「オーデマピゲ CODE11.59って何がすごいの?」
「オーデマピゲ CODE11.59の魅力について知りたい」
SIHH2019にて発表されたCODE11.59。
ロイヤルオークとジュールオーデマがラインナップの二本柱であったオーデマピゲに、新たに追加されることとなった一大シリーズです。
しかしながらこのCODE11.59、発表当初から何かと賛否両論巻き起こっていた新作でもあります。
「どの層をターゲットにしているんだ?」「ロイヤルオークでいいじゃん」・・・そんな声を耳にしました。
一方でこの新作、ディテールを知るにつけて、そのこだわりの強さと美しすぎる造形に徐々に惹きつけられ、最後には欲しくなってしまうという逸品でもありました。
事実、リリースから初めて出荷した分は、たちどころに売れたと聞きます。
どのコングロマリットにも属さない、家族経営一筋のオーデマピゲだからできた自由で美しい傑作・CODE11.59。
そんなCODE11.59の魅力について知りたいという人は多いのではないでしょうか。
同社からのコードを読み解くことで、この新シリーズの魅力の真価が見えてくることでしょう。
この記事では2019年に発表されたCODE11.59の魅力を、GINZA RASINスタッフ監修のもと紹介します。
CODE11.59のバリエーションについても紹介しますので、オーデマピゲの購入をお考えの方はぜひ参考にしてください。
出典:https://www.instagram.com/audemarspiguet/
※2020年4月現在の情報となります。
目次
CODE11.59 by オーデマピゲとは?
CODE11.59 by オーデマピゲとは、SIHH2019にて発表された新シリーズです。
オーデマピゲと言えばロイヤルオークというイメージが強いかもしれませんね。今年もどんなロイヤルオークの新作が出るか、なんて予想がSIHH前には飛び交っていたものです。
しかしながら蓋を開けてみれば、まったく新しいシリーズが登場!ロイヤルオークの誕生から数えると47年ぶりの新シリーズ(オフショアからは26年ぶり)となります。
正式名称はCODE11.59 by オーデマピゲ。
6モデル、計13リファレンスで第一陣は構成されました。
共通スペックはこちら↓↓
スペック
ケース素材:ピンクゴールドまたはホワイトゴールド
防水性:30m
研究開発・デザイン設計、そしてプロモーション戦略に約5年の歳月がかけられました。
シリーズ名からも、並々ならぬ情熱が感じられますね。コード自体は暗号とか符丁とかそんな意味合いがあり、詳細は後述しますが、そこかしこにオーデマピゲから我々ユーザーへの暗号のようなものが感じられます。
さらに、CODE11.59一つひとつに意味があるということもご存知でしょうか。
出典:https://www.instagram.com/audemarspiguet/
CODEのCは職人魂の限界への挑戦(Challenge the limits of craftsmanship)
Oはブランド遺産の所有(Owing the Brand’s legacy、歴史があるということ)
Dは恐れずにブランド理念に従う(Daring to Follow Firm Convictions)
Eは進化(Evolving)
そして11.59は、日付が変わる直前を表しているのです。
初見では、非常にオーソドックスなドレスウォッチだな、と思いました。もちろん、大スポーツウォッチ時代の昨今、あえてドレスラインを大々的にリリースするところは少しもオーソドックスではないのですが。
正面から見るとオーセンティックなラウンドフォルム、目立った奇抜さのない文字盤デザイン、ケースは41mmサイズとボリュームがあるとは言え上品な意匠・・・
しかしながら細部を見れば、どのブランドとも、オーデマピゲの過去の作品とも、まったく違った新しい様相が見えてきます。
次項でご紹介いたします。
CODE11.59 by オーデマピゲに込められたこだわりと魅力
CODE11.59の、ディテールを見ていきましょう。オーデマピゲのコードを、全てとは言えませんが、読み解けます。
外装
出典:https://www.audemarspiguet.com/ja/
CODE11.59の見事さと言えばコレ!内外ともにオーデマピゲのこだわりが、職人魂とそれを実現する高い技術力によって散りばめられています。
まず、外装から見ていきます。
端正なフェイスをよく見ると、ベゼルが極限まで絞られており、風貌がやや盛り上がっています。
これは、スマートフォンやテレビなどの液晶で近年見られる手法です、画面いっぱいに映像を投影させることができますね。その手法を時計にも採用しました。また、文字盤外周にはかなり大きい段差がついており、ミニッツカウンターをセッティング。視覚的にスタイリッシュを感じられる仕様に。パッと見はクラシカルでしたが、実はかなりモダンちっくなことがおわかりいただけるでしょう。
では、横から時計を見てみましょう。サイドのデザインに、オーデマピゲのコードが詰まっています。
画像だとわかりづらいかもしれませんが、ラウンドフォルムにサンドイッチされる形で、ミドルケースがオクタゴン(八角形)になっているのです!
