマリーナーの素晴らしい点の一つが、1950年代の初期モデルから大きくデザインを変えていない点です。

一方で基本コードはそのままに、様々なバリエーションを追加しており、青サブもそのうちの一つとなります。

ロレックス サブマリーナ 116613LB

青サブと聞くと「ブルーのベゼルとブルーの文字盤」を持つ個体を指すことが多いですが、さらにこの中でも、素材やリファレンスが多彩です。

 

では「ブルーのベゼルとブルーの文字盤」を持つ青サブがいつロレックス史に誕生したかと言うと、1965年です。1965年から1980年頃まで製造された初代青サブRef.1680/8は、サブマリーナー初のデイト付きモデルであり(ただし同年に、赤サブで有名なSSモデルのRef.1680も誕生)、かつサブマリーナー初のオール金無垢モデルでした。

 

その後、1980年代半ば頃にイエローゴールド×ステンレススティールのコンビ(今で言うところのイエローロレゾール)モデルRef.16803が登場します。

ロレックス 青サブ 16803

1980年頃に既に300m防水のSSモデルRef.16800がリリースされていたこともあり、コンビ青サブRef.16803も、300m防水へとアップデートが果たされました。

 

1989年―ちなみに平成元年―になるとロレックスの基幹ムーブメントとして長らく同社の信頼性を下支えしたCal.3135が登場したことで、サブマリーナーもこれを搭載した第四世代へと突入します。コンビと金無垢青サブもRef.16613及びRef.16618へと進化。ちなみにこの第四世代は、2009年(金無垢は2008年)までと、約20年に渡って製造された超ロングセラーモデルです。

 

そして2008年。ロレックスの名称が商標登録されて100周年にあたるこの年。

サブマリーナーで初めてのホワイトゴールドモデル Ref.116619LBがリリースされますが、これがブルーベゼルにブルー文字盤を備えた、美しく上品な青サブでした。

ロレックス 青サブ 116619LB

 

また、同年に金無垢サブマリーナーもアップデートし、黒サブRef.116618LNと青サブRef.116618LBがコレクションに加わります。

ロレックス 青サブ 116618LB

この2008年発表の三種のサブマリーナーで以て、サブマリーナーにもセラクロムベゼルが搭載されることとなりました。

セラクロムベゼルはベゼルインサートにハイテクセラミックを用いることで、耐傷性と耐食性を獲得したロレックスの特許ベゼルです。スケールにゴールドコーティング(またはプラチナコーティング)が施されており、傷や紫外線への耐性があるのみならず、美しく高級感ある仕上がりをも実現しています。

2005年にGMTマスターIIで初めて搭載されましたが、現在セラクロムベゼルは一部を除き、スポーツロレックスのスタンダードとなっていますね。サブマリーナーでも、2008年についにセラクロムベゼル化が果たされたと言うわけです。

翌2009年にはコンビ青サブでも、Ref.116613LB(およびダイヤモンドインデックスのRef.116613GLB)でセラクロムベゼル化が果たされます。

ロレックス サブマリーナ 116613LB

なお、セラクロムベゼル登場以前は同一リファレンス内にいくつかのカラーが存在していましたが、以降はリファレンスにベゼルカラーを示すアルファベットが追加され、区別されるようになります(アルミベゼルのRef.16610LVは2002年から区別されていましたが)。

 

さらに時代が下って2020年、サブマリーナーコレクションも長年活躍してきたCal.3135から新世代ムーブメントCal.3230へとアップデート。

ロレックス 青サブ 126613LB

青サブもRef.126613LB・Ref.126618LBへと遷移しました。ちなみにホワイトゴールド製青サブは、ブラック文字盤Ref.126619LBとなります。ちなみにこの最新サブマリーナーはケース直径が従来の40mmから41mmへとアップサイジングしたことでも大きな話題となりました。

 

このように、ひとくちに「青サブ」と言っても歴史は長く、リファレンスによってデザインや性能が異なります。さらにリファレンス内でも年代によって仕様が変わることも・・・!

