チューダーレンジャー完全ガイド！レンジャー新作モデルから徹底解説

1950年代の探検時計をルーツに持ち、質実剛健という言葉を体現してきたチューダー レンジャー。

派手さや流行とは一線を画しながら、確かな実用性と普遍的なデザインで時計愛好家から静かな支持を集め続けています。

この記事では、ヴィンテージ期のオリジナルモデルから現行レンジャーまでを網羅し、それぞれの特徴やスペック、デザインの違いを体系的に解説。

サイズ感やムーブメントの変遷、旧作と現行モデルの決定的な違いまでを丁寧に整理します。

レンジャーがどのような背景で誕生し、なぜ今あらためて評価されているのか。

その本質を理解すれば、この時計が持つ魅力と立ち位置が自然と見えてくるはずです。

チューダー レンジャーとは?コレクションの歴史と魅力

チューダー レンジャーは、同ブランドが長年培ってきたツールウォッチの系譜を象徴する存在です。

誕生は1960年代。冒険家や探検隊に向けた、実用本位のフィールドウォッチとしてラインナップされました。

当時のチューダーは、ロレックス譲りの堅牢なケース構造と高い防水性を備えつつ、独自性のあるデザインで確かな評価を築いていた時代です。
その中でもレンジャーは過酷な環境で確実に読み取れることを最優先に設計され、太いアラビアインデックスやシンプルな3針構成、視認性の高いペンシルハンドなどが特徴でした。

現行モデルでも、その精神はしっかりと継承されています。

無駄を排したデザイン、フィールドウォッチらしい38mm前後の控えめなサイズ感、自社キャリバーによる70時間のロングパワーリザーブなど、現代の日常でもストレスなく扱える実用性が魅力です。

派手さとは対極にあるモデルですが、だからこそ道具としての時計に惹かれる愛好家から強く支持されています。

歴史を踏まえたクラシカルな雰囲気と、最新スペックの融合。それがレンジャーの変わらぬ価値といえます。

レンジャーの誕生背景

画像引用：チューダー 公式サイト

チューダー レンジャーの起源は、1950年代から続く実用性重視というブランド哲学に遡ることができます。

ロレックスの弟分として誕生したチューダーにとって、堅牢で信頼性の高いツールウォッチの開発は使命のようなものでした。

その中で、極地探検や過酷な環境での使用に耐えるフィールドウォッチとして生まれたのが「レンジャー」です。

初期のレンジャーは、視認性を徹底的に追求したシンプルなダイヤルデザインと、堅牢なケースを特徴とし、まさに冒険家のための相棒という立ち位置を確立しました。
特に3・6・9・12のアラビア数字を配したクラシックなレイアウトと、無駄を省いたミニマルな外観は、当時のツールウォッチの精神を象徴する存在です。

また、チューダーが英国北グリーンランド遠征隊に時計を供給していた歴史も、レンジャーのストーリーを語る上では欠かせません。
この実証された信頼性こそ、レンジャーが現在に至るまで愛好家から支持され続ける大きな理由のひとつです。

こうしてレンジャーは、ブランドの歴史に根ざした冒険のDNAを体現するモデルとして誕生し、時代を超えて受け継がれるアイコンとなっていきました。

レンジャーのコンセプト

画像引用：チューダー 公式サイト

チューダー レンジャーのコンセプトは、ひと言でいえば「タフで、実用的で、無駄のないフィールドウォッチ」です。

派手さよりも信頼性を重視し、過酷な環境でも正確に時を刻む道具としての腕時計の精神が徹底されています。

まず、デザインは徹底してシンプル。
アラビア数字のインデックスや夜光をたっぷり塗布した針など、視認性の確保が最優先されています。

ミリタリーウォッチに通じる無装飾のダイヤルは、あらゆるシーンで読み取りやすく、使い手を選ばない普遍性を備えています。

また、頑丈なケース構造と高い防水性能により、日常のアクティブな場面はもちろん、アウトドアや探検といったフィールドを意識した使用にも耐えられる設計です。
さらに自社製ムーブメントを搭載する現行モデルでは、高精度・ロングパワーリザーブ・耐衝撃性といった実用時計としての価値が大幅に向上しています。

