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日本ロレックスへ時計を修理に持ち込んでみた!実録レポート

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ロレックスの時計を長く愛用していればいるほど、メンテナンスや修理の必要に必ず迫られるものです。

そんな時、いったいどこに相談すれば良いのか。どこに持ち込み、どのように支払いすればいいのか迷ってしまう方もいらっしゃるでしょう。

そこでこの記事では、日本ロレックスのサービスセンターへ実際に修理依頼した際の、持ち込みから受け取りまでをレポート致します!

既にロレックスを所有している方もこれからご購入になる方も、必ず知っておきたいロレックスの修理。

ぜひ流れを掴んでみて下さいね。

ロレックス 修理

 

日本ロレックスへ時計を修理に持ち込む方法と大まかな流れ

ロレックスは基本的に、購入場所がどこであろうと正規メンテナンスで差は設けていません。

後述する「修理が受け付けられない場合」もありますが、基本的に正規店であろうと並行店であろうと、純正品であれば日本ロレックスでの修理受付が可能です。

では、日本ロレックスに修理を依頼するには、まずどこに持ち込めばいいのでしょうか。

以下の三通りの方法があります。

・正規店(購入店)に持ち込む
・日本ロレックスサービスセンターに持ち込む
・郵送

 

郵送の場合は、事前にサービスセンターへ電話連絡する必要があります。

依頼後、ロレックスから梱包キットが送られてくるため、緩衝材を詰め、時計を固定した状態で返送します。なお、送料は顧客負担となります。

持ち込みの場合は特に事前連絡などは必要ありませんが、営業時間に注意したいところです。

サービスセンターは百貨店併設のところでもない限り、だいたいが16時半~17時くらいに営業終了となります。意外と早いので仕事終わりだと間に合わないことも。事前に確認しておきましょう。

ちなみに販売店へ持ち込むこともできますので、こちらの方が時間の自由度は高いと言えそうですね。ただし購入店が正規以外の場合は、メーカーへの持ち込みに手数料が発生する場合があるので注意が必要です。

ロレックス 新作モデル

修理の大まかな流れとしては、「持ち込み⇒見積もり回答⇒見積もりに顧客が了承後、修理開始⇒修理完了連絡⇒受け取り時に代金支払い」となります。

なお、保証期間を過ぎている場合は、特に保証書の提示がなくても問題ありません。

 

日本ロレックスで修理をするメリットとは?

ロレックスに限った話ではありませんが、メーカーの正規メンテナンス料金は高額になりがちです。

また、ご自宅やご勤務先の近くにブティックあるいはサービスセンターがない場合、郵送の手間がかかってしまうこともデメリットとしてはありますね。

しかしながら日本ロレックスで修理をする最大のメリットは、「オーバーホール証明書(国際サービス保証書)」が発行されること!

ロレックス 国際サービス保証書

これは日本ロレックスでオーバーホールを行った個体に発行される証明書で、発行日付から二年間、修理箇所については保証適応がなされる、といったもの。もちろん適切な取り扱いを行っていることが前提とはなりますが、何かあった時に心強いですよね。

また、当然ながらロレックスで修理を行うということは、正規手順に則って純正パーツのみが用いられる、ということを示します(もっとも現状、ロレックスは修理ノウハウが出回ってるがゆえに一般の修理業者でも信頼できるところであれば非純正パーツが使われる可能性は低いと言えます)。

ロレックス デイトナ 16520

さらに日本ロレックスでオーバーホールを受けられたということは、その個体はまごうことなき本物、ということを証明できます。

ロレックスに限らずメーカーは偽物や改造品の修理を受け付けることは、絶対にありえないためです。

なお、国際サービス保証書が付属した個体は、売却時、査定アップに繋がる場合もあります。

 

冒頭でもご紹介したように、ロレックスは今のところ購入店が正規店でも並行輸入店でもメンテナンスに差は設けていないので、修理の際はメーカーにまず相談してみるのが吉ではないでしょうか。

 

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日本ロレックスへ時計を修理に持ち込んでみた!

