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Watches and Wonders Geneva 2024 現地から速報!, WEBマガジン, カルティエ, シャネル, ショパール, チューダー, パテックフィリップ, ロレックス, 現地から速報!バーゼルワールド2020レポート, 田中拓郎

【2021年】時計業界の新作発表は完全オンラインへ~Watches & Wonders,ロレックス,パテックフィリップ等~

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2020年、世界を未曾有の自体に陥れた新型コロナウイルスは、私たちのあらゆる生活にパラダイムシフトを強いました。

時計業界も言うに及ばず。例えばそう、伝統的な新作見本市の廃止。そして見本市のデジタルプラットフォーム化。

もっとも、これは2020年一回きりの暫定的な措置であると言った見方も大きかったでしょう。

しかしながら旧SIHHにあたるWatches & Wonders Geneveの公式より、2021年についての見解が発表されました。曰く、「2021年新作見本市は、完全オンライン化する」と。また、ウブロやブルガリ,ゼニスが年明け早々のオンライン・プレスリリースについて詳細声明を出しています。

この記事では、時計業界の2021年新作発表についての詳報をお伝え致します。

バーゼルワールド SIHH WPHH

 

Watches & Wonders Geneve、2021年新作発表は完全オンラインへ

2021年4月7日(水)~13日(火)の一週間、スイス ジュネーブで開催が予定されていたWatches & Wonders Geneve。しかしながらこの度、2021年の同展示会は完全オンライン化する旨が公にされることとなりました。

詳細は下記の通りです。

 

①Watches & Wonders Geneveとは?

Watches & Wonders Geneveの前身はSIHH(Salon International Haute Horlogerie)。通称ジュネーブサロンと呼ばれてきた高級時計の新作見本市です。SIHHにはカルティエを始めとするリシュモングループ,グッチやユリスナルダン、ジラールペルゴを傘下に加えるケリンググループ,その他独立系ブランドが参画してきました。

もともと世界最大の時計・宝飾の新作見本市バーゼルワールドからリシュモングループが離脱したことで1991年にスタートしたSIHHですが、同見本市の目玉であったオーデマピゲ,リシャールミル等が離れていったこと。「高い展示料を支払ってまで大型見本市に参加するくらいなら、独自見本市やオンライン上でのデジタル見本市を開催」する風潮が多くのブランドに浸透したことなどから、2019年、再編を意図してWatches & Wonders Geneveへと名称が変更されました。

 

②2020年からオンライン化へ

SIHHからの再編を余儀なくされたとは言え、Watches & Wonders Geneveの開催場所は従来のSIHH同様。ジュネーブ・コアントラン国際空港に隣接するコンベンションセンター「Palexpo(パレクスポ)」が予定されていました。

しかしながら冒頭でも述べたように、今や新型コロナウイルス(COVID-19)は世界中で猛威を振るっています。むしろ欧州での深刻度は増すばかり。

この新型ウイルスの脅威は、何よりもその感染力です。そのためわが国でも「3密(密閉・密集・密接)」を避ける生活様式が求められています。

「かつての盛況はなくなった」などと言われてきた時計業界の各種新作見本市ですが、それでもSIHHの参加者は例年約1万5000人超。商談の場であることを鑑みると、かなりの密が予想されますね。

 

※バーゼルワールドの10万人と比較すると少ないように感じるかもしれませんが、SIHHは長らく完全招待制であったことが関係しています。2017年より最終日のみ一般公開が導入されることとなりました。

 

そこで2020年、4月に開催が予定されていたWatches & Wonders Geneveは、中止となるのでは、と叫ばれていました。しかしながら実際は、時計業界初となるデジタルプラットフォームで予定通り開催される運びとなります

さらに言うと、この試みは成功を遂げています。

元来、「高級時計のオンライン販売は難しい」と言われてきました。
時計という性質上、そして価格的な面でも、実際に肉眼で見て装飾や仕上げを確認することが重要視されていたためです。

しかしながら高度な撮影テクノロジーや動画メディアの一般化により、この課題は解決されつつあります。実物と、画像や動画とで、見た目に大きな乖離がなくなってきたのです

 

こういった時代背景もあり、Watches & Wonders Geneve 2020のオンライン見本市は、概ね高評価を獲得しました。実際、市場に出回る新作と見本市でのそれとの印象は、ほぼ同一で素晴らしいものばかりであったことを付け加えておきます。

IWC ポルトギーゼ オートマティック40 IW358304 新品

※IWCの2020年新作ポルトギーゼ オートマチック

 