チューダーが掲げる「Born to Dare（大胆に挑む）」というブランドスピリットをもっともストレートに体現したのが、まさにレンジャー。

余計な飾りを排し、信頼性と耐久性を突き詰めたこのコレクションは、時計愛好家はもちろん、機能本位の道具時計を求めるユーザーにとっても特別な存在と言えます。

レンジャーが選ばれる理由や魅力

画像引用：チューダー 公式サイト

チューダー レンジャーが長く愛される最大の理由は、ツールウォッチとしての純度にあります。

過剰な装飾を排したシンプルな3針構成、視認性を最優先した大型インデックス、そしてタフなケース構造。
いずれも「道具として信頼できる時計」を求める愛好家のニーズを確実に満たしています。

特に2022年の現行モデルは自社製キャリバー MT5402 を搭載し、70時間パワーリザーブと高い耐磁性・耐衝撃性を備えることで、実用性という点においても現代的な完成度を手にしています。

また、ヴィンテージの系譜を継ぐフォルムでありながら、過度な懐古主義に陥らない点もレンジャーの魅力です。

歴史的モデルの雰囲気をまといつつ、現代のライフスタイルに溶け込むバランスの良さは、チューダーならではのデザインセンスと言えます。

普段使いの相棒として気負わず身に着けられ、なおかつ時計好きとしてのこだわりもしっかり満たしてくれる。使って心地よい一本であるからこそ、レンジャーは愛好家から支持を集めているのです。

チューダー レンジャー 全モデル一覧表

これからレンジャーを検討している方はもちろん、すでに所有している方にも、新たな魅力を再発見していただける内容にまとめました。

どのモデルが自身のスタイルや使い方に最もマッチするのか、ぜひじっくりと見極めてみてください。

レンジャー 39mm 全モデル解説

この章では、現行レンジャーの核となる 39mmケースの全モデルを取り上げ、それぞれのデザイン上の特徴やダイヤル表情、装着感、ブレスレットやストラップの違いなどを詳しく解説していきます。

シンプルなラインナップだからこそ、細部を見比べることでレンジャーの本質がより鮮明に浮かび上がるはずです。

レンジャーRef.m79950-0001（ブラック）

画像引用：チューダー 公式サイト

チューダー レンジャー Ref.m79950-0001は実用時計の精神を最もストレートに表現した1本です。

フィールドウォッチに求められる視認性、堅牢性、信頼性を徹底的に磨き上げつつ、レンジャーの系譜に連なるヴィンテージの雰囲気も丁寧に再現しています。

ダイバーズのブラックベイとは異なり、あくまでも日常の相棒として作られたモデルであり、過度な装飾を排したデザインが時計好きを惹きつける理由です。

外観デザインの特徴

ブラックダイヤルに配された3・6・9・12のアラビア数字は、1960年代のレンジャーに着想を得た象徴的デザインです。

太めのペンシル針や夜光塗料の風合いもヴィンテージの温かみを感じさせますが、あくまで現代的な視認性を確保しており、昼夜問わず高い読み取りやすさを実現します。

ケース径は39mmと、クラシックとモダンの中間を絶妙に突いたサイズ感で、手首の細い方でもバランスよく装着できます。

搭載ムーブメントと性能

搭載ムーブメントは、クロノメーター認定の自社製キャリバーMT5402。

70時間のロングパワーリザーブに加えて、耐磁性・耐衝撃性に優れた構造を備え、過酷な環境でも信頼できるフィールドウォッチの本質を体現しています。

なお、MT5402はトラバーシング（横架）ブリッジでバランスを両端からしっかり支持する構造になっており、耐衝撃性と長期安定性が向上しています。

手入れを最小限に抑えられる点も、実用時計としては大きな魅力です。

ストラップの特徴

m79950-0001の特徴のひとつが、リベット風のステンレススチールブレスレットです。

ヴィンテージの意匠を取り入れながらも、現代的な堅牢性と装着感を実現した仕上がりで、T-fitクラスプにより工具不要で微調整できる点も実用上大きな利点です。

なお、ファブリックストラップを装備したモデルとして「m79950-0003」が存在します。

レンジャーRef.m79950-0008（ホワイト）

画像引用：チューダー 公式サイト

ホワイトダイヤルのレンジャー m79950-0008は、従来のブラックを基調としたレンジャー像に新たな息吹をもたらすモデルです。

コレクションの根幹にある「ツールウォッチらしい視認性」と「冒険者のための実用性」をそのままに、色調の変化がもたらすニュアンスの違いを楽しめる一本に仕上がっています。