それでは実際に日本ロレックス サービスセンターに修理依頼した際の、持ち込みから受け取りまでをレポート致します!

なお、持ち込み先は東京 丸の内に位置する東京サービスセンター。

持ち込んだ個体は、こちらのオイスターパーペチュアル 67188です!

ロレックス オイスターパーペチュアル 67188

リーズナブルな価格設定の多いオイスターパーペチュアルの中では珍しいイエローゴールドモデルです。

1990年~1991年頃に製造されたと思しき個体で、外装状態は比較的良好ではあったものの、今回は、オーバーホールを依頼することに。

前回のオーバーホール時は郵送にしたため、サービスセンターへの持ち込みは初めて!しかしながらサービスセンターは東京駅からほど近く、また見積もりまでスムーズに受け取ることができました。

持ち込み日は2021年8月26日。

なお、修理期間は郵送・持ち込みで大きな違いはありませんでした。

 

①持ち込み

私が持ち込んだ日本ロレックス 東京サービスセンターは、東京都中央区丸の内に位置する「郵船ビルディング」1階となります。

最寄り駅はJRまたは東京メトロ丸ノ内線「東京駅」,東京メトロ千代田線「二重橋前駅」あるいは都営地下鉄三田線「大手町駅」。いずれも1~3分程度の距離であり、また郵船ビルディングの中でも路面から非常に目立つ場所に入っているため、迷うといったことはあまりないように感じます。

なお、私はJR線を利用していたためM4出口までまず向かいました(丸ノ内線の方も、こちらの出口となります)。

どの路線を利用するかにもよりますが、山手線からはゆっくり歩いて5分ほどM4出口までは時間を要しました。

丸ノ内線からであれば、より近いかと思います。

地上に出たら皇居の方向(東京駅を背にして)に向かって1~2分歩きます。

丸の内仲通りに突き当たったら、信号を渡ってすぐそこが郵船ビルディング!

前述の通り日本ロレックスは路上に面した1階に入っているため、わかりやすい立地と言えます。

 

日本ロレックスに入ると、すぐ目の前には受付カウンターがあります。

日本ロレックス内では撮影を控えていたため写真はありませんが、やはりロレックス。販売店と遜色のない高級感溢れる空間となっております。

受付スタッフから声をかけられたため挨拶をすると、「順番にお伺いしますので、こちらの番号札でお待ち下さい」とのこと。番号が書かれたレシートを手に、フカフカのソファに身を沈めて待ちます。

平日の昼下がりではありましたが、サービスセンター内には4~5組ほどの顧客が案内待ちをしていました。

とは言え実際の待ち時間は10分ほど。

ただし、すぐに見積もりが出たわけではありません。現在は新型コロナウイルスの影響で、見積もりはその場では出さずに電話連絡になる、とのこと。

そのため名前や住所,電話番号等を所定用紙に記入し、時計を預けてサービスセンターを後にしました。東京駅に到着してから、30分もかからなかったように思います。

 

②見積もりの電話連絡

翌日午前中に、日本ロレックスから見積もりの連絡がきました。

ロレックスではこちらの依頼事項のみならず、内部や外装状態を調べて、必要であればパーツ交換を提案してきます。なお、この交換を断るとオーバーホール自体がキャンセルとなります。ただし外装研磨については、希望しない選択を採ることが可能です(もっとも外装研磨はサービスのため、これを希望しなかったからと言って見積もり金額が変わることはありません)。

私が持ち込んだRef.67188は古い個体であったため、オーバーホールの他リューズ交換,バネ棒交換が提案されました。

なお、電話口では修理内容の他、現時点で時計のどの箇所に傷があるかなども伝えられます。

 

今回依頼した個体の修理見積は、下記の通りでした。

オーバーホール:55,000円

バネ棒交換:11,400円

リューズ交換:13,000円

ここに消費税10%と修理完了後の返送時送料1,100円(税込。日本サービスセンターでの手渡しであれば送料は不要です)が全見積もりとなります。合計金額で88,440円ですね。

納期はだいたい1~2か月程度とのこと。

電話口で正式に修理依頼を行い、進行となりました。また、この時修理完了後の時計の配送希望日時などを聞かれましたが、私は最短を依頼しました。

「意外とオーバーホール料金が高い・・・やっぱり正規メンテナンスはやめようかな」といった場合は、キャンセルも可能です。

ただし正式依頼後のキャンセルはいかなる理由でも受け付けられませんので、注意が必要です。

 

③修理完了と支払い・受け取り

2021年10月6日、ついに修理が完了となりました!

