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スクリューバックとは?時計の裏蓋を徹底解説!

廣島浩二, 高級時計

高級時計の裏蓋には様々な種類が存在します。

裏蓋をケースにそのまま押し込んで閉めるはめ込み式の裏蓋。サファイアガラスを使用したスケルトンバック。

そもそも裏蓋のないワンピース構造。

そして、気密性の高いねじ込み式の「スクリューバック」。

今回はこのスクリューバックがどのような裏蓋であるのか詳しく解説していきたいと思います。

高級時計 スクリューバック

 

スクリューバックとは?

スクリューバックは「ねじ込み式」の裏蓋のことです。

裏面に溝があり、はめ込んで裏蓋を回すことで高い気密性を持ちます。

一般的によく使われる「はめ込み式」の裏蓋よりスクリューバックは分厚く堅牢な設計となっており、耐衝撃性が高いです。

ダイバーズウォッチを中心とするスポーツウォッチに用いられることが多く、裏蓋に厚みがあることからケースそのものが分厚くなっています。

 

尚、スクリューバックだけでは絶対的な気密性を持つことができないため、ケースと裏蓋の隙間をなくす為にフロンやゴム製のパッキン(ガスケット)が同時に用いられます。

これにより防塵性・防水性が高められ、時計はタフさと実用性を持つようになります。

 

スクリューバックはいつ誕生したのか?

スクリューバックは1920年代にロレックスによって発明され、以後各ブランドが研究に研究を重ね、実用性が高められました。

実際時計に用いられるようになったのは1950〜60年代のことで、「ロレックス サブマリーナ」や「オメガ シーマスター」を中心とするダイバーズウォッチに使われるようになります。

高級時計 スクリューバック

左:ロレックス サブマリーナ 右:オメガ シーマスター

スクリューバックによりダイバーズウォッチはこれまでにない防水性を持つようになり、200m・300m、さらには1,000mという防水性能を有するモデルも開発されました。

現在では3,000mを超える防水性能を持つモデルもラインナップされるようになり、スクリューバックの功績の大きさが伺えます。

 

スクリューバックの仕組み

スクリューバックは裏蓋に数か所小さな溝があり、この溝に専用オープナーを引っ掛けてクルクルと回すことで開閉します。

テコの原理でスグに開閉するはめ込み式裏蓋と比べ、堅牢性・防水性が高いです。

一般的にスクリューバックの溝は6つ。そのうち3つは溝に引っ掛かりやすくなっています。

オープナーには2点式や3点式といった種類がありますが、3点式を使用することでスムーズに開閉することができます。

※写真のオープナーは2点式

※一般的な3点式のオープナーでも開閉はできますが、金具部分でケースを傷つけてしまう可能性があります。そのため当店では独自のオープナーを使い、ケースに傷がつかないよう細心の注意を払っています。

 

また、ブランドによっては独自のスクリューバックを採用している場合があり、どれも同じ形をしているわけではありません。

ロレックス 裏蓋 スクリューバック

左:ロレックス 右:ブライトリング

例えばロレックスやブライトリング。独自のスクリューバックを採用しているため、形状が汎用品と異なります。

ロレックスはフチが鏡面仕上げとなったシンプルなスクリューバック。ブライトリングは多角形の形状となっており、どちらも溝がない設計です。

カジュアルな時計(~5万円程度)であればご自身で裏蓋を開けて電池交換を行うことも可能ですが、両ブランドのスクリューバックに関しては専門の修理会社に依頼しなければ開閉することはできません。

しかしながら、その分堅牢度は高く、デザイン性に関しても拘り抜かれています。

 

高級時計 スクリューバック

スクリューバックには3つの種類があり、パッキンの位置によって「内ネジ方式」「外ネジ方式」「ネジリング式」に分類されます。

ただ、これらの違いによる優劣は殆どありません。

そもそもパッキンは蓋を開けないと見えないため、外観からはどのタイプかを確認することは不可能です。

ちなみに裏蓋を回す方向ですが、反時計回りに回せば裏蓋が開くようになっています。

 

 

スケルトン仕様のスクリューバック

スクリューバックの中にはスケルトンバックと併用されているモノがあります。

ガラスを使用しているため純粋なスクリューバックに比べ耐久性と防水性能は下がりますが、堅牢性を持ちつつもムーブメントの精巧な動きを楽しめます。

高級時計 スケルトンバック スクリューバック

左:タグホイヤー 右:グランドセイコー

スクリューバックが併用されているスケルトンバックは通常のスケルトンバックよりも分厚い設計となっています。また、裏蓋の縁に6つの溝が配されているのが特徴です。

当記事の監修者

廣島浩二(ひろしま こうじ)

(一社)日本時計輸入協会認定 CWC ウォッチ コーディネーター
一級時計修理技能士 平成31年取得
高級時計専門店GINZA RASIN 販売部門 ロジスティクス事業部 メンテナンス課 課長

1981年生まれ 岡山県出身 20歳から地方百貨店で時計・宝飾サロンで勤務し高級時計の販売に携わる。 25歳の時時計修理技師を目指し上京。専門学校で基礎技術を学び卒業後修理の道に進む。 2012年9月より更なる技術の向上を求めGINZA RASINに入社する。時計業界歴19年


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