外観デザインの特徴

まず目を引くのは、落ち着いた質感のマットホワイトダイヤル。

過度な装飾を排し、インデックスやアラビア数字のコントラストを最大限に引き出すことで、屋外の強い光の下でも瞬時に読み取れる視認性を確保しています。

ブラックダイヤルの力強さとは異なる、上品な美しさを放つ点がこのモデルの大きな魅力です。

ケース径はレンジャーの本流を踏襲する39mm。
過剰な存在感を持たず、日常のあらゆるシーンで自然と腕元に馴染んでくれるサイズ感です。

また、スチール製のブレスレットに加え、T-fit クイックアジャストクラスプを採用しているため、着用時の微調整が容易で使い勝手にも優れます。

搭載ムーブメントと性能

ムーブメントはCOSC認定のマニュファクチュールキャリバー MT5402。

シリコン製ヒゲゼンマイ、約70時間のパワーリザーブ、そして高い耐衝撃性・耐磁性と、過酷な環境に耐えうるスペックを備えており、レンジャー本来の信頼性という哲学をしっかりと体現しています。

ホワイトダイヤルによってレンジャーに新しい雰囲気を与えつつ、機能性・実用性という芯の部分はそのまま。
こうしたバランスこそが、m79950-0008を単なるカラーバリエーション以上の価値を持つモデルとして際立たせています。

日常使いからアウトドアまで、シーンを問わず頼れる一本を探している方におすすめしたいモデルです。

ストラップの特徴

採用されるブレスレットは、チューダーの「リベットブレスレット」を再解釈したデザインが最大の特徴です。

クラシックな雰囲気を宿しつつ、現代的な快適性と耐久性を備えた実用時計らしい仕上がりになっています。

また、1950〜60年代のスポーツロレックスに見られた特徴をオマージュしており、無骨さとクラシック感が同居しています。

レンジャーというミリタリー・フィールドウォッチの文脈に非常にマッチし、コレクション全体の世界観をより深めています。

なお、同モデルのファブリックストラップモデルとして「m79950-0011」が存在します。

こちらはフランス・サン＝テティエンヌ地方の老舗メーカーによるジャカード織りで、しなやかさと耐久性が極めて高いのが特徴です。

ファブリックならではの軽さに加えて、汗や湿気に強く、アウトドア環境でも安心して使える点はフィールドウォッチのコンセプトと非常に相性が良い部分です。

レンジャー 36mm 全モデル解説

チューダーのラインナップの中でも、ひと際「素」の良さが際立つのがレンジャー36mmです。時代に左右されないシンプルなデザイン、道具としての確かな耐久性、そして控えめながら個性のある佇まい。