 

そこで次項では、青サブの歴代モデルを掘り下げていきます!

 

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ロレックス 青サブ コンビモデルの系譜

前項でもご紹介した通り、青サブにはイエローゴールド×ステンレススティールのコンビ(イエローロレゾール)と、オール金無垢モデルが存在します。

コンビ・金無垢それぞれを分けて、その系譜と歴代モデルを解説いたします。

まずは青サブでもポピュラーな、コンビモデルの系譜からご紹介いたします!

 

 

①初代コンビ青サブ Ref.16803

ロレックス サブマリーナ デイト 16803

製造期間:1980年代半ば~1988年
ケースサイズ:直径 40mm
搭載ムーブメント:Cal.3035
パワーリザーブ:48時間
防水性能:300m

サブマリーナー初のコンビモデルとして1987年頃に登場したのがRef.16803です。ブルーの他、ブラック文字盤もラインナップされました。Ref.16803はケース・ブレスレットのみならず、ベゼルやリューズ、針・インデックスにもイエローゴールドが使われたラグジュアリーなモデルで、以降、青サブ人気を牽引する存在となっていきます。

ちなみに青サブファンの方から言及頂いたのですが、Ref.16803(この時代の、イエローゴールドが用いられたモデルを中心に)はカレンダーがゴールドがかっており、文字盤のレターカラーとよくマッチしていますね。

ロレックス 青サブ 16803

 

また、前述の通り、1980年にサブマリーナー デイト Ref.16800によってサファイアクリスタルガラスが採用されたことから、300m防水を獲得しています。ラグジュアリーとスポーティーを両立した、傑作モデルと言わざるをえません。

 

搭載するムーブメントはCal.3035です。

28,800振動/時へとテンプの振動数がハイビート化されたことでいっそうの高精度を獲得したこと。またクイックチェンジでデイト操作が可能となったことから、実用面においても進化しています。

 

なお、Ref.16803には経年変化によって文字盤の色合いがブルーとは異なる個体が存在します。

ロレックス サブマリーナ デイト 16803

5桁時代のロレックスのブルー文字盤はこの現象が見受けられる個体が散見され、これがまたこの時代ならではの美しさを湛えます。ちなみに変色理由は年式や、文字盤を製造した工場の違いによって生まれたなどとも言われます。

Ref.16803では、ブルーがバイオレット(パープル)に、時にはグレー(ブルートロピカル)に、あるいはゴールドみを持った変色となる場合もあり、独特の美しさを有します。あくまで経年変化のため、個体によって変色具合が異なり、色味の強さに違いがあるというのもユニークですよね。一目見ただけではブルーダイヤルと大差なく見えるような「色味の弱いバイオレット」から、正面からみても鮮やかな紫にみえる「色味の強いバイオレット」まで、その違いは千差万別。この特別感がコレクター魂を熱く揺さぶるのでしょう。

綺麗に変色した個体は通常個体に比べて非常に高値となり、200万円近い相場となることもあります。

 

また、インデックスがアプライド仕様となったフジツボダイヤルも屈指のレアアイテムです(下の画像は金無垢青サブ Ref.16808のフジツボ個体です)。

ロレックス 青サブ フジツボ

フジツボダイヤルはインデックス枠部分が通常インデックスよりも大きくなっており、夜光塗料の面積がとても小さくなったインデックスをもつ個体のことを指します。王冠マークもアプライドのため、現行とは全く違った顔立ちをお楽しみ頂けるのではないでしょうか。

 

