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G-SHOCKの最高峰MR-Gシリーズ。「タフネス」と「高級時計」を両立した傑作機とは?

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初めてG-SHOCKを手にしてより、ずっとファンであり続けている方は少なくないでしょう。

とは言え大人になるとスーツスタイルが多かったり、部下や後輩ができたりで、なかなかカジュアル色の強い樹脂製G-SHOCKは着けづらくなってきますね。

そんな大人のG-SHOCKファンのために1996年に開発されたのが、メタル製MR-Gシリーズです。

 

Majesty(マジェスティ)とReality(リアリティ)の頭文字をモデル名とするMR-Gは、まさにG-SHOCKの「王者」であり「誠」。G-SHOCK屈指のハイエンドラインとして、最高峰の仕上げ・加工技術と熟達した最新技術が投入された、紛れもない高級時計となります。

G-SHOCKでは非常に珍しく数十万円のプライスレンジで販売されておりますが、その価値はお値段以上!本稿では、そんなMR-Gシリーズについて徹底解説致します。

MR-G

出典:https://www.facebook.com/CASIOGSHOCKJapan/

 

G-SHOCK最高峰シリーズ・MR-Gとは?

今でこそ大人のためのG-SHOCKは多数ラインナップされています。MT-Gシリーズやフルメタル5000(GMW-B5000)がその典型ですね。

しかしながら「高級G-SHOCK」のスタートをきったのが、MR-Gシリーズでした。MajestyとRealityなG-SHOCKとして、大人のためのG-SHOCKの旗手のような存在です。

この名前の通り、G-SHOCKで王者と呼ぶべき高級ラインとなり、また高級機にふさわしい最高峰の外装技術を誇ります。

とりわけ大きな特徴は、外装全てが丁寧に仕上げられたチタン製である、ということです。

MR-G

出典:https://gshock.casio.com/jp/

MR-Gが誕生した1996年当時、G-SHOCKは樹脂(レジン)製であることが一つのアイデンティティでした。

それは若者たちのスケーターファッションやアウトドアシーンに合わせやすい、カジュアルで親しみある印象を作り出すことにも一役買っていましたが、技術的な必要性もありました。と言うのも、G-SHOCKの基本構造は心臓部であるモジュールを樹脂製ケースで包み込み、かつモジュール=ケース間に緩衝パーツを入れて衝撃を分散させる、というものであったためです。

G-SHOCK開発者として有名な伊部菊雄氏がゴムボールからこの構造の着想を得たように、すなわち外装部はある程度の柔軟性を有さなくてはなりません。そのため樹脂が「第一のマテリアル」として選ばれた、と。

一方で樹脂はどうしてもカジュアルな印象に寄りがちです(もっとも、そのカジュアルさこそがG-SHOCKを空前のヒット作に導いた一要素でもあるとは思いますが)。

しかしながら高級時計に使われるメタル素材は重量があり緩衝撃効果が薄く、G-SHOCKが最大の強みとしていた「耐衝撃構造」を実現することができません。そのためフルメタルG-SHOCKは長らく「不可能」と思われていましたが、そこは伊部菊雄氏。なんと1996年、Ref.MRG-100-1として、初のフルメタルG-SHOCKの製品化にこぎつけることとなりました。

フルメタルG-SHOCK MRG-100

※初代MRG-100-1(画像出典:https://gshock.casio.com/jp/)

なお、この初代フルメタルMR-Gは、ラバーサスペンション方式の耐衝撃構造が採られました。ケース内部にサスペンションのようにラバーをセッティングすることで、衝撃を分散させていたのです。

以降MR-Gは、樹脂では成しえなかった丁寧かつ美しい仕上げが施され、紛れもない高級機として販売されてゆくこととなります

 

もっとも「高級G-SHOCK」というコンセプトには当初賛否両論あったようです。確かにG-SHOCKのカジュアルさは、高級感あるフルメタル仕様のもと、薄められました。

しかしながらG-SHOCK世代が大人になり、高級機へのニーズが高まったこと。加えて、前述した丁寧な仕上げ精密加工により美しくエッジが立ったケースフォルム,深層硬化処理とDLC(ダイヤモンド・ライク・カーボン)処理の二重硬化処理による美しさの持続性といった究極の「高級感」は市場に受け入れられ、人気を獲得するのに時間はかかりませんでした。ビスや針の造形にこだわり抜かれているところも、MR-Gならではの魅力ですね。