華美な装飾よりも、本質的な機能美を求める愛好家から長年支持されてきた理由が、この36mmというサイズに凝縮されています。

レンジャーRef.m79930-0001（ブラック）

画像引用：チューダー 公式サイト

チューダー レンジャー Ref.m79930-0001は、ブランドのヘリテージを現代的なツールウォッチとして再定義したモデルです。

1960年代のレンジャーを源流としながら、ノスタルジーに依存せず、「今使うための実用時計」という明確な立ち位置を与えられています。

外観デザインの特徴

Ref.m79930-0001のケース径は39mmと控えめで、ヴィンテージ由来のサイズ感を踏襲しています。

一方、ケースの厚みや剛性感は現代的で、装着すると見た目以上にタフな印象です。全面サテン仕上げとすることで、道具時計としての性格が強調されています。

ダイヤルは極めてシンプルなブラック。アラビア数字とバーインデックスによる高い視認性を重視した構成です。

ベージュトーンの夜光は控えめで、過剰なヴィンテージ演出に頼らず、あくまで機能性の延長として配置されています。

搭載ムーブメントと性能

レンジャー Ref.m79930-0001には、自社製キャリバーMT5402が搭載されています。

約70時間のパワーリザーブを備え、週末に着用しなくても止まりにくい実用的な設計です。

スイス公式クロノメーター検定（COSC）を取得しており、日常使用における精度面でも信頼がおけます。

構造は耐久性を重視した設計で、過度な装飾を排しながらも安定した作動を長期的に維持できる点が特徴です。

レンジャーの質実剛健なキャラクターを、内部機構からもしっかりと支えるムーブメントと言えるでしょう。

ストラップの特徴

レンジャー Ref.m79930-0001に装着されるブレスレットは、ヴィンテージ由来のリベット風意匠を持つ3連タイプです。

外観はクラシックですが、構造や質感は現代的で、実使用を前提とした十分な剛性と安定感があります。

リンクの可動域も適切で、腕なりの良さに優れており、長時間着用しても違和感を覚えにくい点は評価できます。華美な仕上げを避け、あくまでツールウォッチとしての信頼性を重視したストラップと言えるでしょう。

なお、Ref.m79930-0001にはファブリックストラップ仕様のm79930-0003もラインナップされています。

レンジャーRef.m79930-0007（ホワイト）

画像引用：チューダー 公式サイト

レンジャー Ref.m79930-0007は、従来のブラックダイヤルとは異なる表情を与えられたホワイトダイヤル仕様です。

基本設計やスペックはブラックモデルと共通ですが、文字盤色の変更によって、レンジャーというモデルが持つ印象は大きく変化しています。

全体の雰囲気は、ブラック文字盤の無骨さに比べて軽やかで、日常使いへの親和性が高い印象です。

一方で、デザイン自体はあくまでレンジャーの文法に忠実であり、スポーティさやカジュアルさに振り切りすぎることはありません。

ブレスレットやケースの質感と相まって、道具としての緊張感はしっかりと保たれています。

レンジャー Ref.m79930-0007は、レンジャーの実用性や設計思想に共感しつつも、ブラックほどのストイックさを求めない時計愛好家にとって、現実的かつ完成度の高い選択肢です。

同一モデルでありながら、色替えによってここまで性格が変わる点も、このレンジャーというコレクションの懐の深さを物語っています。

外観デザインの特徴

レンジャー Ref.m79930-0007の特徴は上品な印象を与えるホワイトダイアル。

当モデルのダイヤルは、いわゆる純白ではなく、わずかにマットな質感を持つ落ち着いた色調です。

これにより反射が抑えられ、屋外光の下でも高い視認性を確保しています。

ブラックのアラビア数字と針とのコントラストは非常に明快で、ツールウォッチとしての機能性を改めて強く感じさせます。

搭載ムーブメントと性能

レンジャー Ref. m79930-0007（ホワイト）にも、ブラックモデルと同様に自社製キャリバーMT5402が搭載されています。
約70時間のパワーリザーブを備え、日常使用における実用性は十分です。

スイス公式クロノメーター検定（COSC）を取得しており、安定した精度と信頼性が確保されています。

構造面では耐衝撃性や長期使用を重視した設計が採用されており、外観の軽やかさとは対照的に、中身はあくまでタフなツールウォッチそのものです。

ストラップの特徴

レンジャー Ref.m79930-0007（ホワイト）には、ブラックモデルと同じくリベット風デザインを採用した3連ステンレスブレスレットが組み合わされています。

外観はクラシックですが、実際の作りは現代的で、剛性と耐久性を重視した構造です。
ホワイトダイヤルと組み合わせることで、無骨さの中に適度な軽快さが加わり、レンジャーの表情をより日常使い向けに仕上げています。

リンクの可動性も良く、腕への追従性に優れるため、長時間着用してもストレスを感じにくい点は実用時計として高く評価できます。

ツールウォッチとしての信頼性を支える要素でありながら、過度に主張しないデザインが、ホワイトダイヤルの落ち着いた雰囲気を損なわない点も印象的です。

こちらもファブリックストラップ仕様の「m79930-0008」がラインナップに存在しています。

レンジャー 41mm 全モデル解説

チューダー レンジャー 41mmは、ブランドのヘリテージを色濃く受け継ぎながら、現代的なツールウォッチとして再構築されたコレクションです。

ケース径41mmというサイズは、レンジャーに本来備わる堅牢性や視認性を最大限に引き出しつつ、日常使いにも対応できるバランスを意識したものと言えます。

あくまで「使うための時計」であることを軸に据え、その上で選択肢を用意している点に、このコレクションの価値があります。

チューダー ヘリテージ レンジャー 41mm m79910-0001

Ref.m79910-0001は、現行レンジャーとは設計思想や時代背景を異にする、いわば前世代に位置づけられるヘリテージ レンジャーです。

1960年代のレンジャーをモチーフに、クラシックな意匠を色濃く反映させたモデルであり、現行のレンジャーと比較することで、チューダーの方向性の変化がより明確に浮かび上がります。