②青サブ Ref.16613

ロレックス サブマリーナ Ref.16613

製造期間:1989年~2009年
ケースサイズ:直径 40mm
搭載ムーブメント:Cal.3135
パワーリザーブ:48時間
防水性能:300m

20年に渡って販売された、超ロングセラーの青サブ Ref.16613は、1989年に誕生しています。

バリエーションの幅も広がり、ブルー・ブラック文字盤の他、Ref.16613SGとして、ダイヤモンドとサファイアをインデックスにセッティングしたラグジュアリーなモデルが、グレーとシャンパン文字盤でラインナップされていました。

ロレックス サブマリーナ デイト 16613

Ref.16613も、カレンダーのゴールドみが良い風合いです。

 

そんなRef.16613の最大の特徴は、Cal.3135を搭載したことでしょう。

ロレックス Cal.3135

ロレックスは1980年代後半から、自社ムーブメントをCal.3000⇒Cal.3100へとアップデートします。デイト付きCal.3135の登場は、Ref.16613と同年にあたる1989年です。2015年以降は順次Cal.3200系へと変遷していくこととなりますが、Cal.3100系の存在によって、ロレックスの実用性や安定性、そして高い信頼性は担保されてきたと言って過言ではありません。

ではCal.3135がどのようなムーブメントかと言うと、Cal.3000系と同様に28,800振動/時のハイビート機であることに加えて、耐久性、そして優れたメンテナンス性を有する傑作機です。

具体的にはテンプの受けがツインブリッジとなりました。またフリースプラングテンプ(ロレックスではマイクロステラナット)によって緻密な精度調整が可能となり、長期に渡って安定的な高精度を維持していきます。実際、ロレックスは年式を経た中古モデルであっても、しっかりとメンテナンスされていれば極めて高い精度を誇ることがほとんどです。さらにロレックスはあまりシースルーバックを採用しませんが、にもかかわらずムーブメントにしっかり仕上げや装飾が施されており、美観も訴求されているというのも、特筆すべき点です。

Cal.3135は時計業界の中でも傑出した名機であるとの呼び声高く、その評価は今なお健在です。

そんなムーブメントを搭載したRef.16613ですから、中古市場でも上質な個体が豊富に出回ります(もっともロレックスは、多くの中古モデルで状態の良さに定評がありますが)。20年に及ぶロングセラーというのも、豊富な流通量を担保しますね。

 

ただし、Ref.16613は長い歴史の中で幾多のアップデートが加えられてきており、年代によって仕様が異なることを覚えておきたいです。

ロレックス 青サブ 16613

※オールトリチウムのRef.16613

例えば2000年前後には夜光塗料がトリチウムからルミノバへと変更。また2003年に偽造防止のため、ガラスに王冠透かしマークが入ります。2007年には同様の目的で、インナーリングにルーレット刻印が施されます。

ケースやブレスレットのブラッシュアップも行われており、1999年にはステンレススティール素材であったバックルもコンビになったり、フラッシュフィット一体型になるなど、耐久性のみならず高級感の向上にも繋がっています。

こういった背景もあり、基本的には高年式な個体ほど価値が高くなる傾向にありますが、一方でポストヴィンテージ(5桁リファレンス時代のロレックスを指してこのように表現することがあります)らしいトリチウム夜光が文字盤・針・ルミナスポイント全てに残っている個体は高値です。いわゆるオールトリチウムですね。特に経年で焼けたトリチウム個体をお探しの方も多いのではないでしょうか。

 

なお、青サブ Ref.16613にも、経年変化でバイオレット(パープル)に色づいた個体が存在します。

ロレックス 青サブ 16613

1990年頃までの初期製造個体に見られるエイジングで、全体的に綺麗に紫がかるほど、市場価値もまた高くなります。

 

グレーがかったブルートロピカル個体も、えも言われぬ魅力を醸し出します。

ロレックス 青サブ 16613

こういった経年変化によるレア個体は「これ!」といった一本に出会うことが難しいため、見つけた時がまさに買い時。

一方でRef.16613自体はよく出回っているので、初めてポストヴィンテージやラグジュアリーなスポーツロレックスを購入しようと思った時、良い選択肢になるのではないでしょうか。