オクタゴンと言えばフラグシップのロイヤルオーク。こんなところにブランドレガシーが潜んでいるのです!
さらに言うと、長めにとられたラグは絶妙なフォルムを描いていますが、バックケース側は溶接されておらず、そっと支えている状態です。ちなみにラグホールにはロイヤルオークのベゼルでおなじみのビス留めがついているというにくい演出ですね。
これ、画像だと若干わかりづらいのですが、ラグ部分はケースに完全に没入しておらず、文字盤側のラグ部分のみで支えている形となるのです。そのためより繊細な美しさが湛えられており、オーデマピゲの職人魂―craftsmanship―を感じられる要所なのです。
出典:https://www.instagram.com/audemarspiguet/
横から見た風防にも触れなくてはなりません。実はこの風防、12時から6時位置にかけて垂直に湾曲していますが、内側(文字盤側の面)はドーム型になっており、光の加減によって波状に表情を変えていくのです。
このこだわり、正直よくわからない、という方もいらっしゃると思います。
確かに見事とは言え、これを製造するのにどれくらいのコストがかかっているのか考えると、どのような効果を狙っているのかな、と・・・こういった、採算度外視ともとれる(実際にはそうではないのかもしれませんが)、こだわりは、まさに「Challenge the limits of craftsmanship」と言えますね。冒頭でも述べたように、独自経営を行うオーデマピゲならではとも言えます。
ムーブメント
外装にも驚かされましたが、実はムーブメントも全く新しく開発された自社製ムーブメント。
今回発表されたモデルは
■3針+デイト
■クロノグラフ
■パーペチュアルカレンダー
■トゥールビヨン オープンワーク
■ミニッツリピーター(スーパーソヌリ)
■フライングトゥールビヨン
この六機種に分類されます。このうち、なんと三つものムーブメントが新規開発です!
先ほど「5年」の歳月がかけられた、と申し上げましたが、ムーブメントが占める割合は大きかったでしょう。それだけ見事な名機と言えます。
まず基本の3針ムーブメントCal.4302(上画像が該当ムーブメントとなります)。
これまでオーデマピゲの3針モデルの基幹ムーブメントは、Cal.3120でした。2003年、ジャガールクルト社製Cal.920をベースとして自社開発されたものです。高い精度と約60時間というロングパワーリザーブを搭載した実用機としても有名ですね(K22ローターを使った美しいムーブメントとしても有名)。
このCal.3120は厚さ4.25mm、直径26.60mmというボリュームレスが最大の特徴。一方Cal.4302は厚さ4.8mm、直径32.00mmと大きくなっています。しかしながら28,800振動(3120は21,600振動)というハイビートでさらに高い精度を実現。しかもパワーリザーブも約70時間に高められており、第二の基幹ムーブメントとして堂々発表されました。
このムーブメントのすごさを語ると枚挙にいとまがないのですが、257ものパーツ全てが丁寧に仕上げられていること、相も変わらず美しいローターを見るだけで、その魅力をお伝えできるかと思います。
ちなみに新型ロイヤルオークRef.15500も、このCal.4302が搭載されることとなりました。
出典:https://www.audemarspiguet.com/ja/
クロノグラフCal.4401も、完全新作がローンチされました。オーデマピゲでは初となる一体型×フライバッククロノグラフが採用されております。
一体型とは、クロノグラフをムーブメントにモジュール式に組み込んだものではなく、切り離せない仕様の機械を指します。
精度もよく、かつシースルーバックからクロノグラフ機構を鑑賞することができますね。フライバックはクロノグラフの制御がより細やかになる機構です。例えばクロノグラフ作動中にリセットプッシャーを押すと、連続計測が可能となるなどといった機構を組み込んだりもします。操作性がよく、耐久性も高いですね。
いずれも高級機らしい仕上がりであることに間違いありません。
出典:https://www.instagram.com/audemarspiguet/
その他に、コンプリケーションの大家である同社らしく、トゥールビヨン オープンワークも新規で開発されました。約80時間のロングパワーリザーブもさることながら、CODE11.59にマッチするようにデザインされた、というのも見どころです。
