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高級時計の市場はますますの広がりを見せ、それにつれ購入基準もまた多彩となっています。

断然人気のロレックスやオメガ。
リーズナブルでかっこいいタグホイヤー。
おしゃれなカルティエ・・・

こういった一目見てそれとわかる価値もいいですが、時計のオーナーにしか伝わらない、しかしブランドの全てが詰まった時計そのものの魅力が存在します。

それは、機械式時計において心臓であり真骨頂でもあるムーブメント
実際、メーカーのホームページを見てみると、ムーブメントについて滔々と語るところは少なくありません。

良質なムーブメントを有する時計は、メンテナンスを上手に行えば一生ものとして使えるし、売りに出しても適正価格で買い取ってもらえるなどメリットもまた大きいですね。

そこでこの記事では、ムーブメントで選ぶなら断然おすすめのブランドをピックアップしました。
パテックフィリップヴァシュロンコンスタンタンなどの雲上ブランドからグランドセイコー、ゼニスなどの有名どころ、そしてF.P ジュルヌなど天才時計職人が手掛ける名機と幅広いラインナップとなっております。

機械式時計だからこそ楽しめる、極上のムーブメントをお楽しみください!

パテックフィリップ

 

ムーブメントで選ぶならコレ!良質な腕時計~有名ブランド編~
①パテックフィリップ

知名度・人気のある時計と聞いてロレックスを思い浮かべる方が多いかもしれませんが、長く腕時計界の頂点として君臨するブランドは、パテックフィリップをおいて他にありません。

オーデマピゲ、ヴァシュロンコンスタンタンと並んで世界三大腕時計ブランドに名を連ねますが、風格、伝統、知名度、クオリティ、ステータス・・・さらに頭一個抜きんでているのです。

 

伝統的に丸型時計の規範であり続けてきたカラトラバ、スタイリッシュでエレガントなスポーツウォッチ・ノーチラス、そして超複雑なグランドコンプリケーション・・・
これら全てがパテックフィリップを代表する銘品ですが、いずれも共通するものは良質―否、極上のムーブメントを内蔵していること。これは、世界中の時計愛好家が認めるところでしょう。

パテックフィリップは2世紀以上もの歴史の中で、完成されたマニュファクチュールのもと、名機と称賛される数多くのムーブメントを製造してきました。

パテックフィリップのムーブメントの魅力は、大別して二つに分けられます。

一つ目は、美しさ

パテックフィリップ ムーブメント

多くの時計専門家が口を揃えてパテックフィリップのムーブメントを「気品があり、美しい」と称賛します。

自社製ムーブメントと一口に言っても、近年はCPU制御された機械で大量生産するメーカーもあります。
もちろんパテックフィリップも最先端テクノロジーを最大限有効利用していますが、機械加工後の仕上げの作業は職人たちの熟達した「手」によってなされているのです。

コート・ド・ジュネーブ(ローターなど目立つところに平行に施された縞模様)やペルラージュ(地板と受け板に施される鱗模様)など見えるところの装飾はもちろん、肉眼ではほとんど見えないようなパーツも丁寧に面取りや研磨、仕上げが行われます。

この仕上げ作業、量産型ムーブでは行っていないところも多く、ともすればこだわり過ぎととる方もいらっしゃるでしょう。
しかし、バックスケルトンから覗くムーブメントを見ればその差は一目瞭然。

ちなみにシンプル・コンプリケーション問わず、全てのムーブメントにおいて手作業仕上げが行われています。

一つひとつのムーブメントを構成するパーツが職人たちに手入れされ、見事なまでの美しさと、パーツ同士の摩耗を最小限にする機能美が宿ることとなりました。

パテックフィリップは多くのモデルでバックスケルトンを採用しています。
裏側から堂々と姿を見せるその美しい意匠は、パテックフィリップのムーブメントへの自信が伺い知れる最たるものです。

 

二つ目は、「パテックフィリップシール」に見る品質へのこだわり。

パテックフィリップシール

出典:https://www.patek.com/en/company/patek-philippe-seal/introduction

美しさやブランドもムーブメントを評価する一つの手段ですが、明確な基準のもと、機械の良し悪しを定義づける機関が存在します。
そのうちの一つに「ジュネーブシール」がありますが、これはムーブメントの信頼性や装飾、製造過程や製造地を限定したもの。