ちなみに研磨には「ザラツ研磨」と呼ばれる、グランドセイコーやミナセといったわが国が誇る高級時計ブランドで採用される加工法を用いています。ザラツ研磨は熟達した職人のみしか成しえない加工技術ですが、歪みのない美しい輝きを実現します。

MR-G

出典:https://gshock.casio.com/jp/

なお、繰り返しになりますがMR-Gでは、加工難易度が高いと言われているチタンをメインに扱っていることもミソ。特筆すべき耐衝撃構造は次項で詳述しますが、衝撃をよりやわらげるためにステンレススティールよりも重量の低いチタンを高級G-SHOCKのレシピに加えたのでしょう。

 

MR-Gは現在G-SHOCKの「Premium Production Line(プレミアム・プロダクション・ライン。略してPPL)」として、山形カシオで製造されています。

山形カシオは山形県東根市に位置するカシオのマザー工場で、ハイエンドラインを中心に製造を行ういわばG-SHOCKの生産拠点です。

熟練のG-SHOCK職人らと最先端テクノロジーのもとに山形カシオで作られるMR-Gは最高峰であると同時に大量生産には限界があり、他のG-SHOCK製品と比べると稀少性が高くなります。こだわりを以て作られるため、パーツ一つひとつの加工・仕上げだけで非常に手間と時間がかかっているのです。

こういった側面も、MR-Gの高級機らしい一幕と言えるのではないでしょうか。

定価20万円台~30万円台というプライスレンジも、さもありなん。

近年ではレギュラーモデルの他、日本の伝統製法や伝統意匠をデザインコードとした特別モデルもリリースされ、国内外で人気を高め続ける「マジェスティ」な一大コレクションとして確固たる地位を誇っています。

 

歴代モデルから見るMR-Gの進化の系譜

MR-Gは、人気の高級機械式時計とも遜色のない出来栄えです。それは前述したハイレベルな仕上げであったり、高級感溢れるフォルムであったり…G-SHOCKのきわめて高い時計製造技術によって生み出された、タフネス・高級時計です。非常に完成されたこのシリーズは、初代を筆頭に常に内外で進化を遂げてきました。

歴代モデルから、その系譜を振り返ってみます。

 

①1996年 初代MR-G Ref.MRG-100-1

フルメタルG-SHOCK MRG-100

出典:https://gshock.casio.com/jp/

前項でもご紹介した、初代MR-Gモデルです。当時は不可能とされていた、フルメタルと耐衝撃構造を実現しました。
ちなみに同年に誕生したRef.MRG-1-1では、チタンケースを樹脂製カバーで覆ったやはり高級G-SHOCK仕様で、フルメタルMRG-100とともに大きな話題となりました。

 

②1997年 Ref.MRG-120T-1A

MR-G

出典:https://gshock.casio.com/jp/

MR-G初のアナログモデルです。

現行MR-Gの基礎はアナログ表記ですね。高級感がある一方でデジタルディスプレイに比べて機械的な構造の多くなる当表記は、以降のMR-Gの進化でなかなか苦戦する開発分野の一つでもあったようです。

しかしながら、「ビジネススーツに合わせるには、やはりアナログ」といった諸兄は少なくなく、MR-G人気を下支えするデザインコードとなりました。

 

③2004年 Ref.MRG-2100DJ-1AJF

MR-G

出典:https://gshock.casio.com/jp/

MR-G初となる、ソーラー電波時計モデルです。ちなみに同年、MR-Gと並んでカシオの主力高級時計となっているオシアナスが誕生しました。

さらに当モデルより外装にDLC(ダイヤモンド・ライク・カーボン)処理を施すことで耐摩耗性・耐傷性が格段にアップデート。この処理はタグホイヤーやカルティエ,ブライトリングといった人気の高級時計ブランドでも採用されますが、落ち着いた質感をも外装にもたらします。

なお、2003年頃からG-SHOCKはソーラー電波化が積極的に図られました。これは1998年にタフソーラーが、次いで2003年に小型高感度アモルファス・アンテナがリリースされたことが大きいでしょう。

