「グランドセイコーの廃盤モデルでおすすめはある?」
「以前気になっていたあのモデルが、今も手に入るか知りたい!」
洗練されたデザインと美しい仕上げ、さらに驚くほどの高精度によって国内外にファンが多いグランドセイコー。
現行品をチェックするかたわら、廃盤モデルやヴィンテージ、アンティークの個体が気になっている人も多いのではないでしょうか。
歴代のグランドセイコーには名品と呼ばれるモデルが数多く存在し、それらは今なおコレクターからの熱い支持を集めています。
本記事では、グランドセイコーが誇るヘリテージ、スポーツ、エレガンスの各コレクションから、おすすめの廃盤モデルを厳選してご紹介します。
それぞれのモデルが持つ魅力や購入できる場所も詳しく解説しているので、お気に入りの1本を見つけるための手がかりとしてぜひ最後までご覧ください。
目次
グランドセイコーには惜しまれつつも廃盤になったモデルや、数量限定で即完売になったレアピースなどが少なくありません。
中には生産終了後に再評価されて、じわじわと注目度が上がるモデルもあります。
現行品にはないコンセプトやデザイン、針やダイヤルの色など細かな仕様が時計マニアの心をくすぐることも。
この項目では、おすすめの廃盤モデルを系統別にご紹介します。
ヘリテージコレクションは、グランドセイコーが誇る伝統美と最新技術を融合させた王道ライン。
44GSや62GSといった歴史的名作を現代的に解釈し、その美意識を今に伝えています。
ヘリテージコレクションの魅力とは、簡単に説明すると以下の通りです。
そんなヘリテージコレクションの廃盤モデルから、ムーブメントの仕組みが異なるおすすめの3本をピックアップし、その魅力に迫っていきます。
型番:SBGX055
素材: ステンレススティール / SS
ケースサイズ:直径 36.8mm (リューズ含まず)
駆動方式: クォーツ / Quartz
2007年に登場したSBGX055は、グランドセイコーらしい上質感と実用性をバランスよく備えたモデルです。
37mmのステンレススチール製ケースは、シャツの袖口にすっきり収まる上品なサイズ感。
艶ありのブラックダイヤルは角度によって控えめな光沢を放ち、その美しい質感が所有する喜びを実感させてくれます。
シルバーの針やインデックスには繊細な面取り加工が施されており、光を受けてキラキラと輝く様子も見所の1つです。
ムーブメントは、年差プラスマイナス10秒の高精度を誇るクォーツキャリバー(9F62)を搭載。
10気圧防水や耐傷性が高いサファイアガラス(風防)を備えるなど、プライベートからビジネスまであらゆるシーンで使い勝手に優れます。
にもかかわらず、現在の中古市場では10万円台で入手することも可能。
憧れのグランドセイコーをこの価格帯で味わえるのも、非常に魅力的といえるでしょう。
※このモデルは具体的な廃盤(製造終了)時期に関する公式情報はありません
型番:SBGH277
素材: ステンレススティール / SS
ケースサイズ:直径 40mm (リューズ含まず)
駆動方式: 自動巻き / Self-Winding
グランドセイコーの60周年に当たる2020年に登場したSBGH277は、44GS現代デザインを採用したマスターショップ限定のメカニカルハイビートモデルです。
歪みのないフラットなケースに施された鏡面仕上げとエッジの効いたシャープなラインが、グランドセイコーらしい凛とした美しさを際立たせています。
ホワイトに近い明るいシルバーのダイヤルは、光の加減によってさまざまな表情を見せる端正な仕上がり。
ブルーの秒針が全体に彩りを添え、シンプルなデザインの中にさりげない個性を演出しています。
ムーブメントは、約55時間のパワーリザーブと日差-3~+5秒の高精度を誇る自動巻きキャリバー(9S85)を搭載。
細部に至るまでの丁寧な仕上げやハイビート特有の滑らかな秒針の動きなど、グランドセイコーの技術力をまざまざと見せつける1本です。
※このモデルは具体的な廃盤(製造終了)時期に関する公式情報はありません
型番:SBGA283
素材: ステンレススティール / SS
ケースサイズ:直径 39mm (リューズ含まず)
駆動方式: スプリングドライブ自動巻き / SpringDrive-SW
2017年に登場したSBGA283は、ゼンマイの解ける力を動力源としながらも水晶からの正確な信号によって精度を制御するセイコー独自の駆動機構(スプリングドライブ)を搭載するマスターショップ限定モデルです。
39mmのステンレススチール製ケースは存在感と着け心地のバランスが良く、ビジネスシーンでも悪目立ちする心配は皆無。