 

③青サブ Ref.116613LB

ロレックス サブマリーナ デイト 116613LB

製造期間:2009年~2020年
ケースサイズ:直径 40mm
搭載ムーブメント:Cal.3135
パワーリザーブ:48時間
防水性能:300m

約20年の長期製造となったRef.16613は2009年にその役目を終え、青サブ コンビの歴史は新モデルRef.116613LBに引き継がれることとなりました。

ケース径やムーブメント、防水性能といったスペック自体は旧青サブから大きな変更は加えられませんでしたが、耐蝕性と耐傷性に優れたセラクロムベゼルをコンビモデルでも採用!先代までのアルミベゼルもヴィンテージらしくてファンは多いものですが、セラクロムによっていっそう洗練されたサブマリーナーになったとも言えますね。

ロレックス 青サブ 116613LB

さらに、ケース直径は40mmのままとは言え、ミドルケースがボリューミーに!これに伴いラグやリューズガードの厚みもアップしたことで、力強い印象になっているのです。インデックスや時分針も大型化しているので、いっそう高い視認性を獲得していることも画像から見て取れますね。ちなみに夜光は従来のルミノバからクロマライトに変遷し、発光時間が約2倍に延長されました。

なお、カレンダーディスクはホワイトとなっております。

 

さらに、ブレスレット・バックルのアップデートも特筆すべき点です。バックルがダイバーズモデル用のグライドロック・エクステンションシステムとなりました。

ロレックス 青サブ 116613LB

工具不要で2cmまでの微調整が可能なバックルとなっており、ダイビングスーツの上からでも脱着が容易であることを想定していますが、実はダイバーズウォッチの日常使いにこそ重宝する機能!ダイバーズウォッチのように重量のあるモデルは、腕回りに対してブレスレットが緩すぎたりきつすぎると装着感が悪くなってしまうものです。この微調整可能なバックルがあれば、より腕にフィットした調整をご自身で行うことができる、ということを示唆しているのです。さすが実用性に一家言持つロレックスですね!

また、ブレスレットの中空だったセンターリンクも、無垢材のソリッドパーツとなることで、堅牢性が増しています。

 

ムーブメントは先代Ref.16613から引き続きCal.3135が搭載されますが、ブルーパラクロムヒゲゼンマイへとアップデートされているのがミソ!

ブルーパラクロムヒゲゼンマイは、2005年にGMTマスターII 116718LNとともに発表された、ロレックスの特許技術による精密パーツです。ムーブメントのヒゲゼンマイと呼ばれるパーツは機械式時計の精度の要である一方で、とても繊細。ロレックスでは2000年に開発した独自合金「パラクロム」を素材とすることで、耐磁性や耐衝撃性、そして温度特性に優れた新世代ヒゲゼンマイを確立するに至りました。

現行Cal.3200系では、このブルーパラクロムヒゲゼンマイが標準装備となっております。

 

ちなみに、Ref.116613LBには文字盤が一度マイナーチェンジされました。

ロレックス 青サブ 126613LB

※左がサンレイ仕上げ、右がマット仕上げの116613LB

これまで青サブというと光沢のある文字盤が特徴的でしたが、Ref.116613LB初出時は、マット仕上げとなっていたのです。

このマット仕上げのブルー文字盤はしばらく製造されますが、実は2013年、サンレイ仕上げによって光沢を取り戻します。つまり、マットからツヤありへと文字盤がマイナーチェンジしているのです。

マット仕上げが不評であったがゆえにサンレイ仕上げに戻されたなどと囁かれることもありましたが、現在ではあえてマット仕上げの方に注目する業界人が少なくありません。なぜならサンレイ仕上げは2013年~2020年まで製造されていることに対し、マット仕上げはわずか4年。この稀少性が、レアロレックスに化ける可能性を秘めていると捉えられることがあるためです。

もっとも資産価値云々抜きに、マット仕上げの方が好みという方も多くいらっしゃいます。かく言う私もその一人。

現在はマット・サンレイの違いよりも年式や状態が価格に大きな影響を与えていますが、青サブ マット文字盤ファンとしては、値上がりに期待!?

