「チューダーは今でもロレックスの普及版なの?」
「チューダーの魅力について知りたい」
多くのファンをもつ人気ブランド「チューダー(チュードル)」。
「ロレックスに手が届かない人でもロレックスと同じパーツを使った時計が買える」チューダーはロレックスの普及版のイメージが強く、このようなイメージをもつ方も多いかと思います。
果たしてチューダーは今でもロレックスの普及版なのでしょうか。
チューダーの時計はロレックスにはない、独自の高いデザイン性で独自路線の魅力をはなっています。
この記事では人気ブランドへと成長を遂げたチューダーの魅力について、GINZA RASINスタッフ監修のもと解説します。
人気モデルの紹介もしますので、チューダーの購入をお考えの方はぜひ参考にしてください。
目次
ロレックスの廉価ブランドとして誕生したチューダー
チューダー(TUDOR)は1930年代にロレックスのディフュージョンブランドとして誕生しました。
創立者はロレックスの創始者ハンス・ウィルスドルフ氏。ディフュージョンブランドとは普及を目的とし、知名度の向上や販売の拡大の為につくられた「廉価ブランド」のことです。
当時ロレックス本社のあったイギリスでの市場拡大を目的に「一般庶民」向けに作られたブランドがチューダーでした。
チューダーというブランド名はエリザベス1世を輩出したイギリスの王家の一つ「チューダー家」にちなんだものです。誰もが知っている王家の名前をブランド名にすることで、イギリス庶民に親しまれるブランドとして定着させることが狙いでした。
この点からもチューダーがイギリスでの展開を意識したブランドということを感じ取ることができます。
思惑通りチューダーはロレックスの普及モデルとして、イギリスの一般庶民に受け入れられ、知名度をどんどん上げていきます。
素晴らしい製造技術を誇りながらも、時計製造コストが高く認知度が低かったロレックスに対して、低価格で一般庶民に親しまれたチューダー。
結果的にはチューダーが世間に認められたことで、ロレックスの認知度は急激に高まり、ロレックスは現在の「世界的に有名」なブランドとして認められるようになりました。
チューダーにはロレックスのパーツが使われている
チューダー最大の強みは低価格でありながら、文字盤やリューズ、裏蓋といった大半パーツにロレックスのパーツが使われているということです。
特に世界初の腕時計用防水ケースであるオイスターケースがチューダーにも採用されているのは大きな魅力の一つです。
また、サイズバリエーションやカラーバリエーションといった豊富なラインナップを取りそろえたブランドでもあります。チューダーはロレックスの普及モデルというイメージが強く、実際に1970年以降にロゴモチーフが薔薇から盾モチーフとなった後はロレックスの普及モデルとしての売り出し方が強くなります。
特にモデル名が同じ「サブマリーナ」は、チューダー・サブマリーナと呼ばれ、ロレックス・サブマリーナと見た目ほぼそっくりなモデルとして有名です。
左:チューダー サブマリーナ 右:ロレックス サブマリーナ
上記写真の通りロゴ以外ほぼそっくりだということが分かります。ロレックス サブマリーナと同様に青文字盤のモデルも存在します。
サブマリーナ以外にも「チューダー:レンジャー/ロレックス:エクスプローラー」「チューダー:オイスタープリンス/ロレックス:オイスターロイヤル」といったロレックスとデザインが似ているモデルがチューダーには数多くあります。外観はほぼロレックスなので、時計に詳しくない人が見ればロレックスの時計だと勘違いしてしまうかもしれません。
チューダー レンジャー
ロレックスのエクスプローラーに相当するチューダーのレンジャー。時針に「矢印針」を採用しており、丸みを帯びた個性的なデザインとなっています。コンセプト自体はエクスプローラーに限りなく近いモデルですが、デザインはレンジャーの方がカジュアルです。
チューダー クロノタイム
ロレックスのデイトナをリスペクトしたクロノグラフ「クロノタイム」。リューズと裏蓋にはロレックスの王冠マーク、文字盤には“OYSTERDATE”の表記があります。ちなみにクロノタイムは製造終了モデルではありますが、現在人気が高まってきており、価格も高騰中です。レンジャー同様、デザインはデイトナよりもカジュアルな印象を与えます。
何故チューダーは価格がリーズナブルなのか?
