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グランドセイコーのアンティークを買おう!傑作機の紹介や購入時に気をつけたいこと

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グランドセイコー アンティーク

出典:https://www.seikowatches.com/jp-ja/special/heritage/

年々進化を遂げ、美しいデザインとハイスペックなムーブメントで私たちを魅了するグランドセイコー。現行モデルも魅力的ですが、アンティークにも名機がそろっています。

グランドセイコーが歩んできた60年以上の歴史の厚みを感じさせるとあって、同社のアンティークモデルをこよなく愛するファンは少なくありません。

現行にはない味わいが、オールド・グランドセイコーにはあるのです。

この記事では、グランドセイコーの華やかな歴史や草創期を飾った名機をご紹介するとともに、魅惑のオールド・グランドセイコーの世界へとご招待いたします。

 

アンティークの雄!グランドセイコーの歴史

アンティーク腕時計でおすすめといえば、グランドセイコー!

そんなグランドセイコーの生みの親はセイコーです。セイコーは1881年創業の日本を代表する老舗時計メーカーであり、今に至っても日本を代表するブランドですね。

なお、アンティーク腕時計の定義は様々ですが、1970年代~80年代以前に製造された個体をここでは指します。一般的なアンティークは100年以上経過したプロダクトを指すことが多いですが、腕時計は近代になってから生まれた品であるため、やや概念が異なります。ゆえに、1970~1980年代以前に作られた腕時計を、アンティークやヴィンテージと呼ぶこととします。

 

①グランドセイコーの誕生

そんなアンティーク腕時計の中でも雄として君臨するグランドセイコーが初めて登場したのは1960年のこと。

初の国産腕時計「ローレル」

出典:https://www.seikowatches.com/jp-ja/special/heritage/

母体のセイコーは「スイス製腕時計に負けない、国産の最高級時計を」という精神からグランドセイコーを生み出しました。加えて、「スイス勢に負けない高精度」を志していたことでも知られています。精度とは、時間の正確性のことです。

と言うのも、精工舎(前述した服部時計店の時計製造・開発拠点。セイコーの前身)は大正2年に初の国産腕時計「ローレル」をリリースします。上の画像が、ローレルです。

ローレルやその後に生み出されたマーベルは優れた国産時計でしたがなかなか「スイス並み」とはいかず、とりわけスイス クロノメーター規格(時計の精度に関する公的規格)は大きな目標となりました。

 

そんな中で生まれたのが「スイス勢に負けない精度を目指す」というコンセプトであったのです。そしてこの志を実現するための高精度機械式時計シリーズが、グランドセイコーでした。

 

初代グランドセイコーの文字盤には、「Chronometer(クロノメーター)」の文字が刻まれています。これは実際のスイス クロノメーター検定局を通した、というわけではありません。

グランドセイコー ファースト J14070

画像:グランドセイコーJ14070

グランドセイコー開発にあたり精工舎では、クロノメーター規格に準拠した独自の精度規格を制定。これは、きわめて厳格と言わざるをえない精度基準でした。さらに多岐に渡る姿勢差テストを15日間繰り返し、上記基準に無事合格した個体が、晴れてグランドセイコーとして製品化されるに至ったのです。

 

文字盤の「Chronometer」は、スイス クロノメーター規格に準拠する高精度製品であることの矜持であったのかもしれませんね。なお、同様に独自規格認定機の証として、裏蓋に獅子マークのメダリオンが搭載されています。

グランドセイコー ファースト J14070

このような精工舎の情熱で以て誕生した初代グランドセイコーJ14070は、金張りケースを持つ高級時計で、当時25,000円で販売されました。25,000円は、三種の神器と呼ばれた主婦の憧れ「電気洗濯機」と同レベルの価格で、大企業の課長クラスの月給と同等の金額になります。