格式の高い規格のため、取得しているブランドはヴァシュロン・コンスタンタンやショパール、ロジェ・デュブイなどの一部ブランド、決して多くはありません。

パテックフィリップは唯一全ての機械式ムーブメントにジュネーブシールが与えられたブランドでしたが、「ムーブメントだけが対象」なことを疑問視し、さらに厳格な「パテックフィリップシール」を新たな基準として打ち出しました。
ムーブメントだけでなく、ケーシング後の時計そのものを評価しよう、というのです。

その基準を満たした時計のみを商品化しているとのこと。

パテックフィリップのムーブメントというと美しさが取り沙汰されますが、やはりそこは最高峰。
時計そのものとしての価値にも決して妥協はしません。

ちなみに2020年のETA問題を前に空前のマニュファクチュールブームを迎え、各社こぞって自社ムーブメントを開発したり新素材・新設計を採用したりしていますが、パテックフィリップもまた目覚ましい進化を遂げています。

パテックフィリップ

出典:https://www.patek.com/en/

例えば2009年に発表された手巻きクロノグラフCH 29-535 PS。
実は、それまでクロノグラフは汎用機のエボーシュをベースに製造されていました。

念願の自社製クロノグラフとなったこのムーブメントは、精密ながら本当に端正な顔立ちをした別嬪さん。
見たものを虜にする芸術性はもちろんのこと、2100年までカレンダー調整のいらない永久カレンダー、そしてスプリットセコンドを融合した複雑構造であることにも驚かされます。

もちろん新ムーブメントだけでなく、40年以上製造され続け、カラトラバ 3919Rなど多くの名作に搭載された手巻きCal.215、超薄型ムーブのCal.240Qも素晴らしいものであることに変わりはありません。

パテックフィリップは中古品でも100万円を超えるのが当たり前なため、一般の方々が気軽に手に入れることができる時計ではありません。
しかし、世界最高峰が手掛けるムーブメントは、時計好きなら一度は感じてみたい極上の魅力を有していると言えます。

 

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②ヴァシュロンコンスタンタン

同じく世界三大時計ブランドに名を連ねるヴァシュロンコンスタンタン。
1819年の創業以来、一度も途切れることなく時計製造を続けてきた、世界最古のブランドであることは有名ですね。

ヴァシュロンコンスタンタン パトリモニー

オーヴァーシーズが最も人気のあるコレクションですが、彫刻やエナメルを駆使した工芸品のようなメティエダールや完璧なまでのクラシカルを象徴したパトリモニー、独特なフォルムながら高貴な輝きを有するヒストリークを見ると、その技術力の高さに驚かされます。

そう、ヴァシュロンコンスタンタンもまた、絶対王者として上質なムーブメントに定評のあるブランドのうちの一つなのです。

例えば、ジュネーブシール

先述した、格調高く、非常に厳格なジュネーブシール。
もともとはジュネーブにおける時計製造技術保護を目的に発足しているという歴史ゆえ、認定機は極僅かです。

パテックフィリップに次いで、ジュネーブシール認定機を多く輩出しているブランドがヴァシュロンコンスタンタンなのです。

もちろんジュネーブ産であればいいというものではありません。
精度や信頼性はもちろんのこと、美しさまでこだわりぬいたムーブメントにのみ与えられる、特別な称号なのです。

オーヴァーシーズだと、防水性や堅牢性を確保するためか裏蓋がスケルトンになっていないタイプも少なくありませんが、もしご予算や好みのタイプが合えば、ぜひ裏スケルトンモデルを買って頂きたいです。

ヴァシュロンコンスタンタン

出典:http://www.vacheron-constantin.com/jp/calibers.html#blocCalibreAuto

上記の画像は、ヴァシュロンコンスタンタンが手掛ける手巻きムーブメント。

雲上ブランドならではの上品な仕上げや装飾も素晴らしいですが、シンプルながら画期的なデザインがおわかりいただけますか?
ヴァシュロンコンスタンタンは、派手な装飾をあまり好まないブランドとして知られています。

その哲学はムーブメントにも引き継がれており、どこまでも端正。

にもかかわらず、面取りや仕上げは丁寧ではっと息を呑むような精緻さ、全体を覆うペルラージュが傍目にもわかる美しさを有するのです。

高級機らしく薄型なのも良いですね。
その証拠に、スポーツラインのオーヴァーシーズも自動巻き・15気圧防水でありながらほとんどのモデルで厚さ約11mm~13mm前後におさまります。