文字盤には厚銀放射と呼ばれる独自の仕上げが施されており、中心から外周にかけて美しく広がる放射模様が、光の加減で繊細な陰影を描き出します。
シルバーの針とインデックスはダイヤルの煌めきと調和しながらも、立体感のある造形と計算された面取り加工によって優れた視認性を確保。
秒針はダイヤルの上をスーッと滑るような動きが特徴で、見るたびに心が落ち着くような不思議な感覚を味わえます。
搭載するキャリバー9R65は、約72時間のパワーリザーブに平均月差プラスマイナス15秒(日差プラスマイナス1秒相当)と圧倒的な実用性を備えています。
メカニカルとクォーツ、それぞれの長所を融合させたスプリングドライブの魅力を洗練された外装とともに楽しめる1本です。
※このモデルは具体的な廃盤(製造終了)時期に関する公式情報はありません
スポーツコレクションは、日常のアクティブシーンや過酷な自然環境でも頼りになる堅牢性に優れたシリーズです。
GMTやストップウォッチ、潜水仕様など多機能を備えながらも、グランドセイコーらしい美しさと風格を感じさせるモデルばかりです。
スポーツコレクションの魅力を一言で表すなら、次の3点に集約されます。
そんなスポーツコレクションの廃盤モデルから選んだおすすめの3本について、それぞれの個性を掘り下げて解説します。
型番:SBGN021
素材: ステンレススティール / SS
ケースサイズ:直径 40mm (リューズ含まず)
駆動方式: クォーツ / Quartz
2021年に登場したSBGN021は、プロフェッショナルユースにも応える高精度と堅牢性を合わせ持つスポーツコレクションのGMTモデルです。
40mmのステンレススチール製ケースは20気圧の防水性と16,000A/mの耐磁性を備え、日常生活からアウトドア、マリンスポーツまで幅広く使用できます。
視認性の高い24時間表示のベゼルはセラミック製のため、極めて傷がつきにくいのもうれしいところです。
ブルーのダイヤルには扇のような放射模様が施されており、角度によって変化する陰影が見る者を飽きさせません。
ムーブメントは、GMT機能と年差プラスマイナス10秒の高精度を備えるクォーツキャリバー(9F86)を搭載。
実用性を重視するユーザーにとって、高機能、高耐久、高精度の三拍子揃った理想的な1本といえるでしょう。
※このモデルは具体的な廃盤(製造終了)時期に関する公式情報はありません
型番:SBGJ275
素材: ステンレススティール / SS
ケースサイズ:直径 44.2mm (リューズ含まず)
駆動方式: 自動巻き / Self-Winding
SBGJ275は、グランドセイコーの自動巻きムーブメント「キャリバー9S」の誕生25周年を記念して2023年に世界限定2,000本(うち国内875本)で発売。
発売前から注目を集め、国内正規店では瞬く間に完売となったモデルです。
スカイブルーのダイヤルは、岩手山から望む雲海と青空をイメージしたもので、有機的な型打ち模様と爽やかな色調で表現されているのが特徴。
サファイアガラス製ベゼルインサートの光沢とともに、高級感のある仕上がりを堪能できます。
ムーブメントは、GMT機能に加え、約55時間のパワーリザーブと日差-3~+5秒の高精度を備える10振動のハイビート自動巻きキャリバー(9S86)を搭載。
鏡面とサテン仕上げを使い分けたケースは44GS現代デザインを踏襲しており、スポーツコレクションらしい力強さとグランドセイコーらしい精緻さを兼ね備えています。
記念モデルならではの特別感と実用性を両立した本機は、コレクターズアイテムとしてもぜひ手に入れたい1本です。
型番:SBGH291
素材: ブライトチタン / BTI
ケースサイズ:直径 44mm (リューズ含まず)
駆動方式: 自動巻き / Self-Winding
2021年に登場したSBGH291は、グランドセイコーの高性能を象徴する「メカニカルハイビート 36000」と本格ダイバーズ仕様が一体となったマスターショップ限定モデルです。
ケースとブレスレットには、ステンレススチールに比べて約30%軽量なブライトチタンを採用。
ブライトチタンは、耐傷性と耐食性にも優れ、長時間の装着でも疲れにくいのが特徴です。
また、ケースサイズは43.8mm×14.7mmと大きめな割に全体の重量は142.0gしかないため、見た目の迫力とは裏腹に普段使いでもストレスなく着けこなせるでしょう。
マットな質感のブラックダイヤルは、針とインデックスの視認性を高め、落ち着いた雰囲気も漂わせています。
針とインデックスにはルミブライト(蓄光)が塗布されており、暗所でも容易に時刻を読み取れます。
