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2022年 ロレックスの新作を大胆予想!
例年、新作発表の場で最も注目を集めるのは、やはりロレックス。
2021年、ロレックスはチューダー,パテックフィリップ,シャネルらとともに、Watches & Wonders(旧SIHH。リシュモン系のカルティエ,IWC,パネライ,ジャガールクルトらが参画する新作見本市)にて、新型エクスプローラーIやエクスプローラーII,デイトジャスト等を発表しました。世界的にコロナ禍が続く中での新作発表とはなったものの、例年通りきわめて高い注目を集めていたことをご存知の方も多いでしょう。
2022年、ロレックスの新作発表は3月30日~。
2022年もロレックス新作発表が、多くの時計愛好家・業界人の耳目を集めるであろうことは決まっている、と断言して良いですね。
そんな万人の胸躍らせる新作発表。2022年はロレックスから、どのようなモデルがリリースされるのでしょうか。
この記事では、2020年に先駆けて、ロレックスの新作を大胆予想いたします!
【2022年3月30日】ロレックスの新作が発表されました!
速報!2022年ロレックス新作モデルを発表!by Watches & Wonders Geneve
2022年ロレックス新作予想①エクスプローラーII コンビ(イエローロレゾール)モデルの登場
【新作予想】スポーツロレックスで唯一コンビのないエクスプローラーIIに当該モデルが加わる!
2021年、ロレックスの人気プロフェッショナルモデル(いわゆるスポーツロレックス)・エクスプローラーIおよびIIで、モデルチェンジが行われました。
いずれも既存デザインは踏襲されたものの、ムーブメントにCal.3200系を採用。
このムーブメントは、1980年代から長らくロレックスの信頼性を下支えしてきた名機Cal.3100系を、さらにスペックアップした最新世代です。「約70時間のロングパワーリザーブ獲得」「エネルギー効率や巻き上げ効率の向上(効率アップがロングパワーリザーブの実現に至った)」などといった進化を果たし、またロレックスは実用時計の最高峰としての実力を誇示することとなりました。
なお、「デザインは踏襲された」と申しましたが、2021年新型エクスプローラーIではステンレススティール×イエローゴールドのコンビモデルが新たにラインナップに加わることとなりました。
↑2021年新作エクスプローラー124273(画像出典:https://www.rolex.com/ja)
ちなみにこのコンビを、ロレックスではロレゾールと呼びます。
ロレックスの造語となり、最高品質904Lステンレススティールと18Kゴールドを組み合わせた外装を指しています。ゴールドのカラーによって「イエローロレゾール」とか「エバーローズロレゾール」とか呼ぶこととなります。
エクスプローラーIに124273が登場したことで、スポーツロレックスでコンビが存在しないのは、エクスプローラーII,ミルガウス,エアキングのみとなりました。
そこでエクスプローラーIIにも、コンビ―しかもイエローロレゾール―が一年越しで登場する、と予想します!!!
型番にすると、226573、でしょうか。
※イエローロレゾールモデルは型番末尾に「3」が付くため。ちなみに末尾「1」がエバーローズロレゾール,「2」がロレジウム(SS×プラチナムのコンビ)。
エクスプローラーはその名の通り、探検家の使用を想定した、堅牢かつどんな状況下においても優れた視認性を発揮するスポーツウォッチです。
そのため「エクスプローラーにコンビモデルは、コンセプトにそぐわないのでは」といった声もあろうかとは思います。
しかしながらヴィンテージと呼ばれる個体まで遡ると、エクスプローラーの名前でイエローゴールド素材が採用された事例があるようです。
そして何より124273の華やかなデザインが、とにかくユーザーの心をわしづかんだことから、今後のロレゾール人気はステンレススティールモデルと並んで手堅いものになっていくと予測されます。
ついては、エクスプローラーIIでもコンビモデルが登場することで、ファン層をいっそう拡大していけるのではないでしょうか。
↑2021年新作エクスプローラーII 226570
エクスプローラーIIは、既に24時間針にヴィヴィッドなオレンジがアクセントとして採用されています。
上記の予想画像でもおわかり頂けるように、華やかなイエローゴールドとの相性はかなりよさげですよね。
ぜひエクスプローラーIIにも、新世界の展開を見せて頂きたいところです!