41mmのケース径は、当時としてはやや大ぶりで、ヴィンテージデザインを現代的なサイズに拡大した構成です。

ポリッシュとサテンを組み合わせたケース仕上げや、やや丸みを帯びたフォルムには、ツールウォッチというよりもヘリテージモデルとしての性格が強く表れています。

外観デザインの特徴

ブラックダイヤルには、特徴的なアラビア数字とバラ針が組み合わされ、視覚的な個性は非常に高いものの、現行レンジャーと比べると実用一辺倒という印象ではありません。

夜光塗料のトーンやロゴ表記も含め、あくまで過去へのオマージュを主軸としたデザインです。

現行レンジャーのようなストイックな実用時計を求めるというより、チューダーがいかにしてヘリテージ路線を確立してきたかを象徴する一本だと言えます。

レンジャーの名を冠しながらも、その本質は異なり、両者を並べてこそ理解できるモデルに思えます。

搭載ムーブメントと性能

チューダー ヘリテージ レンジャー Ref.m79910-0001には、ETAベースの自動巻ムーブメントが搭載されています。

現行レンジャーに採用されている自社製キャリバーとは異なり、実績ある汎用ムーブメントを用いることで、信頼性と整備性を重視した構成です。

パワーリザーブや精度といった数値面では、現代的な自社製ムーブメントに及ばない部分もありますが、日常使用において大きな支障を感じる水準ではありません。

むしろ、このモデルにおいては最新スペックよりも、ヘリテージモデルとしての雰囲気や時代性と調和している点が重要と言えるでしょう。

レンジャー モデル選びのポイント

チューダー・レンジャーはシンプルな3針フィールドウォッチでありながら、サイズ・文字盤カラー・ブレスレット仕様の違いによって、使い勝手や雰囲気が大きく変わります。

ここでは、後悔しない1本を選ぶために押さえておきたいポイントを整理します。

ケースサイズ

レンジャーを選ぶ際にまず意識しておきたいのが、ケースサイズがもたらす装着感の違いです。

現行レンジャーの主なサイズは39mmと36mmで、数字以上に着用時の印象が大きく変わります。

39mmはスポーツウォッチらしい存在感がありながらも、ラグが短く全体のプロポーションが優れているため、実測よりも小さく感じられるのが特徴です。

手首が細めの方でも意外と馴染みやすく、アウトドアはもちろん、普段使いでも自然に収まります。

一方の36mmは、ヴィンテージ・レンジャーの文脈により近いクラシックなサイズ感で、近年再評価が進む小径スポーツの流れにぴったりとはまります。

控えめで上品な印象が強く、ジャケットスタイルなどにも合わせやすい万能さが魅力です。
男女問わず使いやすいサイズで、パートナーとシェアする用途にも向いています。

どちらを選ぶべきかは、手首サイズだけでなく「どんな雰囲気で着けたいか」という好みにも直結します。

存在感を求めるなら39mm、自然で控えめなスポーツ感を求めるなら36mmと考えると選びやすいでしょう。

ストラップ vs ブレスレット

画像引用：チューダー 公式サイト

レンジャーの購入を検討する際、悩むのが「ストラップにするか、ブレスレットにするか」というポイントです。

どちらも魅力が異なり、自分の使い方やスタイルに合わせて選ぶことで、時計のフィット感や満足度が大きく変わります。

ブレスレットは堅牢性と実用性が魅力で、オン・オフ問わず扱いやすい点が強みです。

特にチューダーらしいしっかりとした造りのスチールブレスレットは重量バランスに優れ、長時間の着用でも安定感があります。

また、傷に強く、メンテナンスの手間も比較的少ないため、日常使いのタフさを重視する方におすすめです。

一方、ストラップは時計の雰囲気がガラッと変わるカスタマイズ性が魅力です。

レザーならクラシックに、ファブリックなら冒険心のあるフィールドウォッチらしさを強調でき、季節やファッションに合わせて気軽に付け替えができます。
時計との一体感も軽く、カジュアルに使いたい人にはこちらが向いています。