とは言え冒頭でもご紹介したように、見本市のオンライン化は暫定的なものであると誰もが信じていました。事実、Watches & Wondersは同年9月、経済が持ち直してきた中国 上海でデジタルではないリアル見本市を開催しました。

 

しかしながら新型コロナウイルスの収束に目処は立っておらず。恐らく2021年4月に大きな改善は見られないとして、完全オンライン化の決定が下されたのでしょう。

 

ちなみに、ただ2020年のデジタル見本市を踏襲するわけではないようです。

2021年はライブチャットやストリーミング機能等、よりユーザーにとってユーザビリティの高い機能が導入され、臨場感溢れるイベントとして楽しめるとのこと。つまり、2021年も我々時計愛好家は、変わらず時計ブランドの魅力的な新作を楽しめるということですね!

なお、Watches & Wondersは2022年以降の見本市についても言及しています。曰く、2022年からはデジタルではなく、伝統的な形態へとシフトしていくと。

今後の動向を追っていきたいと思います。

 

③【1月30日追記】2021年Watches & Wonders 開催概要

2021年度のWatches & Wondersについて、詳細が発表されました。期間については前述の通りですが、約40の参加ブランドが判明しています。

そのブランド群とは、以下の通りです(一部抜粋・順不同)。

パテックフィリップ
ロレックス
チューダー
シャネル
ショパール
エルメス
H.モーザー
ノモス
オリス
クロノスイス
モーリスラクロア
カルティエ
ヴァシュロンコンスタンタン
ランゲ&ゾーネ
IWC
パネライ
ジャガールクルト
ロジェデュブイ
ボーム&メルシエ
ピアジェ
モンブラン
ユリスナルダン
ウブロ
タグホイヤー
ゼニス
ブルガリ
ルイヴィトン

 

もともとリシュモングループが中心となっていたため、カルティエやパネライ,IWCのジャガールクルトといったブランドの参加は言わずもがな。バーゼルワールドで特別な存在感を放っていたパテックフィリップ,ロレックス,チューダー,ショパール,シャネルも参画が決定しています。

さらにリシュモン系列の見本市への参加は不明と言われていたLVMHグループのウブロやゼニス,タグホイヤーも名を連ねることとなりました(ただし後述しますが、独自見本市が既に1月に開催されています)。

 

さらにWatches & Wondersから、もう一つの続報が入っております。

4月7日~13日のデジタル見本市後、中国 上海に場所を変えて、約15のブランドとともに、見本市を開催すると言うのです。

昨年9月、実はデジタルのみならず、やはり上海で見本市が開催されていました。この上海開催の成功を受けて、2021年も同地での敢行が決定したようです。

確かに中国はコロナ禍においても、比較的早い段階で経済を持ち直しました。新型コロナウイルスの再拡大が叫ばれているものの、その状況は各国に比べるとまだ緩やかと言われています。

繰り返しになりますが、新型コロナウイルスは未知のウイルス。そのため今後どのように情勢が変化するかはわかりませんが、Watches & Wondersではロレックスやチューダー,ショパールを中心とした約15のブランドで開催を決めているとのこと。

場所は西岸芸術中心(West Bund Art Center)。近年、上海の中でもアートゾーンとして栄える西岸地区に位置する展示施設です。

完全招待制が採られ、メディアや業者を中心とした商談の場になるのでしょう。

また続報が入り次第、お伝えしていきたいと思います!

 

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ロレックス,パテックフィリップ,オメガ等の他ブランドは2021年新作をどう発表するのか?

ロレックス

SIHHと並んで―いや、それ以上に大規模かつ100年の伝統を持っていたバーゼルワールド。

近年、櫛の歯が欠けたように参加ブランドが離脱していき、ついに新型コロナウイルスに追い討ちをかけられる形で廃止される運びとなりました。

 

※バーゼルワールドの名前は消滅しましたが、運営団体のMCHグループは後継イベントとなる「HOURUNIVERS(アワーユニバース)」として再起を図っています。

 

そんなバーゼルワールドの中心的存在であった、ロレックスやパテックフィリップ,オメガを始めとしたスウォッチグループはどのような新作見本市を開催していくこととなるのでしょうか。

 

①ロレックス,パテックフィリップらのWatches & Wonders Geneve参画

バーゼルワールドに引導を渡したと言っても過言ではないロレックスとパテックフィリップ。この二社が長らくバーゼルワールドの目玉であったためです。

2020年4月に離脱を表明したロレックス,弟分のチューダー,パテックフィリップは、シャネル及びショパールとともに独自見本市の開催を決定していました。

しかも、長らく平行線の関係にあったSIHH(現Watches & Wonders Geneve)を足並みを揃える形で。

 

当初は独立イベントとして開催するようでしたが、2021年はWatches & Wonders Geneveに参加することが判明しました。つまりこれまで1月と3月に分かれがちだった各社の新作を、4月の1週間で一挙に楽しめるというわけですね!

