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奇想天外な機構や卓越したデザインセンスにより、世界中から高い人気を集めるフランクミュラー
ファンのみならず、腕時計産業に与えた衝撃と影響力の大きさは計り知れません。

今や世界で最も有名な高級時計メーカーのうちの一つとして数えあげられますが、
その歴史は30年に満たない比較的新しいブランドです。
このブランドの創立から成功までの礎は、ブレゲの再来と言われて名高い天才時計技師
フランクミュラーによって成し遂げられました。

今回はこの現代の天才の、栄光の軌跡に迫りたいと思います。

 

フランクミュラー

1.フランクミュラーとは

■誕生から天才の成長

1958年、スイスは時計の聖地ラ・ショード・フォンに生を受けたフランクミュラー。
少年時代から機械式時計の精密・精緻な動きに魅せられ、その才能の片鱗を見せていました。

17歳でジュネーブ時計学校に入学するやいなや、3年で修得すべき単位をわずか1年で履修。卒業制作では通常の3針時計に永久カレンダーを組み込んだり、ロレックスから製作を依頼されるほどのスキルを身に付けていました。
主席で時計学校を卒業したフランクミュラーには、ドラフト指名のごとく、多くの有名時計メーカーからお声がかかりましたが、フランクミュラーはそのすべての声を断り、メーカーには属さない「独立時計師」としての道を歩み始めます。

独立時計師アカデミーの会員となり、コレクターや博物館から依頼されるパテックフィリップなど数多くのマスターピースの修復作業を行うフランクミュラー。その一方で独自の創作活動、オーダーメイドでの時計製作も続けていきました。そして“ブレゲの再来”と名高いその優れた才能を確実に開花させていくのです。

 

FrankMuller Watchland

出典:https://www.franckmuller-japan.com/brandstory/chapter2/(レマン湖を見下ろす、FRANCK MULLER WATCHLAND)

 

■フランクミュラーの鮮烈なデビュー

フランクが本格的に時計界に対しその名を表すのは、1986年のバーゼルワールドです。
そのデビューは鮮烈さと華々しさで飾られたものとなりました。

当時はまだ商品化されていなかったトゥールビヨンを備えた腕時計、しかも“フリーオシレーショントゥールビヨン”と呼ばれるジャンピングアワー機能の付いた、かつてなかった複雑機構を若干28歳にして作り上げたのです。

その後、ジュネーブ郊外のジャントゥに構えた工房を拠点に、数々の複雑機構に先鞭をつけます。そのタイムピースの数はなんと30本以上。
中でもデビュー作であるジャンピングアワーは、「時計」の概念を変え、人々の想像と時を超越した機構として、今なおフランクミュラーの自由奔放なコレクションの象徴的存在となっています。

ジャンピングアワー
出典:https://www.franckmuller-japan.com/brandstory/history/

 

フランクミュラーが時計界の語種となっている理由は、その高い技術力だけに留まりません。
まず第一に、どの時計メーカーにも属さず、腕一本叩き上げでのし上がってきた強靭さ。第二にセオリーに囚われない、ともすれば過激とも言える新案機構の開発研究。そして最も特筆すべきことは、その機構に負けないくらい斬新で芸術的なデザイン性が誰も真似できない魅力を引き出しています。

1980年代、クォーツ式時計の普及により機械式時計は冬の時代を迎えていました。
しかし、彗星のごとく現れたスーパースター・フランクミュラーの登場は、機械式時計の復活、そしてさらなるブームの展開を示唆するものとなりました。

 

フランクミュラー


■ブランド立ち上げから紆余曲折、そして現在

1986年での鮮烈なデビュー以来、世界中の時計メーカーや腕時計愛好家から注目を集めていたフランクミュラーは、ジュエラーかつケースメーカーだったヴァルタン・シルマケスと意気投合。1992年に自身の名を冠した時計ブランドFRANCK MULLER(1998年よりFRANCK MULLER WATCHLAND)を立ち上げます。

フランクミュラーが得意とするデザイン性高い複雑機構のコレクションの数々は彼の天才的な腕前に依るところが多く、大量生産には向かないと思われていました。
しかし、優秀なビジネスマンであるヴァルタンの経営ノウハウにより、その製造経路を確立。
Master of Complicationsを理念に、豊富で新しいコレクションを現在に至るまで展開し続けてきています。