ムーブメントは、約55時間のパワーリザーブと日差-3~+5秒の高精度を誇る10振動のハイビート自動巻きキャリバー(9S85)を搭載。
さらに、200m潜水用防水やねじ込み式リューズといったプロ仕様の堅牢性を備えるなど、タフに使用できる1本です。
※このモデルは具体的な廃盤(製造終了)時期に関する公式情報はありません
エレガンスコレクションは、フォーマルな装いに品格と華やかさを添えるグランドセイコーのドレスラインです。
わずかな光の変化を受けて豊かな陰影を描くダイヤルに、精緻な日本の美意識が凝縮されています。
エレガンスコレクションの魅力は、以下の3点に集約されます。
そんなエレガンスコレクションの中から惜しまれつつも廃盤になったモデルをピックアップし、その魅力を紐解いていきます。
型番:SBGX321
素材: ステンレススティール / SS
ケースサイズ:直径 37mm (リューズ含まず)
読み込んでいます…
2017年に登場したSBGX321は、無駄をそぎ落としたミニマルな美しさと、薄型で洗練されたフォルムが印象的なクォーツモデルです。
サンレイ仕上げのブラックダイヤルには、ブランドロゴと必要最小限の文字しか表記されていないのが逆に目を引くところ。
日付表示がないことで、シンメトリー(左右対称)な表情を楽しむこともできます。
371.mm×11.4mmのコンパクトなケースサイズは、シャツの袖口にすっきり収まり、普段使いにおいても心地よい装着感をもたらしてくれます。
ムーブメントは、年差プラスマイナス10秒の高精度を誇るクォーツキャリバー(9F61)を搭載。
さらに、内面無反射コーティングを施したデュアルカーブサファイアガラスや日常生活用強化防水(10気圧)を備えるなど、どれも安心して使える要素ばかりです。
クラシカルで落ち着いたデザインはシーンを問わず活躍し、使い続けるほどに愛着が深まるタイムレスな魅力を備えています。
※このモデルは具体的な廃盤(製造終了)時期に関する公式情報はありません
型番:SBGW235
素材: ステンレススティール / SS
ケースサイズ:直径 37.3mm (リューズ含まず)
駆動方式: 手巻き / Hand-Winding
2017年に登場し、2021年に惜しまれつつも生産終了となったSBGW235は、グランドセイコーのクラシックな魅力が詰まった名品として、今なお根強い人気を誇っています。
ミニマルな美しさと温かみを感じさせるアリボリーダイヤル、そこに映えるブルースチール針などが支持されている主な要因です。
時分針とインデックスは、複数の面を持つよう加工が施されており、それぞれの面に異なる角度がつけられています。
これにより、光の当たり具合によってシャープな陰影が生まれ、視認性が向上しています。
「ライスブレス」や「ビーズオブライス」などと呼ばれる多列型のブレスレットは、そのクラシカルな見た目とともに、手首に吸い付くような着け心地も特筆すべきところです。
ムーブメントは、約72時間のパワーリザーブと日差-3~+5秒の高精度を誇る手巻き式メカニカルキャリバー(9S64)を搭載。
アンティークウォッチのような意匠を現代のスペックで楽しめる本機は、真の時計好きにこそうってつけの味わい深い逸品といえるでしょう。
型番:
素材: ステンレススティール / SS
ケースサイズ:直径 40.2mm (リューズ含まず)
駆動方式: スプリングドライブ自動巻き / SpringDrive-SW
2017年に登場したSBGA293は、磨き上げられたステンレススチール製ケースにブラックのクロコダイルレザーストラップを組み合わせた、クラシックと現代的な機能美が共存するモデルです。
40.5mm×12.8mmのケースには歪みのない鏡面仕上げが施され、ザラツ研磨による滑らかな反射が腕元を上品に演出します。
ストラップはワンプッシュ式の三つ折れバックルを採用しており、革への負担を抑えつつ、着脱もスムーズ。
ダイヤルは、ほのかに温かみを感じさせるアイボリーカラーです。
針やインデックスには繊細な面取り加工が施されており、光を受けるたびに立体的かつ精緻な輝きを堪能できます。
ムーブメントは、約72時間のパワーリザーブと平均月差プラスマイナス15秒の高精度を誇る自動巻きスプリングドライブ(Cal.9R65)を搭載。
スーツにも馴染む落ち着きや、グランドセイコーならではの精度と質感を備えた、長く愛用したくなる1本です。
※このモデルは具体的な廃盤(製造終了)時期に関する公式情報はありません
ケース径が37mmのグランドセイコーは、日本人男性の腕にすっきり収まるサイズ感によって以前から根強い人気を誇ってきました。