かかった時間はだいたい1か月と少し。メーカーのオーバーホールとしては平均的な納期ですね。

ちなみに修理完了品は郵送・サービスセンター受け取りのどちらにせよ、現金またはクレジットカード決済が可能です。

時計は薄いブルーの梱包材にしっかりと固定のうえ、返送されてきました。宅配会社はヤマト運輸でした。

 

 

時計は綺麗になって戻ってきました!

ロレックス オイスターパーペチュアル 67188

重かったリューズ操作も、新しく注油してもらったことで動きがスムーズです。

ロレックス オイスターパーペチュアル 67188

 

なお、かつてはオーバーホール返却品にはサービスケースが付きましたが、現在では時計と国際サービス保証書,請求書の三点が返送品となります。ちなみにこの請求書は、修理明細書と呼ぶこともあります。

修理明細書と、国際サービス保証書はロレックスの封筒に同封されています。

 

こちらが修理明細書です。

 

国際サービス保証書はこちら。

ロレックス 国際サービス保証書

発行日付は修理完了日として案内されていた日にちです。

繰り返しになりますが、国際サービス保証書は発行日付から二年間、修理箇所(内部)の保証適応を示す、非常に大切なものとなります。こちらは売却時にも価値ある付属品としてプラス査定対象となりますので、大切に保管されることをお勧め致します。

 

また、国際サービス保証書と一緒に取扱いについての注意書きも同封されています。

この「手引き」を守って、また次のオーバーホールまで大切に使っていきたいですね!

 

日本ロレックスへ時計を修理に持ち込む時に気をつけたい3つのこと

以上が日本ロレックスへ時計を修理に持ち込み、また受け取る一連の流れです。

これが正規店であっても郵送であっても、手順や納期,金額は大きく変わりません。

しかしながら、日本ロレックスへ時計を修理に持ち込む際に気を付けたいことがいくつかあります。これを怠ってしまうと、修理代金が高くついてしまったり、修理が受け付けられず無駄足を踏んでしまったりすることも・・・!

日本ロレックスに時計を持ち込む前に、以下の3点に気を付けてみて下さいね。

 

①純正ブレスレットと一緒に持ち込む

サブマリーナ NATOベルト

年式の古い個体の、ブレスレットのコンディションを守るために。あるいはオシャレの一環で純正ブレスレット(またはストラップ)以外のベルトに付け替えて楽しんでいる方もいらっしゃるでしょう。

この状態のまま日本ロレックスに持ち込むと、非純正パーツを扱っているとみなされ、なんとブレスレット代金・ブレスレット交換費用がかかってくることになります!

その費用はモデルにもよりますが、ステンレススティール製であっても数万円~。金無垢であれば数十万円かかってしまう場合もあります。

なお、見積もり後に気づいて純正ブレスレットを日本ロレックスに再び持ち込む,あるいは郵送すれば、この交換項目は免除されます。

とは言え手間になってしまうので、ブレスレット交換されている方は純正品も持ち込むようにしましょう!ちなみにこの時、時計本体・ブレスレットをわざわざ繋げる必要はありませんが、バネ棒がないとこちらも交換品として計上されますので一緒に持ち込みましょう。

 

②パーツ交換によってオリジナルが保てなくなる可能性も

ロレックス パーツ交換

ロレックスは長い歴史の中で技術力を研鑽し、自社製品の内外に渡ってアップデートをし続けてきた「実用時計の王者」でもあります。

そのため一見すると同じパーツに見えても、実は性能や使用が異なるといったことが、往々にしてあります。

例えば夜光塗料。

暗所での視認性を確保するのに欠かせないこの塗料ですが、ロレックスでは1999年頃までトリチウム夜光を用いていました。その後トリチウムと異なり放射性物質を含まず、またトリチウムよりも発光時間が長く強いスーパールミノバが波夜光の主役となり、2006~2007年頃にはさらに発光時間を二倍に延長したクロマライト夜光が用いられるようになっています。

