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ロービート?ハイビート?機械式時計の振動数による違いを解説

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機械式時計 ハイビート ロービート

次々と自社開発ムーブメントが生み出される現代はまさに「機械式ムーブメントの戦国時代」。

タグホイヤーのようなエントリーブランドから、ロレックスオメガといった定番ブランド、パテックフィリップオーデマピゲといった雲上ブランドまで、多くのモデルに自社開発されたムーブメントが使われています。

また、機械式ムーブメントは大きく分けると「ロービート(LOW BEAT)」と「ハイビート(HIGH BEAT)」という2つのタイプが存在し、それぞれに異なる特徴を持ちます。

今回はロービート・ハイビートのそれぞれのメリット・デメリットを紹介いたしますので、機械式時計に興味のある方は是非ご参考くださいませ。

 

【振動数】ロービートとハイビートについて

機械式時計のスペックにはよく「振動数」という言葉が書かれていますが、振動数とは時計の心臓部であるテンプが振動する数を指し、その振動数が少なければ「ロービート」、多ければ「ハイビート」と呼ばれます。

機械式時計 テンプ

現在の機械式ムーブメントは28,800振動が主流となっており、28,800振動以上の振動数を誇るムーブメントはハイビート、逆に28,800振動未満の振動数はロービートと言われることが多いです。

主な機械式ムーブメントの振動数は以下の通り。

 

・毎時18,000振動(1秒間に5振動)
・毎時21,600振動(1秒間に6振動)
・毎時25,200振動(1秒間に7振動)
・毎時28,800振動(1秒間に8振動)
・毎時36,000振動(1秒間に10振動)

 

機械式時計はこのような振動数を持ちますが、現在の機械式時計における基準振動数は「28,800振動」です。

パテックフィリップやオーデマピゲといった雲上ブランドには「21,600振動」のロービートが使われることもありますが、現代における定番はハイビート設計であるといえるでしょう。

 

関連記事:徹底解説!機械式時計の動く仕組み

 

ロービート・ハイビートのメリット/デメリット

各社技術革新と素材の選定により、以前よりはメリット/デメリットを一概には言えなくなりましたが、ロービートとハイビートは概ね以下のような特徴を持ちます。

 

ロービート・・振動数を抑えることにより、部品の摩耗を防ぎムーブメントを長持ちさせることが可能。加えてハイビート設計よりも耐久性も高く、故障しにくい。しかし、振動数が少ないことにより、調整に高度な技術を要するというデメリットをもつ。

 

ハイビート・・振動が早い分、部品の摩耗が早い。ただし、安定的にビートを刻むので、高い精度を出し易いというメリットがある。

 

振動数を下げれば高い精度が出しづらくなり、振動数を上げれば精度が向上すると言われることもありますが、技術革新によって「ロービートなのに精度が高いムーブメント」や、「ハイビートなのに耐久性が高いムーブメント」も存在するため、そこまで差はなくなっているのが現状です。

 


オメガ、ロレックス、シチズン 機械式時計の音の比較

ちなみに振動数や機械に使われているパーツによってビート音は大きく異なります。

テンプを眺めても振動するスピードが違うのがわかりますが、聞き比べてみると更に振動数毎の特色が掴めます。

 

各振動数の有名モデル

ロービートとハイビートがどのような設計なのか分かったところで、振動数ごとの有名モデルを紹介していきます。

各時計ブランドがどのような振動数でムーブメントを作っているのか、この機会に確認してみましょう。

 

毎時18,000振動(ロービート)

現在のスイス製のムーブメントで18,000振動なのは、概ねETA社製「Cal.6497」が使われたムーブメントです。

このムーブメントは1930年代にスイスのムーブメントメーカー『ユニタス』が懐中時計用として作ったムーブメントであり、数多くの懐中時計に搭載された歴史を持ちます。現在ユニタス社はETA社に吸収されましたが、ETA社にてムーブメント製造を引き継いでいます。そのため、ユニタス時代の手巻きムーブメントを今でも『ユニタス』と呼ぶ時計愛好家も少なくありません。

また、「Cal.6497」はETA6497-1とETA6497-2の2種類があり、ETA6497-1は18,000振動、42時間パワーリザーブ、ETA6497-2は221,600振動、56時間パワーリザーブというスペックを誇ります。

ETA6497 ユニタス

※写真はETA6497-1を分解したもの

 

18,000振動のモデルは”ETA6497-1“が搭載されているモデルの割合が高いです。ただ、現在”ETA6497-1″が使われている高級腕時計はジンの6000シリーズの廃盤モデルくらいなので、高級腕時計のラインナップとして18,000振動数のモデルと巡り合うことは稀です。

またヴィンテージウォッチ(1980年以前に製造されたもの)には、当時製造されたロービートムーブメントが搭載されており、18,000振動のムーブメントも珍しくありません。