タフソーラーは、太陽光のみならず蛍光灯や白熱灯といった屋内光も吸収し、安定的な動力へと変換する高効率なソーラー充電システムです。さらに省電力LSIパワーセービング機能が付属されていることもミソ。LSIとは大規模集積回路のことですが、このきわめて小型なシステムによってケースサイズの邪魔をせず、低電圧駆動によって長時間安定したエネルギーを確保することとなりました。

さらに後者はアモルファス金属を使った小型かつ高感度なアンテナとなります。アモルファス金属は規則的な結晶構造を持たない金属を指し、きわめて高い強度と耐蝕性,高耐磁性を誇ります。またしなやかな特性を有することから小型化に一役買い、腕時計として常識的なサイズのソーラー電波機能を実現するに至りました(もっともアモルファスは加工が難しく、この素材を薄く延ばして成型したカシオの技術力には恐れ入ります)。

ちなみにこちらのRef.MRG-2100DJ-1AJFのケース直径は44.7mm・厚さは16.2mmでした。

その後もアンテナや受信ICチップに改良を重ねることで、G-SHOCKは高感度かつ小型なソーラー電波時計技術を確立していきます。

 

④2006年 Ref.MRG-7100BJ-1AJF

MR-G

出典:https://gshock.casio.com/jp/

現行MR-Gの「高級機として、末永く美しさを楽しむ」といった性質を担保する技術の一つ・二重硬化処理がMR-Gとして初めて施されたモデルです。
きわめて高い耐摩耗性や耐傷性を獲得するに至ったことはもちろん、美しい仕上がりをも実現しています。

 

⑤2007年 Ref.MRG-7500BJ-1AJF

MR-G

出典:https://gshock.casio.com/jp/

5局もの電波受信を可能としたソーラー電波ウォッチです。

アナログ表示が基調となったオーセンティックな意匠が特徴ですが、一方で1/20秒ストップウオッチやワールドタイム、アラームといった、他のG-SHOCK同様の高機能・多機能性を誇ります。

 

⑥2008年 Ref.MRG-8100B-1AJF

MR-G

出典:https://gshock.casio.com/jp/

初出価格30万円と、屈指のハイエンドとして誕生したのがこちらのRef.MRG-8100Bです。

しかしながらこの価格にふさわしい―あるいはお値段以上の―、高級感とハイテクノロジーを備えた、高級時計であることは間違いありません。

まず外装面の特徴を記します。

二重硬化処理を施したチタンケースは5体構造となっていることが、このモデルの大きな魅力です。5体構造とは文字通りボディを5つのパーツに細分化したうえで研磨処理を行うことで、見た目に美しい質感と精緻な意匠を実現することとなりました。

ちなみにこれまでのMR-Gでは見られなかったのが、下記画像のサイドプロテクターです。

MR-G

出典:https://gshock.casio.com/jp/

これは内側にゴムパーツを挟み込むことで緩衝材とし、側面からくる衝撃への耐性を担保します。

 

機能面でも特筆すべきことは多いです。

MR-Gでも当機より、マルチバンド6を搭載します。前項のRef.MRG-7500BJ-1AJFで5局受信電波機能が可能になったことに言及しましたが、ついに6局―わが国の福島局・九州局(佐賀県)はもちろん、中国,北米,イギリス,ドイツ―における標準電波受信を、MR-Gで実現したのです。

ちなみに電波時計は、これら標準電波が届かないエリアではクォーツ時計となります。そのため日本の標準電波にしか対応していない機種だと、海外に行った折にその機能を満足に果たさなかったりするものですが、「世界で愛されるG-SHOCK」はこれをもワールドワイドに。現行G-SHOCKの電波機能では、このマルチバンド6がスタンダードとなります。

MR-G

出典:https://gshock.casio.com/jp/

また、アナログはデジタルディスプレイに比べて衝撃の影響をもろに受けやすいものですが、「ハイブリッドマウント構造」によってこれを克服します。ハイブリッドマウント構造はムーブメントの強化手段ですが、パーツ素材や形状はもちろん、重量バランスといった設計を緻密に見直すことで機械そのものに堅牢性を持たせる構造を指します。

この「マルチバンド6」「ハイブリッドマウント構造」「タフソーラー」そして「針位置自動補正機能(LSIによって時・分・秒の針ずれを起こした際に検知し、自動補正する機能)の4機能を搭載したムーブメントをG-SHOCKではタフムーブメントと称し、最強かつ最高の名機と位置付けます。

