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WEBマガジン, オーデマピゲ, 田中拓郎, 腕時計選びのためのお勧め記事

【実機レビュー】オーデマピゲ ロイヤルオーク。使用者が語るディテールや魅力,気になる点

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オーデマピゲ ロイヤルオーク ジャンボ

言わずと知れた世界三大時計ブランド オーデマピゲ の代表モデル「ロイヤルオーク」。

アイコニックな八角形のフォルム,ベゼルからケースバックまでを貫く8本のビス,ケースと一体化したブレスレット…高級機かくあるべし、と言った風格をまといますね。

また、ロイヤルオークは時計業界に「ラグスポ(ラグジュアリー・スポーツウォッチ)」という概念を植え付けた、大変意義深いモデルでもあります。

こういった背景を持つゆえか、当店GINZA RASINのバイヤーでも、私物としてロイヤルオークを使用している者が少なくありません。

とは言え、雲上ブランドの代表モデルと言うこともあり、決して手ごろな価格ではないでしょう。
購入前に、使い心地や気になる点をチェックしておきたいところ。また、雲上ブランド時計の実用面やメンテナンスってどうなるの?も気になりますよね。

そこでこの記事では、2018年3月にオーデマピゲ ロイヤルオークの中でも「ジャンボ」と親しまれる個体を購入し、今なお愛機として使い続けているバイヤーが、本音で実機を徹底レビューしてみました!

 

オーデマピゲ ロイヤルオーク 「ジャンボ」とは?

ロイヤルオークは、オーデマピゲが手掛けるスポーツラインです。1972年に誕生し、冒頭でもご紹介したように「ラグジュアリー・スポーツウォッチ」という概念を時計業界に植え付けました。

どういうことかと言うと、ロイヤルオークが出る以前、ラグジュアリーブランドのハイエンドラインと言えば金無垢を使用したドレスウォッチでした。フォルムはラウンド型が基本でストラップは革ベルト。まさに正統派といったイメージでしょうか。

しかしながら、オーデマピゲという名門中の名門が、高級時計では考えられなかった素材ステンレススティールを用いてスポーツウォッチを作ってしまった。今でこそスポーツウォッチの市民権は確固たるものですが、当時の衝撃は計り知れなかったことでしょう。

オーデマピゲ ロイヤルオーク 15500ST

※現行ロイヤルオーク 15500ST.OO.1220ST.01

さらに言うと、フォルムもまた大変独創性に溢れるものでした。

オクタゴン(八角形)ケース,その内角に合わせるように打たれた8つのビス,ケースと一体型になったブレスレット…このデザインは、今なお巨匠として語られるジェラルド・ジェンタ氏によるものです。

ちなみにロイヤルオークが出て以降、パテックフィリップのノーチラスやヴァシュロンコンスタンタンのオーヴァーシーズ、最近だとランゲ&ゾーネのオデュッセウス等、ラグジュアリーブランドが追随してスポーツウォッチを発表するに至りました。

 

さて、今回レビュー対象となるのは下記のモデルです。

オーデマピゲ ロイヤルオーク ジャンボ 15202ST.OO.0944ST.02

オーデマピゲ ロイヤルオーク 15202ST.OO.0944ST.02

ケースサイズ:直径39mm×厚さ約8.1mm
素材:ステンレススティール
文字盤:青
駆動方式:自動巻き
ムーブメント:Cal.2121/パワーリザーブ約40時間
防水性:50m
定価:1,837,500円(当時)
製造期間:2000年代~2011年

ジャンボ」の愛称で親しまれるモデルは、決して通常のロイヤルオークと比べて大型と言うわけではありません。むしろケース直径39mmと、現在のメンズ・スタンダードと比べて小さいと捉える方もいらっしゃるでしょう。

この「ジャンボ」とは、1972年に誕生した初代ロイヤルオーク Ref.5402を踏襲したモデルに名付けられています。前述の通り、ラグジュアリーブランドが手掛けるスポーツウォッチ、しかもこれまでにないデザインをしているということでも大きな話題でしたが、さらにそのサイズもまた巷間を賑わせることとなりました。と言うのも、当時のメンズ時計のケースサイズは34mm前後が主流。そのため39mmという大振りなサイズ感を指して初代オリジナルは「ロイヤルオーク ジャンボ」の名前で親しまれていたのです。

 