ちなみにクロノグラフはフレデリックピゲをベースにしていましたが、近年自社開発クロノグラフを発表。
もちろんジュネーブシール認定機となります。

そう、ヴァシュロンコンスタンタンもまた、大御所でありながら新開発に余念のないブランドなのです。

ヴァシュロンコンスタンタン ムーブメント

 

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③ランゲ&ゾーネ

休眠期間ゆえか世界三大高級時計に名を連ねてはいないものの、唯一パテックフィリップに追随できると専門家の間で評価が高いランゲ&ゾーネ。

ランゲ&ゾーネのムーブメントもまた、熟練した職人たちによる手作業によって、丁寧に仕上げ・装飾が施されたうっとりするような美しさが魅力です。

ランゲ&ゾーネ ダトグラフ ムーブメント

ランゲ&ゾーネのムーブメントの魅力を解説する前に、同社のムーブメントへの並々ならぬこだわりを語らなくてはなりません。

なぜなら、ムーブメントへの情熱は世界一と言っても過言ではないため
そう言えるのは、多くの古典的なブランドと同様、「手作業」にこだわっているから、だけではないのです。

ランゲ&ゾーネのムーブメントへのこだわりは以下の通りです。

 

一つのモデルに一つのムーブメント

3針、デイト、クロノグラフ・・・通常、機能が同じであれば外装が異なってもモデル(またはシリーズ)間でムーブメントを使いまわすことが普通。
例えば、ロレックスのシードゥエラーとデイトジャストには同じCal.3235が搭載されます。

しかしランゲ&ゾーネは一つのモデルのためだけにムーブメントを開発・設計・製造しているのです。

そして、できあがったムーブメントに満足はせず、ブラッシュアップを重ねて新世代ムーブメントを開発し続けていることも必見です。

 

一度組み立てた時計は出荷時に再度組み立てる

最初の組立ては「調整」に過ぎない、とのこと。

ランゲ&ゾーネのムーブメントは美術品に通ずる価値を放つ「仕上げ」作業を最終工程として行う為、調整の際の組み立てで芸術性を損なう”微小な傷”は許されません。

そこで、一度分解し、一点の曇りすらない状態で”磨きやエングレービング”といった仕上げ作業を行う。
そうして出荷時に再度組み立てる。

 

これらの徹底的なこだわりにより、ランゲ特有の美しいムーブメントが完成されます。

ランゲ&ゾーネのムーブメントは、一目でそれとわかる方もいらっしゃるほど特徴的です。

まず、ムーブメントを大きく覆うプレート。
独特のコートドジュネーブが美しいですね。

ランゲ&ゾーネ ムーブメント

これは、3/4プレートと呼ばれ、当ブランド創業者のアドルフ・ランゲによってドイツ時計製造に取り入れられた手法。
ムーブメントのほとんどを覆う受け板でいくつもの歯車を押さえつけることにより、歯車が動かず精度を安定させたりムーブメントへのゴミの侵入を防いだりすることができます。

一見すると単純な手法ですが、一枚岩でいくつものパーツを押さえつけなくてはならないため、高い技術力と根気が必要。

また、現在のほとんどのムーブメントの主な材料と言えば「真鍮」ですが、ランゲ&ゾーネではムーブメントの地板の素材に加工の難しい「洋銀」を採用しています。

巻き上げ車を「魅せる」造りよりかはいくぶん見劣りのする3/4プレートですが、この変更により洋銀の美しさ、グラスヒュッテストライプがより際立ち、裏蓋からのぞくことの楽しみなムーブメントと言えます。

装飾に関しても、他の追随を許しません。
モデルごとに異なるムーブメントには、「ストライプ仕上げ・サンバースト仕上げ・ペラルージュ仕上げ」などはもちろん、外周研磨といった数々の工程を職人たちによって成されていきます。

特に「エングレービング」という花柄の模様の伝統的モチーフを彫刻する技法は、ランゲ&ゾーネのムーブメント最大の特徴。
一つ一つ手作業にて彫られたエングレービングは同じモデルでも同じ時計は一つとして存在しない、まさに唯一無二の時計を作り出します。

ランゲ&ゾーネ ムーブメント2

 

昔ながらの技法や製法に則り、時間はかけつつも確実に良いものを作り上げる。
ランゲ&ゾーネのムーブメントというのは、いつの時代も色あせることなく多くのブランドのお手本となっています。

 