フランクミュラー裏蓋

フランクミュラーのコレクションの裏蓋には、この理念が刻まれています。

魅力的な腕時計の数々は世界中の人間を魅了、設立からわずか10年ほどでトップブランドの仲間入りを果たします。
しかし、ブランドが有名になればなるほど、大きくなればなるほどフランクミュラーが大切にしてきた理想の追求や至高の技術研究に割く時間が削られ、経営側としての能力が求められるようになりました。

2003年、理想から脱線した自身のワークスタイルとヴァルタンとの確執からフランクミュラー自身が会社を去ったりもしましたが、現在ではヴァルタンがCEOとなり開発グループを二つに分け、フランクミュラーが時計開発に専念できるようになっているとのこと。

華やかであり栄光輝く軌跡を歩んできたフランクミュラーは現在58歳。
まだまだ私たちをあっと驚かせる、斬新で魅力的なタイムピースの数々を見せてくれそうです。
フランク氏
出典:https://www.franckmuller-japan.com/brandstory/chapter1/

 

2.フランクミュラーの豊富なコレクション

フランクミュラーの魅力は、

・従来のセオリーでは全く考えられない新機構・機能
・奇抜でありながらも高い芸術性を持つデザイン

この二つに集約していると考えられます。
創業以来、時刻を告げる機能としての実用時計に新たな価値を提案、遊び心を刺激するコレクションを多数リリースしてきました。

天才時計師・フランクミュラーが追い求めてきた新しさへの挑戦、美技ともに妥協をしないクラフトマンシップは、ブランドに、そして一つひとつのコレクションに連綿と受け継がれていると言えます。

ここでは、フランクミュラーを存分に味わえる代表的なモデルをいくつかご紹介します。

 

トノーカーベックス
出典:https://www.franckmuller-japan.com/collection/watch/category/cintreecurvex_men/

 

フランクミュラー自身が若かりし頃に創作した、最も代表的で最もフランクミュラーの美学を表しているモデルが、こちらのトノーカーベックス。

トノー―樽―型の3次元のフォルムが特徴的で、これは1920年代から1930年代に流行したアールデコ様式が基になりました。
ケースのアウトラインが全て曲線で描かれており、どの角度から見ても直線が無い優雅な美しさが見られます。
また、デザインだけでなく、湾曲したケースは腕にフィットしやすく心地よい装着感と高い視認性を実現。

トノーケースはフランクミュラーの製品哲学のベースとなり、クレイジーアワーズヴェガスなど様々な複雑機構を搭載したモデルを展開しています。

 

トノーケースから進化した形として、コンキスタドール―スペイン語で征服者―,ロングアイランドなどフランクミュラーならではの斬新で卓越したデザインを持つモデルが展開されています。

 

コンキスタドール
トノーカーベックスは3次元曲線ですが、2次元曲線により独特の立体感を生み出しています。
適度な重量感と厚みにより成熟したダイナミズムを感じさせ、コンキスタドールの名にふさわしい圧倒的な存在感と機能美を実感できます。

 

ロングアイランド1ロングアイランド2

 

1920年代にイタリアで流行したノヴェチェント―イタリア語で1900年代―にインスピレーションを受け、同時期に流行したアールデコを調和させたデザインが特徴的。
さらにそこにレクタンギュラー―長方形―ケースを採用し、現代スタイルにアレンジすることに成功しました。
ロングアイランドは2000年に発表され、フランクミュラーの新しい方向性を示したモデルとして今なお高い評価を受けています。
ノワールヴァンガード
この他にも様々なケースやデザインがラインナップされてきました。
フランクミュラーはカラーバリエーションが豊富なことも魅力的なため、自分だけのお気に入りの一本を見つけられる楽しさがあります。

 

カサブランカ

 

華やかで豊富なコレクションを展開するフランクミュラーの中でも、当店人気ナンバーワンの売り上げを誇るモデル。
無駄の一切を排除した美しいトノー型ケースがベースとなり、アールデコ調の中央から延びるように配されたアラビア
ンインデックスが、当ブランドらしさを感じられる逸品です。

 

1992年に発表、モロッコの都市「カサブランカ」や映画「カサブランカ」からインスピレーションを得ていました。
フランクミュラー初のステンレススティールモデルにした理由は、カサブランカの砂漠の砂や暑さによる発汗への耐久。
ひいては、バカンス旅行や日常で気軽に使用することのできる普段使いの実用腕時計を作るためでした。