そんな歴史を経て、初代ロイヤルオークを踏襲した「ジャンボ」がオーデマピゲから正式にリリースされます。

なお、現在は「ロイヤルオーク ジャンボ エクストラシン」の方が有名でしょう。しかしながら2012年にジャンボ エクストラシンがリリースされるまでは、こちらのロイヤルオーク ジャンボ 15202ST.OO.0944STが初代復刻を担っていました。

文字盤は初代よりも大きいグランドタペストリーパターンとなりますが、ロイヤルオークの象徴であるフォルムとバーインデックス,ロイヤルオーク針が採用されています。また、15400STや先代15300STは3針となりますが、こちらは初代を踏襲した2針というさらにシンプル機能となっております。

オーデマピゲ 初代ロイヤルオーク 5402ST

※1972年、1000本限定でファーストデリバリーされたうちの一つ・5402ST。ジャンボはおろか現行品と、デザインコードがほとんど変わっていないことがわかる

特筆すべきは約8mmという薄型設計です。現在ラグスポと言うと薄型スポーツウォッチを条件に挙げる方もいらっしゃいますが、そのイメージを確立したのもロイヤルオークと言っていいでしょう。

自動巻きでありながらこの薄さを実現した立役者は、Cal.2121。初代にも載せられていたこのCal.2120系ムーブメントは、ジャガールクルト社製Cal.920がベースとなっており、パテックフィリップのノーチラスやヴァシュロンコンスタンタンのオーヴァーシーズ等にも採用されました。

ちなみに現行ジャンボ エクストラシン(現行と言っていいのかわからないくらい、非常に稀少性が高いですが…)でもこのCal.2121が搭載されており、同じくケース厚8.1mm程度を維持しています。

ただし、エクストラシンのSSモデルは青文字盤オンリーとなります。一方でジャンボ 15202STでは青の他に黒と白もリリースされました。

ただし、ジャンボは現在ではほとんど流通しておらず、非常に稀少価値の高い個体となっております。

そのため、スタンダードなロイヤルオークをお探しであれば、下記のモデルをお勧め致します。

オーデマピゲ ロイヤルオーク 15400ST.OO.1220ST.01

オーデマピゲ ロイヤルオーク 15400ST

ケースサイズ:直径41mm×厚さ約9.8mm
素材:ステンレススティール
駆動方式:自動巻き
ムーブメント:Cal.3120/パワーリザーブ約60時間
防水性:50m
定価:2,035,000円(当時)
製造期間:2012年~2020年

こちらの15400STとつくモデルは2012年~2020年に製造されました。プレミア化が進行中の青文字盤の他,黒・シルバー・グレーが存在します。

初代から先代までは39mmサイズでしたが、2012年より当モデルへの移行で41mmへとアップサイジング。また、ムーブメントは2003年から続くCal.3120を搭載しており、約60時間のロングパワーリザーブや高い操作性に定評がある名機です。

2020年に生産終了しており、後継機として15500STがリリースされましたが、今なおこちらのモデルを求める声が少なくありません。

 

ちなみに今回レビューする当店バイヤーは、15400STの黒文字盤も所有していたことがあります。

基本設計は初代から変わっていないこともあり、今回レビューするロイヤルオーク ジャンボ 15202ST.OO.0944ST.02と使用感は大きく変わらないとのことでした。

それでは次項より、ロイヤルオーク ジャンボ 15202ST.OO.0944ST.02のユーザーであるバイヤーに筆を変え、詳細なレビューをお伝えしていきます。

 

 

オーデマピゲ ロイヤルオーク ジャンボ 実機を徹底レビュー

オーデマピゲ ロイヤルオーク 15202ST.OO.0944ST.02

2018年3月、これまで使用してきたロイヤルオーク 15400ST.OO.1220ST.01を売却して、ジャンボ 15202ST.OO.0944ST.02の購入に踏み切りました。

当時の価格は150万円程度。ボックス・保証書完品で販売日付は2006年6月。オーバーホール済ということもあり、かなり良い状態でお買い物できたと思っています。

ちなみに15400ST.OO.1220ST.01は、当時140万円程度で買取してもらえました。

 

なぜ買い替えたのかと言うと、たまたま当店に良い状態のジャンボ 15202ST.OO.0944ST.02が入荷していたことが大きいです。

ジャンボは2000年代~2011年までに製造されていた個体であるため、2018年当時、そのレア度は既に非常に高いものでした。現行時代は100万円程度で購入できていたものの、もともとの製造数が少ないことから生産終了後はなかなか市場で見かけず。