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④グランドセイコー

これまで雲上ブランドが手掛ける、美しく高貴なムーブメントをご紹介いたしましたが、グランドセイコーは寧ろ真逆。
近年高級路線に寄ってはいるものの、新品でも20万円以下で購入できるモデルがあることはもちろん、ともすれば地味とも取られがちな質実剛健さがウリのブランドです。

しかし、「時計本来の価値」としては、まぎれもない世界トップクラス。

グランドセイコー

機械式時計の歴史は、精度の追求に集約されると言っても過言ではありません。
とりわけクォーツ式腕時計が主流となってからは「時間は合っていて当たり前」といった概念が普通となってきています。

ここ最近、「ムーブメントはどうか?」「どこで作られたか?」といった話題が多くなってきたのも、時計の実用性がフォーカスされてきているからでしょう。

そんな戦いの最先端にいると言えるのが、メイドインジャパンの誇り・グランドセイコーです。

もともと、グランドセイコーが誕生したのは「最高の普通」を目指してのこと。
雲上ブランドのような嗜好品としての時計ではなく、普通の人たちがビジネスなどの日常で一日中使っていられる時計というのを目指したブランドでした。

グランドセイコー

機械式時計の常識を覆した「スプリングドライブ」、クォーツを超えるクォーツと名高い「クォーツムーブメント」とこれまでスイスのどのブランドもやってこなかった分野での発展が目覚ましいですが、昔ながらの機械式―メカニカル―でも引けをとりません。

2018年の今年、20周年を迎えた9Sキャリバー
クロノメーターを上回るグランドセイコー独自の規格に則って開発された超高精度ムーブメントで、ムーブメント単体で測定した精度は平均日差+5~-3秒

ちなみに機械式時計の許容日差は-10~+20秒くらいまでとされているので、グランドセイコーの技術力がいかに凄まじいかお分かりいただけるでしょう。

この精度の秘訣の一つに、毎時36,000のハイビート仕様が挙げられます。
時計の心臓部にあたるテンプが振り子のように振動することで精度を安定させますが、9Sメカニカルは時計界きってのハイビート。

ハイビートだとパーツの摩耗や耐久性が低くなるというリスクが出てきますが、グランドセイコーは最先端技術・「MEMES(Micro Electro Mechanical Systems)」を採用。

MEMSは半導体など超精密品に使われる軽量パーツで、それを精度の調整の大きい部分を担う脱進機に採用することによって重量を減らすことに成功。また、形状も変更し潤滑油を保持しやすいようにして、ハイビートであってもこれまでと変わらない耐久性を確保しているのです。

この他にも、巻き上げ効率や各パーツに工夫を凝らしており、これらは決して目新しさはないものの、確実に機能性が追究されたムーブメントに仕上がっているのです。

グランドセイコー

出典:https://www.seiko-watch.co.jp/gs/movement/mechanical.php

 

ちなみにグランドセイコーは「完全」マニュファクチュール。
2020年のETA問題を前に空前のムーブメント自社開発ブームが到来していますが、一つひとつのパーツをイチから手作りしているブランドというのは実は多くはありません。

グランドセイコーはこういった精度追求のためにパーツをイチから作り出す、真のマニュファクチュラーなのです。

グランドセイコーのムーブメントは、見た目にわかる派手さはありません。

しかし実は丁寧に仕上げがなされており、独創的なペルラージュやゴールドのエングレービングなど遠目から見ても洗練された出来栄えに落ち着いているのです。

 

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⑤ゼニス

ゼニスもまた雲上ブランドには当たりませんが、「良質なムーブメント」を語るうえでは絶対に欠かせない存在。

多くの有名ブランドにムーブメントを提供していることでも有名です。
ロレックスのデイトナにかつてエルプリメロをベースにした機械が使用されていたことはご存知の方も多いでしょう。

ゼニス

そう、最も有名な機械はエルプリメロ
開発の難しいクロノグラフで、その美しさと性能から多くのブランドがお手本、またはベースムーブとして採用している傑作機です。

エルプリメロは1969年に誕生し、「毎時36,000ビート」「一体型クロノ」「コラムホイール式」と当時から完成されていました。
さらに「キャリングアーム方式」という伝達スタイルがとられることも必見。

ゼニス クロノグラフ

画像左上のキャリングアームには秒針を動かす4番車(下の大きな歯車)と中間車(上の小さい方の歯車)の二つが備わります。
実際に動かされるのは中間車の方で、キャリングアームが中間車を中央で止まっているクロノグラフ秒針と嚙合わせることによってクロノグラフが作動する仕組みとなっていますが、
非常にシンプルで古典的ゆえ、機械のギミックを損なうことなく美しい視覚を手に入れていることが魅力です。