Ref.MRG-8100B-1AJFは既に生産終了していますが、現在のMR-Gの高級機としての風格・威厳の、礎を作った一本です。

 

⑦2010年 Ref.MRG-7600D-1AJF

MR-G

出典:https://gshock.casio.com/jp/

MR-G屈指の最多48都市ワールドタイムを搭載した一本です。

もちろんタフムーブメントを搭載。

現行では15万円台とMR-Gの中では入手しやすい価格帯であるにもかかわらずMR-Gらしい高級感と多機能性を楽しめ、初めてG-SHOCKを所有される層にもお勧めです。

 

⑧2014年 Ref.MRG-G1000

MR-G

出典:https://gshock.casio.com/jp/

ソーラー電波時計はもちろん、さらにGPS衛星電波受信機能をも搭載した、ハイブリッドモジュール・フルメタルMR-Gです。

最新鋭にして最新世代、それでいてMR-Gが初代から堅持してきた「美しき外装」にもこだわった、傑作機と言っていいでしょう。

なお、当モデルよりリューズガードが排され、新たなる耐衝撃構造「クラッドガード」が採用されることとなりました。この機構により、MR-Gはまた一段階洗練性がブラッシュアップされています。

詳細は次項で解説致しますが、大人のためのG-SHOCKとしては、最適な選択と言わざるを得ません。ぜひ一度手に取って、味わってみてほしい最新世代です。

 

⑨2018年 Ref.MRG-B1000B

MR-G

出典:https://gshock.casio.com/jp/

最新世代MR-Gの、ダウンサイジングに成功したモデルです。なお、GPS電波受信機能は搭載しませんが、代わりにBluetoothを搭載しており、スマートフォンとリンクさせることが可能に。

どれくらいのサイズ感になったかと言うと、Ref.MRG-G1000のケース直径が49.8mm,厚さが16.9mmであったことに対し、こちらは直径46.2mm×14.6mmに。

ちなみにRef.MRG-B1000Bはオールブラック基調の、かなり精悍ないっ本でしたが翌年にメタル調のMRG-B1000Dが登場。

MR-G

出典:https://gshock.casio.com/jp/

ミッドサイズの登場によってますますMR-Gの顧客が広がり、数あるG-SHOCKの中でも特別な存在感を放ちます。

 

 

G-SHOCK最新世代!GPSハイブリッド電波ソーラーMRG-G1000の実力

MR-Gの中でも最新世代であり、最高峰の実力を有するMRG-G1000。

歴代モデルの中でも言及したように、ソーラー電波時計のみならずGPS衛星電波受信を可能とした、時計業界でも最新鋭の機能性を誇ります。ちなみにセイコーやシチズン等、国産時計メーカーのGPSウォッチ開発競争は長らく行われてきていますが、ソーラー電波×GPS衛星電波時計のハイブリッド作は、カシオが世界初の快挙。

そんな選りすぐりのスペックを有したRef.MRG-G1000の、細部までを徹底解説致します!

 

①「クラッドガード構造」を始めとした耐衝撃性への挑戦

MR-G

出典:https://gshock.casio.com/jp/

繰り返しになりますが、MR-Gは外装仕上げのレベルが格別で、高級機然とした風格に惹かれる方も多いでしょう。

しかしながらMR-Gを高級機でありかつG-SHOCKであることも両立しているのは、タフネス―すなわち耐衝撃性をとことん訴求していることが背景として大きいですね。

タフネスは訴求しつつ、MR-Gが大切にしてきた高級感は崩さない。

そんな姿勢の中で生まれたのが、このクラッドガード構造であるように私は思います。

当構造を採用したMRG-G1000より、リューズガードは取り払われます。そのためスッキリと、よりスーツの袖口にも収まりやすいフォルムを獲得しました。

 

MR-G クラッドガード構造

出典:https://gshock.casio.com/jp/

クラッドガード構造ではリューズ・ボタン本体・さらにそれらを保護するためのガードを一体化することで耐衝撃性は保ちつつ、ボリュームレスを可能とした新方式です。

MRG-G1000はGPS衛星受信のためのアンテナを搭載するため、どうしてもボリュームが出がち。その課題への結論として、外装設計を新たに見直して当ガード構造は誕生に至りました。