今買っておけば、これから価格高騰するかも…?」という期待に加えて、39mmサイズや現行よりもさらに薄いケース厚などといった、15400STにはないディテールが気に入ってました。

 

①写真を使ってディテールレビュー

ジャンボに限らず、自分が思うロイヤルオークの魅力は以下の三点に集約されていると思います。

◆薄型設計
◆仕上げやエッジの効いたフォルムが醸し出す特別感
◆いつ見ても美しいムーブメント

この魅力を主軸に、ディテールをレビューしていきます。

 

まず、ケースの薄型設計について。

ロイヤルオークをご検討になっている方は既にご存知かもしれませんが、スポーツウォッチと呼ばれるモデルの中でも非常にケース厚が少ないことで知られています。

ちなみに、私が以前使用していた15400STは厚さ約9.8mm。薄型と呼ばれるスポーツウォッチだと、10mm前後が多いかもしれませんね。

※左:ロイヤルオーク ジャンボ 15202ST / ロイヤルオーク 15400ST

そこへきて、ジャンボ 15202ST.OO.0944ST.02はわずか8mm。もちろん微々たる違いと言えばそれまでですが、装着感はかなり良いです(もともと薄型時計の装着感の良さは定評がありますね)。

ブレスレットのコマも細かく薄く、比較的柔軟なので、フィット感も高いですね。

併せてこの薄さまで自動巻き時計を落とし込んだオーデマピゲというブランドに対してもファンになったことも、伝えておきます。

 

また、ジャンボに限らずロイヤルオークは「知る人ぞ知る」特別感を楽しめる、と言うことも大きな魅力です。

やや抽象的な言い方になってしまいましたが、「仕上げの美しさ」「フォルムの美しさ」にその意味を見出せるかと思います。

ロイヤルオーク

前にも申し上げた通り、私はロイヤルオークの15400STも所有していました。

なぜロレックスやオメガといった、一般的に認知度の高いブランドを選ばなかったかと言うと、まずオーデマピゲとは時計好きが憧れる「知る人ぞ知る」的な側面があったことに加えて、とにかく見た目が美しいことがその理由です。

この美しさの秘訣の一つが、仕上げです。

オーデマピゲは全てのモデルで本当に丁寧にかつ高度な仕上げを施しています。15400STや当ジャンボ 15202STも、ケースのポリッシュ仕上げとブラッシュ(ヘアライン)仕上げの組み合わせが非常に美しく、手がかかった「工芸品」の様相を呈します。

これまでバイヤーとして何十本・何百本と様々な時計を手にしてきましたが、オーデマピゲの仕上げは特に心が惹かれます。本当に「特別」な時計であることを理解できます。

光を受けてキラキラと輝くことも、丁寧に仕上げされている証左でしょう。

エッジが効いたフォルムもロイヤルオークならではですね。

お付き合いのある業者さんやバイヤーにも、「良い時計買った」としばしばお褒めの声を頂きます。

 

ちなみにこのジャンボは、ロイヤルオークの中でもとりわけ特別感が高いと思っています。

よく15300STに似ていると言われることもありますが(15300STも39mmケースサイズであるため)、文字盤レイアウトが微妙に違いますし、何より2針というドレスウォッチのようなシンプルさをも持ち合わせています。

※左:ロイヤルオーク ジャンボ 15202ST / ロイヤルオーク 15300ST

とは言えロイヤルオークの初代から続くデザインコードそのものなので、時計好きな方から「オーデマピゲを着けている」ことを気づかれやすいといった所有欲を満たす側面もあります。

 

なお、ムーブメントにも言及しなくてはなりません。
このムーブメントはCal.2121、初代復刻「ジャンボ」に搭載されている、これまた特別感ある機械です。

もともとはジャガールクルトが手掛けるCal.920をベースとしたもの。このCal.920、誕生が1960年代であるにもかかわらず、今なお自動巻き薄型ムーブメントの金字塔的存在です。なお、2000年代にオーデマピゲに製造権が移行しています。

裏蓋側から覗くと、ローターが肉抜きされていることがおわかり頂けるでしょう。ちなみに現行15500STより以前の15400STおよび15300STではローターに肉抜きはされていません。

オーデマピゲ ロイヤルオーク ジャンボ 15202ST.OO.0944ST.02

さらに、ローターにレールが取り付けられていることも特筆すべき点です。

さらにレールの下にはローターを支えるルビーベアリングが地板に4つ埋め込まれます。このルビーベアリング(軸受)とは簡単に言うとローターのスムーズな回転を助けるための機構です。