このキャリングアームは上述のパテックフィリップやランゲ&ゾーネなど、雲上ブランドが採用しているような、美しくも非常にコストのかかる製造手法。
実際、100万円超えが当たり前のこの機構を、ゼニスなら50万円台から手に入れられるのだから驚きです。

ゼニス ムーブメント

「エルプリメロがかっこいい」といった理由でゼニスの購入を検討される方は少なくないと思います。
そのかっこよさ、そして美しさは、このキャリングアームが担っているところも大きいのでしょう。

一方でハイビートと、このキャリングアームは耐久性にリスクが生じます。
ゼニスもまた言わずもがなのマニュファクチュールですが、ゼニスはエルプリメロでは組み立て作業時に特殊な潤滑油を用い、耐久性を高めるなどの工夫をこらしているのです。

 

ゼニス

出典:http://www.zenith-watches.com/jp_jp/

さらに2017年、1/100秒精度という驚くべきクロノグラフDefy エルプリメロ21や、テンプとヒゲゼンマイの代わりに”単結晶シリコン製の新型オシレーター”を採用した新機構を開発。

これは、ヒゲゼンマイの必要性をそもそも無くすという斬新な発想で、ヒゲゼンマイを作るコストの削減とクォーツに肉薄する超高精度、そしてそもそもパーツが少なくなったため摩擦や摩耗がなく、すなわち重力の影響が出づらいのです。
また、温度変化や磁気の影響も最小限とのこと。

2017年の新機構のためかまだその実用性はわかりませんが、ゼニスがムーブメントにかける情熱が並大抵ではないことの第一に当たります。

大体、普通は数字やブランドの頭文字をとったキャリバー名が多いのに、ムーブメントそのものに名称が付いていること自体、ゼニスの本気と情熱が見て取れますよね。

エルプリメロはロレックスのデイトナだけに留まらず、パネライタグホイヤールイヴィトンなど多くのブランドに提供されてきました。

 

ゼニス エリート

エルプリメロの他に、超薄型設計の自動巻きエリートも有名。
いずれも40万円~50万円台という価格帯で購入できる良質なムーブメント搭載モデルとなりますので、何本か時計をお持ちの方も、初めて機械式時計の購入を考えている方にとってもおすすめできるブランドです。

 

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⑥ロジェデュブイ

ロジェデュブイというブランドをご存知でしょうか。

日本ではまだ知名度は高くありませんが実は芸能人や有名人での愛用者が結構多く、EXILEのアツシさんやガクトさん、大リーガー前田健太さん、ダルビッシュ有さん、総合格闘家小川直也さんなどが挙げられます。

ロジェデュブイ

代表モデルはエクスカリバーで、ダイナミックなローマンインデックスや特徴のあるケースデザインには他ブランドにはない、目を奪われるようなものがあります。
供給数を限定する代わりに種類を多様化し、「オンリーワンの腕時計」という特別感をも発生させていることもブランディングの特徴です。

しかし、もう一点ロジェデュブイに欠かせない戦略と経営理念があります。
それがムーブメントへのこだわりなのです。

当ブランドは1995年創業と比較的新しいブランドになります。
新興ブランドというのはどうしてもデザインウォッチに偏りがちな印象がありますが、ロジェデュブイは別格。

創業者のロジェデュブイはロンジンやパテックフィリップで働いた経歴を有し、完全なマニュファクチュールを確立。
時計メーカーにとって難関にして世界トップクラスの栄誉であるジュネーブシールを全てのモデルに取得するという老舗顔負けのブランドなのです。

ロジェデュブイ ムーブメント

 

ただジュネーブシールを獲得しているだけでなく(それだけでもすごいことですが・・・)、コンプリケーションや新技術への取り組みにも積極的。

例えば時計マニアなら誰もが憧れるトゥールビヨンやパーペチュアルカレンダーなどのモデルも自社製でラインナップ。

ムーブメントの総数はいまや30を超え、もちろん全てがジュネーブシールの認定を受けています。

また、自動巻きを始めムーブメントはどうしても厚みを持ちがちですが、ロジェデュブイではマイクロローター式を採用しています。

マイクロローター式ムーブはローターが通常のそれより小さいため、薄さを保つだけでなく、本体を覆わず機械そのものの美しさを楽しむことができます。

ロジェデュブイ ムーブメント

パテックフィリップやランゲ&ゾーネなど高価格帯のブランドで使用されていることは納得ですね。

人気のクロノグラフも、高い技術力と手間を要するコラムホイール式を採用し操作性や作動の安定性を追求するなど、全く隙のない製品開発に驚かされます。

こういった開発に余念が無いためか、ロジェデュブイの時計は普段使いにしては高価格帯。
しかし、確かな技術力やブランド力にダイナミックなかっこよさが融合し、メンズ時計の定番となりつつあることは事実です。