2022年ロレックス新作予想②デイトナ コンビ(エバーローズロレゾール)モデルの登場
【新作予想】デイトナにエバーローズゴールド×SSのコンビモデルが登場/文字盤はサンダスト&インデックスダイヤも登場!?
次に予想する2022年新作ロレックスは、デイトナから!
2023年はデイトナ誕生60周年。すなわち2022年、その来るべきアニバーサリーの前夜祭ということで、デイトナ初となるエバーローズゴールドとステンレススティールのコンビモデルが大胆発表されるのでは、と予想致します!!
みんな大好きデイトナは、1963年生誕とロレックス公式では発表されています。
なお、ロレックスのクロノグラフモデルは1950年代に遡ることができます。しかしながら1962年にアメリカ フロリダ州のデイトナ・インターナショナル・スピードウェイのオフィシャルタイムキーパーに同社が就任したことを契機にモデル名に「デイトナ」が加わったため、1963年誕生が公的な歴史となっているのでしょう。
そんなデイトナはスポーツロレックスの中では珍しく、素材や文字盤バリエーションが豊富なことも大きな特徴であり魅力です。
素材にはベーシックなステンレススティールモデルの他、イエローゴールドやホワイトゴールド,あるいはプラチナ等を。また文字盤もシャンパンにチョコレートブラウン,稀少なメテオライトといった、デイトジャストと遜色ないバリエーションが伝統的にラインナップされてきました。
しかしながらコンビだけは、イエローロレゾールのみ。
そこで、近年とても人気の高い、エバ―ローズゴールド×ステンレススティールのコンビネーションとなる、エバーローズロレゾールが新たに2022年に発表されるのでは、と予想します!
ローズゴールドは、カラーゴールドの中でも赤みを帯びたものを指し、さながらバラのような上品さを湛えます。
一方この赤みを出すために銅を含有しているため、変色しやすいという弱点を抱えています。
そこでロレックスでは独自配合によって、このローズゴールドの弱点を改良。合金にプラチナを含有させることで、変色に強いローズゴールドを生み出すことに成功しました。ロレックスはこの独自カラーゴールドを「エバーローズゴールド(永遠のローズゴールド)」と名付け、特許を取得しています。
このエバーローズゴールドモデルは2005年に発表されるやいなや、たちまち大人気に。
プラチナを含有しているがゆえか優しい赤みを発色しており、デイデイトやデイトジャストといったクラシックラインからヨットマスターにスカイドゥエラー,GMTマスターIIなどといったスポーツラインまで、幅広く採用される素材になりました。
デイトナではこのエバーローズゴールドが、2008年から採用されました。
2008年当時のモデルはRef.116505。ケース・ベゼル・ブレスレット全てがエバ―ローズゴールドで構成されており、そのラグジュアリーな存在感が金無垢ロレックスの中でも圧倒的な人気を獲得するのに、時間はかかりませんでした。
その3年後の2011年にはオイスターフレックス(ロレックス独自の堅牢なラバーストラップ)搭載エバ―ローズゴールドデイトナ 116515LNが登場。
そして2022年には、ついに待望のエバーローズロレゾールが来るのではないか、と・・・!
実際、「全て金無垢だと重量が気になる」「予算に限りがある」などといった理由から、エバーローズロレゾール・デイトナを期待する声は根強かったように思います。もしコンビモデルが新たにリリースされれば―型番は116501でしょうか―、ステンレススティールと並ぶ人気モデルに君臨することは必至。
既にご存知の方も多いように、近年のロレックス相場は過去類を見ないような高値を見せていますが、中でも凄まじいまでの高騰を続けているのがデイトナです。
歴代デイトナ―素材やデザイン問わず―ほとんど全てが高騰していると言って過言ではありませんが、中でもステンレススティールモデルに次ぐ人気機種がエバーローズゴールドモデル。より扱いやすいコンビモデルともなれば、その相場は、あるいは現行ステンレススティールの116500LNを凌ぐやもしれません。
なお、新作デイトナとくればその文字盤も気になるところですね。
【新作予想】2021年新作でいっそうの輝きを放ったサンダスト&インデックスダイヤ文字盤が登場!?
