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懐中時計の形をした腕時計!?独特の個性を放つボヴェの魅力

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あなたはボヴェという時計ブランドをご存知でしょうか?

ボヴェは1822年に時計師エドワール・ボヴェによってスイスのフルリエで創立された時計ブランドです。創業200年近くの歴史をもつボヴェは、19世紀に清朝皇帝や貴族に懐中時計を愛用され、その名を馳せました。

また、スイスの時計メーカーとしてはアジアとの結びつきが強く、世界で初めて「日本の伝統工芸」とのコラボレイトした歴史をもつ珍しい時計メーカーでもあります。

そんなボヴェが作り上げたる時計は「懐中時計」の形をしたとてもユニークな腕時計。今回は知る人ぞ知る老舗時計メーカーボヴェの魅力に迫ります。

ボヴェ 時計

出典:https://www.hautehorlogerie.org/

 

ボヴェの歴史

「ボヴェ」はボヴェ兄弟によって1822年に設立された時計ブランド。中国広東に拠点を置き、時計製作の修行に励んでいたエドゥアールを中心とし、中国での時計販売ビジネスを成功させるために設立されました。

ブランド設立後、ボヴェはすぐに時計の製作拠点をスイス・フルリエに構え、中国に向け輸出販売に乗り出します。

中国 ボヴェ

当時の中国はまだ他国製の時計が浸透しておらず、初めてヨーロッパから輸入されたボヴェの美しい時計は中国の人々に大きな衝撃を与えました。

そんなボヴェが中国で販売した主力商品は「ペアウォッチ」。中国では対になったものは「幸運を象徴するもの」とされ、中でもペアウォッチは最高の贈答品として重宝されていたからです。

ボヴェの時計はエナメル細工と美しい彫金を特徴とし、さらには中国人好みのデザインを採用することで、瞬く間に中国の時計界に浸透していきます。その名声は留まるところを知らず、やがて清朝皇帝や貴族からも絶大な人気を得るまでの時計ブランドとして知られるようになりました。

 

パリ万博の栄光とその後

そんなボヴェに転機が訪れたのは1855年に行われたパリ万博のこと。中国皇帝から委託され、ラグジュアリー部門に出品されたエナメル製のペアウォッチが、その美しさからみごと「金賞」を獲得。この受賞によりボヴェの名は中国の枠を越え、アジア・世界に広がっていくことになります。
1855パリ万博 ボヴェ
出展:https://ja.wikipedia.org/

多くの名声を博してきたボヴェは1900年頃まで中国との取引きを続け、懐中時計を販売し続けました。しかし、20世紀に入ると中国に無数の模造品が溢れるようになり、次第に市場は崩壊。確実な利益が見込める市場とは程遠いものとなってしまいます。

その後、中国市場という今まで築いてきたマーケットを失ったボヴェは多くのスイス時計メーカーと同じく、ムーブメントの開発に力を入れるようになります。シングルボタン・クロノグラフ機構といった画期的な機構を取り入れた懐中時計を多数開発し、新たなマーケットの拡大を図りました。

 

20世紀に入ってからは、トゥールビヨンやミニッツリピーター、永久カレンダーなどの複雑時計を次々と発表し、その技術力を世界に轟かせます。
ボヴェの優れた時計たちはジュネーブ・ロンドン・ニューヨークなどで発売されていきますが、1932年に戦争によって創業は停止。志半ばで休眠を余儀なくされます。

 

再び表舞台へ

長い休眠期間を経て、1989年にボヴェ社はフルリエに復活。再興後のボヴェは年間2000本以下という少量生産体制をとり、クオリティーに拘った最高級腕時計の製作を開始します。

新たなるボヴェはパーツの生産・加工・組立から自社で行うマニュファクチュール体制をとり、19世紀に中国市場向けに作られた懐中時計をモチーフとした時計を開発。この懐中時計型ウォッチは1997年の「バーゼル・ワールド」に展示され、大きな話題を呼びました。

そして現在はアジア市場開拓に力を入れている企業DKSHと提携を開始。日本の伝統工芸「加賀蒔絵」を文字盤に配した限定モデルを開発するなど、積極的にアジア各国とのコラボレーションを果たし、再びアジアでの知名度を向上させるための取り組みを図っています。

 

ボヴェの特徴

ボヴェの最大の特徴は「懐中時計」をモチーフとしたデザインです。このモチーフは19世紀の中国を席巻したボヴェのアイデンティティーともいえます。

ボヴェ 時計

出典:https://www.hautehorlogerie.org/

ボヴェの時計はただ懐中時計の形をしているだけでなく、ストラップを着脱することで懐中時計やテーブルクロックに変貌を遂げるシステムが組み込まれています。このシステムは特許を取得しており、現在ボヴェ最大の個性として時計ファンや著名人に親しまれています。

また、外観だけではなく、メカニカルな部分にも強い拘りをもっているのがボヴェ。特に20世紀に入ってから力を入れてきたトゥールビヨンの開発には強い思いがあります。それは再興後2014年まで、自社ムーブメントは全てトゥールビヨンであったほどです。

 

ディミエ1738

トゥールビヨンムーブメントの製作担当するのは、ジュラ地方のトラメランにある「ディミエ1738」。2006年以前はSTT(スイス・タイム・テクノロジー)という名にて各種パーツの開発をおこなうムーブメントメーカーでしたが、2006年にボヴェが買収し、自社工房となりました。