 

サハラカモフラージュ

 

定番であり当ブランドの中でも比較的リーズナブルなためエントリーモデルの役割も担うカサブランカ。
こちらもフランクミュラーらしくカラーバリエーションが豊富で、また、メンズ・レディース・ユニセックスとラインされているため、パートナーとお揃いで持つこともできるシリーズです。

 

カサブランカペア

 

 

クレイジーアワーズ
出典:https://www.franckmuller-japan.com/collection/watch/category/crazyhours/

 

「時間は人が作ったものだ、いつ何をしても良いのだ」
フランクのこの理念を基に、これまでの常識はおろか、“時”すらも超越した不朽の名作。
発表と同時に、またもやフランクに世界は驚かされました。

ダイアル上にはインデックスがランダムに並べられており、針は決して時計回りにはなりません。
針はバラバラに動く、その名の通りクレイジーなコレクションです。

ただし、ランダムといっても実際には長針が1回転すると短針が5時間分一気にジャンプする仕組みで、フランクの処女作であるジャンピングアワーの応用機能です。

 

 

クレイジーアワーズ カラードリームス

カラードリームス
出典:https://www.franckmuller-japan.com/collection/watch/category/crazyhours/1200CHCOL-170/
クレイジーアワーズ機能のついたカラードリームスは、12色でランダムに並んだインデックスは圧巻。
フランクミュラーは、その他にも時間の概念に対して様々な挑戦を行ってきています。

 

 

シークレットアワーズ

シークレットアワーズ
出典:https://www.franckmuller-japan.com/collection/watch/category/secrethours/7880SEH2-188/
「密かに時を刻む時計」。
時針も分針も12時位置から動かず、通常時は中央の秒針のみ時を刻みます。
9時位置にあるプッシュボタンを押すことで、時針と分針が素早く動きだし、瞬時に現在の時刻を指す驚きの機能。
これらの挑戦は、人生そして時間は自分自身で決めて生きていける、とういフランクミュラーのメッセージ性が込められているように思います。

マスタバンカークロノグラフ

 

フランクミュラーの友人の銀行家から「世界の金融市場の時間が分かる時計が欲しい」との要望を受け誕生したマスターバンカー。
デザイン性の高さもさることながら、GMT針やベゼルで別タイムゾーンの時刻を示す時計に比べて3つの時間帯を同時に表示・一目で視認を可能にしたモデルです。

 

マスターバンカー
出典:https://www.franckmuller-japan.com/collection/watch/category/masterbanker/
また、全てのダイヤルが一つのムーブメントで動いているため、3時位置のリューズのみで時刻調整ができることも大きな特徴です。
グローバル社会に生きるビジネスマンや旅を愛する世界中の人たちにぴったりの傑作が生みだされました。

ヴェガス1ヴェガス2

 

最後にご紹介するのは、「時を告げる」機能と全く関係のない、大人の遊び心溢れる逸品から。

こちらのヴェガスは、ダイアル上にルーレットを備えるという、あえて実用時計に必要無い機能をつけた特殊なモデル。
フランクミュラーの人気を加速させ、セオリーに捉われない数々のコレクションの原点ともなった作品です。

リューズ先端にセットされたボタンを押すとルーレット針が目にも止まらぬスピードで回転し、ボタンを離すといずれかの数字に止まります。
ワンプッシュクロノグラフ機構を応用しました。

 

ヴェガス
出典:https://www.franckmuller-japan.com/collection/watch/category/vegas/

 

フランクミュラーは、かつてない機構の発明・特許取得をまるで楽しんでいるかのよう。
その遊び心の根底には、やはり時の概念に新しい価値観を提案し続けるフランクの哲学が感じられます。

どの数字を指すか。それは全くの偶然にゆだねられているのです。

 

 

まとめ

フランクミュラーの新しさへの挑戦は実用時計の可能性に留まらず、「時」そのものの概念をワンステップ進化させているように思います。
セオリーにとらわれない自由な遊び心とそれを実現するための高い技術力を備える、彼だからこそできる挑戦と言えるでしょう。

どんな機能があるのか、どんなデザインが生み出されてきたのか、そしてこれから・・・?
私たちをわくわくさせてくれる、フランクミュラーの世界をご堪能いただけたら幸いです。

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