
「最強の実用時計とは何か?」
日常使いの時計が欲しいなと思った時に一度は考えを巡らせたことがあるかもしれません。
「傷や衝撃を気にせず使える堅牢性=実用的」という認識をされている方は多いですが、その他に長時間の装着でも疲れにくい装着感、精度と信頼性、そして時代に左右されないデザイン。そのすべてを高い次元で満たしてこそ、本当に最強と呼べる実用時計だと言えるかと思います。
この記事では、プロユースをルーツに持つモデルから、万能型の名作まで、「使ってこそ価値がわかる」実用時計の真価を多種多様なブランドごとに掘り下げていきます。
ハイブランドだけでなく、日本の実用ブランドや頑丈さで評価が高いビギナー向けのブランドも紹介していますのでぜひ購入の参考にしてみて下さい。
目次

まずは「実用性」を軸に、日常で気持ちよく使えるハイブランドを紹介します。
ハイブランドの時計は、見た目やステータスだけで選ぶと「結局はあまり着けない」ことになります。
重い、傷が気になる、磁気や水が不安、メンテナンスが面倒。
こうした小さなストレスが積み重なると、せっかく購入した時計が出番を失ってしまいます。
ハイブランドの時計を選ぶ際に重要なのは、生活の中で何を優先したいのかを考えることです。
自分に合う実用性を持った時計を選ぶことができれば、相棒として末永く身に着けることができます。

ロレックスの実用性を象徴するモデルとして、エクスプローラーは外せません。
エクスプローラーは1953年のエベレスト登頂をバックグラウンドに、「過酷な環境でも視認性が良く、壊れにくい」時計として語られてきたモデルです。
派手な機能よりも視認性と扱いやすさを持ち合わせています。
3・6・9のアラビア数字と太い針は、ぱっと見て時刻が分かります。複雑な機能はなく、時計の扱いも時分秒のみの表示でシンプルです。
会議前や移動中など、短い時間で確認したい場面においてもストレスがありません。
また、ロレックス伝統のオイスターケースとねじ込み式リューズは水に強く、雨や手洗いで神経質になりにくいのも強みです。
結果として「今日は着けるのをやめておこう」という高級時計にありがちな場面が減ります。

オメガの強みは、シーマスターやスピードマスター、コンステレーションなどに搭載された「コーアクシャルマスタークロノメーター」です。
コーアクシャル脱進機とマスタークロノメーター認証を組み合わせることにより、日常で起きやすい精度の不安を大きく解消しています。

コーアクシャル脱進機は摩耗や注油状態に影響が出にくい設計がされています。
一般的な時計に比べて約2倍のメンテナンスサイクル(8年〜10年)が設定されており、長く使っても精度が狂いにくいので安心です。
また、C.O.S.C.(スイス公認クロノメーター協会)がムーブメント単体でクロノメーターを認定している点も見逃せないポイントです。
METAS(スイス連邦計量・認定局)による10日間にも及ぶ厳格なテストを経て、マスタークロノメーターを完成品の時計として認定します。
このテストは精度と耐磁など、8つの基準に沿って行われ、本当に優れた個体のみだけがマスタークロノメーターとして世に出回ります。