ムーブメントには前述した高精度を誇るCal.3180を搭載。ちなみに詳細は後述しますが、Cal.3180は精度に留まらず、国産初のハック機能&緩急針での精度調整機構を併せ持つ傑出したキャリバーであり、名実ともに当時の国産時計の最高峰であったことは間違いありません。

なお、Cal.3180は、2014年には日本機械学会によって「機械遺産」に登録されるほど高い評価を得ています。

また、現在もグランドセイコーではこの初代モデルの復刻盤を頻繁にリリースしており、同社にとってもグランドセイコー愛好家にとっても特別なアイコンであると言えます。

 

②輩出された名機の数々

初代J14070の発売をきっかけに、グランドセイコーからは数々の名機が世に送り出されました。

 

グランドセイコーのセカンドモデルは1964年に登場します。いわゆる「GSセルフデーター」ですね。Cal.5722を搭載していたため、57GSと呼ばれることもあります。

グランドセイコー 57GS

※グランドセイコー セカンドモデル 57GS。

ちなみにこの57GSの後期型より「クロノメーター表記」が文字盤からなくなります。これはスイスのクロノメーター協会から待ったをかけられたためだとか…もっとも、グランドセイコーではさらに厳格なGS規格を確立するに至るのだから、恐れ入りますね。なお、裏蓋のメダリオンも後期型では獅子からGSマークへと変遷しました。

 

セカンドモデルの何よりの特徴は新たに早送りカレンダーが搭載されたことですが、さらに耐震装置(ダイヤショック)が取り付けられたこと。加えてスクリューバックによって5気圧強化防水仕様となったこともまた特筆すべき点です。

 

さらに1967年にはセイコースタイルを確立した、伝説の名機44GSが登場します。

グランドセイコー 44GS

出典:https://www.grand-seiko.com/jp-ja/about/history

44GSはCal.4420系を搭載していたために、こう呼ばれてきました。

ムーブメント自体も最高精度を誇る名機ですが、44は後のグランドセイコーのデザイン文法「セイコースタイル」を確立したモデルとしても知られています。

※セイコースタイル・・・燦然と輝く時計であるために用いられる、独自のデザインロジック。様々な要素で成り立つが、簡単に言うと歪みのない美しいケースや丁寧な仕上げ・加工によって高級機に必須と言われる立体感や光の陰影を実現するもの。

 

ちなみに44GSが発表された1967年、手巻き10振動のCal.4520と手巻き10振動のCal.4580等が、世界最高峰のムーブメントコンクールで最高位4位、シリーズ賞2位入賞を獲得しています。

このコンクールは通称天文台コンクールと呼ばれ、クロノメーターよりもはるかに厳しい規格のもと、スイス ニューシャテル天文台にて45日間もかけて行われます。

「精度の最高峰」と呼ばれるニューシャテル天文台コンクールで合格できるムーブメントは、エントリー中ほんの数パーセントと言われるほど超難関。グランドセイコーは1964年に同コンクールに初参加することとなりましたが、着実に順位を上げていき、1967年には上位をほとんど独占するまでになりました。

しかもこのコンクールのためだけに精度を追い込んでくるブランドがほとんどという中、グランドセイコーは入賞ムーブメントに調整を加え、なんと製品化しています。

なお、ニューシャテル天文台コンクールは、グランドセイコーのムーブメントがランキング上位をほとんど独占したため、翌年からランク付けをやめてしまったという噂が存在します。

究極のモノづくりの国・日本が誇る、究極の実用機器と言えるでしょう。

 

同じく1967年にはグランドセイコー初の自動巻きモデルである62GSが登場します。

グランドセイコー 62GS

出典:https://www.grand-seiko.com/jp-ja/about/history

ちなみに4時位置にリューズが備えられますが、ケースに埋め込むようなデザインとなっており、独創的ですよね。

 