 

また、派生モデルとして、インデックスに8ポイントのダイヤモンドをセッティングしたRef.116613LBも同時リリースされました。こちらは一足早く2014年に生産終了となったがゆえに稀少性が高まっており、一方でなかなか市場に流通しないため、レアロレックスと言えるでしょう。

 

④青サブ 最新世代 Ref.126613LB

ロレックス 青サブ 126613LB

製造期間:2020年~
ケースサイズ:直径 41mm
搭載ムーブメント:Cal.3235
パワーリザーブ:70時間
防水性能:300m

2020年に発表された最新世代の青サブが、Ref.126613LBです。

2020年は新型コロナウイルスが流行し始めた年。時計業界でも大いに影響を受け、ロレックスを始めとした各メーカーの工場がストップしたり、例年3月に行われていた新作発表見本市が中止になったりしたものです。

ロレックスも新作発表を9月まで遅らせたのですが、こういった鬱々とした気分を一掃するような凄まじい発表でした。なんせ、新型サブマリーナーが、従来よりも1mmサイズアップして生まれ変わったのですから!

最新サブマリーナー、大きくなったとは言え、肉厚だったりボリューミーだったりといった印象はありません。これはロレックスの近年の新作傾向なのですが、ケースを再設計したうえでラグのテーパーを効かせており、5桁時代を思わせるようなシャープさを獲得するに至ったためです。ケース厚もほとんど変わっていない、というのも大きいですね。

ロレックス 青サブ 126613LB

ちなみにカレンダーディスクはホワイトですが、文字盤のレターもまたホワイトとなりました。

 

搭載するムーブメントは、2015年以降にロレックスが順次採用を開始している、新世代ムーブメントCal.3235。既に2017年発表のシードゥエラー Ref.126600にも採用されていましたね。

繰り返しになりますが、Cal.3100系は名機中の名機です。高い精度や性能はもちろんのこと、信頼性やメンテナンス性において、紛れもない最高傑作です。しかしながらCal.3200系では、さらにパワーアップ。前述したブルーパラクロムヒゲゼンマイや耐衝撃機能パラフレックス・ショックアブソーバーを標準装備したことに加えて、約70時間のロングパワーリザーブを獲得しています。従来品が約48時間であったことを鑑みれば、約一日分もゼンマイ持続時間が延長されている、と。

一般的にロレックスのようなハイビート機は、高精度な分パーツ摩耗が激しかったり、エネルギー消費が激しくパワーリザーブが短くなりがち。しかしながらロレックスはきわめて優れた精度はそのままに、70時間のパワーリザーブを獲得した、と。

ロレックスはその知名度やカッコよさが取り沙汰されることが少なくありませんが、やはり「実用性」「技術」にこそ、その魅力の神髄があることを改めて感じさせられる新ムーブメントです。

 

「ラグジュアリーなのに、日常で最適なパフォーマンスを発揮してくれるダイバーズウォッチ」として、最新青サブは最高峰の存在と言って過言ではないでしょう。

 

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ロレックス 青サブ 金無垢モデルの系譜

次に、金無垢青サブの系譜についてもご紹介いたします。

なお、Ref.1680/8は当店で過去取り扱いがなく、画像が容易できなかったため、説明のみに留めます。

 

①初代青サブ Ref.1680/8

1965年頃に誕生し、ロレックス史上初の青サブとなったのが金無垢モデルのRef.1680/8です。1980年頃まで製造されました。

ツールウォッチであったサブマリーナーが、いっきにラグジュアリーテイスト満載となった記念すべき一本。文字盤はブラックまたはブルーとなりますが、ブルーの方が人気の面では先鞭をつけています。加えて、現行にはないフジツボインデックスが採用されていることも特筆すべき点です。

