ヴィンテージ感溢れる「ブロンズ」が使われた時計8選

高級時計にはステンレススティールやゴールド、プラチナといったケース素材が使われるのが一般的ですが、近年「ブロンズ素材」も注目を集めています。

ブロンズはいわゆる銅の事を指し、ケース全体が銅で作られていることが特徴です。

チタンやセラミック、カーボンといった実用性の高いケース素材が増えるなか、敢えてクセの強いブロンズ素材を使うことで、他のモデルにはない個性を出すことに成功しています。

そこで今回はブロンズケースが使われたヴィンテージ感溢れる逸品たちをご紹介いたします。

普通の時計に飽きてしまった時計愛好家の方や、ミリタリー好きな方にお勧めです。

 

ブロンズケースの魅力

高級時計は基本的にサビに汚れに強くならなければいけません。

そのため、サビが発生しないステンレスやゴールド系の素材が一般的に使われるわけですが、ブロンズが採用されている時計は逆にサビを1つのウリとしています。

サビが発生しやすい素材は多数存在しますが、特にブロンズは酸・塩分・湿気に弱く、長く愛用していると変色します。

しかし、この変色を「エイジング」と称し、欠点ではなく魅力として打ち出しているのがブロンズモデルです。

出典：https://www.facebook.com/IWCWatches/

ブロンズが採用されたモデルは他の素材が使われた時計とは全く異なる雰囲気を持ちます。

色味は黄色味を帯びていますが、光沢感がありません。

その独特なヴィンテージ感に心奪われる人は非常に多く、特にミリタリーファンからの評価は絶大です。

 

ブロンズ素材について

ブロンズは銅を主体に錫（すず）などを2～35％程度混ぜた合金のことを指します。

添加する錫の量が少なければ赤銅色に、多くなると黄金色になるという特徴があり、同じ銅でも色味は全然違います。

また、金や銀と比較すると錆びやすく、経年劣化が起こりやすいです。

加えてブロンズは耐アレルギー性能が弱いため、金属アレルギーを持つ方には不向きな素材です。

 

これらを踏まえると、ブロンズは本来時計には不向きです。

そのためブロンズケースが使われた時計は僅かしかなく、逆に言うとその分希少価値があります。

エイジングしていく様子を楽しめるため、アンティーク製品がお好きな方には合うかもしれません。

 

ブロンズケースが使われた時計 8選

チューダーやパネライのブロンズモデルが人気を博したことを切っ掛けに、ここ数年は様々なブランドでブロンズモデルが発売されています。

どのモデルにも共通しているのはヴィンテージ感を売りにしているということ。

決して万人受けするデザインではありませんが、好きな人には堪らない逸品といえます。

 

チューダー ヘリテージ ブラックベイ ブロンズ 79250BM

チューダー ヘリテージ ブラックベイ ブロンズ 79250BM

 

チューダーの人気を押し上げる要因となった個性的な一本。ヴィンテージ感と実用性を兼ね備えたブロンズモデルの定番です。

経年による色の変化が出やすいブロンズを使用しており、使い込むごとにエイジング効果を感じられるモデルです。

 

裏蓋にはブロンズカラーのPVD加工を施したステンレスを採用。金属アレルギーを発症しやすい銅の欠点を補った肌に優しい仕様になっています。

ケースの直径は存在感のある43.0mm。確かな精度とパワーリザーブ70時間を誇るCal.MT5601がムーブメントに搭載され、実用性に関しても申し分ありません。

価格は並行新品であれば30万円前後で購入できます。

 

 

パネライ ルミノール サブマーシブル 1950 3DAYS ブロンゾ PAM00507

パネライ ルミノール サブマーシブル 1950 3DAYS ブロンゾ PAM00507

近年のブロンズ人気を創り上げたのは、このPAM00507といっても過言ではありません。

PAM00507は「ルミノール・サブマーシブル」のブロンズモデルであり、2013年に世界1000本限定で生産されたスペシャルエディションとして発売されたモデルです。

余りにも斬新なモデルとして当初は賛否両論ありましたが、経年によるヴィンテージ感は美しく、ミリタリーファンを中心に支持を集めました。

 

リューズガードやベゼル側面には緑青が発生しています。しかし、このエイジングこそがブロンズの魅力です。

ブラウンレザーとも良くマッチしており、独特の存在感を放ちます。

 

なお、ケースバックはシースルー設計。自社製キャリバーP.9002の精巧な動きをご覧いただけます。

価格に関しては定価1,425,600円とやや高めの設定。

ただ、現在は評価の高さから更に高騰を果たしており、中古相場約220万前後という超プレミア価格となっています。

 

 

ゼニス パイロット タイプ20 クロノグラフ エクストラスペシャル 29.2430.4069/21.C800

ゼニス パイロット タイプ20 クロノグラフ エクストラスペシャル 29.2430.4069/21.C800

ゼニスの伝説的なパイロットウォッチからインスピレーションを受けて誕生した「タイプ20」クロノグラフ。

圧倒的な存在感を誇る直径45mmのブロンズケースを採用した力強い一本です。

スーパールミノバが塗布された極太のアラビアインデックスは暗所でも抜群の視認性を発揮し、モノクロで統一された文字盤はあらゆるシーンで使いやすいデザインだと思います。