トリチウムは経年で自発光機能を持たず、かつ劣化や剥がれを起こしやすい特性があります。そこでロレックスではトリチウムが用いられた文字盤・針でも、ロレックスが「機能していない」と判断すれば問答無用で(実際には見積もり時に連絡がありますが)これらを交換していくこととなります。

ロレックス エクスプローラーII 1655

もちろん新しいものほど高性能です。交換によって、また暗所での視認性を復活させられる個体も少なくないでしょう。

しかしながらロレックスのような人気ブランドで、かつ稀少性の高いヴィンテージ個体などは、「オリジナル性」が重要視される傾向にあります。「交換されていない、製造当時の個体」に、100万、あるいは数百万円といった驚くべき価値が付くことがままあるのです。

ロレックスで交換したことによって、こういったオリジナル性が損なわれてしまった・・・というケースは往々にしてあります。もちろん時計としての性能を保つうえでパーツ交換は欠かせません。しかしながら知らずに価値を落としてしまったということがないよう、ご自身のご所有されるロレックスのプロフィールは知っておくことをお勧めいたします。

 

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③修理を断られる場合もある

ロレックス コスモグラフ デイトナ Ref.6240

日本ロレックスに時計を持ち込んだ全ての個体が修理受付となる・・・というわけではありません。

偽物や改造品は言わずもがなですが、実は年式の古い「アンティーク」「ヴィンテージ」といった個体は、既にロレックスでの修理受付が終了している場合があり、見積もりは出されず即キャンセルといった扱いになります。

とりわけ有名なのは1988年より前に製造されていた手巻きデイトナ。あるいは4桁のリファレンスのモデルの中でも、ちらほらと修理が断られた事例が出ていているようです。

メーカーには「パーツ保有期間」が設けられています。これは、ある製品の生産終了から一定期間はメーカーでパーツを維持し、顧客の修理に対応する、というもの。一方でこの期間を過ぎた個体はメーカーで修理できない可能性もある、ということを示唆しています、

実際にはロレックスでは古い個体でもメンテナンスを受け付けてくれる場合がほとんどなのですが、パーツ交換が発生した場合にはその限りではない、と。

もっともロレックスは長年人気ブランドゆえ、修理ノウハウが出回っています。民間の修理店で直せる場合もあるので、もし日本ロレックスで修理が受け付けられなくても、まずは購入店や信頼できる時計専門の修理店に相談してみましょう!

 

まとめ

日本ロレックス 東京サービスセンターへ時計を修理に持ち込んだ記録を、レポートしてみました!

私が修理した個体は1990年~1991年頃に製造されたオイスターパーペチュアル 67188。結構年式の古いモデルではあるものの、オーバーホールやパーツ交換は問題なく受け付けられました。

かかった費用は8万円強と、確かに民間の修理会社と比べると高額ではあります。しかしながら修理後に2年間、修理箇所のメーカー保証が適応されること。また真贋の証明となったことを鑑みれば、決して高いとは思っていません。

とは言え思わぬ出費を避けるためにも、ロレックスの時計は適切な取り扱いを心掛けていきたいですね。

 

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この記事を監修してくれた時計博士

廣島浩二(ひろしま こうじ)

(一社)日本時計輸入協会認定 CWC ウォッチ コーディネーター
一級時計修理技能士 平成31年取得
高級時計専門店GINZA RASIN 販売部門 ロジスティクス事業部 メンテナンス課 主任

1981年生まれ 岡山県出身 20歳から地方百貨店で時計・宝飾サロンで勤務し高級時計の販売に携わる。 25歳の時時計修理技師を目指し上京。専門学校で基礎技術を学び卒業後修理の道に進む。 2012年9月より更なる技術の向上を求めGINZA RASINに入社する。時計業界歴19年

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