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WEBマガジン, エントリーモデル特集, シチズン, 南幸太朗

ザ・シチズン本気の機械式ムーブメントCal.0200を徹底解説!

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ザ・シチズン 2021年新作 Cal.0200

出典:https://www.facebook.com/CITIZENwatch.jp/photos/

2021年、シチズンは新作モデル「ザ・シチズン メカニカルCal.200」を発表しました。

実に11年ぶりとなる新作の機械式時計は、その沈黙を打ち破るにふさわしいインパクトのあるモデルとなっています。

新作を一言で言うならば、「和洋折衷」。日本を代表する時計ブランドであるシチズンの技術力と、2012年に傘下に入ったスイスの名門ムーブメント企業ラ・ジュー・ペレ社の良さを存分に取り入れています。

ではどのようにして、シチズンは自社の技術力とスイスの名門ムーブメント企業の良さを新作に反映させたのでしょうか?

この記事では、「ザ・シチズン メカニカルCal.200」の魅力をたっぷり解説していきたいと思います!

 

ザ・シチズンってどんなブランド?

ザ・シチズンは、1995年にシチズンから登場したハイエンドブランドです。「ザシチ」の略称でも親しまれてきました。熟練の時計製造マイスターらによって手掛けられたその製品群はシチズンが得意とする優れた加工技術と圧倒的な精度がいかんなく発揮されており、まさに最高峰の出来栄え。また、ザ・シチズンは、同社で唯一イーグルマークを冠するブランドでもあります。

※シチズンのイーグルマーク・・・1960年代製造の「シチズン クロノマスター」で採用されていたエングレービング。「常に先を見据え理想を追求する」「身につける方に永く寄り添う」というザ・シチズンの時計製造における2つの意思を表示しており、同ブランドのアイコンにもなっています。

 

なお、ザ・シチズン初代モデルとして登場したのは、超高精度クォーツ時計。なんと、1年で5秒しか狂わないという他を圧倒する驚異のスペックを実現していました。ちなみに一般的なクォーツ時計は月差±20秒程度となりますので、その凄まじさが伝わってきますね。

ザ・シチズン

出典:https://citizen.jp/

 

初代からラインナップは高精度クォーツムーブメントが中心となってきたことも、ザ・シチズンの大きな特徴です。

しかしながら2021年、なんと新ムーブメントを伴って、新作機械式モデルが発表されます。2010年以来、実に11年ぶりのこととなります。これがまた、畢生の出来栄え。熟練したブランドにしか製造できない、性能面・装飾面ともにきわめて優れた名機なのです。

 

ちなみにザ・シチズンは、同じ和製ブランドであるグランドセイコーと比較されることがよくあります。グランドセイコーもまた、母体をセイコーに持つ和製ハイエンドブランドであるためです(2017年よりセイコーから独立)。

グランドセイコーは1960年、国産初の高級時計を志して打ち立てられました。そのため歴史としてはグランドセイコーに軍配が上がるものの、当然ザ・シチズンも負けてはいません。

まず、ザ・シチズンの強みと言えば、前述の通り他を圧倒する高精度。グランドセイコーはクォーツのみならず機械式,そしてクォーツと機械式のメリットを融合させたスプリングドライブ式をラインナップにしているため一概に比べることはできませんが、それでも「高精度クォーツ」9Fキャリバーは年差±10秒。一方、ザ・シチズンの高精度クォーツのスタンダードは年差±5秒であり、かつ2019年発表のCal.0100において、年差±1秒という数値を叩き出したことは驚異的でしょう。また、1976年に世界初のソーラー時計を生み出した背景から、エコドライブ搭載機が潤沢なこともザ・シチズンの特徴です。

 

ザシチ

出典:https://citizen.jp/

さらに、非常に高級感溢れる外装もまた、ザ・シチズンの得意とするところです。もっとも外装技術に関しては、グランドセイコー・ザシチともにどちらも素晴らしいと言わざるをえません。

ではザ・シチズンの外装がどのような特徴を持っているかと言うと、まず巧みに加工・仕上げされたケースや文字盤。そしてこのケース、シチズン独自のデュラテクト加工(表面硬化技術)によってきわめて優れた耐傷性・耐摩耗性を獲得し、この美しさを安定的に維持するのです。ちなみにザ・シチズンで採用する素材は多岐に渡りますが、中でもスーパーチタニウムモデルは軽量かつ耐アレルギー性に富んでいるとあって、同ブランドの魅力を押し上げます。

 

さらにザ・シチズンの特筆すべき点として、10年保証も言及しなくてはなりませんね。

ザ・シチズンは初代モデルから「10年間の無償保証」を掲げており、大いに世間を驚かせました。これは、自社製品に自信があるからこそ、成せる業です。

近年の時計業界では技術進化もあり、購入後の保証期間は伸びる傾向にあります。それでも2年~5年がスタンダード。10年という期間は圧倒的に長いと言っていいでしょう。

 

このように、高度な時計製造技術とマイスターらの熟練した手腕で時計業界をひた走ってきたザ・シチズンが打ち出した機械式時計とは、どういったものなのでしょうか。

次項でその魅力を紐解いていきます。

 

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ザ・シチズン2021年新作。機械式ムーブメントCal.0200搭載モデルの実力とは?