 

裏蓋にはゼニスの航空計器がエングレービングされています。

ムーブメントには自動巻きエル・プリメロ4069を搭載。確かな精度を誇るパイロットウォッチとして、最上級の存在感を放ちます。

気になる価格は並行新品で50～60万円程度です。

 

 

ゼニス パイロットクロノメトロ TIPO CP-2 29.2240.405/18.C801

ゼニス パイロットクロノメトロ TIPO CP-2 29.2240.405/18.C801

サンドブラスト加工を施したストレートブラウンの文字盤にホワイトのインデックス。一目見てカッコイイと思える極めて優れたデザイン性を持つモデルです。

無駄を配したシンプルな2カウンタークロノグラフに高い視認性。

パネライのブロンズが海のヴィンテージモデルだとすると、ゼニスのブロンズは空のヴィンテージモデルだといえます。

 

ケースバックはシースルーバック仕様になっており、機構の美しさに定評のあるエルプリメロムーブメントの動きを堪能できます。

文字盤デザイン・ケースの独自性・高品質のムーブメント。

価格は並行新品で40万円程度です。

 

 

オリス ダイバーズ65 カールブラシア リミテッド 01 733 7720 3185-Set LS

オリス ダイバーズ65 カールブラシア リミテッド 01 733 7720 3185-Set LS

エントリーモデルとして時計初心者から支持を集めているオリス。

1965年オリスのコレクションに初めて登場したダイバーズウォッチの復刻モデル「ダイバーズ65」において、ブロンズモデルを発売しています。

このモデルはブロンズケースにドーム型無反射コーティングサファイアクリスタルガラスを採用した本格的なダイバーズウォッチです。

ガラス内側に無反射コーティングを施し、水中での視認性が高まっています。

 

オリジナルモデルでは両方回転式だった回転ベゼルも逆回転防止ベゼルに変更され、実用性の向上が図られています。

また、ダイバーズウォッチとしては珍しい薄型設計で作られているため、装着感も抜群です。

世界限定2000本で発売されたため、現在は市場で見かけることが少なくなってきました。

今は30万円前後の中古相場となっていますが、今後高騰する可能性は高いです。

 

 

モンブラン 1858 オートマティック デュアルタイム 116479

モンブラン 1858 オートマティック デュアルタイム 116479

高級万年筆を筆頭に筆記具のトップクリエイターとして世代を超えて有名なブランド モンブランのブロンズモデル 116479。ケース全体がブロンズというわけではなく、ベゼルとリューズだけがブロンズとなっています。

登山家達の「山岳探検のスピリット」に敬意を表して作られており、デュアルタイム機能とデイト表示が搭載されていながらも視認性が重視されたデザインです。

ムーブメントには Cal.29.19を搭載。堅牢性が高いステンレス裏蓋には刻印が刻まれています。

価格は35～45万円程度です。

 

 

ブルガリブルガリ ソロテンポ BB41C11BSD/MB

ブルガリブルガリ ソロテンポ BB41C11BSD/MB

シリンダーの断面図をイメージして作られたユニークなラウンドケースに、大きなブランドロゴが刻印されたベゼルを備えたブルガリブルガリ。

BB41C11BSD/MBでは素材にはダイヤモンドライクカーボンにブロンズ製ベゼルのコンビを採用され、腕元を華やかに彩っています。

カーボン×ブロンズという他のモデルにはない特徴を持つため、近年人気上昇中です。

 

ブルガリらしい薄型設計のケースにオシャレなシースルーバック。

並行新品であれば30万円代から購入することができます。

 

 

IWC パイロット・ウォッチ・UTC・スピットファイア MJ271 

出典：https://www.facebook.com/pg/IWCWatches

最後にご紹介するのは2019年バーゼルワールドにおいて数々のブロンズモデルを発表したIWCの「パイロット・ウォッチ・UTC・スピットファイア MJ271」。

オリーブグリーンが美しいこちらのモデルは複雑機構を搭載した画期的なブロンズモデルです。

MJ271とは「大英帝国の誇り」と名高い飛行機シルバースピットファイアが現役で活躍していた頃のコールサインであり、今作はそのオマージュとして数量限定モデルとして発売されました。

12時位置には時刻調整機能(UTC窓)が備えられており、細かな時刻確認を一目で確認することができます。

 

出典：https://www.facebook.com/pg/IWCWatches

ムーブメントには自社製自動巻きCal.UTC82710を搭載。デザイン性、歴史に加え、最高品質のスペックも兼ね備えます。

まだ発売前のモデルではありますが、間違いなく人気を博すことでしょう。

ちなみに定価は1,177,200円(税込)が予定されています。

 

まとめ

ヴィンテージ感に溢れるブロンズモデルは近年人気急上昇中です。

見た目が殆ど変化しないステンレスやゴールドに対し、ブロンズは「自分と共に歳を重ねていく」魅力を秘めています。

一生の相棒として愛着が湧きやすいモデルですので、是非この機会に一度ご検討されては如何でしょうか？