それが近年、業界全体で小径時計がトレンドになっていることもあって、その注目度はより一層高まっています。
中でも、絶えず高評価を得ている廃盤モデルといえば、SBGR251とSBGR253の2本があります。
型番:SBGR251
素材: ステンレススティール / SS
ケースサイズ:直径 37mm (リューズ含まず)
駆動方式: 自動巻き / Self-Winding
2017年から2020年頃まで製造されていたSBGR251は、グランドセイコーの哲学を体現したスタンダードな機械式モデルです。
ケース径は控えめな37mmですが、厚さは13.3mmと適度にボリュームがあるため、装着時に物足りなさは感じられないでしょう。
シルバーダイヤルにはサンレイ仕上げが施されており、光の加減によって生まれる美しい陰影が魅力。
バーインデックスとドーフィン針の組み合わせはこの上なくシンプルで、視認性と上質感を両立させたデザインはいくら眺めても飽きがきません。
ムーブメントは、約72時間のロングパワーリザーブを誇る自動巻きキャリバー(9S65)を搭載し、シースルーケースバックからはその造形美を堪能できます。
精度も日差-3~+5秒と非常に優秀で、日常生活用強化防水(10気圧)も備えることから、コレクションにあれば重宝するのは確実でしょう。
過度な主張はせずとも着用者の品位を自然に引き立てるような、まさに使うほどに良さがわかるグランドセイコーらしい1本です。
型番:SBGR253
素材: ステンレススティール / SS
ケースサイズ:直径 37mm (リューズ含まず)
駆動方式: 自動巻き / Self-Winding
SBGR251と同時期に製造されていたSBGR253は、サイズや搭載ムーブメントもSBGR251と共通ですが、ダイヤルカラーの違いで個性を感じられるモデルです。
見る者を引き込むような奥行きと静けさを持つ漆黒ダイヤルが、どこか神秘的な雰囲気を漂わせています。
シルバーの針とインデックスはダイヤルとのコントラストが際立ち、視認性も抜群。
引き締まった印象のブラックフェイスはスーツスタイルとも好相性で、フォーマルな装いにも自然に馴染みます。
ブラックとシルバーはどちらも汎用性の高いカラーですが、特にカジュアルな服装と合わせやすいブラックを選ぶことで、自然と使用頻度は高まるでしょう。
シーンを問わず身に着けられる本機は、1本で何役もこなす頼れる相棒のような存在です。
グランドセイコーの廃盤モデルを手に入れるには、中古市場をチェックするのが基本です。
特に口コミや評判がいい実店舗または専門性のあるWEBショップでは、状態の良い中古品や保証付きのモデル、未使用品が見つかる場合もあります。
この項目では、安心して購入しやすい代表的な入手先について解説していきます。
中古腕時計販売店では、グランドセイコーの実物を手に取り、細部の仕上げや質感を自分の目で確認できるのが大きな魅力です。
特にザラツ研磨による鏡面仕上げや繊細なダイヤルの表情は、光の当たり方によって印象が大きく変わるため、写真だけでは判断しにくいこともあります。
また、キズやケース痩せの有無は価格に直結する要素となるため、状態を見極めた上で納得して購入できるのは実店舗ならではの利点です。
多くの専門店では真贋保証やアフターサービスも充実しており、安心感を求める人にとっては心強い味方といえるでしょう。
人気モデルは入荷後すぐに売れてしまうこともあるため、気になるモデルがあれば事前に在庫を確認し、来店予約を入れておくのが得策です。
自宅にいながら豊富な在庫から探せるWEBショップは、グランドセイコーの廃盤モデルを探す上で非常に便利な選択肢です。
とりわけ実店舗と連携しているショップでは、実在する個体をプロが検品してから掲載しているため、画像や説明の信頼性が高く、真贋や状態に対する不安も軽減されます。
購入後の修理やサイズ調整、万が一の返品対応なども店舗側で柔軟に対応してくれるケースが多く、初心者でも安心して利用できます。
一方、フリマアプリやネットオークションなど個人売買に近い形式では、説明不足や保証なしの商品も多いため、真贋や状態に関して慎重にならざるを得ません。
価格の安さだけで判断せず、出品者の評価や保証内容をよく確認することが、納得のいく1本に出会うためのポイントになるでしょう。
60年以上にも渡るグランドセイコーの歩みの中で、今なお語り継がれる名機は数多く存在します。
中でも初期に当たる1960年代に登場した「J14070」「61GS V.F.A」「45GS」の3本は、精度、外観の美しさ、革新性の全てにおいて特筆すべき存在です。
