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オメガのオーバーホールは正規修理、一般修理どちらに出すのが良いの?

オメガ, 廣島浩二, 腕時計修理・メンテナンス大全

オメガ オーバーホール

「オメガのオーバーホールは正規修理、一般修理どちらを選べば良い?」
「お得にオメガのオーバーホールをしたい」

オメガの時計を末永く使うためには定期的なオーバーホールが必要です。

車を所有している方が2年に1回車検を通さなければいけないように、機械式時計も数年に一度、定期的なメンテナンスを受ける必要があります。

気になるのは「オメガの腕時計はどこでオーバーホールするのがお得なのか」ということ。

オメガの時計をパートナーとする方は誰もが気になるポイントではないでしょうか?

正規修理と一般修理、それぞれにメリット・デメリットがありますが、コストパフォーマンスについては優良修理業者に依頼する方が高いでしょう。

この記事ではオメガのオーバーホールに関する2つの選択肢について、GINZA RASINスタッフ監修のもと解説します。

オーバーホールを行うべき周期についても解説しますので、オメガの購入をお考えの方はぜひ参考にしてください。

オメガ オーバーホール

出典:https://www.omegawatches.jp/ja/customer-service/servicing-my-omega/

 
オメガのオーバーホールはどれくらいの周期で行えば良いの?

腕時計は細かなパーツが精密に組まれて動く仕組みの為、定期的なオーバーホールが必要です。これを怠ると次第に各パーツは悲鳴を上げていき、不具合へと繋がっていきます。こうなってくるとパーツは新しいものと交換しなくてはならず、オーバーホール以上に思わぬ出費へと繋がってしまいます。

オーバーホールは機械式時計にとって必要コスト!定期的にこれを行うことで、末永く腕時計を愛用できることはもちろん、必要以上の修理費用がかからなくて済むといったメリットがあるのです。

なお、機械式・クォーツ式ともにオーバーホールは必要です。ただしクォーツ式の場合は、一般的に機械式時計よりもオーバーホールの必要周期は長いとされています。

 
ではオメガの腕時計のオーバーホールは、どれくらいの周期で行えば良いのでしょうか。

オメガの腕時計は、製品やご使用状況によっても異なりますが、現行で「5~8年に一度」とメーカーから推奨されております。この期間内にオーバーホールを行うことが求められてきます。

なお、通常機械式時計は3~4年に一度のオーバーホールが推奨されることが多いです。しかしながらオメガの現行機械式時計は「コーアクシャル」と呼ばれる脱進機を使っていることが、周期を短くしているミソ。コーアクシャルは一般的な脱進機よりもパーツ摩耗が少なく、わずかな注油によって長期間高い精度を維持する優れものとなっております。

※脱進機・・・ヒゲゼンマイの伸縮によって、テンプが規則正しい往復運動を繰り返すことで、時計は精度を保っています。このヒゲゼンマイとテンプが構成するパーツを調速機と呼びますが、この調速機にエネルギーを供給し、かつ調速機の運動を各歯車に伝えて正確に時を刻む存在が脱進機となります。

 

コーアクシャル脱進機が使われていないモデルや購入から年式を経た個体は「3~4年に一度」程度の周期を目安にオーバーホールを行うのが良いでしょう。

高級腕時計 メンテナンス

 

そして、このオーバーホール代がオメガ所有者に掛かる「ランニングコスト」となります。

基本的にオメガの時計をお持ちの方は、オーバーホールを受ける際に「2つの選択肢」のどちらかを選ぶことになるでしょう。

1つはオメガの正規修理サービス”コンプリートメンテナンス”を受けること、もう1つは正規修理ではなく、民間修理業者のメンテナンスを受けることです。

 
 

オメガのオーバーホール先の選択肢①メーカーのコンプリートメンテナンスを受ける

オメガが誇る優れた正規修理サービス。それがコンプリートメンテナンスです。このサービスでは、1流の時計技術者が最先端の設備を備えたアトリエで、あらゆる時計の修復を行います。

コンプリートメンテナンスでは精度や防水性のチェック等、全25項目にも及ぶ徹底したメンテナンス・オーバーホールを行うとのこと。加えて正規修理ならではのパーツの豊富さを利用し、摩耗が強いパーツや不具合の原因となりそうなパーツを新品の純正パーツに交換してくれることもメリットです。

 

オメガのコンプリートサービス価格は以下の通りです。(2022年7月現在)

価格表

クロノグラフ以外(メカニカル)

非貴金属素材: 70,400円(税込)
貴金属素材: 83,600円(税込)

クロノグラフ搭載(メカニカル)

非貴金属素材: 95,700円(税込)
貴金属素材: 121,000円(税込)

クロノグラフ以外(クォーツ)

非貴金属素材: 57,200円(税込)
貴金属素材: 70,400円(税込)

クロノグラフ搭載(クォーツ)

非貴金属素材: 63,800円(税込)
貴金属素材: 89,100円(税込)

※ムーブメントのパーツ交換費用・外装研磨含む。トゥールビヨンやポケットウォッチなどといった特殊な時計に関しては127,600円となっております。

 

なお、有償で上記コンプリートサービスを受けた場合は、24か月の保証が付与されます。

 

例えばオメガの一番人気・スピードマスター プロフェッショナルを購入した時・・・

オメガ スピードマスター 310.30.42.50.01.001

スピードマスター プロフェッショナル 310.30.42.50.01.001

定価:814,000円

並行相場価格:650,000円程度~

スピードマスターを手に入れるのに約65万。それに対して正規修理に掛かる金額は5~8年毎に約9万。20年維持するのに約20万円程度かかります。オメガのコンプリートメンテンスは正規修理という安心感は得られますが、ランニングコストは少し高いかもしれません。