ちなみにスーパーコピー(偽物)にはよく18,000振動のムーブメントが使われているので、有名ブランドの現行モデルでこの振動数を見たら注意が必要かもしれません。

 

H.モーザー マユ

H.モーザー マユ スモールセコンド 321.503-003

知る人ぞ知る高級時計ブランドH.モーザー。美しいグラデーションが魅力的なモーザーの時計ですが、ムーブメントはどのモデルもロービート設計によって作られています。しかし、精度が悪いということは一切なく、精度は非常に高いです。このモデルはロービートの精度調整の難しさを技術力でカバーした良い例だと思います。

 

毎時21,600振動(ロービート)

21,600振動のムーブメントはロービートムーブメントの有名どころが並ぶ振動数です。オメガ、パネライといった有名ブランドからパテックフィリップ、オーデマピゲのような雲上時計ブランドまで、21,600振動のモデルは幅広く展開されています。ロービートの人気の秘訣はやはりパーツを摩耗から防ぐことが出来るということでしょう。

ロービートで精度が良好ならば最強であることは間違いありません。

 

スピードマスター プロフェッショナル ムーンウォッチ クロノグラフ 311.30.42.30.01.005

オメガ スピードマスター 311.30.42.30.01.005

21,600振動数で最も有名なモデルはこのモデルなのではないでしょうか?

1965年にNASAの公式時計に採用され、1969年に月に行ったスピードマスター。基盤モデルである”311.30.42.30.01.005″は当時のデザイン性を忠実に再現しているため、ムーブメントにレマニア製手巻きクロノグラフムーブメントが使われています。月での過酷なミッションに耐えるには耐久性を重視する必要性があったというわけです。

 

ノモス タンジェント

ノモス タンジェント TN1A1W2(139)

シンプルで美しいデザイン性に加え、非常に優れたコストパフォーマンスを誇るノモス。ノモスが誇るαムーブメントは、10万円台から買えるリーズナブル且つハイスペックなムーブメントです。

汎用ムーブメントのパーツを加工・分解し組み合わせて作る”リファインムーブメント”であることが特徴で、ドイツ グラスヒュッテ産ならではの「3/4プレート」によってムーブメントが作られているため、薄型ムーブメントでありながらも堅牢度が高いです。

エントリーモデル帯でロービート設計の時計が欲しい場合、ノモスは有力な選択肢となるでしょう。

 

パネライ ルミノールベース PAM00000

パネライ ルミノールベース ロゴ  PAM00000 

パネライとして民間向けに販売を開始した時期に発表されたデザインを復刻したモデル「PAM00000」。

手巻き式ムーブETA6497-2が搭載されており、他のパネライモデルとは異なりロービート設計となっています。

比較的リーズナブルなモデルでエントリーモデルとしてうってつけです。

 

パテックフィリップ アクアノート エクストララージ 5167A-001

パテックフィリップ アクアノート エクストララージ 5167A-001

ロービートといえば雲上時計。

時計界の頂点に君臨するパテックフィリップの人気モデルアクアノートもロービート設計となっています。

全てにおいて高品質を極めた雲上時計は無理に振動数を上げなくとも十分に高い精度を出すことが可能です。

パーツの摩耗が少なく、長く時計を使うことができるので、安定した精度さえ出せればロービートこそが理想的な時計だといえます。

 

毎時25,200振動(ロービート)

25,200振動は1秒間に約7回振動するムーブメントです。この振動数が使われているムーブメントはオメガのコーアクシャルムーブメントに多く見受けられます。

オメガのコーアクシャルムーブメントはパーツの摩耗を他のムーブメントの約半分に抑えた画期的な設計でつくられているため、開発段階でハイビートよりも一段階落とした毎時25,200振動設計となりました。

ただ、コーアクシャル機構はそもそも普通のムーブメントと内部設計が大きく異なっているため、これまでに説明した常識が当てはまらないムーブメントともいえます。

 

オメガ シーマスター アクアテラ 150M コーアクシャル マスタークロノメーター 220.10.38.20.03.001

オメガ シーマスター アクアテラ 150M コーアクシャル マスタークロノメーター 220.10.38.20.03.001

オメガの人気モデルアクアテラの最新モデル”220.10.38.20.03.001 “には25,200振動のコーアクシャルムーブメント Cal.8800が搭載されています。

コーアクシャルムーブメントにはCal.8800以外にもCal.2500やCal.8500といったムーブメントが存在しますが、いずれも25,200振動です。

オーバーホール周期を1/2に抑えながらも精度はクロノメーターを凌ぐほど。

まさに機械式時計の理想といえる設計です。

 

毎時28,800振動(ハイビート)

現在の高級腕時計の基準となっている28,800振動。汎用ムーブメントも自社ムーブメントも、殆どのモデルにこの振動数が使われています。

機械式時計に詳しくなるとロービートが理想に思えてきますが、精度が出やすく、眺めていて気持ちいい28,800振動の人気は根強いです。

 

