ロレックスきってのコンプリケーション・スカイドゥエラー。
2012年にリリースされて以来、他のスポーツロレックスともデイトジャスト等のドレスウォッチとも異なる存在感を発揮し続けてきました。とりわけ「コンプリケーションなのにリューズ一つで操作可能」という操作性や実用性の高さは、多くの時計メディアが称賛するところです。
一方で、使い方がイマイチよくわからない、といったお問合せをいただくこともあります。
確かに他社のコンプリケーションのように別途プッシャーを持たないため、どの機構がどの操作に連動しているか判断しづらいでしょう。
そこでこの記事では、ロレックス スカイドゥエラーの使い方を、画像付でわかりやすく解説いたします。
出典:https://www.rolex.com/ja
目次
ロレックス スカイドゥエラー使い方
スカイドゥエラーはコンプリケーション。そのため多機能が何よりの魅力ですが、一方で「わかりづらい」と言われる所以に、どこの機能がどこに連動しているのか。どんな機能をどう合わせればいいのか、と言ったことでお悩みなのではないでしょうか。
スカイドゥエラーは、3つの設定により機能が成り立っています。その設定は以下の通りです。
■ホームタイム(生活拠点とする地域の時間、主にメインの時針で表示)
■ローカルタイム(第二時間帯)
■月と日付
これらを適正に設定することでスカイドゥエラーのコンプリケーション機能を最大限に楽しむことができます。また、その操作は非常にシンプルですので、この機会にぜひマスターしましょう!
スカイドゥエラーの設定① リューズを1段引く
スカイドゥエラーの機能を最大限に使うためには3つの設定が必要です。そして、設定を行う手順としてまずリューズを1段引きます。
出典:https://www.rolex.com/ja/watches/baselworld/new-sky-dweller/m326933-0001.html
ちなみにこのリューズを1段引く操作は下記3つの設定全てに共通する操作なので、スカイドゥエラーを設定するときはとりあえずリューズを1段引くと覚えてください。
スカイドゥエラーの設定② ベゼルを回転させる
出典:https://www.rolex.com/ja/watches/baselworld/new-sky-dweller/m326933-0001.html
リューズを1段引いたら、次はベゼルを反時計周りに動かします。この時どの位置までベゼルを回したのかによって、どの項目を設定するのかを選ぶことができます。ちなみにベゼルはゼロ位置より右、あるいは3位置より左を超えて動かすことはできません。
3の位置までベゼルを回せばホームタイムの設定ができ、2の位置までベゼルを回せばローカルタイムの設定が可能です。そして、1の位置にベゼルを合わせれば月と日付の設定が操作できます。
このように、各設定がベゼル操作により直感的に行えるのがスカイドゥエラーの特徴であり、最大の魅力なのです。
スカイドゥエラーの設定③ ホームタイムの設定
リューズを引く→ベゼルを回転させるという基本動作が理解出来たら、次はホームタイムの設定をしてみましょう。ホームタイムの設定はベゼルを3の位置に合わせれば設定することができるようになります。
出典:https://www.rolex.com/ja/watches/baselworld/new-sky-dweller/m326933-0001.html
操作はきわめて簡単です。この3位置にベゼルを合わせると、リューズが24時間表示ディスクと連動します。つまり、リューズを回すことで24時間表示ディスクが回転しますので、あとは任意の時刻を設定するだけでOK。この際にメインの時分針も回転しますが、ホームタイムの設定時には時針は無視してかまいません。
設定を終えたら、ベゼルを元の12時位置に戻してリューズを押し込めば完了となります。
ちなみに、この操作中は秒針が止まるので落ち着いて操作することが可能です。
スカイドゥエラーの設定④ ローカルタイムの設定
ローカルタイムの設定は通常ホームタイムの設定をしたあとに行います。その理由はローカルタイムの設定は時針のみを動かして時刻を設定するシステムなので、この設定のあとにホームタイムの設定をすると時針が動いてしまい、ローカルタイムの設定が意味を成さなくなってしまうからです。
そのため、ホームタイムの設定→ローカルタイムの設定の順番で合わせればいい。と覚えて頂ければ問題ありません。
出典:https://www.rolex.com/ja/watches/baselworld/new-sky-dweller/m326933-0001.html
リューズを引き、ベゼルを2の位置に合わせればローカルタイムの設定が可能です。この状態にスカイドゥエラーが設定されると、「時針」のみが動くようになるので、リューズを使って時針を現在滞在している国の時間に合わせます。
すると、中央に配置された時針・分針・秒針で現在の時刻が確認でき、24時間表示ディスクにて第二時間帯が確認できるようになるのです。
また、こちらもホームタイム設定と同じく、設定を終えたらベゼルを12時位置に戻してリューズを押し込むことを忘れないようにしてください。
スカイドゥエラーの設定⑤ 月と日付の設定
最後は月と日付の設定です。従来の腕時計ですと、デイト表示のあるモデルはリューズを2段引きして時刻を合わせます。ですが、スカイドゥエラーはパーツの負担を減らすために2段リューズを廃止しているため、GMT設定と同じくリューズ&ベゼルの操作で月と日付を設定します。
出典:https://www.rolex.com/ja/watches/baselworld/new-sky-dweller/m326933-0001.html
まずはホームタイム・ローカルタイムを設定した時と同じように、リューズを1段引く→ベゼルを1の位置まで回す工程を踏み、セッティングを準備。
準備が整ったらリューズを回し、デイト表示を回して日付を合わせます。月はインデックスの周りに配された小窓の色が変わるように設計されているため、一目で何月なのかが分かる仕組みです。
また、このカレンダーはアニュアルカレンダーなので、月の大小(31日/30日)を自動で判別します。そのため、修正は28日もしくは29日しかない2月末のみ必要となります。
まとめ
ロレックス スカイドゥエラーの使い方について解説いたしました。
スカイドゥエラーのミソは、ベゼルの位置によってそれぞれの機構とリューズが連動すること。そのため面倒なプッシャー操作などはなく、シンプルに手軽に操作可能なのが嬉しいところですね。
当店GINZA RASINでは、スカイドゥエラーを豊富に取り扱っております。もしわからないこと・ご不安な点があったら、お気軽にお問合せくださいね。
この記事を監修してくれた時計博士
南 幸太朗(みなみ こうたろう)
(一社)日本時計輸入協会認定 CWC ウォッチコーディネーター
高級時計専門店GINZA RASIN 買取部門 営業企画部 MD課/買取サロン プロスタッフ
学生時代に腕時計の魅力に惹かれ、大学を卒業後にGINZA RASINへ入社。店舗での販売、仕入れの経験を経て2016年3月より銀座本店 店長へ就任。その後、銀座ナイン店 店長を兼務。現在は営業企画部 MD課 プロスタッフとして、バイヤー、プライシングを務める。得意なブランドはパテックフィリップやオーデマピゲ。時計業界歴13年。
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