もっとも、繰り返しになりますが、コーアクシャル脱進機によって一般的な機械式時計よりもオーバーホール周期は短いと言えます。

 

ちなみに、クロノグラフを搭載していないモデルだと・・・

オメガ シーマスター 210.30.42.20.01.001

シーマスター ダイバー300M 210.30.42.20.01.001

定価:693,000円

並行相場価格:610,000円程度~

3針メカニカルモデルであれば、一回のコンプリートサービスで約7万円程度です。

前述の通りコーアクシャルムーブメントはパーツにかかる摩擦を最小限に抑えた設計で作られており、オーバーホールの頻度を通常の2分の1にすることを可能とした画期的な機構です。この機構は現在オメガの独壇場といっても過言ではなく、オメガならではのメリットとして知られています。

 

正規修理依頼をするには

オメガのコンプリートサービスを受けるには、オメガ製品を取り扱うスウォッチ グループが運営する、正規オメガサービスセンターに持ち込むのが一般的です。百貨店などの正規オメガ販売店で依頼することもできますが、手数料10%がかかってくる可能性があります。

また、東京と大阪のカスタマーサービスはスウォッチグループ直営となっていますが、その他のサービスセンターは直営ではありません。つまり、オメガ公認民間修理業者のようなもので、スウォッチグループ直営のサービスを受けられるわけではありません。

そのため、東京・大阪に住んでいる方は直接カスタマーサービスセンターに持ち込めばOKですが、その他の地域に住んでいる方は郵送でどちらかのサービスセンターにオーバーホール依頼を出すのがよいと思います。

スウォッチグループ

出典:https://www.swatchgroup.jp/

正規修理のポイント
  • 正規修理には絶対的安心感がある
  • 現行は基本的にコーアクシャル搭載であり、オーバーホール周期は長い
  • 手厚い2年間のメーカー保証
  • 東京もしくは大阪のサービスセンターに依頼をすべき

 

オメガのオーバーホール先の選択肢②民間の時計修理業者に依頼をする

正規修理の安心感は魅力的だけど、少し金額が高いな・・・そう思う方は民間の時計修理業者を選択肢に入れてみましょう!

時計修理 民間業者

修理業者によってオーバーホール代は様々ですが、概ね正規コンプリートメンテンスの半額~7割ほどが相場です。この価格は非常に魅力的といえます。

オメガがムーブメントの開発で求めていたことは、堅牢性が高く高精度なものを「大量生産」すること。そのためムーブメントは複雑な作りではなくシンプルな設計を心がけています。流通量が多いことからパーツが入手しやすく、それゆえメンテナンスもしやすい。そのため民間の修理業者でも問題なく修理ができます。

ただし、いくら安いからといって「とにかく安さだけ」で選んでしまってはいけません。

メーカーの正規修理とは違い、修理業者によって技術や品質にバラツキがあるため、安かろう悪かろうの業者も中には存在するからです。そのため、民間の修理業者でオーバーホールを受ける場合は「技術力に定評のある優良業者」を選ぶことが必須です。

 

優良業者を選ぶポイント

  • 規模が大きく、1級技能士によって対応されること
  • 企業ページではなく、口コミを参考にすること

 

修理業者を選ぶ際には企業としての規模の大きさも重要視した方がいいです。小規模でも高い技術力を持つ業者もありますが、数百万規模の機材がいくつも必要となる時計修理においては、ある程度の規模を誇る業者を選ぶ方が無難です。

加えて、注目したいのが「1級時計修理技能士」がオーバーホールを担当しているか否か。時計技能士は3級~1級まである国家資格であり、1級所持者は高い知識と技能を持っていることを証明する資格です。極端にオーバーホール代が安い業者は1級時計修理技能士を置いていない可能性が高いので、WEBページ上でチェックするなどして一度確認してみてください。

また、時計修理やサービスの質は情報社会である現代ではすぐに拡散されます。その為口コミを参考にすれば、その時計修理業者が信頼できるのかどうかは判別することができるはずです。

優良時計業者が施すオーバーホールは正規メンテナンスと殆ど遜色がないため、総合的なコストパフォーマンスは大変優れているといえます。あえてデメリットを挙げると、保証期間が正規修理よりも少し短いことが多いことでしょうか。

なお、購入店が並行輸入店の場合、しっかりした民間修理業者と提携している可能性が高いです。そのためオーバーホールや何か不具合が発生した場合は、一度購入店に相談してみましょう。

非正規修理業者のポイント
  • 正規修理と比べると、半額~7割程度とオーバーホール代が安い
  • 修理業者によってクオリティーが異なる
  • 優良業者を選べば正規修理と遜色ないクオリティーでオーバーホールが可能
  • 保証期間は正規修理(2年)に比べて短いことが多い(大体1年)

 

まとめ

オメガのオーバーホールの選択肢はメーカーで正規修理を受けるか、民間の修理業者に依頼するかの二択があります。

それぞれにメリット・デメリットがありますが、総合的なコストパフォーマンスは優良修理業者に依頼するのが高いといえます。

正規修理でないと絶対にイヤだ!という方でない限りは、検討してみてはいかがでしょうか?

当記事の監修者

廣島浩二(ひろしま こうじ)

(一社)日本時計輸入協会認定 CWC ウォッチ コーディネーター
一級時計修理技能士 平成31年取得
高級時計専門店GINZA RASIN 販売部門 ロジスティクス事業部 メンテナンス課 課長

1981年生まれ 岡山県出身 20歳から地方百貨店で時計・宝飾サロンで勤務し高級時計の販売に携わる。 25歳の時時計修理技師を目指し上京。専門学校で基礎技術を学び卒業後修理の道に進む。 2012年9月より更なる技術の向上を求めGINZA RASINに入社する。時計業界歴19年


 

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