ちなみにただ一体成型しただけでは衝撃への耐性は不足しています。そこでカシオはリューズのヘッドカバー部分にαGELを噛ませ、壊れやすいパーツであるリューズ本体への衝撃吸収素材としました。

※αGEL・・・シリコンを主に用いたゲル素材。スポーツシューズやヘルメット,デジタルデバイス等、幅広い分野で用いられる

 

MR-G

出典:https://gshock.casio.com/jp/

さらにケース側面に緩衝ゴムを取り付け、衝撃吸収させるサイドプロテクター,衝撃による分解を阻止する三つ折れ式のタイトロック式バックル,無反射コーティングを施した堅牢なサファイアクリスタルガラスを採用する等、至るところでタフネス技術の結晶を垣間見て、そして使用時に感じることができるでしょう。

 

②腕時計の最先端!GPS×電波ソーラーのハイブリットモジュールウォッチ

MR-G

出典:https://gshock.casio.com/jp/

マルチバンド6は、世界6局から送信されている標準電波を受信でき、国内のみならず北米や中国,ドイツといったエリアでもこの機能を享受することができましたね。

しかしながら世界各国どこでも標準電波に対応しているわけではありません。そのため標準電波の受信範囲であるおおよそ半径1000kmから外れてしまうと、普通のクォーツ時計として機能することとなるのです。

そこで、GPS衛星電波が着目されています。

GPSはGlobal Positioning Systemの略で、位置測定システムのことを指します。

もともとアメリカで軍事目的として開発されたもので、地球周回軌道上にある人工衛星・GPSから発せられた時間信号を、受信したエリアでの時刻差によって衛星までの距離を算出し、位置情報を確認できる、というシステムになります。

そう、このGPS衛星はきわめて正確な時間信号を発しており、10万年に一秒の誤差しか生じない原子時計が搭載されています(標準電波も原子時計を用いていますが)。

さらに標準電波と異なり、GPS衛星が地球上のどこにいても上空に複数個存在することで、国や地域がどこであっても電波受信が可能であればその機能を発揮することができるのです。。

そのためGPS受信機能を搭載しているということは、「電波受信できる場所(屋外等)であれば、世界中のいつでもどこにいてもきわめて正確な時間確認をすることができる」ことを示唆しているのです。

「では、全ての電波時計はGPS衛星電波受信機能を搭載すればいいのではないか?」

そう思うかもしれませんが、GPS衛星電波受信には標準電波よりも膨大な電力を消費することとなり、一回の起動で大きく電池を消耗してしまうことも少なくありません。また、位置情報の取得にも、数分の時間を要することがザラ。

こういった特性から高感度でなるべく早く電波受信できるアンテナと、大容量電池が必要となるため、腕時計の搭載はきわめて難しいとされてきました。

その製品化への壁を打ち砕いたのが、2012年にセイコーが開発した「アストロン」です。

これは世界初のGPS衛星電波受信ウォッチでしたが、ケース直径47mm×厚さ17mmと、デカ厚時計がブームとなっていた当時では常識的なサイズ感に収まっていました。

以降、国産時計メーカーはこのGPS衛星電波受信機能搭載で競争を激しくしますが、カシオでは2014年に世界で初めてGPS受信と標準電波時計をハイブリットさせたG-SHOCKを発売することに成功しました。

 

その世界初の中に含まれていたのが、こちらのMRG-G1000です。

G-SHOCK MR-Gシリーズ

出典:https://g-shock.jp/products/mr-g/

GPS衛星電波受信で課題となっていた消費電力を解決するため、現行では最短3秒で電波受信・トータル最短7秒で時刻修正することを可能に。

また、位置情報からどのタイムゾーンにいるかを自動解析し、かつサマータイム判断をしたうえでの時刻表示を行います(もっともこの機能は、国産メーカーのGPSウォッチの多くに搭載されていますが)。

なお、一日一回、手動操作を行わなくとも自動受信によって正確な時刻を表示してくれもします。

これだけハイブリッドな最先端テクノロジーを備えていながら、ケース直径49.8mm×厚さ16.9mmのサイズ感に。もちろん通常の腕時計と比べるとかなり大振りですが、精悍なボリューミーさもMR-Gの味わいの一つ。

内外ともにハイスペック・イケメンといった様相ですね。

ちなみにチタン素材なので、これだけの精悍さにもかかわらず重量は150g程度と軽やかです。

 

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③最高峰の外装技術

G-SHOCK MR-Gシリーズ

出典:https://g-shock.jp/products/mr-g/

耐衝撃構造や最先端スペックに加えて、他のG-SHOCKにはないMR-Gならではの魅力と言えば高級感でしょう!