 

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ムーブメントで選ぶならコレ!良質な腕時計~天才時計職人編~
ダニエルロート

膨大な資本力や人的資源を背景に良質なムーブメントを作り上げる有名ブランド。
一方でそういった企業に属さず、独立した個人や少数精鋭の工房で至高の作品を作り上げる人々もまた存在します。

ダニエルロートはそんな天才時計職人のうちの一人ですが、元々は大手企業に属していました。
ジャガールクルト、オーデマピゲで技術力を習得した後、ブレゲの復興を全う。そこで彼はトゥールビヨン機構の小型化に成功。世界で初めて同機構を腕時計に搭載し、時計界に大きな功績を残しました。

ダニエルロート

1988年にダニエルロートというブランドを立ち上げ、一度はブルガリの傘下に加わるものの現在は独立時計師(新ブランド名はジャン・ダニエル・ニコラ)として活躍。
どの時代も独自性の強いラインナップを展開してきましたが、とりわけコンプリケーション搭載ムーブメントに定評があります。

ボタンが押されるたびにリセットとスタートを繰り返すクロノスプリント、通常縦目・横目などが一般的なクロノグラフの文字盤を改良し、デジタル表示とレトログラードを両立させたモデルなど・・・

多くの斬新すぎる機構を次々と生み出しました。

とりわけトゥールビヨンへの造詣の深さは随一で、独立時計師となってから発表したダブルミニッツトゥールビヨンは圧巻。
通常1分間に1回転するトゥールビヨンを、2分間に1回の回転としているのです。

機構そのものの奇抜さもさることながら、ダニエルロートのムーブメントというのは美しさも見逃せません。

コート・ド・ジュネーブや丁寧に仕上げられたパーツは息をのむような出来栄えです。

ダニエルロートは、大手ブランドで培ってきた地位を捨て、現在は独立時計師として活動。
これらの素晴らしい芸術品をイチから手作業で製造しているというのだから驚きです。

年に数本ほどの生産となりますが、間違いなく時計史に大きな軌跡を残す傑作品ばかりとなります。

 

ダニエルロート 商品一覧

 

ムーブメントで選ぶならコレ!良質な腕時計~天才時計職人編~
②パルミジャーニ・フルーリエ

パルミジャーニ フルーリエは1996年創業の新興ブランド。
しかし、創業者ミッシェル・パルミジャーニは、「神の手を持つ時計師」と名高い天才時計師です。

彼もまたブレゲと関わり深く、1829年にブレゲが製作したシンパティッククロック(同調時計)を修復したことで時計界に彼の名が轟きました。

このシンパティッククロックには数々の有名時計師が修復に挑みましたが、その複雑さ故、誰一人として修復することはできず、修復は不可能とされていたのです。

パルミジャーニ・フルーリエ

パルミジャーニ・フルーリエは大手メーカーでも老舗でもありません。
しかし、ムーブメント製造―最も難しいとされるヒゲゼンマイ含む―などを自社で手掛ける「完全マニュファクチュール」を貫いている、非常に稀有な存在です。

設立当初は汎用機を使っていたものの、彼自身が満足できずマニュファクチュールに移行したというのだから、そのこだわりの強さは見てとれるでしょう。

パルミジャーニ・フルーリエの時計は、よく「正統派」と称されます。
シンプルな薄型、丁寧な仕上げ・・・ブレゲのクラシックやパテックフィリップのカラトラバに通ずるような端正な面持ちが、往年の風格のようなものまで感じさせるほど。

一方で卓越した技術力を武器に、見る人をわくわくさせるような、そんな楽しい仕掛けを持った時計も多くラインナップ。

特徴的なケースフォルムももちろん独創的です。
しかし内蔵されるムーブメントはもっと奇抜。

 