なお、Ref.1680/8はまだ200m防水でした。

またムーブメントは19,800振動/時のCal.1570を搭載しています。もっとも、Cal.1570もまた時計史に残る傑作機。1960年代~1980年代まで用いられた自動巻きムーブメントで、後のCal.3000系ほどハイビートではないものの、高い精度と堅牢性、そして信頼性を備えます。現在、ヴィンテージロレックスが豊富に市場に流通しておりますが、これはCal.1570の功績が少なくないでしょう。安定した精度と性能を誇るがゆえ、メンテナンスをきっちり行えば、今なお普段使いに問題のない個体の出回りをよっく助けているのです。量産されているがゆえ、メンテナンス・修理ノウハウが出回っているというのも素晴らしいですね。

Cal.1570は量産されていますが、金無垢の青サブRef.1680/8は前述の通り、非常に希少性の高いモデルです。

ブルー文字盤の中に、やはり経年変化でパープルへと変色した個体などもありますが、なかなかお目にかかれないレア中のレア。

金無垢ゆえに状態の良い個体も多く、コレクターズアイテムとしても名を馳せています。

 

②青サブ Ref.16808

ロレックス 青サブ 16808

製造期間:1980年代半ば~1988年
ケースサイズ:直径 40mm
搭載ムーブメント:Cal.3035
パワーリザーブ:48時間
防水性能:300m

金無垢の青サブ二代目となるのが、こちらのRef.16808です(画像はブルートロピカル&フジツボインデックスの文字盤です)。こちらも、ブラックまたはブルーの文字盤がラインナップされていました。

ムーブメントはCal.3035へと載せ替えられて、防水性もサファイアクリスタルガラスによって300mへとアップしています。

なお、Ref.16808は1980年代半ば頃までは、フジツボインデックスが採用されていましたが、その後フチ有りへと変遷。またブルーが変色したバイオレットやブルートロピカル文字盤が存在する等、何かとヴィンテージ好きの心をくすぐるディテールを揃えます。

とは言え、Ref.16808も初代金無垢青サブRef.1680/8同様、超希少であることに変わりありません。もともとの製造数が少ないためです。

とりわけブルートロピカル文字盤ともなれば、中古相場は高値。状態にもよりますが、400万円以上の値付けが行われることも珍しくありません。

 

③青サブ Ref.16618

ロレックス 青サブ 16618

製造期間:1989年~2008年
ケースサイズ:直径 40mm
搭載ムーブメント:Cal.3135
パワーリザーブ:48時間
防水性能:300m

約20年に渡って製造されていた金無垢の青サブ Ref.16618です。もっとも生産期間が長いとは言え、金無垢モデルはどうしたって流通量が少なく希少性は高くなる傾向にあります。

こちらのRef.16618も、そんな希少な青サブの一つ。

さらにバイオレット(パープル)に色づいた個体ともなれば、400万円を切ることはなかなかありません(そもそもRef.16618自体が高値なのですが)。

ロレックス 青サブ バイオレット 16618

一方でCal.3135を搭載していること。また金無垢ゆえに腐食しづらかったといった経緯から、状態の良い個体が出回っているのは嬉しいところ。

なお、Ref.16613同様にブレスレット・バックルや夜光がブラッシュアップされたり、王冠透かしマークやルーレット刻印の採用などといったマイナーチェンジが約20年の製造期間の中で行われており、前述したバイオレット文字盤を除けば、基本的には高年式な個体ほど高値となる傾向にあります。

 

ちなみに、コンビ青サブRef.16613同様、ダイヤモンドとサファイアをインデックスにセッティングしたRef.16618SGも存在します。

青サブと同様、「人と違ったラグジュアリーな高級ダイバーズウォッチが欲しい」といった方にとって、非常に良い選択肢になりますよね。

 