スマホやイヤホンのマグネットが身近にある現代において、磁気を過度に気にしなくていいマスタークロノメーターは実用面で大きな強みを持ちます。
メンテナンスサイクルが長く、耐磁や精度の認定を受けているコーアクシャルクロノメーターはオメガの人気モデルを実用的な1本に仕立てています。
No.1
オメガ スピードマスター ムーンウォッチ プロフェッショナル マスタークロノメーター クロノグラフ 310.30.42.50.01.001
2021年発表の””スピードマスター””です。ヴィンテージオメガに使用されていたステップダイアルを採用。ベゼルリングには「ドットオーバー90(90の数字の上にドット)」を採用しています。コーアクシャルエスケープメント搭載の手巻きクロノグラフCal.3861を搭載。マスタークロノメーター認定。15000ガウスの耐磁性能。パワーリザーブ約50時間。ケースバックにはシーホースのメダリオンが刻印されています。
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No.1
オメガ シーマスター アクアテラ コーアクシャル マスタークロノメーター 220.10.41.21.03.001
オメガの代表的なコレクション、シーマスター
アクアテラの2017年発表モデルです。「チークコンセプト」と呼ばれる横のストライプに彫り込まれたサンブラッシュ仕上げのブルーダイアルが立体的かつ爽やかな印象です。ムーブメントには、約60時間のパワーリザーブと15,000ガウス以上の耐磁性能を持ったMETAS認定のマスタークロノメーターCal.8900を搭載。その機能美をシースルーバックからいつでもお手元で楽しむことができます。
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No.1
オメガ シーマスター300 コーアクシャル マスタークロノメーター 234.30.41.21.01.001
1957年に、潜水士などの水中作業のプロフェッショナルへ向けてデザインされ登場した””シーマスター300″”。こちらは、そのアイコニックなモデルの雰囲気を現代の技術と共に再構築した2021年発表のモデルです。60時間のパワーリザーブと高い耐磁性を誇る「コーアクシャル
マスタークロノメーター ムーブメント
Cal.8912」を搭載。ブラックダイアルにはスーパールミノバが塗布され、シュウ酸陽極酸化処理を施したアルミニウム製ベゼルを用いています。
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No.1
オメガ シーマスター プロダイバーズ 300M 212.30.41.20.03.001
オメガのフラッグシップモデルであるシーマスターコレクション。飽和潜水時のヘリウムガスによる風防破損事故を防ぐヘリウム・エスケープバルブや、潜水時間を計測できる逆回転防止付き回転ベゼルを備えており、機能性の高い逸品です。ムーブメントには、より高精度の安定性と持続性を維持するコーアクシャル・エスケープメント採用のCOSC認定Cal.2500を搭載しています。パワーリザーブ48時間。
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No.1
オメガ トリロジー レイルマスター 60周年リミテッド 220.10.38.20.01.002
鉄道用時計を原点とする高精度モデル「レイルマスター」が60周年を記念し、2017年に””トリロジー レイルマスター
60周年リミテッド””として登場致しました。外装は初代のままに、ムーブメントには15,000ガウス以上の耐磁性能を誇るクロノメータームーブメントCal.8806を搭載。外観は当時のまま、機能性は現代という良いところを全て取り入れたモデルとなっております。
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IWCの実用性は「時刻が読みやすい」「扱いやすい」「服装に合わせやすい」この3つです。
分かりやすい例が、パイロットウォッチの「マーク」系です。
パイロット・ウォッチ・マーク XXは、太い針としっかりしたアラビア数字で時刻がパッと読めるダイアルデザインになっています。
さらに、自社製キャリバー32111は約120時間のパワーリザーブなので、数日外しても止まりにくく扱いやすいです。

IWCが上手いのは、こうした実用装備を載せても「マッチョ」にならないデザインをしている点にあります。
本来、視認性を上げると針やインデックスは太くなり、耐磁や防水機能を備えるとケースは重く厚くなりがちです。
しかし、マーク系は「時刻が読みやすい」「機能が充実している」のにすっきりとした見た目になっています。
すっきりしたデザインはスーツでも私服でも浮きにくく、装着頻度の高いアイテムになります。
また、モデルによってはEasX-CHANGEという構造でストラップ交換が手早くできます。
皮ベルトが汗で痛みやすい夏は、ラバーベルトに替えるなど衣替えしやすいメリットがあります。
IWCの実用的な強みは読み取りやすさ、手間の少なさ、服装との合わせやすさで毎日の使用頻度を落とさないところにあります。

