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腕時計の傷。外装研磨は自分でできる?プロに任せる場合の費用は?

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知らぬ間に付いてしまっている、腕時計の傷。大切に扱っていても、ふとした弾みについてしまうものですね。

日常で腕に着けている以上、多少の使用傷は仕方ないこと。また、その時計とともに歩んできた一つの証として、味わいと捉える方も少なくありません。

とは言えあまりに傷だらけだと、どうしても気になってしまうこともまた事実です。

そこでこの記事では、腕時計の外装に傷がついてしまった場合の対処法をご紹介いたします。

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腕時計についた傷はどのように取るの?自分でできる?

腕時計の外装の傷は、「表面の研磨」によって取ることとなります。深い打ち傷や凹みは完全に取ることはできませんが、表面の研磨で目立たなくすることは可能です。「ポリッシュ」「仕上げ」などと呼ばれることもあります。

研磨はステンレススティールやゴールド等の金属素材であれば理論上は傷取りが可能です。一方でカーボンやセラミックと言った複合素材や樹脂素材。あるいは金属でもPVDや金メッキ等の加工が施してあるものは、研磨を行うことはできません。

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ところでこの研磨、「自分でできるか」というお問合せを頂くことがあります。

回答としては、セルフ研磨の情報はインターネット上で非常によく出回っていますが、あまりお勧めできません。高級時計であれば尚のことです。

この理由は様々ですが、「もともとの仕上げを崩してしまう」可能性がきわめて高く、綺麗になるどころか外観を損なってしまう場合が多々見られるためです。

と言うのも、ご自身で研磨を行うやり方として、市販の研磨剤や耐水ペーパー(紙やすり)を用いる手法がよく紹介されています。これらによって傷を磨いていくのですが、まず、傷部分のみならず大きな範囲を削ってしまうこと。加えて削りすぎてしまう事例も多いことから、小傷は取れるかもしれませんが前述の通りもともとの仕上げを損なってしまうのです。

 

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高級時計の外装部分には、メーカーが丁寧に仕上げを施しています。大きく分けて「鏡面仕上げ(ポリッシュ)」「ヘアライン仕上げ(ツヤ消し)」がありますが、これらは専用機械によって行うもので、メーカーそれぞれで独自性があります。あまり慣れていない方が研磨してしまうと、この仕上げの筋目が変わってしまったり、歪みが出てきてしまうのです。

また、一般ユーザーが研磨剤を時計に塗布した時、ケースと風防のつなぎ目やリューズ部分にも付着させ、内部ムーブメントに影響を与えてしまったという事例も存在します。こうなってしまってはオーバーホールが必要となり、思わぬ出費を余儀なくされてしまうことも。

こういった理由から、腕時計についてしまった傷はご自身で研磨を行おうとせず、プロにお任せ頂くことを強くお勧め致します。

 

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腕時計の傷。外装研磨の依頼先とその費用

腕時計の外装の傷が気になる時は、プロにお任せしましょう!

時計の外装研磨をプロに依頼しようと思った時。購入店に相談したり、民間修理業者に依頼したり、メーカーメンテナンスを受けたりすることとなりますが、基本的な工程は同一です。

どういった工程かと言うと、バフ(羽布)またはバフモーターと呼ばれる研磨用の機器で傷部分を消していくこととなります。

バフは柔らかいホイール状の回転機器となっており、ここに研磨剤を塗布し、丁寧に磨き上げます。

※バフモーター。研磨する時計の面積や素材,形状によって使い分ける

 

この研磨の際、軽度な錆であれば落とすことが可能です。

ポリッシュ仕上げにしろ鏡面仕上げにしろ、その個体のもともとの仕上げを損なわないよう、筋目に沿って行われることとなります。とりわけヘアライン仕上げは一度損なってしまうと元に戻すことはできず、慎重な対応が求められます。

 

なお、ケースのみ、ブレスレットのみ、など、気になるパーツの研磨依頼をすることもできますし、全体をお願いすることも可能です。一部パーツの場合は全体よりも費用が安くなりますが、ケース・ブレスレットのセット価格の方がお得なことがほとんどです。

また、研磨では落とせないような甚大な凹みや欠け,破損が見られる場合は交換対応となります。

 

では、傷の研磨をプロにお任せする時、どこに依頼するのが正解なのでしょうか。また、費用はいくらかかるのでしょうか。

それぞれで解説いたします。

 

①メーカーに依頼する

ロレックス

出典:https://www.rolex.com/ja

「基本的な工程は同一」とは言え、一番安心なのはメーカーへの持ち込みではないでしょうか。

繰り返しになりますが、メーカーはそれぞれ独自の機器で仕上げを行うことで、唯一無二の美しさを時計に付加しています。高級時計であればなおさらです。ヘアライン・鏡面仕上げともに珍しいものではありませんが、メリハリや面積,筋目の入れ方やツヤによる光沢…高度であればあるほど、その独自性は強まります。これらの仕上げは、メーカーが抱える、熟練の技術者たちによって成しえるものです。

こういった背景から、メーカー依頼をご選択する方は少なくないでしょう。

 

しかしながら、メーカーの正規メンテナンスは高額になりがち。外装仕上げのみの場合でも、最低3~4万円程度は見込んでおいた方が良いでしょう。コンプリートサービスを行えば外装研磨が含まれていることもありますが、このサービス自体が約50,000円~80,000円程度と、決して安いものではありません。

