【世界三大時計】本物志向を満たすラグジュアリーウォッチ。「パテックフィリップ」

2017/05/27

世界中の時計ブランドの中で、一際注目される世界三大時計メーカー。中でもパテックフィリップは、時計業界の最高峰との呼び声高い時計です。パテックフィリップはどのようにして生まれ、どのようにして世界最高峰と呼ばれるまでになったのでしょうか。

■パテックフィリップの歴史

パテックフィリップは、1839年にスイスで誕生した時計メーカーです。創業者はアンドワーヌ・ノルベール・ド・パテックとフランソワ・チャペックのふたりで、創業当時はパテック・チャペック社という社名でした。その後に社名は何度か変更され、1932年に現在のパテックフィリップ社となりました。

1944年にパリで開催された博覧会で、パテックはひとりの天才的な時計職人と出会います。パテックと時計職人は意気投合し、共同で時計の製作をするようになります。そして1851年、時計職人はパテックの会社に入社し、正式に事業パートナーとなりました。この時計職人こそがジャン-アドリアン・フィリップであり、パテックの名前と合わせてパテックフィリップの社名の由来となります。なお、創設者のひとりであるチャペックは1845年に会社を離れています。

フィリップを迎えたパテックフィリップ社は、1845年に自社初となる懐中ミニッツリピーターを製作。当時、ピアノの魔術師と呼ばれたピアニストのリスト、「戦争と平和」や「アンナ・カレーニナ」の著者で小説家・思想家のレフ・トルストイなどが、パテックフィリップの懐中時計を購入したといわれています。1851年にはロンドン万博に出展した懐中時計が金賞を受賞し、当時のイギリスの女王であるヴィクトリア女王も時計を購入しました。これにより、スイスの時計メーカー・パテックフィリッップの名は大きく広まることになりました。その後もティファニー社とのパートナーシップの締結や数々の万博での受賞など、海外での影響力も大きくなっていきます。

1932年、パテックフィリップのドレスウォッチの傑作であるカラトラバ（Ref.96）が発売されました。翌33年にはティファニーを通じて「史上一番複雑な懐中時計」の製作依頼を受け、24もの機能が搭載された複雑時計であるグレーブス・ウォッチを製作しました。この複雑時計は、同じくパテックフィリップが1989年に製作した複雑時計、キャリバー89が登場するまでは、最も複雑な機構を持つ時計でした。こうした高級複雑時計により、パテックフィリップは時計業界の最高峰と呼ばれるまでになりました。

■パテックフィリップの魅力

三大時計メーカーの中でも頭ひとつ抜けているといわれているパテックフィリップ。そんなパテックフィリップの魅力は、抜きん出たブランド力と高い技術力にあります。

■ブランド力

パテックフィリップが時計業界の最高峰とされている大きな要因のひとつが、パテックフィリップのブランド戦略です。パテックフィリップは、自社のブランド力を高めるためにいくつか戦略を立てています。

ひとつは、自社製品であればどれだけ古い時計であっても修理を受け付けるという永久修理の宣言をしているということ。パテックフィリップでは、オリジナルの部品が製造終了になっている場合でも代替部品を使っての修理を行っています。これにより、パテックフィリップは一生モノの時計であるというブランドイメージを確立しています。

また、パテックフィリップはオークションに出回っている自社製品を買い戻す活動も行っています。これにより、中古価格を安定させてブランドイメージを高めています。

■技術力

パテックフィリップは世界一複雑な機構を持つ懐中時計を製作したことからも分かるように、時計業界で随一の複雑時計の開発力を誇ります。これは、複雑機構搭載モデルをシリーズのひとつとしてラインナップしていることからも分かります。シリーズにするということは、常に一定数をラインナップする自信があるということなのです。

また、高い品質もパテックフィリップの技術力を裏付けています。時計の品質規格のひとつに、ジュネーブシールというものがあります。このジュネーブシールはジュネーブ市が定めたもので、12条からなる厳しい規格を600時間かけてクリアした時計にのみ与えられます。パテックフィリップは、自社で製作したすべての時計がジュネーブシールを獲得している唯一の時計メーカーなのです。また、2009年からはさらに厳しい基準を設けた独自の規格によって品質を管理しており、品質の面では他の追随を許しません。