カルティエを実用性で語るなら、「出掛けに迷わず手に取れる」ファッション性が強みです。
独創的なアールデコのデザインや、優美なローマ数字など、カルティエならではのスタイルを確立しています。
例えば、タンク。
角型ケースとレイルウェイの分目盛り、ローマ数字はクラシカルで個性的な印象を持っています。個性的なのに優美なデザインでスーツでも嫌味になりません。
一方で、私服に合わせると伝統的なデザインで「手元が締まる」ので、カジュアルスタイルがだらしなく見えない良さがあります。

「仕事でも休日でも成立する」ことが、実用性そのものです。
クラシカルなタンクに比べて、もう少し現代的なデザインに振るならサントスもおすすめです。
サントスは飛行機の外装に使われているリベットをモチーフにデザインされ、近代工業のテイストで精悍なイメージを演出してくれます。
QuickSwitchを採用しているモデルは工具なしでベルト交換が容易にできます。
今日はスーツだからブレス。休日はレザーやラバー。
ベルトの容易な着せ替え構造は、カルティエの合わせやすさをさらに強化しています。
また、2025年にはサントスにスティールよりも43%軽いチタンモデルが加わりました。
タンクもオススメですが、サントスのチタンモデルは軽い使用感で「出掛けに迷わない」を後押ししてくれるでしょう。

日本が誇る実用時計は、単に高精度で壊れにくいだけの存在ではありません。
過酷な環境下でも安定して動作し、日常使いにおいてもストレスを感じさせない操作性と装着感を備えています。
実用性という観点では、日本ブランドはとても良い選択肢です。
広く世間に知られるメイドインジャパンの精緻な作りの良さがあります。
また、日本ブランドは華美に走らず、長く使い続けられる普遍的なデザインを持つことが大きな特徴です。
現場での使用を前提とした設計や、細部まで行き届いた品質管理によって、世界的にも高い評価を獲得してきました。
ビジネスからアウトドアまで幅広いシーンに対応し、「道具として信頼できる」点こそが、日本の実用時計が最強と称される理由です。

実用性のある日本メーカーは、大きく以下の3つです。
衝撃や水濡れに強く、気を遣わずに使えるカシオのG-Shock。
シチズンが全力で精度と省メンテを追求し、ソーラー電波で時刻合わせの手間を減らしたザ・シチズン。
さらにセイコーには、クォーツの利便性に加えて針の見やすさや質感まで作り込んだグランドセイコー9Fクォーツがあります。
派手な物語性より、生活の中で「困らない」「疲れない」「見やすい」を優先したい人ほど、日本の実用時計は相性が良いはずです。
ここでは、それぞれの実用性を整理していきます。

画像引用:G-Shock 公式サイト
G-Shockの実用性は、ひと言でいえば 「ラフに使える安心感」です。
「落としても壊れない腕時計を作れないか」という発想から始まり、開発者が掲げたのが有名な「トリプル10」です。
10m落下に耐える。10気圧防水。10年電池。
この目標が、G-Shockを「実用的な道具」として確立しています。
画像引用:G-Shock 公式サイト
G-Shockは衝撃や水に気を遣うことなく、10年間電池交換もなくガシガシ使えるのが強みです。
ムーブメントを衝撃から守る中空構造を採用しG-Shockは「壊れない」実用性を実現しています。
価格帯とデザインの幅が広く、自分らしい実用時計を選ぶことができます。
仕事用なら高級感のあるMTG-B4000D。休日用ならゴールドが眩しいGBM-2100CX-9AJR。アウトドア用ならフロッグマンシリーズのGW-8200TPF-1JRなど。
これ以上選択肢の多い、実用時計はなかなかありません。