ローターはとかく厚みが出がち。なぜならある程度の重量がないと巻き上げ効率が悪かったり、耐久性に劣ったりするためです。そこでこのCal.920に採用されるレールシステムでは、レール下に配置したルビーベアリングで4か所(あと中央)ローターを下支えすることにより、薄いままに上記の課題を克服することとなりました。

薄型時計はとかく「耐久性の低さ」が取り沙汰されますが、ロイヤルオークは実は耐久性に定評があります。それは、こういったムーブメント設計に秘訣があったんですね。

もちろん雲上ブランドらしく、ローターや地板はもちろんパーツ一つひとつが丁寧に仕上げされ、またコート・ド・ジュネーブ等の装飾が施されているため、見た目にもお楽しみ頂けることは間違いありません。

シースルーバックからこの名機を鑑賞できる特権は、オーナーならではと言えるでしょう。

 

こういったディテールに至るまでの魅力は、使い続けていくうえでさらに強く感じられるようになります。

もし「ジャンボ」にかかわらずロイヤルオークご購入をご検討されている方がいらっしゃいましたら、バイヤーとしてもユーザーとしても自信を持ってお勧めしたいと思います!

 

②実用面はどうなの?

ロイヤルオーク

時計を寝かせておいて価値を楽しんだり、普段使いには別途カジュアル時計を用意したりしている方もいらっしゃるかもしれません。

しかしながら自分自身は、「どうせ高級時計を買うなら、デイリーユースしていこう」と思っていましたし、現在でも仕事の時はほぼ毎日ロイヤルオーク ジャンボ 15202ST.OO.0944ST.02を着用しています。

そこで、実用面についてもレビューしていく必要性を感じましたので、この項で記します。

 

確かに雲上ブランドは「憧れ重視」な側面があります。そのため実用でガンガン使う…といったイメージがわきづらいかもしれません。また、薄型時計は壊れやすいと思っている方もいらっしゃるでしょう。

しかしながら前項でもお話しているように、実はロイヤルオークは耐久性が著しく悪いと言う話は聞かず、むしろ雲上ブランドの高級機の中では剛性に定評があることをご存知でしょうか。それはムーブメントの設計であったり、ベゼルをビス留めしていることであったりと、細部に気を配ることで耐久性を実現しています。また、2針+デイトのみというシンプルさも耐久性に一役買う要素です。

加えて、防水性50mですので(現行機も同様)、日常生活用防水は確保されています。

ロイヤルオーク

もちろん100mや200m防水の時計と同じような扱いをするわけにはいきませんが、デスクワーク時、あるいはオフであればショッピングや食べ歩き等には実用面で問題を感じたことはありません。

ただし、やはり耐久性やスペック面では新しい個体の方が安心感はあります。また、ムーブメントの厚さやケース厚があるほど耐久性が担保されるのは事実。水仕事や力仕事の最中は外した方が無難でしょう。

恐らくほとんどの方は15300STや15400STが選択肢となり、ジャンボをご購入される方は少ないでしょうが、いずれを選ぶにしてもライフスタイルとまずご相談することをお勧め致します。

 

③使っていて気になる点

基本的にはデザイン,高級感,使い心地全てが気に入っていますが、もちろん気になるところもあります。

前述した「薄型時計の実用面」とも通じる話ですが、やはりどうしても磁気帯びは耐磁性能が担保されたモデル(オメガのマスタークロノメーター認定モデルやロレックスのミルガウス等)に比べて気になるところです。

※磁気帯び…スマートフォンやパソコン,バッグのマグネット部分等、磁気を発する機器類に時計を近づけると発生する不具合。時計のムーブメントの金属パーツが磁化してしまい、精度が狂ってしまう。通常は磁気抜き機によって対処するが、重度の場合はオーバーホールが必要になることも

 

また、やはり安くないお値段したということもあり、取扱いにはかなり慎重にならざるを得ません。

傷がついたとしても、軽度のものであれば外装研磨によって目立たなくできます。しかしながらロイヤルオークの味わいの一つ・エッジ。これは、外装研磨を繰り返すことで丸みが出てしまったり、本来のフォルムを保てなくなったりする可能性があります。そのため、何かにぶつけたり硬度の高いものと一緒に保管したりするといったことはできず、適切な取り扱いが求められます(もっとも、これはどの高級時計にも言えることですが…)。

 

④メンテナンスはどうしてる?