パーツのほとんどをロレックス製で作られているチューダーですが、なぜここまで低価格が実現できたのでしょうか。
その秘密は内部のパーツ、つまり「ムーブメント」に隠されています。
ムーブメントはスイス製ETA
出典:https://www.eta.ch
ロレックスのムーブメントはマニュファクチュールとして自社製を使っていますが、チューダーのムーブメントは他社製であるETA社製の汎用ムーブメントを使用しています。ETA社のムーブメントはオメガやパネライ、タグホイヤーといった一流メーカーで使用されているムーブメントであり、ロレックスの自社開発ムーブメントと比べても遜色のない性能のムーブメントです。
ただ、チューダーのムーブメントはETA社の最高級ムーブメントではなく「汎用ムーブメント」を使って製造コストを下げています。汎用ムーブメントとはいっても、精度自体は一定品質以上を保っており、問題なく使用することができます。
王家の薔薇をモチーフにしたデザイン
ムーブメントの差はあっても遠目から見れば非常に似ているロレックスとチューダー。
しかしながらチューダーにはロレックスにはない「チューダーローズ」「盾デザイン」のロゴが配されており、独自の存在感をもちます。
チューダーの薔薇モチーフは「チューダー・ローズ」と呼ばれ、大きい薔薇に「デカバラ」、小さい薔薇に「チビバラ」という愛称がつけられて、中には現行のロゴである「盾」と「薔薇」を交えた「盾バラ」と呼ばれるものも存在します。
主にチューダーローズは1970年以前のモデルに使われており、アンティーク時計として高い人気が高いです。
出典:https://www.tudorwatch.com/
こちらは1970年以降のモデルに配されるようになった「盾デザイン」のロゴ。
薔薇ロゴは人気がありましたが、手間のかかる立体的なデザインであったことから、より低コストで製造ができる現在の盾モチーフに変更になりました。どちらのロゴも素敵ですが、薔薇ロゴの方がやはりチューダーらしさがあります。
廉価ブランドから脱却 独自の道を歩むチューダー
モデル名までもが同じだったサブマリーナを中心に、ベンツ針やインデックス・ベゼルのデザインなどロレックスとの共通パーツが目立っていたチューダーですが、1990年代頃からロレックスの廉価ブランドとしてではなく「ひとつのブランド」として独自の道を開拓し始めます。
2015年には初となる完全自社開発ムーブメント「MT5601」を発表。2016年のバーゼルワールドではケースの材質に”銅”を採用した「ヘリテージ・ブラックベイ・ブロンズ」を発表し大きな話題を呼びました。
現在発表するチューダーの時計は一目でチューダーと判別できるほどの独自性を生み出しており、ロレックスの廉価ブランドからの脱却に見事に成功しています。
2018年10月にはチューダーの勢いを象徴する出来事が起こりました。
それは日本初となる正規店を構えたことです。
これまでチューダーは日本に正規店がなく、購入するためには並行輸入品を探すしかありませんでした。しかし、正規店が出来たことにより、知名度、ステータス性もこれまでとは比べ物にならないほど向上しています。
もはやロレックスの廉価ブランドなどとは、決して呼べません。
チューダーならではの特徴①「イカ針」
上の写真は独自路線へ進むキッカケとなった1969年製チューダー サブマリーナ。それまではロレックスの廉価版であることばかりが目立っていましたが、このモデルで「イカ針」を採用することによりチューダーならではの個性を演出します。
イカの形に見える時針、ペンシル形の分針。通称イカ針と呼ばれるチューダー独自の針はロレックスにはない魅力があります。
近年のチューダーはこのイカ針デザインを大切にしており、新たなるフラッグシップモデルである”ブラックベイシリーズ”にも採用されました。
まさに「イカ針」はチューダーの象徴ともいえる存在。1970年代にサブマリーナで使用されて以降、チューダーファンに長く愛され続けています。
チューダーならではの特徴② カジュアルなデザイン
