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WEBマガジン, パネライ, 田中拓郎

40mmサイズのパネライが来た!ルミノール クアランタとは?

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軍用時計のサプライヤーであった歴史から、視認性・堅牢性を優先する、武骨な腕時計製造で名を馳せてきたパネライ。

さらに、この堅牢性を象徴するかのようにデカくて厚いデザインを基調としてきており、「デカ厚」のジャンルの、一時代を築いてきたブランドでもあります。

そんなパネライですが近年、時代の要請に応えて、小型ケースの製造にも力を入れております。

一目でパネライとわかるアイコニックな顔立ちはそのままに、ダウンサイジングによってますますファンを獲得する同ブランド。2021年11月、基幹コレクションとなる「ルミノール マリーナ」に40mmケースの「ルミノール マリーナ クアランタ」を新たに追加しました。

そこでこの記事では、パネライの新定番として君臨していくであろうルミノール マリーナ クアランタについて、ルミノールの歴史を紐解きながらご紹介いたします。

パネライ ルミノール クアランタ

出典:https://www.panerai.com/jp/ja/home/luminor-quaranta.html

 

パネライ ルミノール クアランタとは?

スペック

外装

型番: PAM01270/PAM01271/PAM01272
ケースサイズ: 直径40mm
素材: ステンレススティール
文字盤: ブルー/ホワイト/ブラック

ムーブメント

ムーブメント: キャリバーP.900
駆動方式: 自動巻き
駆動時間: 約3日間

機能

防水性: 100m
価格: 858,000円(税込)

2021年、ルミノール マリーナに新たに加わった「クアランタ」。Quarantaとはイタリア語で「40」を示す通り、直径40mmサイズのケースを有することが特徴となります。

リリースされたモデルはブルー・ホワイト・ブラックの3種の文字盤カラー。

それぞれ40mmサイズのステンレススティール製ケースとなり、ルミノール 1950がデザインベースとなっているため、特徴的なリューズプロテクターやポリッシュ仕上げされたベゼル、その対比となったツヤ消しのケース。さらには屈強なクッションケースを備えた、とてもベーシックなパネライモデルとなっています。まさに「一目でパネライとわかる」アイコニック・デザインですね。

パネライ ルミノール クアランタ

出典:https://www.panerai.com/jp/ja/home/luminor-quaranta.html

また、ルミノール マリーナの特徴でもある3時位置の日付・9時位置のスモールセコンド、そしてパネライ特有とも言って良いサンドイッチ文字盤が見て取れます。

 

それぞれブルーまたはブラックのアリゲーターストラップが付属していますが、さらにクイックリリースシステムを搭載しているとのこと!

このシステムはルミノール ドゥエで搭載されてきましたが、特別な工具なしにワンタッチでベルトの付け外しができる優れもの。パネライはベルト交換を前提に工具を付属品とすることも多かったですが、このシステムによってよりパネライの色々なストラップを楽しめそうですね!ちなみにスポーティーなラバーストラップモデルの発売も予定されているようです。

搭載するムーブメントはP.900。これまたルミノール ドゥエに搭載されてきた自動巻きキャリバーで、薄型ながら約3日間のロングパワーリザーブを誇っており、100mの防水性と併せて大変実用的な一本となっております。

 

なお冒頭でもご紹介したように、デカ厚時計の代名詞的存在でもあったパネライですが、40mm以下の小径ケースがないわけではありません。

現行モデルの中での小径ケースの代表格と言えば、2016年に発表されたルミノール ドゥエでしょう。ルミノール ドゥエは現行ルミノール マリーナ同様、ルミノール 1950ケース(詳細は後述)を基調とするものの、従来のパネライとはうってかわって薄型上品なサイズ感を実現したシリーズです。さらに驚くべきは、38mmサイズがラインナップされていたこと。44mmが基本サイズ(42mmもラインナップ)であったパネライの大幅なダウンサイジングは、発表当初大きな話題となったものでした。

また、伝統的なルミノールコレクションとして2017年に発表されたPAM01048も40mmケースサイズです。これは往年の名機PAM00048の後継機に当たります。このPAM00048は1999年以降から続く、超ロングセラーです(ブレスレット版のPAM00050は2000年代に入ってから)。

しかしながら現行のルミノール マリーナのケースサイズは44mm(および42mm)が長らくベーシックに位置づけられており、40mmという小径ケースは、当モデル「クアランタ」が初となります。

 

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パネライ ルミノール マリーナの歴史を紐解くとクアランタがいっそう理解できる

パネライ

「ルミノール マリーナって?」「ルミノール 1950って?」と、よくお問合せを頂くことがあります。

簡単に解説すると、ルミノール マリーナとはパネライの最も伝統的なコレクションです。

 

パネライの歴史を紐解くと、1860年にイタリア・フィレンツェで創業した時計店です。これは時計の販売のみならず、フィレンツェ発の時計製造学校としての性格も持っていたとか。

1910年代になるとイタリア国鉄および海軍への計器サプライヤーとなり、1916年に「ラジオミール」を開発・特許の取得に至りました。このラジオミールは自発光するラジウム由来の夜光塗料で、従来品と比べて強い光を発することを特徴としています。こういったパネライの実力に厚い信頼を置いていたイタリア海軍は、同社に軍用時計の製造を依頼します。1936年、パネライはロレックス社の協力を得てRef. 2533を製造しまいた。