続く1968年には、国産初の自動巻き10振動モデル「61GS」をローンチ。セイコーが独自開発したマジックレバー巻き上げ方式を採用していることが何よりの特徴です。

※マジックレバー巻き上げ式・・・自動巻きにおいて、腕の振りで効率的にゼンマイ巻き上げを行うための独自機構。現在でもセイコーの自動巻きモデルでは採用されている。

 

1969年には、精度をとことん追い込んだ結果、月差±1分という超高精度を誇る45GS V.F.Aと61GS V.F.Aが登場します。

61GS VFA

V.F.A.とはVery Fine Adjustedの頭文字をとった名称です。

前述した天文台コンクールで華々しい成果を打ち立てたムーブメントに、さらに特別調整を加えたと言う畢生の名機。当時の最高水準の精度を備えているとあって、今なお名機の呼び声が絶えません。

 

③グランドセイコーの休眠と復活劇

グランドセイコーが機械式時計で世界の最高峰精度に迫っていた一方で、セイコーはクォーツ時計「アストロン」を発売します。

工場での大量生産に向き、かつ非常に高い精度が電池で出せるクォーツ腕時計は瞬く間に世界の腕時計市場を席捲し、クォーツショックを起こしました。

※初代セイコークォーツ アストロン

 

奇しくも、アストロンを世に出したセイコーのグランドセイコーも、機械式時計の一時的な衰退に巻き込まれ、一度開発・生産をひっそりと中止してしまいます。

とは言え1980年代後半頃からじょじょに機械式時計は復活していくこととなります。

 

また、国産ブランドはクォーツ時計というジャンルを様々に開花させており、セイコーは多機能モデルや一次電池以外の動力を可能とした「キネティック(自動巻き発電)」の開発を積極的に行いました。

さらに「年差クォーツ(月単位ではなく、年単位でしかズレを生じないと言う驚異の高精度クォーツ)」に活路を見出したことも、この時代のセイコーの大きな特徴です。19988年、年差±10秒となるCal.9581をリリースしますが、同時にグランドセイコーの名前を復活させ、同ブランドの高級クォーツとして売り出されることに!すなわちここに、新生グランドセイコーが復活することとなりました。

セイコー 9Fクオーツ

前述の通り、じょじょに機械式時計の市況が好調になっていた時代。

グランドセイコーでも1998年に機械式時計の発売を改めて開始します。加えて、さらにクロノ―メーターを凌ぐ厳格な精度基準を設けた「新GS規格(これを上回るGSS規格もあり)」を引っ提げており、草創期から変わらず「最高精度」を訴求する姿勢を、今に至るまで貫き通しています。

なお、2017年には母体のセイコーから独立し、ブランドのグローバル化および高級化路線に舵を切っています。

 

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グランドセイコー アンティーク史を彩る高性能ムーブメント

グランドセイコーを語るうえで、ムーブメントの話は避けて通れません。

前項でもご紹介したように高精度にかけては一家言持っていたこと。加えて「国産最高峰の時計」という志のもと、厳選したパーツで職人らが緻密な組み立てを行っていたことから、1960年代当時から非常に傑出したムーブメントを輩出していました。

また、高級機であるがゆえに大切に扱われてきた、ということもありますが、実用を前提とした堅牢な造りとなっているため、今なおメンテナンスを施せば現役で時を刻む個体は少なくありません。この「メンテナンスによって末永く愛用できる」ということは、アンティーク市場を形成するうえで非常に重要となってきます。

本項では、グランドセイコーのアンティーク市場を根底から支える、代表的な名機に迫ってみました。

 

Cal.3180

グランドセイコー Cal.3180

1960年に発売され、初代グランドセイコーに搭載されたムーブメントです。

5振動、25石のロービート手巻きムーブメントで、諏訪精工舎で作られました。

ちなみにベースは、セイコーが1959年に開発した「Cal.560(クラウン搭載機)」です。クラウンはマーベルを高精度化・高品質化したモデルで、これまたアンティーク市場では人気の高い名機となっています。