このように、オーデマピゲらしいコードが随所にあしらわれています。ただ上品なだけでも、ただ奇抜なだけでもない。由緒正しい名門時計メーカーのオーデマピゲだから産み出せた渾身の新シリーズと言えるでしょう。
なお、2019年の生産数は2000本を予定しているとのこと。前述の通り、SIHH後に出荷した分は全て完売だったと言いますので、なかなか手にいれづらい状況です。とは言え、今後ブランド総生産の20~25パーセントをCODE11.59に費やす、という発表がありました。
今後、ロイヤルオークと並ぶ同社の主力製品となっていくのでしょう。
CODE11.59の全モデル紹介
6モデル、13リファレンスが発表された今回の超新作CODE11.59 by オーデマピゲ。それぞれのスペックをご紹介いたします。
ちなみに、そのうちの一本が2020年4月4日現在、当店GINZA RASINに入荷してます!!
その一本も含めて、ご紹介させて頂きます。
3針 ピンクゴールドモデル
出典:https://www.audemarspiguet.com/ja/
スペック
文字盤:ホワイト/ブラック
ムーブメント:自社製自動巻きCal.4302
パワーリザーブ:約70時間
防水:30n
定価:3,080,000円
CODE11.59のベーシックモデルとなる3針。アプライドされたインデックスやゴールド製の針はクラシカルなオーデマピゲスタイルを醸し出します。
なお、ピンクゴールドのこちらが当店入荷商品となっております。
オーデマピゲ CODE11.59 15210OR.OO.A099CR.01 未使用
3針 ホワイトゴールドモデル
出典:https://www.audemarspiguet.com/ja/
スペック
文字盤:ブルー/ブラック
ムーブメント:自社製自動巻きCal.4302
パワーリザーブ:約70時間
防水:30n
定価:3,024,000円
クロノグラフ ピンクゴールドモデル
出典:https://www.audemarspiguet.com/ja/
型番:26393OR.OO.A321CR.01/26393OR.OO.A002CR.01
文字盤:ブルー/ブラック
ムーブメント:自社製クロノグラフCal.4401
パワーリザーブ:約70時間
防水:30n
定価:4,806,000円
クロノグラフ ホワイトゴールドモデル
出典:https://www.audemarspiguet.com/ja/
スペック
文字盤:ブルー/ブラック
ムーブメント:自社製クロノグラフCal.4401
パワーリザーブ:約70時間
防水:30m
定価:4,806,000円
クロノグラフモデル。タキメーターをインナーベゼルに搭載させることで、CODE11.59おスクリーン設計は保たれました。スモールセコンドがクロノグラフのカウンターより小さく設計されており、これだけ文字盤上に情報がありながらスッキリとした印象です。
パーペチュアルカレンダー
出典:https://www.audemarspiguet.com/ja/
スペック
文字盤:アベンチュリン
ムーブメント:自社製クロノグラフCal.5134
パワーリザーブ:約40時間
防水:30m
定価:8,370,000円
コンプリケーションの見事さもさることながら、アヴェンチュリン文字盤の美しさがひときわ目を惹く一本です。アヴェンチュリンとは、和名で砂金石と呼ばれる天然鉱物のこと。現在ではキラキラと輝く決勝を内包したガラスや石を指してこう呼びます。光沢が美しい一方、取り扱いの難しい素材で、過去ジャケドローやジラールペルゴ、セイコーのクレドールなど選ばれしブランドのみが特別モデルに採用してきました。
CODE11.59の、美しい外装デザインとよくマッチした至高のデザイン性を有します。
トゥールビヨン オープンワーク
出典:https://www.audemarspiguet.com/ja/
スペック
文字盤:アベンチュリン
ムーブメント:自社製クロノグラフCal.5134
パワーリザーブ:約40時間
防水:30m
定価:8,370,000円
自動巻き3針やクロノグラフと並んで、CODE11.59のために新開発されたムーブメントが搭載されたオープンワーク。トゥールビヨンを支えるブリッジや地盤は黒になっており、モダンな印象が強くなりました。現在ロイヤルオークのオープンワークは非常にレアで、高値で取引されています。CODE11.59も、愛好家から絶大な支持を得そうです!
