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自動巻き時計の巻き方!巻上方向を確認する方法~右巻き・左巻き・両巻き~

廣島浩二, 腕時計修理・メンテナンス大全

自動巻き時計 巻き方

自動巻き時計には「右巻き・左巻き・両巻き」の3つの種類が存在します。

これらの違いは巻上方向の違いであり、ローターが回転した際にどちらの方向に振れた際にゼンマイが巻上がるのかを表しています。

あなたの持つ時計はどの巻上方向を持つのでしょうか?

今回は3つの巻上方向に関する基礎的な知識や見分け方を解説していきます。

機械式時計 自動巻き 巻上方向

 

自動巻き時計の3つの巻上方向

自動巻きを使用している方でも、身に着けている時計がどのタイプかわからないという方は非常に多いです。

取扱説明書を見ても巻上方向まで記載されているモデルは殆どありません。

 

例えば、ロレックス。

ロレックスのムーブメントは現行であれば「両巻き」が採用されており、ローターが左右どちらに触れてもゼンマイが巻かれる仕様となっています。

 

パテックフィリップ。

ムーブメントによって巻上方向は異なりますが、ノーチラス・カラトラバといった定番モデルは左回りが基本です。両巻きのムーブメントも存在しますが、大半のモデルで「左巻き」が採用されています。

 

その他のブランドにおいてはグランドセイコー・タグホイヤーなどが両巻き、ジャガールクルト・ブレゲなどは片巻きとなっているなど、ブランドによって巻上方向は異なります。

 

両巻きが最も良いわけではない

片巻きより両巻きの方が効率的と思われがちですが、片巻きはシンプルで小さなエネルギーで巻き上げられるとも言われれており、必ずしも両巻きが優れるとは言い切れません。

現にパテックフィリップやブレゲといった雲上ブランドは独自の機構開発により片巻きでありながらも両巻きを遥かに凌ぐエネルギー効率を有しています。

そのため、時計を選ぶ際に片巻きだからと買うのをためらう必要はなく、あくまでも「この方向で巻き上がるんだな」くらいに考えて問題ないでしょう。

 

巻上方向の見分け方

実は誰でも巻上方向を見分ける方法があります。

まず、一つはワインディングマシーンを製作しているORBITA社のサイトを参照すること。

 

ORBITA社

https://www.orbita.com/winder-support/

 

リンク先の中央にあるSEARCHにブランド名を入れて検索すると、そのブランドとモデル名(型番)とキャリバー一覧が出てきます。アルファベット一覧からブランド名の頭文字をクリックすると、ブランド名とモデル名とキャリバー一覧が出てきます。この一覧から、ご自身がお持ちのモデル名・型番・キャリバーを探してください。

 

右から2番目の項目に”TURN DIRECT”に巻上方向が書いてあります。

 

  • CW(CLOCK WISE)=時計回り(右巻き)
  • CCW(COUNTER CLOCK WISE)=反時計回り(左巻き)
  • BOTH(BIDIRECTIONAL)=両方向
  • UNI(UNIDIRECTIONAL (DIRECTION NOT PROVIDED)=非公開

 

これをチェックすれば、簡単に巻上方向を調べることが可能です。

試しにパテックフィリップ ノーチラス5711/1Aの巻上方向を見てみましょう。

パテックフィリップ ノーチラス ラージ 5711/1A-010

ORBITA社のサイトにアクセスし、巻上方向をチェック。

このモデルは初期が315SC、後期が324SCを採用しているので、ムーブメントナンバーを参考に検索してみました。

ノーチラス 自動巻き 巻上方向

調べた結果、「CCW=左巻き」の表記を発見。

5711/1Aは左巻きで間違いないようです。

 

ワインディングマシーンを使う際には注意が必要

自動巻きの巻上方向を最も意識しなければいけないのはワインディングマシーンを使用する場合です。

時計を使わない時にワインディングマシーンを使用される方はよくいらっしゃいますが、反対方向に回転させていても一向にゼンマイは巻き上がりません。お手持ち時計の巻上方向を知って正しくセットする必要があります。

ワインディングマシーンを使用しても巻き上がらない=故障と勘違いして修理に出される方がいますが、それは巻上方向とは逆回転のワインディングマシーンを使用している可能性があります。

 

ワインディングマシーン

https://www.facebook.com/pg/OrbitaWinders/

「CCW=左巻き」はローター側から見て左に回転したときにゼンマイを巻上げるという意味ですので、ワインディングマシーンに乗せる時は左側に回転させるようにセットします。

現在販売されているワインディングマシーンは反回転・交互回転・正回転のいずれも設定可能なものが多く、左回りに回転させる位置にセットしてあげるだけで正しくゼンマイは巻かれます。

 
 

もしORBITA社の一覧になかった場合、シースルーバックならばローターを見ながら時計をゆっくり回してみることで判別することもできます。

これが2つ目の方法です。

自動巻きローター

例えば左巻きであれば、左に回す際にゼンマイを巻くためのエネルギーが生じ、動きにストレスが生じます。逆に左巻きを右に回しても「空回り」するため、ストレスがありません。

つまり、時計を回した際に力を感じる方向がその時計の巻上方向です。

尚、シースルーバックでなくても、時計に耳を近づけてゆっくり回してみてると、動きにストレスがある方向であれば「ジ~ッ」と音がするため、判別できるモデルもあります。100%当たっているといえない場合もあるので、こちらはご参考までに。

もし解らなければメーカーにお問い合わせされるのが一番です。

当記事の監修者

廣島浩二(ひろしま こうじ)

(一社)日本時計輸入協会認定 CWC ウォッチ コーディネーター
一級時計修理技能士 平成31年取得
高級時計専門店GINZA RASIN 販売部門 ロジスティクス事業部 メンテナンス課 課長

1981年生まれ 岡山県出身 20歳から地方百貨店で時計・宝飾サロンで勤務し高級時計の販売に携わる。 25歳の時時計修理技師を目指し上京。専門学校で基礎技術を学び卒業後修理の道に進む。 2012年9月より更なる技術の向上を求めGINZA RASINに入社する。時計業界歴19年


 

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