前項でも言及しましたが、ケース・ブレスレットにはザラツ研磨によって歪みがなく美しい仕上がりが実現されています。

※ザラツ研磨・・・主に国産高級時計に用いられる表面加工技術で、スイスの工作機械メーカー「ザラツ」が製造していた研磨機を使っていたため、この名前が定着した。この研磨機は回転円盤正面で研磨を行うような特殊スタイルだが、使いこなすには熟達した技術が必要とされており、非常に手間とコストのかかる製法。グランドセイコーやミナセが有名だが、MR-Gでもこれを採用している。

 

また、サイドのプッシャーはステンレスを切削することで成型しており、非常に精緻な意匠を楽しめますね。

MR-G

出典:https://g-shock.jp/products/mr-g/

よく仕上げられたブレスレットがH駒なのも嬉しいところ。

見た目の独創性もさることながら、H駒は快適な装着感を実現し、かつ駒同士が擦れてしまったり、がたついたりすることを防ぎます。。

 

④スマートフォンとリンクさせたいならRef.MRG-B1000

MRーG

出典:https://g-shock.jp/products/mr-g/

MR-GのミッドサイズRef.MRG-B1000には、スマートフォンリンク機能が搭載されています。

これは、お使いのスマートフォンにアプリ「MR-G Connected FREE」をダウンロードすることで、リンクさせられるというもの。

スマートフォンを用いた自動時刻修正や携帯電話探索の他、時計の機能が正常に機能するかどうかのセルフチェック機能,あるいはソーラー発電状況・データ更新履歴といった時計自体のステータス表示等もお使い頂けます。

GPS衛星電波受信機能は搭載されていないものの、マルチバンド6搭載のため電波時計としてもお使い頂けます。

文字盤がシンプルなためスーツスタイルにも非常によくマッチし、こちらも非常に人気の高いMR-Gシリーズとなっております。

 

最新作から選ぶ。G-SHOCK MR-Gの人気モデル5選

最後に、最新MR-Gの中から、特に人気の高いモデルを5選、ご紹介致します。

 

MR-G人気モデル①MRG-B2000B-1AJR

MRG-B2000B-1AJR

出典:https://g-shock.jp/products/mr-g/

スペック

詳細

素材: チタン
ケースサイズ: 縦54.7mm×横49.8mm×厚さ16.9mm
重量: 150g
基本機能: GPS電波受信,標準電波受信,タフソーラー(ソーラー充電システム)
その他機能: ワールドタイム,針位置自動補正機能,ストップウォッチ,バッテリー充電警告機能,LEDライト等
防水性: 20気圧
定価: 330,000円(税込)

2021年最新作のMR-Gです。

MR-Gは日本の伝統芸能や伝統意匠をモチーフとした特別モデルを例年意欲的にリリースしていますが、こちらもそのうちの一つ。
黒地の中に、濃い紺色が随所にあしらわれていることが大きな特徴ですが、この紺は「勝ち色」として、武士に愛された色とのこと。事実、日本古来より武士らは鎧や甲冑に当該色を使ってきました。

GPS衛星電波受信×ソーラー電波というカシオの最先端テクノロジーと、日本伝統が見事融合した、至極の逸品です。

 

MR-G人気モデル②MRG-G1000B-1A4JR

MR-G

出典:https://g-shock.jp/products/mr-g/

スペック

詳細

素材: チタン
ケースサイズ: 縦54.7mm×横49.8mm×厚さ16.9mm
重量: 150g
基本機能: GPS電波受信,標準電波受信,タフソーラー(ソーラー充電システム)
その他機能: ワールドタイム,針位置自動補正機能,ストップウォッチ,バッテリー充電警告機能,LEDライト等
防水性: 20気圧
定価: 330,000円(税込)