精度面も良好で、不具合がないこと。加えてまだ購入して3年ということもありオーバーホールはしていませんが、そろそろ点検に出そうかなとは思っています。

そんな時、ロイヤルオークは(ジャンボであってもなくても)オーバーホールを当店の提携工房で行えるのが嬉しいところです。通常、メーカーの正規オーバーホールだと10万円近い金額がかかってくることもありますが、当店であればその半分程度で済みます。

2針というシンプルさや、ロービート設計であることも末永く扱いやすいポイントでしょう。

ただし、パーツ交換となるとその分が加算され、メンテナンス料金がさらに上がります。また、正規メンテナンスが必要になる可能性も。そのため日頃から機械式時計にとって正しい取扱いをして、定期的にメンテナンスすることが必要なんだと自分自身も含めて伝えたいです。

 

なお、機械式時計の取り扱いについては下記記事をご参照下さいませ。

 

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⑤知っておきたいリセールバリューについて

ロイヤルオーク

最後に、ロイヤルオークのリセールバリュー(資産価値)についてお伝えして筆を置きたいと思います。

リセールバリューは文字通り、再販する際の価値。現在では資産価値と言った呼ばれ方も一般的ですね。

オーデマピゲやパテックフィリップ,ヴァシュロンコンスタンタンに代表される雲上ブランド。あるいはロレックスやオメガ、IWCにパネライといった人気ブランドは中古市場が非常に大規模で、使った後でもそれなりの金額で売却することが可能です。この「売却時の価値」を指してリセールバリューと言います。

 

時計は精密機器ですから、基本的には新しいものほど価値が高くなります。しかしながらオーデマピゲ ロイヤルオークのような世界中で需要が高いにもかかわらず供給量が限られているモデルは、中古であっても定価を大きく超えるプレミア相場を築いています。オーデマピゲのような雲上ブランドはムーブメントパーツや外装に丁寧な仕上げを施しているため、大量生産ができず年間の製造量が限られているためです。

結果として中古のステンレススティールモデルであっても300万円を切ることはなかなかない…そんな情勢を描くこととなりました。

 

冒頭でも述べたように、私はロイヤルオーク ジャンボ 15202ST.OO.0944ST.02の今後の価値に期待する面もあって購入に至りました。結果として、当時から既に高騰していた当モデルは、現在380万円程度の値付けが行われています(もちろん状態にもよりますが。また、白・黒は青文字盤に比べると相場がまだ落ち着いている方です)。私の購入時は150万円程でしたから、相当な高騰であることがおわかり頂けるでしょう。

また、当時140万円ほどで手放した15400ST.OO.1220ST.01は中古でも360万円台~…これまたかなりの高騰となります。

 

このように、現在オーデマピゲ ロイヤルオークの相場は年々右肩上がりを続けています。2020年からは新型コロナウイルスの影響でメーカーの減産や海外仕入れの減少が目立ち、さらに相場を上げています。そのため購入時のイニシャルコストはかなり高くなってしまいますが、手放す時もまたそれなりの買取率(換金率)となり、決して高すぎる買い物では終わらないでしょう。

もっとも、私自身はロイヤルオーク ジャンボ 15202ST.OO.0944ST.02を使っているうちに一生モノの時計を買ったと思っているので、この先売却するつもりはなくなりました。それくらい、気に入っている一本です。

 

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まとめ

オーデマピゲのフラグシップ・ロイヤルオークの中でも、きわめて稀少価値の高いジャンボ。そのユーザーである当店バイヤーが実機レビューを行いました!

「高級薄型時計」ということもあり、使い勝手やメンテナンスについて気になっていた方もいらっしゃるでしょう。そんな方々のお役に立てれば幸いです。

なお、文中でもご紹介しているように、オーデマピゲはそのリセールバリューの高さでも存在感を放っています。この点も、「高くとも欲しい」といったニーズを下支えする大きな魅力となっているでしょう。

当店ではオーデマピゲの販売に力を入れておりますので、気になるモデルがあればぜひお問合せ下さい!

 

オーデマピゲのご購入はこちら

 

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この記事を監修してくれた時計博士

田中拓郎(たなか たくろう)

高級時計専門店GINZA RASIN 取締役 兼 経営企画管理本部長
(一社)日本時計輸入協会認定 CWC ウォッチコーディネーター

当サイトの管理者。GINZA RASINのWEB、システム系全般を担当。スイスジュネーブで行われる腕時計見本市の取材なども担当している。好きなブランドはブレゲ、ランゲ&ゾーネ。時計業界歴12年

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