ロレックス エクスプローラー 最新型

ロレックス エクスプローラー 214270

ロレックスのエントリーモデルとして絶大な人気を誇るエクスプローラーI。このモデルに搭載されている自社製ムーブメントCal.3132はハイビート設計である28,800振動設計で作られています。

摩耗に強い素材が使われたり、標準のヘアスプリングの10倍もの耐衝撃性を実現したブルー・パラクロム・ヘアスプリングを備えていることにより、耐久性が下がる欠点を見事に克服。

ロービードを凌ぐ耐久性を持つハイビート設計として、高い評価を得ています。

 

ウブロ ビッグバン ウニコ チタニウム 441.NX.1170.RX

ウブロ ビッグバン ウニコ チタニウム 441.NX.1170.RX

チタンケースとスケルトン文字盤のコンビネーションが美しい“ビッグバン”。表裏共にスケルトン仕様となっておりますので、完全自社製の新型ムーブメント“ウニコ”(Cal.HUB1280)の動きを堪能することができます。

視覚的に時計の美しさを楽しめるビッグバンは28,800振動設計。スケルトンタイプの時計は振動数が多い方が映えます。

 

汎用ムーブメント搭載モデル

チュードル ブラックベイ 79730 / タグホイヤー カレラ WAR211A.BA0782

機械式ムーブメントは大きく分けて2つの種類があります。1つは各ブランドが自社開発して作られる「自社ムーブメント」、もう1つはETAやセリタから提供を受けた”エボーシュ”と呼ばれる半完成状態のムーブメントをべースに使用した汎用ムーブメントです。低価格帯の時計の多くは汎用ムーブメントを使いコストを抑えることに成功しています。

現在のETAやセリタは主に28,800振動設計のムーブメントを製造していますので、汎用ムーブメントを使用した時計は自ずと28,800振動になるわけです。

 

毎時36,000振動(ハイビート)

36,000振動はハイビート中のハイビート。非常に優れた精度を持つムーブメントです。この振動数は数こそ少ないものの、非常に優れた精度を誇るムーブメントが並びます。

そして、時計愛好家なら「36,000振動」という言葉を聞くと、「エルプリメロ」が浮かぶのではないでしょうか。

 

ゼニス クロノマスター 1969 51.2080.4061/69.C494

ゼニス クロノマスター 1969 51.2080.4061/69.C494

エルプリメロはゼニスが1969年に発表したハイビートムーブメント。当時の時計界においては36,000振動は衝撃的な数字であり、それまでの機械式時計の常識を大きく覆しました。

2017年新作の”51.2080.4061/69.C494″は初代エルプリメロをイメージして作られたモデルで、インダイヤルにブルーとシルバーが配色されたデザインになっています。

ムーブメントにはエルプリメロの最新型Cal.4061を搭載。ガンギ車とアンクルにシリコン素材を採用することでハイビートでもパーツの摩耗を抑えています。

近年ムーブメントの進化は著しく、ロービートであれ、ハイビートであれ、それぞれの欠点は克服されているといっても過言ではありません。

 

グランドセイコー メカニカル ハイビート36000 マスターショップ限定 SBGH045

グランドセイコー メカニカルハイビート36000 SBGH045

36,000振動モデルはエルプリメロだけではありません。日本が世界に誇るグランドセイコーからも36,000振動のモデルが展開されています。

“SBGH045″はメカニカルハイビートキャリバー9S85を搭載したブライトチタンモデルです。ステンレススティールと比べて約30%も軽量で耐傷性・耐食性に優れるブライトチタンをケースとブレスレットに採用することで、軽くて心地よい装着感が生まれました。平均日差+5秒~-3秒と非常に高い数字を誇りながらも、並行店なら50万円台で購入することができるため、ハイビートモデルとしては比較的リーズナブルにお買い求めいただけます。

 

まとめ

機械式時計は振動数によって精度や耐久性が異なります。一般的にはハイビートの方が高性能と思われがちですが、ロービートもオメガのコーアクシャルを筆頭に非常に精度の優れたムーブメントが増えているため、ハイビートより劣っていることはありません。むしろ、精度がよければロービートの方が理想的です。

現在の時計界では必要以上に振動数を気にする必要はありませんが、性能指標の一つとして、是非覚えてみてください。

 

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この記事を監修してくれた時計博士

廣島浩二(ひろしま こうじ)

(一社)日本時計輸入協会認定 CWC ウォッチ コーディネーター
一級時計修理技能士 平成31年取得
高級時計専門店GINZA RASIN メンテナンスチーム リーダー

1981年生まれ 岡山県出身 20歳から地方百貨店で時計・宝飾サロンで勤務し高級時計の販売に携わる。 25歳の時時計修理技師を目指し上京。専門学校で基礎技術を学び卒業後修理の道に進む。 2012年9月より更なる技術の向上を求めGINZA RASINに入社する。時計業界歴20年

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