画像引用:シチズン 公式サイト
ザ・シチズンの実用性は「時刻合わせのストレスが少ない」ことです。
代表的なのが、年差クラスの高精度エコ・ドライブです。
光で発電して動くので、電池交換がないのも実用的な魅力になっています。
さらに実用面で効くのが、日付と針のズレ対策です。
高精度なエコ・ドライブの中には、パーペチュアルカレンダーを備えるモデルがあります。
月末の調整やうるう年の調整を自動でしてくれるので、気づいたら日付が違うことを防ぎます。
また、衝撃検知や針の自動補正を搭載したモデルもあります。時計をぶつけた後に「針がズレたかも」という不安を抑えられます。

画像引用:シチズン 公式サイト
ザ・シチズンは外装面でも、日常で使い込むことを想定しています。
スーパーチタニウムや表面硬化技術(デュラテクト)を採用したモデルなら、軽さと傷への強さを両立し、ストレスなく使い続けられます。
「手間と不安を減らす仕組み」を重ねることで、実用時計としての完成度を高めています。

9Fクォーツは正確なだけでなく、さらに上質な実用性を作り込んでいます。
3ヶ月間のエージングを経て安定した水晶振動子を組み込むことで精度を極限まで高めており、さらに温度変化に影響を受けやすい水晶振動子を1日に何度も検温し、温度補正を行い誤差を補正する仕組みを持ちます。
これは気温の変化を伴う日本の四季を通して安心できることを意味します。

次に、時刻の読みやすさにも定評があります。
一般のクォーツは力が弱いので、細く短い針しか回せません。
しかし、9Fクォーツはツインパルス制御モーターでトルクを稼ぎ、グランドセイコーらしい太く長い針をきちんと動かします。
分針と秒針がインデックスの外周まで届くことで「一瞬で秒まで読める」見やすさを、機構で支えています。
グランドセイコーですから、ザラツ研磨を採用した美しい鏡面のケースも備えています。
「精度・手間の少なさ・視認性・上質感」を同時に手にいれるなら、9Fクォーツは相性抜群です。

実用性を「豪快に使えること」と捉えるなら、「頑丈さ」で支持を集める時計が最適です。
ポイントは、衝撃・水・温度差・磁気など日常で起きやすいストレスを想定し、独自の設計で対応していることです。
軽さと耐衝撃を両立してアクティブな用途に強いモデルや過酷な環境でも安心なモデルもあります。
本章ではノルケイン、ビクトリノックス、ブレモン、Sinnを取り上げ、各社の頑丈さを解説します。

画像引用:ノルケイン 公式サイト
ワイルドワンの魅力は、高級な機械式時計をアクティブに使えるところにあります。
多層構造で段階的にショックを分散させることで、頑丈さを実現しています。
上質でおしゃれなのに、ぶつけても壊れにくい設計となっとており、頑丈さに個性と語りどころを求める方に最適です。
なお、ワイルドワンのケースは一般的な一体の金属ではありません。
外側のNORTEQと呼ばれるカーボンファイバー素材のケースで衝撃を受け、ラバーで吸収し、チタンのコンテナで時計を守る多層構造にしています。
衝撃がムーブメントへ直撃しにくいので、日常の接触や振動でも神経質になりません。
金属の一体ケースは強そうに見えても、衝撃の逃げ場がなく、中身にダメージが伝わることがあります。
一方、ワイルドワンは衝撃に「耐える」ではなく、力を「逃がす」ことを選ぶことで、驚異的な頑丈さを手に入れました。

画像引用:ビクトリノックス 公式サイト
I.N.O.X.の強みは、「様々な壊れるシーンを想定されている」ところにあります。
このモデルは、ビクトリノックスが公式に「130の耐久テスト」を掲げ、落下や圧力、温度変化、振動などを検証しています。
日常で体感しやすいのは、防水と外装の安心感です。
I.N.O.X.は200m防水で雨や手洗いで水の侵入を気にすることはありません。
90度のお湯に浸かっても、洗濯機で2時間回しても壊れないというのですから壊れるシーンを想定しすぎといっても過言ではありません。
また、I.N.O.X.の独自性は、オプションにも現れます。
スマホケースのように被せてケースを覆うバンパーが付けられるモデルがあるのもユニークです。傷を避けるのではなく、傷を気にしない独自の外装オプションは独自の安心感を添えてくれます。