ロレックスは金属ベルトを使った実用性重視のモデルが基本ですが、チューダーは革ベルトやラバーベルトを配したカジュアルデザインの時計も多く発売しています。
針や文字盤色もロレックスに比べ豊富なバリエーションが用意されており、ロレックスとは違う時計選びを楽しむことができます。
チューダー グラマーデイト
36mmの小柄なケースに白をベースとした清潔感のあるデザインが人気のモデル。
ロレックスにはない針のデザインと、シンプルな盾のモチーフにチューダー独自の魅力を感じることができます。
チューダー ファストライダー
2015年に発売されたバイクメーカー「ドゥカティ」とのコラボモデルのファストライダー。ダイヤルカラーに黄色・赤・緑の3色が用意されており、ロレックスにはないポップさを前面に押し出した個性的なデザインです。
細かな違いからロレックスとの差別化を始めたチューダーですが、近年は1970年以前の「チューダーローズ」の復刻モデルを発表したり、ロレックスにはないポップなデザインを強調するなど、ロレックスとは異なるデザインの時計を次々と発表しています。
ロレックスの廉価版だった時代から脱却し、チューダーは「独自のデザイン性」をもつブランドとして地位を確立したといえるでしょう。
チューダーならではの特徴③ 自社ムーブメント「MT5601」
出典:https://www.tudorwatch.com/
2015年に開発されたチューダー初の自社製ムーブメント「MT5601」。
「MT5601」のMTは「MANUFACTURE TUDOR」の略で、自社開発の証です。特徴は70時間パワーリザーブで、他社の高級ムーブメントに引けをとらない持続時間を誇ります。温度変化や磁力の影響を受けないヒゲゼンマイや、安定性の高いダブルブリッジを採用するなど細かな項目でも高品質を証明しており、スイスクロノメーターの認定を受けています。
さすがに本家ロレックスのムーブと比較すると一歩劣りはしますが、同価格帯のモデルを見渡してもこれ程までの優れたムーブメントはなかなかお目にかかれません。
チューダー 日本進出後の国内評価
2018年に正規店がオープンしてからというもの、チューダーの人気は加速的に上がっています。
なぜこれほどまでにチューダーが支持されているのかというと、往年のダイバーズウォッチの復刻「ブラックベイ」が上手に復刻トレンドに乗っているからです。
昨今の時計業界において復刻デザインの時計は注目の的です。
カルティエやタグホイヤー、ブライトリングやオメガなど、近年復刻モデルの展開に力を入れているブランドは多く、それに伴い復刻デザインの時計が最近のトレンドになっています。
チューダーの定番「ブラックベイ」も初期のチューダーの復刻モデルに該当するため、この時計界の流れが人気沸騰の追い風となりました。
新作のブラックベイ 58やGMT搭載機は定価を超えるプレミア相場となっており、その評価の高さは10年前とは比較になりません。
また、2019年にはラグビーワールドカップのオフィシャルタイムキーパーを務め、チューダーの評価はさらに高まります。
ニュージーランド代表オールブラックスとのコラボレーションモデルを発表するなど、ロレックスに依存しない独自のブランディングを展開し、その人気を確固たるモノとします。
その人気の高さは当店の売上にも数字として現れており、2018年の日本進出以来、売れているブランド上位15位以内にずっとランクインしています。
売上高ではブライトリングやグランドセイコー、ゼニス等の人気商品を抜いており、もはやロレックスの廉価ブランドというイメージは一切ありません。
2019年9月には銀座ブティックもOPENし、一流ブランドとしてのステータス性もより顕著なものに。
時を同じくして、コロナ禍の中でアジア市場をターゲットとした「ロイヤル」も同時リリースし、こちらも時計ファンから大きな注目を集めています。
芸能人の愛用者も増えており、お笑い芸人の徳井義実さんや俳優竹野内豊さん、サッカー選手デビッド・ベッカムさんなど、著名人からの支持も絶大です。
このように、チューダーは今まさに全盛期真っ只中!