パルミジャーニフルーリエ

出典:https://www.facebook.com/ParmigianiFleurier/?ref=page_internal

30秒で一回転するトゥールビヨンや超薄型トゥールビヨン、自動車メーカーブガッティとコラボしたモデルでは自動車で使用されるディファレンシャルギアを用い、より高精度となったパワーリザーブインジケーターを実現しました。

近年では超薄型キャリバーの製造にも積極的で、2018年には厚さわずか8.2mmの表裏スケルトンケースに収められた新作を発表。

年間製造数に限界があるため、時計専門店であっても見かけることはレア。

しかし、機械式時計製作に精通した天才が生み出す傑作は、愛好家たちの常に憧れの的なのです。

 

パルミジャーニフルーリエ 商品一覧

 

ムーブメントで選ぶならコレ!良質な腕時計~天才時計職人編~
③F.P ジュルヌ

日本での取り扱いは少なく、正規店も東京と兵庫の2店舗のみと決して知名度は高くないF.P ジュルヌ(フランソワポール ジュルヌ)。

実は時計界ではその名を知らぬ人がいないほど実力が評価されている天才時計職人で、どの企業にも属さず独立時計師として活躍している人物です。

フランソワポールジュルヌ

ジュネーブ市が中心になって開催している時計コンテスト「ジュネーブ・ウォッチメイキング・グランプリ」では新作を発表する度に受賞しており、コンプリケーションに至っては全てのモデルがグランプリである”金の針賞”を獲得。

そう、超複雑機構をさらに独創的に改良したムーブメントに至っては、老舗強豪ブランドを退けるほどの実力なのです。

例えば、正時ごとチャイムで時刻を告げるソヌリ機構と、任意の現在時刻をチャイムで知らせるミニッツリピーターを融合させた「ソヌリ・スヴレンヌ」。
100分の1秒まで測定できるクロノグラフ「サンティグラフ・スヴラン」。

こういった独創性溢れつつ、非常に高度な技術力と設計力が必要な機構を自在に操るのがF.Pジュルヌという天才なのです。

一方で実用性を決して軽視せず、F.Pジュルヌの代表作である「オクタ・リュヌ」では腕から外した状態で120時間ものロングパワーリザーブを誇る世界初の機械式ムーブメントを搭載したことでも有名。

加えて、超高精度であることでも名を馳せています。

 

コンプリケーションの作り手の多くに当てはまることかもしれませんが、F.P ジュルヌもまたムーブメントの美しさに対し、比類ないこだわりを持つ時計師です。

「時計は全てにおいて美しくなければならない」とは彼の理想。

2004年より全てのムーブメントに18Kゴールドを採用しており、裏スケを覗くとそのまばゆい輝きを楽しむことができます。

前述のように決して大手企業のようなマーケティング力や人的資源があるわけではなく、年間生産数は850本程度。
しかし、その全てがこだわりぬかれており、確実に上質な、そして誰とも違った自分だけの腕時計を楽しめること請け合いです。

 

F.Pジュルヌ 商品一覧

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④ピエールクンツ

「レトログラードの魔術師」
「機械式時計の鬼才」

こういった呼び名をほしいままにしている天才時計師・ピエールクンツもまた、良質なムーブメントを語るうえで欠かせない存在です。

ピエールクンツ

出典:http://www.pierrekunzgeneve.com/pierre_kunz/index.php

 

1997年からフランクミュラーの工房で働いていたピエールクンツは類まれな才能を認められ、フランクミュラー本人の勧めで2002年に同名ブランドを立ち上げました。

ピエールクンツの時計は全てにレトログラード機構が採用されています。

レトログラードとは、時計の針が扇形に動き、目盛の端に達するとまたもとの位置にフライバックするもの。
文字盤に美しさや独創性を持たせてくれる機構ですが、その製造は超複雑。

実際、時計の七大複雑機構に名を連ね、ブランパンジェラルドジェンタなど、一部の高い技術力を持ったブランドのみが手掛けているだけ。

その巧みな技法の素晴らしさはもちろん、見た目にも面白くて楽しい時計を製造してくれているピエールクンツ。

ピエールクンツ

定価は100万円を超えてくるものがほとんどですが、並行輸入品や中古ですとかなり価格が抑えられますので、良質なムーブメントがいいけれど、人とはかぶりたくない、といった方におすすめのブランドです。

 

ピエールクンツ 商品一覧

 