そのためメーカー依頼の場合は「外装研磨だけ」と言うよりも、メンテナンスの一環としてお願いすることが多いでしょう。

なお、一部メーカーでは並行店で購入していたり民間修理業者で何らかのメンテナンスを行っていたりした場合、正規メンテナンスの一切を断る場合もあります。また、並行店での購入個体のメンテナンス費用に差をつけているブランドでは、さらに高額になることも。

ご予算と合わせて、依頼先を考えたいところですね。

 

②購入店の提携工房や民間修理業者

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購入店の提携工房や民間修理業者でも時計の外装研磨が可能です。

こういった業者の嬉しいポイントは、メーカーよりも圧倒的に価格が安いところ。外装研磨だけであればだいたい10,000円~20,000円程度です。

ステンレススティールとゴールド素材で価格差を設けているところもありますが、全てではありません。ただし、ホワイトゴールド製の場合はロジウムメッキを施す場合があり、その分の価格が上乗せされるケースもあります(メッキをしない個体もあります)。

メーカー同様、オーバーホールとセットで行うことで価格を抑えられる傾向にあります。

 

しかしながらこういった業者に依頼する場合の大きなデメリット。それは、「信頼できるところ」を選択する難易度の高さです。

前述の通り、メーカーが高度な技術で仕上げた外装は、一度損ねてしまうと復元することがきわめて困難ですし、見た目も非常に悪くなります。民間修理業者といっても様々です。中にはあまり経験がなかったり、技術力が水準に達していなかったりするところもある、と耳にします。

さらに言うと、前項でも言及していますが、メーカー以外の第三者の手が加わった製品のメンテナンスは一切を断る、というメーカーも一定数存在します。そのためせっかく新品を購入していたのに民間修理業者に依頼したばっかりに、その後の正規メンテナンスを受けられなくなってしまった…といった事例も。

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そのため、外装研磨を依頼しようとする時、一番のお勧めは購入店にまず相談することです。

購入店であれば、自社で販売したブランドに対して知識を持っており、その個体が「メーカーに預けるのが良いか民間修理業者に依頼するのが良いか」のアドバイスをしてくれることでしょう。また、しっかりとした購入店であれば、正規店でなくとも自社で手厚いアフターサービスを設けています。そのため自社販売製品の外装研磨やオーバーホールその他のメンテナンスを提携工房で行うことで、価格を抑えて、かつその個体に対して最善の方法を施してくれることとなります。

また、こういった購入店舗の提携工房であれば、中古品等は販売時に仕上げを行っている、という実績があります。そのためメーカーの美しい仕上げを損なわない高度なノウハウを有しており、適切な研磨が施されます。

もっとも、購入時にも信頼できるショップを選ぶことが大切になってきますね。

時計の外装研磨をお願いしようと思った時。まずは購入店にご相談下さいませ。

 

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腕時計の傷を取る前に知っておきたい「ケース痩せ」

最後に、腕時計の傷を取る際に知っておきたい「ケース痩せ」についてご紹介いたします。

ケース痩せとは文字通り、研磨のしすぎでケース面積が減少してしまうことを指します。

冒頭でご紹介しているように、外装研磨はあくまで「削る」行為。もちろん削り取っているわけではなく、あくまで微細な研磨には留められてはいます。

しかしながら繰り返し研磨を行うと、金属部分が減ってしまったり、エッジが丸まったりしてしまうこととなります。これが、ケース痩せです。

時計 外装仕上げ

上の画像は同一サイズのケースですが、明らかに右側の方がステンレススティール部分の面積が減ってしまっていますね。

ケース痩せは見た目に影響を与えるのみならず、防水性や耐久性の低下にも繋がります。こうなってしまっては、ケース交換が必要となる場合も。

なお、その製品の本来の形状を保てる外装研磨の回数は、一般的に5回程度と言われています(モデルにもよりますが)。

確かに新品商品と比べてしまうと傷は気になるものですが、あまり頻繁に外装研磨を行うとケース痩せに繋がってしまうことを知っておきましょう。

小まめに行うのではなく、オーバーホールの際についでに行う程度に留めておくことをお勧め致します。

また、どうしても傷が気になってしまう方は、セラミックやカーボンといった傷つきづらい素材のモデルや、PVDコーティング等を施した素材を購入時に選択しても良いかもしれません。

 

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まとめ

腕時計についてしまった傷を取るための、外装研磨についてご紹介いたしました!

外装研磨は傷のみならず、時計のもともとの形状や仕上げを守るために、信頼できるプロにお任せするのが一番であること。依頼先はメーカーや民間修理業者等様々あるので、ご自身の予算やお持ちのモデルと相談しつつ決めること。信頼できる並行輸入店で購入した個体であれば、研磨やその他メンテナンスについても相談してみることなどをお伝えできたでしょうか。

なお、文中でも述べたように、あまり研磨をしすぎるとケース痩せを招きます。傷が気になる場合は、オーバーホール等のタイミングで依頼してみるようにしましょう。

 

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この記事を監修してくれた時計博士

廣島 浩二(ひろしま こうじ)

(一社)日本時計輸入協会認定 CWC ウォッチコーディネーター
一級時計修理技能士 平成31年取得
高級時計専門店GINZA RASIN メンテナンスチーム リーダー

1981年生まれ 岡山県出身 20歳から地方百貨店で時計・宝飾サロンで勤務し高級時計の販売に携わる。 25歳の時時計修理技師を目指し上京。専門学校で基礎技術を学び卒業後修理の道に進む。 2012年9月より更なる技術の向上を求めGINZA RASINに入社する。時計業界歴19年

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