この項目では、それぞれが築いた歴史と魅力に触れながら、グランドセイコーの原点を辿っていきます。
初代グランドセイコー(Ref.J14070)は、日本の時計技術の粋を集めて「世界に通用する腕時計を作る」という理念のもとに開発された同ブランドの原点。
グランドセイコーのブランドが誕生した1960年から1963年まで、3年間製造されていたモデルです。
クロノメーター規格を超える独自の厳格な精度基準(グランドセイコー規格)の先駆けとなったモデルであり、当時の国産時計としては異例の高精度を誇っていました。
金無垢ケースにシンプルな3針、アップライトのロゴや視認性の高いインデックスなど、質実剛健で美しい意匠は伝統美の象徴として今なお語り継がれています。
グランドセイコーの全てはこの1本から始まったといっても過言ではなく、歴史的な名品であることも間違いありません。
型番: J14070
素材: K14ゴールドフィールド/GF(K14)
ケースサイズ:直径 35mm (リューズ含まず)
駆動方式: 手巻き/Hand-Winding
61GS V.F.A(Very Fine Adjusted)は、グランドセイコーが機械式時計の精度において世界最高峰を目指した象徴的なモデル。
初期のRef.6185-8010(Cal.6185A)は1969年に登場し、その後も改良が重ねられました。
1970年中頃から1971年中頃まで製造されたRef.6185-8021(Cal.6185B)、唯一の金無垢モデルであるRef.6185-7000(Cal.6185B)、さらには1972年中頃から1974年初頭にかけて製造されたデイデイト仕様のRef.6186-8000-G(Cal.6186B)など、4つのバリエーションが存在します。
「V.F.A」は、特に優れた熟練技能者の手によって製造された最上級モデルとしても知られています。
厳密な調整と検査工程を経て完成したその精度は、日差プラスマイナス2秒と当時のスイス製クロノメーターをも凌駕する水準に達していました。
また、シャープな稜線と大胆な面構成によるケースデザインも当時のセイコースタイルを象徴するもので、美観においても高い完成度を誇ります。
精度、技術、意匠の全てを極めた61GS V.F.Aは、まさに国産機械式時計の黄金期を体現する名機と呼ぶにふさわしい逸品です。
型番: 6185-7000
素材: イエローゴールド/YG
ケースサイズ:直径 35.0mm (リューズ含まず)
駆動方式: 自動巻き/Self-Winding
1968年から1973年まで製造された45GSは、手巻きグランドセイコーの完成形と称されることも多い歴史的なモデルです。
諏訪精工舎とは異なる第二精工舎(亀戸工場)で設計製造され、当時の手巻き機構としては極めて高い精度と実用性を実現しました。
搭載される手巻き10振動のハイビートムーブメント(Cal.4520)は、当時のクロノメーター規格を超える調整が施されていたことでも知られ、グランドセイコーが独自の精度基準へと歩み出す礎となった存在です。
直線を基調とした力強いケースデザインも、45GSならではの魅力。
面取りされたドーフィン針や立体的なバーインデックスによって、光の反射を利用して視認性を高める工夫がなされている点も見逃せないところです。
本機は、まさにグランドセイコーの美意識と技術力が結実した、手巻きモデルの金字塔といえるでしょう。
型番:SLGW005
素材: ステンレススティール / SS
ケースサイズ:直径 39mm (リューズ含まず)
駆動方式: 手巻き / Hand-Winding
グランドセイコーの廃盤モデルには、現行品にはない文字盤のデザインや針の色など、さまざまな個性が詰まっています。
現行品は、近年スイスの有名ブランドと同様に高級化の一途を辿っていますが、廃盤モデルであれば比較的リーズナブルに入手できるのもうれしいところです。
とはいえ、出品されるとすぐに売り切れてしまうモデルや、生産数の少なさ故に滅多に市場に出回らない限定品も多いため、気になるものがあれば早めの検討がおすすめです。
ぜひ本記事を手がかりに、時を超えて輝き続ける自分だけのグランドセイコーを見つけてみてください。
当記事の監修者
新美貴之(にいみ たかゆき)
(一社)日本時計輸入協会認定 CWC ウォッチコーディネーター
高級時計専門店GINZA RASIN 店舗営業部 部長
1975年生まれ 愛知県出身。
大学卒業後、時計専門店に入社。ロレックス専門店にて販売、仕入れに携わる。 その後、並行輸入商品の幅広い商品の取り扱いや正規代理店での責任者経験。
時計業界歴24年