この工房によってボヴェは自社製ムーブメントの供給元を得ることに成功。最高品質のトゥールビヨンを量産する体制が整います。

ディミエ1738 ボヴェ

出典:https://www.hautehorlogerie.org/

さらに2014年にはトゥールビヨンではない初の自社製ムーブメント「ヴィルトオーゾII」を発表し話題に。このムーブメントを搭載したモデルは中国やヨーロッパで数々の賞を受賞し、ボヴェの進化を改めて世界に証明することに成功しました。

ボヴェ ムーブメント

出典:https://www.hautehorlogerie.org/

 

オーダーメイド製作

ボヴェのユニークなところは「3分の1以上」オーダーメイドで作られる時計だということ。皇帝に使われていた懐中時計が「唯一無二」のものだったように、現代でも「唯一無二」の時計を提供したいという拘りを持っているからこその製作方針です。

オーダーメイド時計は、まず文字盤のデザインを考えてから、それに適合するムーブメントを作り、最後に華やかな装飾を施すことで「最高のオリジナル時計」を製作します。オーダー内容によっては製造に何年もの期間がかかることもありますが、それでもボヴェの美しい時計を求める多くの著名人からオーダー依頼はやみません。

 

工房が城!

時計とは関係ありませんが、ボヴェには「工房が城」という何ともオシャレな特徴があります。

ボヴェ モティエ城

出典:https://www.hautehorlogerie.org/

この城はヴァル・ド・トラヴェール地方のフルーリエ近郊に14世紀に建立されたモティエ城。1835年にアンリ=フランソワ・デュボア=ボヴェに売却され、1957年にはヌーシャテル州に寄贈された歴史をもちます。

長らくギャラリー等として利用されていましたが、新たなるボヴェの経営者であるパスカル・ラフィ氏がボヴェの再興を進めるにあたり、2007年にこの城の権利を習得。内部を完全リニューアルし、ボヴェの「組み立て工房」として活用するようになりました。

この城では彫金職人やエナメル職人といった数々のスペシャリストが肩を並べて作業しており、伝統に革新性を加えた「美しい」時計を生み出しています。

 

ボヴェの時計の紹介

1989年に復活を果たしたボヴェは年間生産数を2000本以下に抑え、質に拘った時計を製作しています。トゥールビヨンモデルの存在が目立ちますが、ボヴェの時計はバラエティ豊かなラインナップが備わっているのも特徴です。

最後に今回の締めくくりとして、その一部を見ていきましょう。

 

ボヴェ ナインティ―ン・サーティ(19Thirty) NTR0014

ボヴェ ナインティ―ン・サーティ(19Thirty) NTR0014

ボヴェ ナインティ―ン・サーティ(19Thirty) NTR0014

1930年代当時のポケットウォッチにインスパイアされ、作られたコレクション「19 Thirty(ナインティーンサーティ)」。ケースにはレッドゴールド、ムーブメントには手巻きの自社製ムーブメント「15BM04」を搭載しております。7日間のロングリザーブを可能としており、実用性にも優れております。

 

ボヴェ シャトー ド モティエ 40 G800

ボヴェ シャトー ド モティエ 40 G800

ボヴェ シャトー ド モティエ 40 G800

“シャトー・ド・モティエ40”は、ブラックフェイスにゴールドの針とインデックスを用いた、シックで落ち着いた雰囲気のモデルです。12時位置のリューズをボウ(弓環)でガードしたデザインは、19世紀の懐中時計をインスパイアしています。

 

ボヴェ スポーツスター ビッグデイト 干支インデックス C800

ボヴェ スポーツスター ビッグデイト 干支インデックス C800

ボヴェ スポーツスター ビッグデイト 干支インデックス C800

ボヴェの人気コレクション「スポーツスター クロノグラフ」。このモデルは40mmの程良いケースサイズに、干支が刻まれた文字盤が印象的な逸品です。12時位置に配置されたリューズやビックデイト、ボヴェのブランド名も威播と書かれた特徴的なデザイン。日本での知名度向上に繋がった1本としても有名です。

 

ボヴェ フルリエ 0801.0

ボヴェ フルリエ 0801.0

ボヴェ フルリエ 0801.0

文字盤にエナメルや加賀蒔絵を採用するなど、工芸品としての時計を強く意識し、中国の皇帝をはじめ多くの権力者に好まれていたブランド・BOVET(ボヴェ)。このモデルは文字盤に錦鯉を上から眺めた絵がエナメルで描かれた芸術性の高いモデルです。波型に仕上げられた文字盤を半透明のブルーエナメルで覆うことで、水面を巧みに表現していました。

 

ボヴェ フルリエ ベゼルラグダイヤ D401.1.01/E0101/1B.31

ボヴェ フルリエ ベゼルラグダイヤ D401.1.01/E0101/1B.31

ボヴェ フルリエ ベゼルラグダイヤ D401.1.01/E0101/1B.31

懐中時計時代の美しさをそのまま再現したレディースモデルがコチラ。K18PGケースにダイヤモンドを配し、文字盤にはエナメルを採用したエレガントなモデルです。独特な針のデザインも人気を博しました。

 

まとめ

時計ブランドとして長い歴史をもち、皇帝に愛された時計「ボヴェ」。ボヴェは時計の海外輸出におけるパイオニアであり、それまで海外の時計ブランドを受け入れてこなかった中国の人々をも魅了してきました。

時代が変わってもその魅力は健在。懐中時計のフォルムを生かした個性的なケースはボヴェならではの特徴として、多くの時計ファンに愛されています。

 


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