落ち着くどころか、今後ますます人気と評価を高めていくことでしょう。
今買いたいチューダー人気モデル
チューダーにはサブマリーナ、クロノタイムといった人気モデルが多数存在していますが、一番人気は現行モデルである「ヘリテージブラックベイ」です。今回はヘリテージブラックベイの中でも話題の3商品、近年発売されたモデル「ノースフラッグ」 「ペラゴス」、さらには根強い人気のある「プリンスデイト」「クロノタイム」、そして期待の新作「ロイヤル」をご紹介します。
ヘリテージブラックベイ 79220シリーズ
素材:ステンレススティール
ケースサイズ:直径 41.0mm
全重量:173g
バリエーション:ブラック/ブルー/レッド/各種レザーベルト
ムーブメント:Cal.2824
パワーリザーブ:38時間
防水性能:200m
新品並行相場:40万円台後半~
現行チューダーの一番人気モデル「ヘリテージブラックベイ」。79220は薔薇ロゴを配した記念すべき一作目であり、新作が発売された後においても圧倒的な人気を持ちます。バリエーションも豊富なので、好きなデザインを選ぶ楽しみもあります。
ヘリテージブラックベイ 79230シリーズ
素材:ステンレススティール
ケースサイズ:直径 41.0mm
全重量:183g
バリエーション:ブラック/ブルー/レッド/各種レザーベルト
ムーブメント:Cal.MT5601
パワーリザーブ:70時間
防水性能:200m
新品並行相場:30万円台前半
2016年に発売された”ヘリテージブラックベイ”の最新モデル。チューダーローズのロゴを使用していた79220シリーズに対して、79230シリーズは従来通りの「盾」のデザインを使用しています。また、79230シリーズには自社ムーブメント「MT5601」が採用され、パワーリザーブが38時間から70時間にパワーアップしています。
チューダー ヘリテージ ブラックベイ GMT 79830RB
素材:ステンレススティール
ケースサイズ:直径 41.0mm
全重量:186g
バリエーション:レザーベルト/ナイロンストラップ
ムーブメント:Cal.MT5652
パワーリザーブ:70時間
防水性能:200m
新品並行相場:40万円台後半
2018年バーゼルワールドにて発表されたブラックベイシリーズ待望の新作。ロレックス GMTマスターの特徴である赤青ベゼルにチューダー独自のイカ針を配したモデルです。
ヘリテージブラックベイ 79250BM
素材:ブロンズ
ケースサイズ:直径 43.0mm
全重量:116g
バリエーション:ナイロンストラップ
ムーブメント:Cal.MT5601
パワーリザーブ:70時間
防水性能:200m
新品並行相場:40万円前後
2016年に発売された”ヘリテージブラックベイ ブロンズ”。ブロンズケースと呼ばれる「銅」をケースに採用したモデルです。有名ブランドがブロンズケースの時計を作ることは珍しく、希少価値のある時計として人気があります。搭載ムーブメントには79230シリーズと同じく「MT5601」を採用。性能面でも高い評価を得ています。
ノースフラッグ 91210N
素材:ステンレススティール×セラミック
ケースサイズ:直径 40.0mm
全重量:162g
バリエーション:ストラップ
ムーブメント:Cal.MT5621
パワーリザーブ:70時間
防水性能:100m
新品並行相場:35万円前後
2015年に発売された極寒の地を進む「冒険家」の為のモデル。耐久性を重視したこのモデルは40mmほどの視認性の高いケースにステンレスとセラミックのダブル素材で作られた耐久性の高いケースが最大の魅力です。100m防水でもあり、過酷な環境に耐えるタフネスを持つチューダーの人気モデルです。裏スケであることも見逃せないポイント!