※クラウンは、さらに遡って1956年発売の「マーベル」にその原点を見ることができます。
マーベルは今なお名機の呼び声高い一本で、国産初の大型ムーブメント(直径26mm)搭載機であり、かつセイコー初の独自設計製品です。「国産時計は精度がイマイチ」といった当時の汚名を見事返上する逸品でした。ちなみに1958年、このマーベルの後継機としてロードマーベルがセイコーから発表されます。これはセイコー初となる23石の高級機となります。
マーベルは諏訪精工舎で製造されたのですが、その完成度の高さに亀戸も負けてられないと思ったか、やはり名機「クロノス」を生み出します。

このようにして成熟していったセイコーの時計製造技術の結果、1959年にマーベルをさらに大型化したクラウンが発売に。精度がいっそう研ぎ澄まされていることはもちろん、力強いトルクやダイヤショック(耐震装置)を搭載した、実用面でも秀でた一本です。

すなわち、初代グランドセイコー Cal.3180は、このマーベルおよびクラウンで熟成されたセイコーの時計製造ノウハウを結集して生み出された、畢生の国産高級機と言うことになりますね。

 

前述の通りCal.3180を搭載した初代グランドセイコーの文字盤には、クロノメーターの文字が入っています。平均日差は+4秒~-2秒。この精度を出すためには設計だけでなく、すべての部品が熟練の職人の手によって、精密に磨き込まれていなければなりません。さらにすべての部品を、熟練の時計師たちが通常よりはるかに長い時間をかけ、正確無比に組み上げることで、セイコー規格をクリアする逸品が生まれるのです。

後になって機械遺産に登録された、今でも伝説と呼ばれるムーブメントです。

スイスクロノメーターの中でも優秀級と同じレベルの精度を追求する、セイコー規格に合格したものだけが、ケースバックに獅子のメダルをつけられます。

またセイコー規格に合格した個体には裏蓋にライオンのメダルをつけ、歩度証明書を添付して販売しました。

 

Cal.4520

グランドセイコー Cal.4520

1968年、当時亀戸にあった、第二精工舎で作られたムーブメントです。

10振動というハイビートになり、毎時36,000振動を繰り返します。

手巻きで25石のムーブメントは、当時から大変性能が高いことで知られ、スイスニューシャテル天文台コンクールに出品、見事合格しました。

ハイビート化のために強力なゼンマイを使用しています。一方でゼンマイが切れやすいといった声もあります。

しかし今も語り継がれる、グランドセイコーの名ムーブメントのひとつです。

 

なお、後にCal.4520を特別調整することで日差±2秒に追い込んだハイビート手巻きCal.4580が登場します。このCal.4580搭載モデルが45GS V.F.A.と呼ばれることも前述の通りです。

 

ちなみに、当時は諏訪精工舎(長野県)と第二精工舎(東京都)でムーブメントが造られていました。

社内でありながらも二つの工場で厳しいセイコー規格をクリアする性能を目指し、精度を競い合う体制も、高性能ムーブメントが生まれた理由のひとつでしょう。現在、時計製造工場はは長野県塩尻市と岩手県雫石市に場所を移しています。

 

 

Cal.6145(デイデイトは6146)

グランドセイコー Cal.6145

出典:https://www.grand-seiko.com/jp-ja/special/10stories/vol8/1/

1968年に登場した、61GSに搭載されたムーブメントです。諏訪精工舎で製作されました。

セイコーが独自開発した、国産初の自動巻き10振動・25石モデルです。

自動巻きでもハイビートを維持することで、高い精度を保つことに成功しました。

姿勢差や外部からのショックにも強くなり、精度の安定も保たれています。

 

自動巻きローターの巻き上げに関しては、セイコーが独自開発した、マジックレバー巻き上げ方式を採用。自動巻きでありながら、手巻き機構も備えたハイブリッドなムーブメントでもあります。