ミニッツリピーター スーパーソヌリ
出典:https://www.audemarspiguet.com/ja/
スペック
文字盤:スモークブルー
ムーブメント:自社製クロノグラフCal.2953
パワーリザーブ:約72時間
防水:30m
定価:要問合せ
オーデマピゲ自慢のコンプリケーション・スーパーソヌリ。デイト機能もなく、スモールセコンドを採用するとあって、3針モデルよりこちらが好み、という方もいらっしゃるでしょう。
なお、スーパーソヌリとはアラーム機能のこと。ミニッツリピーターの一種ですね。1時間、および15分おきにゴングを鳴らす機構ですが、その音色の美しさには定評があります。
フライングトゥールビヨン ピンクゴールドモデル
出典:https://www.audemarspiguet.com/ja/
スペック
文字盤:スモークブルー
ムーブメント:自社製クロノグラフCal.2950
パワーリザーブ:約65時間
防水:30m
定価:要問合せ
フライングトゥールビヨン ホワイトゴールドモデル
出典:https://www.audemarspiguet.com/ja/
スペック
文字盤:スモークブルー
ムーブメント:自社製クロノグラフCal.2950
パワーリザーブ:約65時間
防水:30m
定価:要問合せ
フライングトゥールビヨンとは、ブリッジをなくし、キャリッジが浮いているように見える機構のことです。トゥールビヨンの動きをもっと楽しめるように、ということで近年開発がさかんですね。
トゥールビヨンはもともとは精度改善のために製造されましたが、今ではその美しさに魅了される人ばかり。時計製造における最高峰の技術をご堪能いただけます。
どうなる?今後のCODE11.59 by オーデマピゲ人気
前述の通り、初動は好調を見せているCODE11.59。発売からまだ若干一年ほどの新作ですので、ご祝儀的な面もあるかもしれませんが、やはり随所に見られるオーデマピゲのこだわりは時計愛好家にとってはたまらない魅力があります。現在はゴールド製モデルがメインとなりますが、今後ステンレススティールモデルが発表されたり、第二弾の新作が発表されたりなどの動きがあれば、ますますの話題を集めそうです。
なお、今でも賛否両論があることは事実ですが、ロイヤルオークやロイヤルオーク オフショアは人気に火がつくまで時間がかかりました。それを鑑みれば、まだまだCODE11.59が人気を伸ばす可能性は高そうですね!
まとめ
SIHH2019で発表された、オーデマピゲの最新作CODE11.59の魅力をご紹介いたしました。文中でもご紹介しましたが、ディテールを吟味すると名門メーカーらしいコードがそこかしこ見ることができ、オーデマピゲファンはもちろん、時計愛好家や、既に何本か高級時計を所有していて、「あがり」の時計を探している。そんな方々から絶大な支持を得そうです。
とは言え製造本数は多くはなく、まだ市場には回り切っていません。当店でも、早く実機を入荷できるよう頑張っていきます!