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2019年 腕時計ブランド業界相関図を作ってみました

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時計業界相関図

時計の世界には誰もが知る有名ブランドから知る人ぞ知る玄人好みのブランドまで、様々なブランドが存在します。ただ、競争が激化している近代社会においては、どのブランドも巨大資本グループの傘下に入らなければ経営を続けることができないのが現状です。

例えばオメガ、パネライ、カルティエ、IWC。

多くの時計ファンに愛されるこれらのブランドであっても単独経営することは難しく、大手資本グループに入ることで時計の製造を続けています。

そこで今回は2019年現在の腕時計ブランド業界相関図を作成してみました。

どのブランドがどのグループに属しているのか。この機会に是非把握してみてください。

 

時計業界の相関図

時計業界相関図

2019年1月現在においての時計ブランド相関図は上の図の通りです。

大きく分けると、業界最大手スウォッチグループ、宝飾品・時計・筆記具・服飾の4部門で構成されるリシュモングループ、世界最大のファッション業界大手企業体LVMH(ルイヴィトン・モネヘネシー)グループの3グループが時計界を席巻していることがわかります。

他にもフランクミュラーウォッチランド、ケリンググループといったグループも力をもっていますが、時計界における影響力は大手3グループと比較すると弱めです。

また、ロレックスパテックフィリップのようにどこのグループにも所属せずに独自路線を貫いているブランドもあれば、個人として時計を製作する独立時計師も存在します。

 

時計界の3大グループ 「スウォッチ・リシュモン・LVMH 」

スウォッチグループ

出典:https://www.swatchgroup.jp/

現在の時計界における3大グループはスウォッチグループ・リシュモングループ・LVMHグループの3つです。

スウォッチグループは3つの時計グループにおいて一番最初に業界のグループ化に乗り出した巨大資本企業であり、クォーツショックによって縮小傾向にあったスイス時計業界を買収することで再編しました。

買収というとあまり聞こえはよくありませんが、各時計ブランドは海外巨大資本の傘下に入ることで、安定した基盤の中で時計製造を行うことが可能となるメリットがあります。

現代社会で高級腕時計を製造していくには、時計の原価だけでなく、広告費や開発費にも莫大なコストが掛かるため巨大資本によるグループ化は避けられないことだったのです。

 

スウォッチグループ オメガ

最初にスウォッチグループの一員として傘下に加わったのは「オメガ」「ブレゲ」「プランバン」といった高い知名度を誇るブランド。そしてムーブメント製造メーカーの「ETA」でした。

スウォッチグループはグループ内のブランド毎に明確なターゲットを設定し、ブランディングを実施。ETAからのムーブメント供給によるコストカットも相まって時計業界の新たなるビジネスモデルを作りました。

 

それから数年後。スウォッチグループの成功に伴い、リシュモングループ・LVMHも時計業界に参入。

リシュモングループはカルティエやピアジェといった宝飾ブランドを中心にIWC・パネライ・ランゲ&ゾーネといった人気ブランドを傘下に収め、スウォッチグループの対抗馬として頭角を現します。

また、ファッション業界大手のLVMHもタグホイヤー・ウブロ・ブルガリといった流行の最先端を走るブランドを取り込み、2社に負けじと勢力を強めました。

これにより、時計業界は3つのグループによる三つ巴とも呼べる状況へと再編がなされたわけです。

現在においても2013年にスウォッチグループがハリーウィンストンを約895億円で買収したり、2017年にCVCキャピタルパートナーズがブライトリングを買収するなど、勢力図は日々その姿を変えています。

 

勢いがあるのはリシュモン・LVMH

いち早くグループとして勢力を強めたのはスウォッチグループですが、2000年以降に勢いを増したのはリシュモンでした。

リシュモングループ

出典:https://www.richemont.com/

リシュモン傘下のブランドは「ヴァシュロンコンスタンタン」「ランゲ&ゾーネ」「カルティエ」「パネライ」「IWC」「ピアジェ」「ジャガールクルト」など、現在の時計界において高い人気を誇るブランドばかりです。

グループ別 売上順位 2012年 売上額(億)
スウォッチグループ 6955
リシュモングループ 5960
ロレックス 4500
フォッシル 1970
LVMH 1785
シチズン 1490
セイコー 1295
パテックフィリップ 1150
カシオ 800