画像引用:ブレモント 公式サイト
MBIIは壊れにくい理由が明確です。
パイロットの脱出に使われるMartin-Baker(射出座席メーカー)との共同でスタートし、衝撃と振動に強い設計を前提に作られました。
軍用機の射出座席と同じテストで耐久性を確認したという逸話やパイロットにも愛用されているなど頑丈さに定評があります。
ポイントは独自技術のアンチショック・ムーブメントマウントです。
裏蓋とムーブメントの間にゴム系のクッションが入っており、ムーブメントへの落下時のダメージを受けにくくしている構造は独自性があります。
他にも内転ベゼル「Roto-Click」を4時位置のリューズで回す方式で、外についている回転ベゼルの様に外からの衝撃で動いてしまうことがない実用的な構造を持っています。
読みやすいダイアルと十分な防水性も備え、ラフに使うほど安心感が際立つ1本です。

画像引用:Sinn(ジン)公式サイト
Sinn(ジン)はドイツ語で「意味・目的」を指す言葉で、ブランド名でもあり創業者ヘルムート・ジンの姓でもあります。
航空計器やプロ用時計から出発した背景が、EZMには継承されています。
EZMは「ミッションタイマー」の略で、EZM 3 Sはプロダイバー向けに500m耐圧をDNV(旧DNV GL/ゲルマニア・ロイド船級協会)に認証されています。
外装は金属表面を硬くするテギメント加工+ブラックハードコーティングで擦り傷が目立ちにくく、使い込んでも見栄えが崩れにくいです。
−45〜+80℃と80,000A/m防磁まで想定した圧倒的な実用性を有し、湿気、寒暖差や磁気をほぼ気にすることなく使用できます。
また、9時位置のリューズは左手装着時に手の甲に当たりにくく、着けたまま動きやすいのも特徴です。
Sinnは知る人ぞ知るといった印象もありますので、人と異なる時計を着けたい方にもおすすめです。

様々な手間とストレスを減らすことが実用性を増すコツといえます。
雨や水濡れを気にするシーンが少ないのに200m防水のダイバーを持っても、無駄に重すぎて出番は減ります。
それよりは、軽くて気楽な時計の方が使用頻度が増えることも考えられます。
重要なのは「自分のライフスタイルに合っているか?」という点です。
ここでは、実用性を判断するために気にすると良い点を紹介します。
実用性を最優先するなら、「維持の手間が少ない」時計が重宝します。
忙しい人ほど、費用よりも「メンテナンスに預ける手間」「戻ってくるまでの期間」「止まったときの不安」が懸念になります。
このストレスが小さいほど、時計は実用性が高まります。

ストレスを測るチェック項目は以下の3つです。
1つ目は、保証と修理窓口の分かりやすさ。
保証が長く、受付が明確で修理工程がわかりやすいと、トラブル時の不安が減ります。
2つ目は、部品供給と継続性。
ロレックスのように同じシリーズのモデルを継続的に販売していて、部品供給が途絶えないこと。老舗ブランドで、中古でも現行品がたくさんあるものは比較的安心です。
3つ目は、自分の生活に無理がない仕様。
屋外作業の仕事であれば、突然の雨にも心配のいらない防水性やメタルやラバーバンドを備えたモデルが最適です。
もし、防水性が低いモデルを選べば時計は浸水してしまうでしょうし、皮革ベルトを選べば雨や汗ですぐに劣化してしまいます。
選び方のコツは、先に「自分の1週間」を想像することです。
在宅、出社、移動、子ども対応、雨の日。
この中で「時計に気を遣う瞬間」が少ないモデルは、メンテナンス頻度が減り実用性が高いと言えそうです。