このRef. 2533はプロトタイプで、1938年に完成したRef.3646こそが、現行ラジオミールのルーツです。

パネライ ラジオミール

出典:https://www.panerai.com/jp/ja/home.html

Ref.3646は直径47mmという大型クッションケースにサンドイッチ文字盤、ケースにはんだ付けされたラグ、耐水レザーストラップなどを搭載した、まぎれもない軍用時計でした。とりわけサンドイッチ文字盤は、今なおパネライのアイコンとも言える仕様です。これはプレートを二重構造とした文字盤で、夜光塗料を塗ったプレート上に、インデックス部分を穴開けしたプレートを重ね合わせたもの。夜光が経年劣化した時、何度でも容易に塗り直しができるようにと考えられた仕様です(厚く塗ることで滲んでしまい、数字が見えづらくなるのを防いでくれた側面もあったようです)。

海底での任務がメインのイタリア海軍・特殊部隊に考慮した仕様を、パネライが独自開発した「ラジオミール」の名で親しむことは納得ですね。

 

その後、放射性物質・ラジウム由来であったラジオミールに代わって、1949年に「ルミノール」という夜光塗料を開発・特許を取得します。ルミノールもまたトリチウムが原料とはなりますが、使用量がきわめて少なく人体へは無害と一般的に認知されたため、他社含め以降の時計の夜光塗料としてスタンダードとなっていきます。

1950年代に入ると、パネライのアイコニックなリューズプロテクターの特許を取得。現行ルミノールの礎が築かれました。ちなみにこの時製造されたダイバーズウォッチ「エジプシャン」は、現在のパネライのサブマーシブルの礎でもあります。

 

このように、軍用時計としての歴史を紡いできたパネライですが、1993年に民生市場に打って出ます。東西冷戦の終結や当時の機械式時計の黄金期の復刻によって、民生市場でのニーズを感じ取っていたのでしょう。

この1993年に記念すべきファーストモデルとしてリリースされたのが、「ルミノール」「ルミノール マリーナ」「マーレ ノストゥルム」でした。その後コレクションとして展開されたのは、ノンデイトのシンプルな「ルミノール ベース」と、これに日付・スモールセコンドを備えた「ルミノール マリーナ」です。

出典:https://www.panerai.com/jp/ja/home.html

ちなみに9時位置のスモールセコンドは、1950年代、ルミノールのデザインベースともなったリューズプロテクター搭載のミッション・ウォッチにも備わっておりました。

パネライはスモールセコンドをとても重要視していたとのこと。イタリア海軍特殊部隊の任務は一秒の誤差が命を危険にさらすため、きわめて正確なスモールセコンドによって、一分一秒の任務をこなせるよう配慮してきました。

 

1997年、さらにパネライはヴァンドームグループ(現在のリシュモングループ)傘下に加わり、高級時計市場での認知度をますます高めていくに至ります。

2005年には、1950年代当時のルミノールの原型をインスパイアしたハイエンドラインの「ルミノール 1950」をリリース。

従来のルミノールよりも立体感・高級感あるケースが1950の特徴で、さらにリューズプロテクターには当時取得した特許を象徴するかのように「REG.T.M.(Registered Trade Mark)」が刻まれることとなりました。現在ではこのルミノール 1950が、パネライのコレクションの中心となっております。

※2010年にはラジオミール 1940が登場しています。これは言わずもがな、1940年代に製造されたラジオミールの原型をインスパイアしたケースデザインです。従来のラジオミールはかなりドレッシーなイメージでしたが、そこにルミノールの屈強なラグを合わせ、またオニオンシェイプのリューズをなくしたことでかなりモダンな印象となりました。

 

このように、イタリア海軍特殊部隊へのサプライヤーとしての歴史と、現代パネライのモダンが融合したかのような現行ルミノール マリーナ。

40mmサイズのクアランタが加わったことで、いっそうの人気と幅広いファンを獲得していくであろうことは、想像に難くありません。

 

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パネライ ルミノール マリーナ クアランタの価格と発売時期

パネライ ルミノール クアランタ

出典:https://www.instagram.com/panerai/

パネライが2021年にリリースした新作ルミノール マリーナ クアランタ。各種定価は税込858,000円となっております。

既存のルミノール マリーナのベーシックモデル 44mmの定価が990,000円(42mmサイズは957,000円)であったことを鑑みれば、価格帯としてはお値打ちですね。なお、p.9010もp.900も3日間のロングパワーリザーブとなっており、振動数は28,800回/時のハイビート機。きわめて高精度かつ高性能と言えるでしょう。

パネライ ルミノール クアランタ

出典:https://www.instagram.com/panerai/

既に国内ブティックで販売が始まっており、さらにパネライはeコマースもスタートさせたため、同社のホームページでもオンライン購入が可能に。

特に限定販売などでもないため、気になる方はぜひチェックしてみましょう!

 

まとめ

パネライが2021年に発売した、新作ルミノール マリーナ クアランタについてご紹介いたしました!

新作とは言え、既存のルミノール マリーナシリーズ同様に、パネライの歴史をインスパイアしたモデルであること。一方で近年トレンドになっている小径ケースを採用しており、40mmサイズが特徴的であること。さらにルミノール ドゥエでも搭載されるクイックリリース システムによって、工具なしでストラップ交換が楽しめることをお伝えできたでしょうか。

ますます進化するパネライ。数か月後にはスポーティーなラバーベルトモデルもラインナップに加わるとのことなので、詳報が入り次第、当サイトでも取り上げていきたいと思います!

文:鶴岡

 

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この記事を監修してくれた時計博士

田中拓郎(たなか たくろう)

高級時計専門店GINZA RASIN 取締役 兼 経営企画管理本部長
(一社)日本時計輸入協会認定 CWC ウォッチコーディネーター

当サイトの管理者。GINZA RASINのWEB、システム系全般を担当。スイスジュネーブで行われる腕時計見本市の取材なども担当している。好きなブランドはブレゲ、ランゲ&ゾーネ。時計業界歴12年

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