また実用時計として欠かせない、デイト機能(またはデイデイト)もつきました。

ムーブメントの半分近くになる大きなローターには、今も変わらないGSの刻印が入っています。ローターの向こうに見えるムーブメントにはコート・ド・ジュネーブ装飾が施され、見た目も美しい仕上げです。

こちらの61系も後に61GS V.F.A.として日差±2秒という驚くべき精度の追い込みがかけられています。

 

Cal.4580

グランドセイコー Cal.4580

出典:https://www.grand-seiko.com/jp-ja/special/10stories/vol8/1/

Cal.4580は、1969年に発表された、Cal.45系の最上位ムーブメントです。前述したCal.4520の特別調整版ですね。スイスのニューシャテル天文台コンクールにて優秀な成績をおさめたムーブメントのひとつでもあります。

さらに日本で、ニューシャテル天文台コンクールで素晴らしい精度を出した技術者の手によって特別な調整が施され、実機に搭載されました。

手巻き・25石の10振動モデルで、ハイビートの超高精度ムーブメントです。

当時のセイコー、果ては日本の時計業界最高の技術の粋と言っても過言ではない、究極のムーブメントです。

精度は日差±2秒、月差±1分ととことん追い込み、姿勢差や外的ショックの影響下にあっても、安定した高さを誇ります。

またカレンダー付モデルには、瞬間日送り機構まで搭載されるというハイスペックムーブメントです。

製作は亀戸の第二精工舎。

搭載された腕時計は45GSのV.F.Aになります。

 

他にもご紹介したいムーブメントは枚挙にいとまがありません。

 

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グランドセイコー アンティークの歴史的名機を一挙紹介!

最後に、グランドセイコーのアンティークウォッチを買うなら、これは押さえておきたい!という歴史的な名機を一挙にご紹介します。

60年近くを経た今でも輝きを失わず、しかも価格は現行モデルよりもお手頃!レトロな雰囲気で他人とはほぼかぶらないという、魅力たっぷりの名機たちです。

 

①グランドセイコー ファースト J14070

グランドセイコー ファースト J14070

素材:ゴールドフィールド
ケースサイズ:直径 35.0mm
文字盤:シルバー 
ムーブメント:Cal.3180

伝説の手巻き5振動ムーブメントCal.3180を搭載した、「伝説」の初代グランドセイコーJ14070。1960年にクロノメーターに準じるセイコー規格をクリアした、初代グランドセイコーです。

すべての文字盤にクロノメーターの文字が入っているのは、ファーストのみです。

グランドセイコー ファースト J14070

ダイアルはボンベダイアルと呼ばれており、ゆるやかに曲線を描くエレガントな風貌をしています。

またGRAND SEIKOのロゴは、最初期は彫刻、中期はプリント、後にはアプライドになっています。生産時期が特定できるポイントでもあります。

14Kの金張りケースはゴージャスですが、もっとゴージャスなのは文字盤の上です。

後のセイコースタイルを思わせる堂々たる針や、面取りをした輝くアプライドインデックスは格調高く、海外の高級ブランドに引けを取りません。

また文字盤の下の方に描かれた重なる星は、「SD(スペシャルダイヤル)」文字盤の証。インデックスやアプライドされた部分に、純金を使用している印となります。

2度も復刻された、今でも全く古びるところのない完璧なデザインで、「伝説」の称号に相応しいタイムピースと言えます。

 

②グランドセイコー 57GS(セカンド)

グランドセイコー 57GS セルフデーター 5722-9990

素材:ステンレススティール キャップゴールド など
ケースサイズ:直径 36mm 
文字盤:シルバー 
ムーブメント:Cal.430 Cal.5722A Cal.5722Bなど

57GSはグランドセイコーセカンドとも呼ばれる、グランドセイコーの2代目モデルです。

伝説のファーストから4年後、1964年にリリースされました。

ケース素材がステンレススチールに変更され、裏蓋がスクリューバック仕様となったため、堅牢度と防水性がアップ、5気圧防水となりました。(アンティークをお求めの場合、防水性能が維持されていないことが多いのでご注意ください)