④青サブ Ref.116618LB

ロレックス サブマリーナ デイト 116618LB

製造期間:2008年~2020年
ケースサイズ:直径 40mm
搭載ムーブメント:Cal.3135
パワーリザーブ:48時間
防水性能:300m

金無垢青サブはコンビRef.116613LBが出る前年の2008年、モデルチェンジします。それが、こちらのRef.116618LBです。

2008年はロレックスの名称が商標登録されてから、100周年の記念の年でした。そのためいくつかの特別とも思われるモデルが登場しているのですが、そのうちの一つがこの金無垢サブマリーナーではないでしょうか。後述しますが、ホワイトゴールド製サブマリーナーも同年、初めて登場することとなりました。

現行では標準装備となりつつあるセラクロムベゼルを搭載したことが、何よりの特徴でしょう。

金無垢の輝きに、独特の光沢あるセラクロムベゼルが、なんと相性の良いことか!初出時、驚かれた方も多いのではないでしょうか(繰り返しになりますが、アルミのベゼルインサートは、これはこれでヴィンテージらしく良い味を出しています)。

ロレックス 青サブ 116618LB

また、先代Ref.16618同様にムーブメントには信頼性高いCal.3135が搭載されていますが、ヒゲゼンマイがブルーパラクロム製へとアップデート。耐磁性と耐衝撃性に配慮された、まさに現代ラグジュアリー・ダイバーズウォッチと言えるでしょう。

バックルもグライドロック式を採用したことでバックル部分での微調整が可能となり、どうしても重量が出がちな金無垢青サブが、いっそう日常使いしやすくなったと言えるでしょう。

こちらも流通量は決して多くはないのですが、一方で軒並みスポーツロレックスが相場高騰する中においても、比較的緩やかに相場上昇させていった個体です。

そのためお得感が強く、それでいて資産価値の高さにも定評があるため、リセールバリューを考慮して選ぶ方はねらい目です。

 

ちなみに、インデックスにダイヤモンドをセッティングしたラグジュアリーな金無垢青サブ Ref.116618GLBも同時リリースされました。

 

⑤青サブ ホワイトゴールド Ref.116619LB

ロレックス 青サブ 116619LB

製造期間:2008年~2020年
ケースサイズ:直径 40mm
搭載ムーブメント:Cal.3135
パワーリザーブ:48時間
防水性能:300m

前項でご紹介したイエローゴールド製の青サブ Ref.116618LBがリリースされた年―ロレックスの商標登録100周年―、サブマリーナー初となるホワイトゴールド製モデルも追加されました!

SSモデルとの差別化を図ってか、ブルーベゼルにブルー文字盤を湛えており、まさらに「新たなる青サブ」!

スペック面ではRef.116618LBと変わりませんが、上品なホワイトゴールドをまとうことで、かなり印象が変わりますよね。

なお、Ref.116619LBからも、ダイヤモンドインデックスのハイエンドモデルが同時リリースされました。

 

ちなみに2020年にサブマリーナーは素材問わずモデルチェンジしますが、なんとホワイトゴールド製サブマリーナーはブラック文字盤に変わりました!

ロレックス サブマリーナー 126619LB

したがって、ホワイトゴールド製「青サブ」はRef.116619LBのみ・・・!

サブマリーナー自体が価格高騰していること。また製造数がそこまで多くないことから、現代スポーツロレックスの中でも希少性は随一。年々相場が高騰しておりますので、欲しい方は出会った時に買っておくことをお勧めいたします。

 