ザ・シチズン 2021年新作 Cal.0200

出典:https://www.facebook.com/CITIZENwatch.jp/photos/

2021年のザ・シチズン新作メカニカル時計。その魅力を解説していきます。

 

①自社製機械式ムーブメントCal.0200の実力

当新作の一番の特徴は、なんと言っても新型ムーブメントCal.0200でしょう。

前述の通り、新型の機械式ムーブメント搭載モデルは実に11年ぶり。

Cal.0200が生み出される一つの契機が、2012年に遡れます。この年、スイスの名門ムーブメント企業であるラ・ジュー・ペレ社がシチズンの傘下となったのです。

Cal.0200は、このラ・ジュー・ペレ社と積極的な技術交流を行ってきたからこそ生まれたムーブメントと言えます。

ザ・シチズン  Cal.0200

出典:https://www.facebook.com/CITIZENwatch.jp/photos/

まず特筆するべきは、その性能の高さ。これはシチズンならではと言えるでしょう。

てんぷにはフリースプラング方式を採用しています。

フリースプラング方式とは、高い精度を安定的に維持できる仕組みですが、部品が高額になるうえに組み立てには高い技術も必要です。そのため主にロレックスやオメガ、パテックフィリップなど採用しているのは、いずれも名だたる高級時計ブランドです。

11年ぶりの自社製機械式時計にもかかわらず、ザ・シチズンはフリースプラング方式を組み込んだことに、どれだけの業界人が驚かされたでしょうか。

このフリースプラング製造には、LIGA工法を用いています。これによってフリースプラング方式では欠かせない精密・精緻なパーツ製造が可能となり、高性能ムーブメントを根底から支えています。

※LIGA工法…微細構造物形成技術のこと。フォトリソグラフィと電解めっきを利用した加工技術であり、高い精度の部品を製造することができます。

 

もう一つのCal.0200のポイントは、ムーブメントの仕上げの美しさ。ここがこれまでのシチズンのモデルとは大きく異なる部分と言えます。

ザ・シチズン

出典:https://www.instagram.com/citizenwatchjp/

これは前述のラ・ジュー・ペレ社が培ってきたムーブメントの仕上げ技術が生かされています。

設計や部品製造から組み立てはシチズン、地板や受け類の製造はラ・ジュー・ペレ社が分担しています。

それにより、高い精度や機能と見た目の美しさを両立した唯一無二のムーブメントが完成しました。こういった意味で私は当新作を「和洋折衷」と表現したのです。

なお、裏蓋はシースルーになっており、美しい仕上げが施されたK22ローターを覗くことができます。

 

前述の通りシチズンは、ラ・ジュー・ペレ社を傘下にしてから、積極的な技術交流を行ってきました。

グループ会社化には多数のメリットがある一方、そのブランドの持つ色が失われてしまうというデメリットもあります。しかし、シチズンの色に染めてしまうのではなく、ラ・ジュー・ペレ社が長年培ってきた技術を保守しました。

そして技術交流という形で自社に取り入れ、両社の良さを凝縮した新作ムーブメントの開発につなげることに成功しました。

またパワーリザーブが60時間と、これまでの42時間から18時間も増えたのは嬉しいポイントです。

 

②外装デザインも素晴らしい

Cal.0200の実力もさることながら、新作ザ・シチズンは外装デザインも大きな魅力です。

外装の特徴はなんと言っても、その高級感あるケースデザインでしょう。もともとザ・シチズンの外装の高級感には定評がありましたが、新作メカニカルモデルには近年流行りの「ラグジュアリー・スポーツ」を感じさせるテイストが入り、より洗練された仕上がりを実現しています。

ザ・シチズン

出典:https://www.instagram.com/citizenwatchjp/

ラグジュアリー・スポーツウォッチに定まった用法はありませんが、高級ブランドが製造する、ケース・ブレスレットがシームレスとなったスタイリッシュ・スポーツウォッチが一つの特徴となります。

シチズンいわく「これまでのアーカイブからの影響」というにとどめていますが、このラグジュアリー・スポーツを意識したと思わずにはいられないデザインを新作メカニカルモデルは有します。

ケースとブレスレットをつなぐラグをなくして一体型に。これまでの光沢のある仕上げとは異なり、あえてあら目のヘアラインとミラーを組み合わせた加工に仕上げています。ステンレスの無垢素材を生かしたヘアライン仕上げは精悍な印象を強めています。

ケースは40mmと、日本人には嬉しいサイズ。

外装にもまた、「和洋折衷」が垣間見えると言えるでしょう。

 