どちらが優れているというより、求める使い心地と雰囲気によって選び方が変わります。
迷ったらブレスレットを選び、後からストラップを追加するという選択肢も、愛好家の間では定番です。

レンジャーとロレックスエクスプローラーⅠ比較

チューダー「レンジャー」とロレックス「エクスプローラーI」は、どちらも冒険をテーマにしたフィールドウォッチとして語られるモデルですが、その立ち位置や設計思想には明確な違いがあります。

まず大きな違いはデザインのアプローチです。

レンジャーはあえて装飾性を排し、ミリタリーフィールドウォッチの文脈を強く残した無骨なスタイルが特徴です。
一方のエクスプローラーIは、探検用時計でありながらドレスウォッチにも通じるロレックスらしい上品さを備えており、フォーマルにも違和感なく馴染む洗練されたデザインとなっています。

ムーブメントについては、両者とも高い堅牢性と安定性を誇りますが、思想は異なります。レンジャーはMT5402を搭載し、長いパワーリザーブやシリコン製ヒゲゼンマイによる実用性を前面に押し出しています。

エクスプローラーIはロレックス独自の高精度クロノメーター規格を満たし、より厳格な精度基準と耐磁性能を追求した設計が特徴です。
また、価格帯も選ぶポイントになります。レンジャーは「本質の良さを手の届く価格で」というチューダーの姿勢を象徴するモデルであり、手頃ながら本格的なスペックを備えます。

一方エクスプローラーIはロレックスのスポーツモデルとしてのステータスや資産性を併せ持つ、よりプレミアムな存在です。

どちらも優れたツールウォッチであることは間違いありませんが、無骨で実直な時計が好きならレンジャー、洗練と普遍性を求めるならエクスプローラーIといった具合に、選ぶ基準は「どんな冒険に寄り添わせたいか」で大きく変わってきます。

レンジャー購入ガイド

チューダー レンジャーは、実用性・耐久性・価格バランスのいずれも優れているため、初めて本格時計を買う方から2本目を探す時計愛好家まで幅広く支持されています。

ここでは、購入時に押さえておきたいポイントを解説します。

正規販売店と並行輸入店どちらで買うのが良いか

レンジャーを購入する際、「正規販売店」と「並行輸入店」のどちらを選ぶべきかは、ユーザーが何を重視するかによって答えが変わります。

まず安心感を求めるなら正規販売店です。

アフターサービスの手厚さ、購入時の説明、メーカー保証の確実性など、初めてチューダーを買う方でも安心して取引できる環境が整っています。
とくに新作や人気モデルは正規ネットワークの方が入手までの流れが明快で、信頼性という面で大きな強みがあります。

一方、価格重視なら並行輸入店が魅力です。

保証内容は店舗に依存しますが、同じ新品であっても価格が抑えられ、バリエーションも豊富です。
また、モデルによっては正規店より早く入荷するケースもあり、実物を比較しながら選ぶ楽しさがあります。

ただし、店舗によって品質チェックや保証体制に差があるため、信頼できるショップ選びが前提になります。
つまり、「長く安心して使いたい」なら正規販売店、「価格と選択肢を重視」なら並行輸入店というのが基本的な考え方です。

どちらにも明確なメリットがあるため、自分がレンジャーに対して何を求めるのかを基準に選ぶのが最も失敗しない方法と言えます。

まとめ

チューダー レンジャーは、華美な装飾や過剰な機能に頼ることなく、「道具として信頼できる腕時計とは何か」を一貫して示してきたモデルです。

1950年代の探検時計に始まる歴史的背景、シンプルで視認性の高いデザイン、そして現行モデルにおける自社ムーブメントの搭載まで、その進化は常に実用性を軸に据えてきました。

この記事を通じて、レンジャーが単なるエントリーモデルやミリタリー風デザインではなく、チューダーの思想を最も素直に体現した存在であることを感じ取っていただけたなら幸いです。

流行に左右されず、長く付き合える一本を探している人にとって、レンジャーは今もなお極めて正しい選択肢であり続けています。