 

とりわけ2020年、ロレックスは9月に新作発表をシフトさせましたが、この盛り上がりは相も変わらずでした。今なお新作サブマリーナの国内実勢相場は、きわめて高値を記録しています。

ユーザーや関係者としては、コロナ禍において、この協業に賛同する声が少なくないでしょう。

 

②スウォッチグループの動向

気になるのが、時計業界で大きな存在感を示すオメガやブレゲ,ハリーウィンストン等が属するスウォッチグループ。当巨大コングロマリットの新作発表はどのようにして行われるのでしょうか。

2021年に関してはまだ発表がありません。しかしながらスウォッチグループは、ここ1~2年ほどで独自見本市を展開してきました。

バーゼルワールド SIHH

2018年、まずバーゼルワールド離脱の先陣となった同グループは、翌年からTime to Moveを開始しました。これはスウォッチグループ全ブランドが参加するものではなく、限定的な開催ではありました。しかしながらオメガのアニバーサリー(スピードマスター月面着陸50周年)が重なったことなどから大成功。

多くの時計メディアが大きく取り上げたものです。

2020年は新型コロナウイルスの影響で中止となりましたが、今後も独自路線を突き進むことが予想されます。

 

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なお、「中止」とは言え、各社が独自で大々的に新作発表を行ったことも2020年の同グループの動向です。

例年ほど数は多くはなかったものの、オメガは基幹モデルのスピードマスター プロフェッショナルに復刻させたCal.321を搭載させ、ブレゲは超絶複雑機構「ダブルトゥールビヨン」のオープンワークモデルをリリース。特筆すべき新作が打ち出されることとなりました。

2021年も、さらに新作への期待で胸躍るブランドを多数抱えていると言えるでしょう。

 

 

【12月10日追記】LVMHグループのウブロ,ブルガリ,ゼニスは1月に新作発表

バーゼルワールドに最後まで残っていたLVMHグループも、実は2020年1月にアラブ首長国連邦で「ドバイ・ウォッチ・ウィーク」を開催しました。

ドバイの画像

まだこの当時は新型コロナウイルスの影響がそこまで甚大ではなかったため、リアルイベントとして開催。さらにブルガリが所有するブルガリホテル&リゾート ドバイで華々しくショーが催されたことから、引き続き2021年の動向も大きな注目度を集めています。

 

そして12月初頭、LVMHからついに2021年についての言及が行われました。

曰く、1月25日にオンライン上でウブロ・ゼニス・ブルガリの新作プレスリリースを行う、と。なお、ここにタグホイヤーは含まれていないようです。

リシュモングループやロレックス,パテックフィリップのように、LVMHもまたリアルでのイベント開催は見送ったようです。まだ1月では依然として新型コロナウイルスの影響は大きいことが予測されており、当然と言えばそうかもしれませんね。

しかしながらLVMHは2020年8月にブルガリ主催の「ジュネーブ・ウォッチ・デイズ」が企画されるなど意欲的に独自のプロモーションを進めており、2021年も引き続き開催へと向かうのではと考えられます。

こちらも、詳報が入り次第お伝えしていきたいと思います!

 

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まとめ

時計業界の2021年新作動向について解説いたしました。

当記事を更新している2021年1月30日現在、新型コロナウイルスは今なお世界で猛威を振るっています。

わが国でも都市部を中心に緊急事態宣言が発令されており、今後の予測を立てるのは大変困難な状況が続きます。

そんな中でも、時計業界で各社が新作発表を続々リリースさせています。

LVMHグループのウブロ,ゼニス,ブルガリを筆頭に、今年創業140周年を迎えるセイコーが渾身のモデルを打ち出してきました。社会情勢によって見本市は変遷していくこととなるでしょうが、各社の新作を今年も楽しみに待ちたいですね!

文:鶴岡

 

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この記事を監修してくれた時計博士

田中拓郎(たなか たくろう)

高級時計専門店GINZA RASIN 取締役 兼 経営企画管理本部長
(一社)日本時計輸入協会認定 CWC ウォッチコーディネーター

当サイトの管理者。GINZA RASINのWEB、システム系全般を担当。スイスジュネーブで行われる腕時計見本市の取材なども担当している。好きなブランドはブレゲ、ランゲ&ゾーネ。時計業界歴12年

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