デザインは好きでも、身体に違和感を感じると使い勝手の悪いものになってしまいます。
見るべきポイントは以下の4つです。
1つ目は重量です。
疲れないためにはグラム数だけでなく、重心が偏っていないかも重要です。
2つ目は厚みと袖口の関係。
「シャツの袖にスッと入るか」はビジネスシーンでの実用性に直結します。
3つ目、ラグ形状と手首との相性。
同じケース径でも、ラグが腕に馴染まず張って感じる時計は違和感がある証拠です。
4つ目、着脱のしやすさ。
忙しい朝に留め具が面倒だと、身に着ける頻度は減っていきます。
装着感は「使用頻度が減らないか?」で検討すると失敗が減ります。
気になるモデルがあるなら、店舗で一度は実機を試着することをお勧めします。

実用性を上げるなら、外部環境の磁気・水・衝撃の影響を抑えられる時計を選ぶのが最良です。
まずは磁気。
現代は磁気が多すぎます。
スマホ、PC、イヤホンケース、マグネット式バッグの留め具。精度が狂う原因が、日常にあります。
耐磁性がある時計であれば、磁気を気にする回数は大きく減ります。
次に水です。
雨、手洗い、汗。ここで毎回ヒヤッとする時計は、装着が面倒くさくなってしまいます。
最後に衝撃。
落下だけではありません。机、ドア、車、子どもとの接触。衝撃に対する強さは時計にとって非常に重要です。
迷ったら「自分が気にするタイプのストレス」を特定してください。
振り返りになりますが、磁気が気になる人は耐磁性能を持った時計。水が気になる人は防水性の高いモデル。傷が気になる人は素材や表面処理を確認。
この必要とする機能の特定が、自分に合った実用性時計への最短ルートです。

実用性の最後に挙げるのは「どこに行くシーンでも使いやすい時計」です。
実は意外と多くの時計が使われなくなる理由は故障ではなく、「今日は合わないな」と思ってしまうことが続くことです。
仕事で派手すぎる。休日には固すぎる。行事で浮く。冠婚葬祭でふさわしいか悩む。
こうして出番が減ると、時計は「実用品」から外れてしまいます。
ただし無難すぎてもダメです。気分が上がらない時計は、結局出番が減ります。

針の形が好き。ケースのラインが好き。自分のラッキーカラー。
今一度「自分がとても好きな部分があるか」を確認してください。
その「好き」があると、毎日手に取る理由になります。
好みに合わせやすい時計は、自然に出番が増えて実用的だといえそうです。
最強の実用時計を1本に決めるのは難しいものです。
実用性は「精度」「衝撃」「耐磁」「防水」「合わせやすさ」「手間の少なさ」など、人によって優先順位が異なるからです。
やはり、1本を選ぶなら「自分が一番気にするストレス」を1つ決めることです。
時刻合わせの手間を避けるなら高精度クォーツ。水や汗が不安なら防水ケース構造。磁気が気になるなら耐磁性能。1本で使いまわしたいなら服装とのマッチング。
購入候補の時計を「自分の1週間」に当てはめて、「時計に気を使うシーン」「着けることを悩むシーン」が訪れるかをイメージしましょう。
イメージしても長く使い続けられそうだと感じられる時計を選べば、実用的な選択となるでしょう。
当記事の監修者

南 幸太朗(みなみ こうたろう)
(一社)日本時計輸入協会認定 CWC ウォッチコーディネーター
高級時計専門店GINZA RASIN 買取部門 営業企画部 MD課/買取サロン プロスタッフ
学生時代に腕時計の魅力に惹かれ、大学を卒業後にGINZA RASINへ入社。店舗での販売、仕入れの経験を経て2016年3月より銀座本店 店長へ就任。その後、銀座ナイン店 店長を兼務。現在は営業企画部 MD課 プロスタッフとして、バイヤー、プライシングを務める。得意なブランドはパテックフィリップやオーデマピゲ。時計業界歴14年。