チューダー ペラゴス 25600TN
素材:チタン
ケースサイズ:直径 42.0mm
全重量:146g
バリエーション:ブルー
ムーブメント:Cal.MT5621
パワーリザーブ:70時間
防水性能:500m
新品並行相場:35万円前後
イカ針を搭載したサブマリーナ、通称「イカサブ」をリニューアルしたモデル。ケース素材にチタンが使われており、ムーブメントは自社製「Cal.MT5621」が採用されています。1960年代に生まれたオリジナルイカサブの雰囲気を現代的にアレンジしてつくられたこのモデルは、レトロ感を楽しみつつも身につけやすい一本として人気です。ケース径は少し大きめの42mmとなっています。
チューダー サブマリーナ 79190
素材:ステンレススティール
ケースサイズ:直径 40.0mm
全重量:116g
バリエーション:ブルー/ブラック
ムーブメント:自動巻き
パワーリザーブ:38時間
防水性能:200m
中古相場:個体の状態次第
チューダー サブマリーナはブラックベイシリーズの元となったモデルです。製造終了モデルではありますが、優れたコストパフォーマンスから未だに需要が尽きません。ベーシックなブラックも人気ですが、ロレックスにはないステンレスケースの青サブが特に人気です。また、女性向けの小さいサイズのサブマリーナ「ミニサブ」も存在します。
チューダー クロノタイム 792××系シリーズ
素材:ステンレススティール
ケースサイズ:直径 40.0mm
全重量:139g
バリエーション:ブラック/シルバー/ブルーなど
ムーブメント:自動巻き
パワーリザーブ:38時間
防水性能:100m
中古相場:個体の状態次第
現行のチューダーはブラックベイに人気が集中していますが、製造終了モデルにおいては、この「クロノタイム」と「サブマリーナ」が注目を浴びています。ここ数年で価値が急騰しており5年前は50万円だった個体が今は100万円以上するなど、非常に高い人気を博しています。文字盤の色や装飾のバリエーションが豊富なのも魅力です。
チューダー ロイヤルシリーズ
素材:ステンレススティール
ケースサイズ:直径28mm、38mm、41mm
全重量:-
バリエーション:ブラック/ブルー/シルバー
ムーブメント:38mm Cal.T601 / 41mm Cal.T603
パワーリザーブ:38時間
防水性能:100m
定価:28mm233,200円、38mm245,300円、41mm250,800円(全て税込)
ロイヤルはチューダーの次世代機として期待の集まる新作モデルです。
アジアの一部地域のみで販売されていましたが、全世界で販売されることとなりました。
全体的にレトロでクラシカルな雰囲気を持ち、今流行りのラグジュアリースポーツウォッチ、通称ラグスポを連想させるデザインです。
28mm、38mm、41mmの3サイズがあるため、男女問わずご愛用いただけます。
出典:https://www.tudorwatch.com/ja/watches/tudor-royal/m28600-0005
ダイアルは放射線状に広がるサンレイ仕上げ。ブラックやシルバーといった文字盤バリエーションもありますが、一番人気はブルーです。
頑強な316Lステンレススチールケースを採用し、防水性能も100mと非常に高いスペックを有します。
41mmのモデルには、12時位置に曜日表示機能が搭載されています。
定価も20万円台とかなりお得なプライスとなっているので、初めての機械式時計としてもオススメです。
まとめ
ロレックスの廉価ブランドとして歴史を歩んできた「チューダー」。
見た目ではロレックスと違いが分からない時計が多く、ただ安く買えることがチューダーの魅力だと思われてた時代もありました。しかし、イギリスらしい薔薇のモチーフを使ったアンティーク時計やロレックスにはない独自のデザイン性を高めたチューダーの時計は、次第にロレックスの廉価ブランドから独自のブランドとして認められていきました。
ロレックスから脱却をした近年のチューダーは”ヘリテージブラックベイ”や自社ムーブメントを製造するなど、さらなる独自路線を歩み始め、新たなファン層を獲得しています。独自路線に進んでもリーズナブルな価格で高品質な時計を提供するチューダーは今後の動向に目が離せない注目のブランドであることに間違いありません。
この記事を監修してくれた時計博士
新美貴之(にいみ たかゆき)
(一社)日本時計輸入協会認定 CWC ウォッチコーディネーター
高級時計専門店GINZA RASIN 店舗営業部 部長
1975年生まれ 愛知県出身。
大学卒業後、時計専門店に入社。ロレックス専門店にて販売、仕入れに携わる。 その後、並行輸入商品の幅広い商品の取り扱いや正規代理店での責任者経験。
時計業界歴24年