同じく日本伝統シリーズより、こちらは「赤備え(あかぞなえ)」としてリリースされた一本です。

赤備えは戦国時代から江戸時代にかけて用いられた、武具を赤で統一する軍団編成手法のこと。有名どころでは武田信玄や真田幸村が挙げられます。
軍団の構成員が身に着ける武具を朱塗りにして、敵方に誇示することが目的です。

そんな精鋭軍を彷彿とさせる燃えるような赤,そして瀟洒なゴールドカラーが相まって、MR-Gの高級感がよりいっそう目立ちます。

 

MR-G人気モデル③MRG-G1000DC-1AJR

MRG-G1000DC-1AJR

出典:https://g-shock.jp/products/mr-g/

スペック

詳細

素材: チタン
ケースサイズ: 縦54.7mm×横49.8mm×厚さ16.9mm
重量: 150g
基本機能: GPS電波受信,標準電波受信,タフソーラー(ソーラー充電システム)
その他機能: ワールドタイム,針位置自動補正機能,ストップウォッチ,バッテリー充電警告機能,LEDライト等
防水性: 20気圧
定価: 308,000円(税込)

ブラック基調が多いMR-Gの中では珍しく、メタル調のスタンダードな一本です。
G-SHOCK曰く、「チタンカーバイト処理を施すことでメタルの強靭さ」「銀(しろがね)色の美しさ」を強調したとのこと。
随所に使われたレッドゴールドカラーが、「フルメタルであること」を私たちに誇示してきます。

非常に丁寧に仕上げされており、高級感は抜群。ビジネススーツに合わせたい方にお勧めです。

 

MR-G人気モデル④MRG-B1000D-1AJR

MR-G

出典:https://g-shock.jp/products/mr-g/

スペック

詳細

素材: チタン
ケースサイズ: 縦52.2mm×横46.2mm×厚さ14.6mm
重量: 150g
基本機能: モバイルリンク,標準電波受信,タフソーラー(ソーラー充電システム)
その他機能: デュアルタイム,針位置自動補正機能,ストップウォッチ,バッテリー充電警告機能,LEDライト等
防水性: 20気圧
定価: 286,000円(税込)

スマートフォンリンクが可能となり、かつダウンサイジングしたことでよりオーソドックスとなったMR-Gです。
実はこちらは非常に人気が高く、お問合せも多い一本です。

メタル調のボディに文字盤やベゼル・リューズが黒基調となっており、メリハリの効いたデザインに。
こちらもスーツスタイルに合わせやすい一本でしょう。

 

MR-G人気モデル⑤MRG-B1000BA-1AJR

MRG-B1000BA-1AJR

出典:https://g-shock.jp/products/mr-g/

スペック

詳細

素材: チタン
ケースサイズ: 縦52.2mm×横46.2mm×厚さ14.6mm
重量: 150g
基本機能: モバイルリンク,標準電波受信,タフソーラー(ソーラー充電システム)
その他機能: デュアルタイム,針位置自動補正機能,ストップウォッチ,バッテリー充電警告機能,LEDライト等
防水性: 20気圧
定価: 308,000円(税込)

冒頭でご紹介した「勝ち色」を用いた、ミッドサイズモデルです。
こちらも特別モデルの立ち位置となりますが、シンプルな文字盤と相まってかなり汎用性の高いデザインに仕上がりました。

とは言え随所で使われた紺色やゴールドカラーが、ゴージャスとエレガンスを両立します。

 

まとめ

G-SHOCKの中でも最高峰の技術が内外ともに存分に発揮された、MR-Gをご紹介致しました。

フルメタルというコンセプトで始まったMR-Gは、今や大人のG-SHOCKとしてラインナップの中でも王者の風格を放ちます。

価格帯としてはハイエンドの位置づけになるものの、その出来栄えは他の高級時計と遜色のないものです。

ぜひワンランク上のMR-Gを、一度手に取ってみませんか?

 

 

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この記事を監修してくれた時計博士

新美貴之(にいみ たかゆき)

(一社)日本時計輸入協会認定 CWC ウォッチコーディネーター
高級時計専門店GINZA RASIN 店舗営業部 部長

1975年生まれ 愛知県出身。
大学卒業後、時計専門店に入社。ロレックス専門店にて販売、仕入れに携わる。 その後、並行輸入商品の幅広い商品の取り扱いや正規代理店での責任者経験。
時計業界歴24年

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