ムーブメントで選ぶならコレ!良質な腕時計~天才時計職人編~
⑤ヴィアネイハルター

天才集団・独立時計師アカデミーの中でも、異彩を放つヴィアネイハルター。
明るい人柄が魅力で、ユニークな発想力から次々と独創的な時計を展開。

ヴィアネイハルター

出典:https://www.instagram.com/vianney_halter_official/

ジャケ・ドローの依頼を受けて開発したチャイム機構とオートマタを搭載したスペシャルタイムピースで一躍有名となり、次いでハリーウィンストンとコラボしたオーバス3でその名声を確かなものにしました。

このオーパス3、10枚のディスクを用いて時・分・デイトをそれぞれ2桁のデジタル表示とした時計で、分が切り替わる5秒前からカウントダウンをも行うもの。

2018年の今年はさらなる意欲作が発表されます。
それは、ディープ・スペース・トゥールビヨン。

3Dトゥールビヨンとなっていますが、SF映画『スタートレック』の宇宙ステーションからインスピレーションを得たというドーム型の外装も魅力ですが、この3Dトゥールビヨンのために輪列・運針機構をイチから再設計しているというのだから驚き。

通常の3Dトゥールビヨンだとキャリッジ分重量を増したゆえ4番車への負荷がどうしても大きくなってしまうため、解決策として通常の設計から自分流に変えてしまったのです。

そんな彼だから、ムーブメントに対してこだわりがないはずがありません。

 

ヴィアネイハルター

ユニークな機構はもちろん、ヴィアネイハルターの代表作であるクラシックでは、シンプルな3針自動巻きモデルですが、扇形ではなくサファイアクリスタル製のミステリアスローター(重さの傾きがないように見えるローター)をご覧いただけます。
これは、ムーブメントをより堪能できる仕組みとして、話題を呼びました。

ヴィアネイハルターもまた独立時計師のため年間製造本数は少なく、時計専門店でも気軽に手に入るブランドではありません。

しかし、時間がかかってでもヴィアネイハルターの時計が欲しい。
そう言っている愛好家は決して少なくないでしょう。

 

ヴィアネイハルター 商品一覧

 

ムーブメントで選ぶならコレ!良質な腕時計~天才時計職人編~
⑥フィリップ・デュフォー

最後にご紹介させていただくブランドは、世界で初めて腕時計にミニッツリピーターを搭載したことで有名なフィリップ・デュフォ―。
現代では「時計の神様」とも呼ばれ、多くの老舗強豪ブランドをも圧倒するような高度な腕前を持つ独立時計師です。

もともとはジャガールクルトやヴァシュロンコンスタンタンで時計製造に携わったという輝かしい経歴を持つフィリップ・デュフォ―。
独立後も、老舗の風格を感じさせるような気品溢れる腕時計を生み出し、年間製造本数30本前後にもかかわらず、この時計の神様が手掛けた作品を今かいまかと心待ちにするファンが世界中にいるのです。

フィリップ・デュフォ―の製造本数に限りがあるのは、少数工房での展開だから、だけではありません。

パーツ製造から仕上げ、組み立てと一貫して手掛けており、しかもそのこだわりは並大抵ではありません。

例えば、一般的にムーブメントの地板には真鍮が用いられますが、ランゲ&ゾーネ同様にフィリップ・デュフォ―は洋銀を用いているのです。

この洋銀、美しく強度にも優れますが、傷が目立ってしまったり汗が付着すると変色してしまったりと、なんとも職人泣かせな素材。

それを、ムーブメントの美しさという観点から、敢えて採用しているのです。

また、パーツの磨きや仕上げにも並々ならぬこだわりを見せており、大切に作り上げていることが一目で見てとれます。

丁寧な作業ゆえ時間はかかりますが、こうして作り上げられた時計のムーブメントが至高であることはもちろん、往年の風格を感じさせる上品さを醸す傑作として名高いのです。

実は日本国内にもファンは多く、何度か来日し講演会を開いていることは有名。
シンプル機能のシンプリシティは、日本マーケットに向けて製造されたとのことです。

 

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まとめ

2020年のETA問題が差し迫るなか、自社製ムーブメントを採用するブランドは大幅に増えてきています。
それに合わせて、消費者の興味関心も高まりました。

やはりムーブメントは時計の命。
精度や信頼性、パワーリザーブなどの機能は、全てこの命にかかっているのです。

ムーブメントに定評あり!のブランドをご紹介いたしましたが、まだまだ広い時計業界、たくさんの名機が存在します。

まずリューズを回してみてください。
腕時計の命をその手に感じられることでしょう。

 

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