ラグがしっかりとした造りになり、ベルトとの遊びの部分が無くなって見た目にもしっかりしたスタイルになります。

デザインも、少しずつセイコースタイルに近づいているように感じさせる1本です。

カレンダー機能が搭載され、より実用的になりました。

グランドセイコーのロゴは、ファーストの後期と同様、アプライド仕上げです。

57GSは、Cal.430、Cal.5722Aをムーブメントとして搭載したモデルと、Cal.5722Bをムーブメントとして搭載したモデルで、大まかに初期と後期に分かれます。

初期にはまだクロノメーターの文字が入っていますが、後期からはクロノメーター表記が消えます。

手巻きムーブメントで、後期からは5.5振動と振動数が上がり、それとともに精度もアップしました。

デザイン的には初期の方が希少性は高くなります。いずれも今では貴重なモデルで、良好なコンディションの個体に出会えたら幸運です。

 

③グランドセイコー 61GS V.F.A

グランドセイコー 61GS VFA 6185-8021

素材:ステンレススティールなど
ケースサイズ:直径 36mm など
文字盤:シルバー  など
ムーブメント:Cal.6186

1968年に発表されたグランドセイコー61GSは、1968年から2年間、量産機種として製造されました。これを特別調整したのが、61GS V.F.Aモデルです。

V.F.Aとは「ベリー ファイン アジャステッド」の略語であることはご紹介致しました。

ニューシャテル天文台コンクールで入賞を果たしたムーブメントに特別調整を施したものを搭載していることを示し、日差±2秒、月差±1分以内という驚異の高精度を誇ります。

61GSはもともと国産初の自動巻きハイビートムーブメントを搭載し、1968年当時の最高峰モデルでした。

61GSV.F.Aモデルは、等時性・姿勢差・外的ショックなどの影響を受けても精度が安定している、最先端にして最高精度のモデルなのです。

 

④グランドセイコー 62GS

62GS

画像出典:https://www.grand-seiko.com/jp-ja
素材:ステンレススティール 18Kイエローゴールドなど
ケースサイズ:直径 36mm など
文字盤:シルバー
ムーブメント:Cal.6246

62GSはグランドセイコー初の自動巻きモデルで、Cal.6246を搭載しています。

1967年に登場しました。

5.5振動のムーブメントには、実に39石を使用していました。

さらにリューズでの巻き上げが必要ないことをアピールするために、リューズは3時位置ではなく、4時位置に目立たないよう埋め込まれています。

リューズはほんの少し頭を見せているだけ、というつつましさで、「自動巻きである」ということを高らかにアピールするモデルでした。

美しく輝くアプライドインデックス、太くて重厚感のある針は、自動巻きで初めてセイコースタイルを踏襲していますが、さらに踏み込んだデザインが特徴です。

ベゼルのないケースで、角を立たせたボックス型のサファイアガラス風防を直接ケースに固定しています。

風防の透き通った角からケースの終わりまでのラインは鋭く、鏡面に仕上げることでどうしても肉厚になってしまう自動巻きの欠点を「力強さ」という魅力に引き上げています。

ベゼルが無い分どうしてもダイアルとガラスの隙間が少なくなりますが、外周目盛りを一段下げたことにより、視認性も高く仕上げられました。

大変人気の高いモデルのひとつで、2015年にグランドセイコーヒストリカルコレクションで復刻版が販売されています。

ちなみに、デイト機能、デイデイト機能を搭載したモデルも存在します。

 

⑤グランドセイコー 45GS

45GS

画像出典:https://www.grand-seiko.com/jp-ja
素材:ステンレススティール 18Kイエローゴールドなど
ケースサイズ:縦 41.0mm × 横 36.0mm など
文字盤:ホワイト シルバー ネイビーブルー など
ムーブメント:Cal.6245 Cal.4522 Cal.4580など