 

売上順位は、まだリシュモングループよりスウォッチグループの方が上回っていますが、スウォッチグループの主力商品がカジュアルウォッチ「スウォッチ」であることを加味すると、その差は肉薄しているといっても良いでしょう。

スウォッチグループが他グループへのETAムーブメント供給を止めることを宣言したのも、リシュモングループの猛追を脅威に思ったからと言われています。

ちなみに、売上高はスウォッチグループ・リシュモングループが圧倒的な数字をたたき出しており、3位であるLVMHの約3倍ほどの売上高を誇ります。

 

しかしながら、ここ「数年」で考えるとリシュモンよりもLVMHの方に勢いがあります。

LVMH時計部門の売上は2012年の時点では1785億ほどでしたが、2014年には何と3600億まで倍増。さらに大手3グループの中で最もスマートウォッチに力を入れていることから、数年後にはスウォッチグループに迫る可能性もあります。

 

2010年 ETA問題について

ETA7750 ムーブメント

出典:https://www.eta.ch

2010年ETA問題は2002年にスウォッチグループが、グループ外へのエボーシュ(機械式時計の未完成ムーブメント)提供を段階的に停止していくと発表し、時計界の在り方を大きく変化させる切っ掛けとなった事件です。

この発言はスウォッチグループが「競合他社にわざわざムーブメントパーツを提供したくない」と思ったことが発端であり、背景にはスウオッチグループの勢いが以前と比べ衰えていたこと、リシュモングループの追い上げが驚異的であったことが挙げられます。

尚、ETAのムーブメント供給問題はグループ間だけでなく、スイスの時計産業にも密接に関係する重要事項だったため、結局部品供給の削減が認められたのは2012年のことでした。

 

関連記事:分業制からマニュファクチュールへ。スイス時計界の変遷

 

独立企業について

相関図をご覧いただくと、巨大資本に属さない独立企業が存在していることがわかります。ロレックス・パテックフィリップ・オーデマピゲといった人気ブランドに関しては単独でグループ企業にも匹敵する売上を記録しています。

特にロレックスに関しては独立企業でありながらも、売上高でLVMHを上回っているのですから驚きです。

ロレックス 独立企業

尚、独立企業はグループ内からのパーツ供給を受けることが出来ないため、大半のブランドが「マニュファクチュール」です。日本のブランドであるセイコー・シチズンも独立企業になります。

 

独立時計師アカデミーについて

世の中にはたくさんの時計ブランドがありますが、こういった企業に属さず「個人」として時計製造を行う独立時計師という存在がいます。

そして、独立時計師の中でもずば抜けた時計製造技術を持つ者だけが独立時計師アカデミーに入会することが許されるのです。

日本人独立時計師 菊野昌宏

出典:https://www.masahirokikuno.jp/press/

独立時計師は自分の名前をブランドとして掲げ、世界最高品質の時計を日々製造しています。

このアカデミーには現在数十名の独立時計師が在籍しており、世界的に有名なフィリップ・デュフォー、フランソワ・ポール・ジュルヌ、日本からは浅岡筆、菊野昌弘が在籍中です。

勿論パーツの一つ一つを自作できるような時計師でなければ独立時計師と名乗ることは出来ないので、独立時計師アカデミーに所属しているブランドは全てマニュファクチュールとなります。

 

関連記事:日本人の独立時計師特集 菊野昌宏氏と浅岡肇氏

 

まとめ

現在の時計界はスウォッチグループとリシュモングループが中心となり、そこにLVHM・フランクミュラーウォッチランド・ケリングといった他のグループやロレックス、パテックフィリップといった独立企業が加わることで構成されています。

また最近はモンブラン・タグホイヤー・ブライトリング・ルイヴィトン・ブルガリといったブランドがスマートウォッチの開発に力を注いでいます。現時点ではスマートウォッチユーザーと機械式時計ユーザーは完全に住み分けがなされており、シェアを奪い合ってはいません。しかしITの進化により数年後にはこの業界図が大幅に変わっている可能性もあります。

今後時計界がどう変化していくのか。目が離せませんね。

 

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