⑥青サブ 最新世代 Ref.126618LB

ロレックス 青サブ 126618LB

製造期間:2020年~
ケースサイズ:直径 41mm
搭載ムーブメント:Cal.3235
パワーリザーブ:70時間
防水性能:300m

2020年、サブマリーナーコレクションで大々的に行われたアップデート。

当然ながら金無垢の青サブも進化を果たし、Ref.126618LBへとリファレンスチェンジしました。

ケースサイズは直径41mmへとアップサイジングし、一方でラグのテーパー等によってスタイリッシュな印象を強めます。

最新ムーブメントCal.3235が搭載されたことで、パワーリザーブ約70時間と、いっそうの利便性を獲得したことはご存知の通りです。

なお、発売から2年以上が経過する今なお、金無垢モデルの流通量は少ないと言わざるを得ません。こういった希少性は価格に反映され、「ロレックスだから」ということも相まって、定価4,639,800円であるにもかかわらず、実勢相場は600万円近く。

しかしながら非常に多くのお問合せを頂いており、「高くても買いたい」というマインドに支えられている青サブです。

 

 

ロレックス 青サブの実勢相場と資産価値

ロレックス 青サブ 16613

ここまでご紹介してきた青サブ。ステンレススティールモデルとはまた違ったラグジュアリーとハイソが融合したダイバーズウォッチであることがお伝えできたのではないでしょうか。

 

この青サブの魅力に加えて、気になるのが実勢相場と資産価値(リセールバリュー)!

何度か言及しているように、ロレックスは世界的な需要の高まりから、近年ほとんど全ての人気コレクションで品薄続きに。需要に流通が追い付かず、結果として定価や従来の相場を大きく超えるようなプレミア価格が当たり前といった様相になってきました。

この相場高騰は、2016年頃から始まりました。当初はステンレススティールモデルがその中心でしたが、2019年頃からコンビ、そして金無垢モデルもジワジワ(あるいは一気に)高騰。当然ながら、屈指の人気を誇るサブマリーナーも多分に漏れず。むしろ、最近のロレックス高騰を牽引してきた存在と言っても良いでしょう。こういった流れによって、「高い」といった声も聞こえるかもしれません。

しかしながら「イニシャルコストが高い」「需要が高い」ということは、資産価値もまた高くなる傾向にあります。ある程度使った後でも、買取店に持ち込めば、高額査定が出ることが珍しくありません(状態にもよりますが)。とりわけ青サブのように希少性が高く、かつ人気も高いモデルというのは、時計店は在庫を抱えておきたいもの。そのため業者間で争奪戦が起きやすく、個人買取価格も常時高値といった様相なのです。

 

では具体的に、青サブはどれくらいの実勢相場なのでしょうか。

まず、現行のRef.126613LBおよびRef.126618LB。

現在の実勢相場は中古であってもコンビモデルで250万円前後~。金無垢の方は500万円台後半~です。

先代のRef.116613LBおよびRef.116618LBは、前者が210万円程度~。後者は500万円前後~

 

それ以前は状態や年式に大きく左右されるため一概に言えませんが、高値であることに変わりはなく、しかもジワジワと相場が上がっています。

 

「ジワジワ上がっている」とは、すなわち今後も価値が落ちづらいことを示唆しています。

最近だと「ロレックス相場の下落」などが囁かれることもありますが、サブマリーナーのように安定した人気を維持し続けてきたコレクションというのは、為替などといった外的要因の影響を受けづらい傾向にあることも特筆すべき点です。

 

もちろん相場は水物なので「絶対」ということはありませんが、魅力的で、ラグジュアリーでありながら高性能で、価値あるダイバーズウォッチとして、青サブは強くお勧めしたい逸品となっております。

 

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まとめ

ロレックスを代表するダイバーズウォッチ・サブマリーナーの中でも、特別な存在感を放つ青サブについてご紹介いたしました!

ひとくちに青サブと言っても、年代やリファレンス、あるいは素材によって様々。一方で初代から貫かれてきた高いデザイン性や信頼性は今なお健在。ラグジュアリーでありながらもダイバーズウォッチらしい堅牢性を有しており、世界的な人気もうなずけます。

確かに価格は高くなりますが、その分資産価値も高いため、オールシーズンでパートナーになってくれる青サブをご検討になってみてはいかがでしょうか。

文:鶴岡

 

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