③国産ならではの良心的な価格設定

ザ・シチズン 2021年新作

出典:https://citizen.jp/

ザ・シチズン新作メカニカルモデルの魅力。ムーブメントや外装の技術力および美しさに加えて、その価格帯も特筆すべきでしょう。世界基準の高級時計市場を狙いながらも、「シチズン(市民)」という名の通り市民に寄り添う良心的な価格設定がなされました。

と言うのも、定価はブラック・ブルー文字盤のレギュラーモデルがそれぞれ605,000円、55本限定のホワイト文字盤のモデルが825,000円(いずれも税込)です。

フリースプラングテンプを採用し、美しいムーブメントの仕上げ加工、そして優れた外装。

これだけの技術と見た目の美しさを兼ね備えながら、ミドルレンジの価格を実現するのは、シチズンならではと言えます。

もちろん、従来のザ・シチズンの平均的な価格帯が20~30万円だったことから考えると、ハイエンドであることに違いありません。しかし、一層高い機能性と外装の美しさ、ムーブメントへのこだわりを考えればむしろ並外れたコストパフォーマンスを有していると言えるでしょう。

 

 

ザシチ2021年新作Cal.0200搭載モデル一覧

ザ・シチズンの2021年新作Cal.0200搭載モデルは、全部で3種類あります。それぞれ見ていきましょう。

 

ザ・シチズン Cal.0200搭載モデル

出典:https://www.grand-seiko.com/jp-ja/collections/slgh002

外装

型番: NC0200-90E、NC0200-81L
ケースサイズ: 直径40mm×厚さ10.9mm
素材: ステンレススティール
文字盤: ブラック

ムーブメント

ムーブメント: Cal.0200
駆動方式: 自動巻き
パワーリザーブ: 約60時間

機能

防水: 5気圧防水
定価: 605,000円(税込)

両者は、基本スペックは同じで文字盤の色と加工が異なります。

NC0200-90Eはブラックの文字盤で、電鋳手法によって文字盤に砂地模様があしらわれています。

一方NC0200-81Lはブルーの文字盤にはサンレイ加工が施されているため、光沢感がありより深みのあるブルーになっています。

また、どちらの文字盤にもザ・シチズンのシンボルである「イーグルマーク」が装飾されています。

両者ともに裏蓋にはシースルーバックが搭載されているため、美しいムーブメントを覗くことができます。

 

ザ・シチズン NC0200-06A

出典:https://www.grand-seiko.com/jp-ja/collections/slgh002

外装

型番: NC0200-06A
ケースサイズ: 直径40mm×厚さ10.9mm
素材: ステンレススティール
文字盤: ホワイト

ムーブメント

ムーブメント: Cal.0200
駆動方式: 自動巻き
パワーリザーブ: 約60時間

機能

防水: 5気圧防水
定価: 605,000円(税込)
生産: 限定数量 55本(裏蓋シリアルナンバー入り)

NC0200-06Aは、特定店だけの55本限定アイテム。

こちらも電鋳手法によってホワイト文字盤に砂地模様があしらわれており、雪のように静かで上品な仕上がりとなっています。

こちらは、ワニ革のストラップがセットになっています。

こちらも文字盤にはイーグルマークがあしらわれている他、K22ローターにもイーグルマークが施されています。

ホワイトの文字盤は数量限定でブラックと同じく電鋳加工が施されています。

その他、ホワイトのみワニ革ストラップ、K22ローターにはイーグルマークが施されるなど、特別仕様になっています。

 

まとめ

ザ・シチズンの新作モデル「ザ・シチズン メカニカルCal.200」は、世界展望を見据えたシチズンの覚悟が伺える1本と言えるでしょう。

日本が代表するシチズンの持つ高度な技術と、スイスのラ・ジュー・ペレ社が持つ装飾技術、両社がうまく融合したことによって和洋折衷とも言える1本が誕生しました。

時計産業のなかでは、スイスと日本はこれまでライバル関係と言えました。

しかし今回のシチズンの新作では、グループ傘下になったスイスムーブメント社の良さを活かすことで、スイスと日本の持つそれぞれの良さを融合できることを証明しました。

これからの時計業界にも大きな一歩となるモデルと言えるでしょう。

 

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この記事を監修してくれた時計博士

南 幸太朗(みなみ こうたろう)

(一社)日本時計輸入協会認定 CWC ウォッチコーディネーター
高級時計専門店GINZA RASIN 買取部門 営業企画部 MD課/買取サロン プロスタッフ

学生時代に腕時計の魅力に惹かれ、大学を卒業後にGINZA RASINへ入社。店舗での販売、仕入れの経験を経て2016年3月より銀座本店 店長へ就任。その後、銀座ナイン店 店長を兼務。現在は営業企画部 MD課 プロスタッフとして、バイヤー、プライシングを務める。得意なブランドはパテックフィリップやオーデマピゲ。時計業界歴13年。

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