45GSは1968年に発売された、手巻き10振動モデルです。国産初の10振動ハイビート自動巻きである61GSの翌年にローンチされました。

搭載するムーブメントはCal.6245やCal.4522など、見た目のバリエーションも豊富で、ベースモデルは廉価版として位置づけられています。

しかしニューシャテル天文台コンクールで入賞を果たしたCal.4520を搭載したモデルも存在します。

文字盤もホワイトだけでなくネイビーブルーなどがあり、クッション型ケースのものや、18Kケースのものもあり、アンティークの価格も幅が広くなっています。

45GSで特筆すべきは、61GS同様V.F.Aモデルが存在することです。

V.F.Aは特別調製品で、ニューシャテル天文台コンクールで上位入賞したCal.4580を特別調整したムーブメントを使用しています。

手巻き・10振動・25石モデルで、究極の精度をたたき出す特別なモデルです。

45GSは廉価版として販売されたものが多いのですが、45GSV.F.Aに関しては至高の高精度ムーブメントを搭載した、究極の高性能モデルと言えるタイムピースです。

 

グランドセイコーのアンティーク時計を買ううえで知っておきたい「アフターサービス」

グランドセイコーに限らず、アンティーク腕時計を購入するうえで必ずチェックしておきたいのが、アフターサービスです。

グランドセイコーの場合、日本の製造業に関する取り決めに基づいて、補修用性能部品(各パーツ)の保有期間は通常10年、としています。そのため、10年を過ぎると修理したい際、代替パーツが無くなってしまうという可能性が出てきます。

とりわけアンティークの場合は製造からすでに60年近く経過していることもあり、オーバーホールはまだしも、パーツが無いケースを想定しておいた方が良いでしょう。

グランドセイコー アンティーク メンテナンス

しかし、アンティーク世代の腕時計であっても、修理を受け付けてくれるケースもあるようです。

実際にどのモデルの修理が受付可能かは、品物やコンディション、破損したパーツによって異なってきます。

※正規修理対応はメーカー判断となります。修理の際は、グランドセイコーにお問合せ下さい。

 

また、信頼できる時計店でアンティークグランドセイコーを購入すれば、提携工房でオーバーホールや修理が可能です。

アンティークは真贋やリダンの使用なども含め、見る目が重要です。購入する際は、信頼できる時計店で購入してください。

もちろん、弊社GINZA RASINでも取り扱っています。

 

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まとめ

アンティークグランドセイコーは、初代モデルをはじめ今でもファンに愛される名機がそろっています。

スイスの高級ブランドに追いつき、超えたいという精神は、日本の製造業すべてにおける魂のようなものかもしれません。

技術者たちが叡智と技を結集して日夜研究に励んでいた情熱や、物作りへのチャレンジ精神が、アンティークグランドセイコーにはぎゅっと詰まっています。

今でも良質な個体が出てくるアンティークグランドセイコーは、信頼のおける時計店で、メンテナンス等の説明をしっかり受けてからご購入ください。

 

グランドセイコーのご購入はこちら

 

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この記事を監修してくれた時計博士

田所 孝允(たどころ たかまさ)

(一社)日本時計輸入協会認定 CWC ウォッチコーディネーター
高級時計専門店GINZA RASIN 販売部門 営業物流部長/p>

1979年生まれ 神奈川県出身
ヒコみづのジュエリーカレッジ ウォッチメーカーコース卒業後、かねてより興味のあったアンティークウォッチの世界へ進む。 接客販売や広報などを経験した後に店長を務める。GINZA RASIN入社後は仕入れ・買取・商品管理などの業務に従事する。 未だにアンティークウォッチの査定が来るとついついときめいてしまうのは、アンティーク好きの性分か。
時計業界歴18年。

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