冒頭でご紹介したベーシックなホワイト,あるいはブラック等の他、2021年にエバーローズゴールド・デイトナ 116515LNで新色として追加された、サンダスト文字盤が採用されるのでは、とさらに予想します!!
サンダストとは、シルバーがかった光沢をもつピンクカラー文字盤です。
もともとはデイトジャストやデイデイト等で見受けられたバリエーションですが、2021年には116515LNに追加されることとなりました。
このサンダストの風合いがまた、エバ―ローズゴールドの優しい美しさと相まって最高にラグジュアリー!!
2021年には116515LNにバゲットカット・ダイヤモンドインデックス,インダイアルがサンダスト×文字盤ブラック,さらにオールブラック文字盤にインデックス8ポイントダイヤ,メテオライトの四種が追加される形となりましたが、チョコレートブラウンやアイボリーも捨てがたいですね。
デイトナの新作を思うと、例年夢が広がります。
2022年ロレックス新作予想③新型ミルガウスの登場
【新作予想】ミルガウス Ref.126400LN 回転ベゼル搭載/初代Ref.6541の復刻
皆さんは覚えているでしょうか。バーゼルワールド2019前夜、ロレックスのSNSに頻繁にミルガウスが登場していたことを・・・
例年ロレックスは新作発表前に、新作のヒントともとれる画像を流すことがあります。2019年はヨットマスター42 Ref.226659が、2020年はサブマリーナ ノンデイト 124060が,そして2021年はエクスプローラーII 226570が、ティザームービー(シークレット要素の高いプロモーション動画のこと)でチラ見せされていたものです。
このティザームービーとは別に、2019年の1月か2月頃から、何度もロレックスのインスタグラムにミルガウスが投稿されていました。
ロレックスはSNSにも、その年の新作発表のヒントとも取れる画像を流すことが往々にしてあります。
そこで、「バーゼルワールド2019ではミルガウスが出る!!」と当店でも強く主張していたのですが、ミルガウスに変化は一切なく、そのままレギュラーモデルとして続投しております。
ROLEX (@rolex) • Instagram photos and videos
しかし、デイトジャストなどロレックスにとっての「推し」を抑えて、ミルガウスをあえてバーゼルワールド前に流す意図とは・・・?
そこで、2019年初頭のこの動きは翌年以降に向けての伏線で、2022年の今年こそ新型ミルガウスが登場すると予想いたします(もっとも、例年言っておりますが)!!
とは言えどう変わるか予想しづらいのがミルガウス。
と言うのも、過去ミルガウスは個性的なモデルばかりで、「王道」というものがありません。
ただ、昨年頻繁に投稿していたミルガウス画像の中で、1950年代後半に初号機として誕生したRef.6541がありました。
詳しくご紹介いたします。
2022年新作は初代復刻!?
先ほどミルガウスは予測しづらい、と言及しましたが、実はミルガウスは「シリーズ」といった様相を呈していません。
もともと「1000ガウス(仏語:ミルガウス)」の耐磁性能を持ち、医師や研究職、エンジニアなどと言った「高い磁力」にさらされる可能性のある職業人に向けて開発された経緯があります。
今でこそ携帯電話やパソコンがあるため耐磁性能は時計には大切な機能。結構多いです、故障の原因が磁気帯びであった、ということ。
ただ、当時はそこまで電化製品は普及しておらず、イマイチ誰得かわからない的な立ち位置で、1980年代に入ると完全にロレックスのラインナップから姿を消すこととなりました。
しかしながら時代が変わり、耐磁性能へのニーズが高まったことを受けて、2007年、約20年ぶりにミルガウスの名前が復活しました。それが現行の116400GVです。
従来のどのロレックスのデザインとも全く異なる意匠―グリーンのサファイアクリスタルガラス、オレンジのイナズマ秒針など―が大受け。1980年代までの不人気から一転、ミルガウスは有用性の高さも相まって、人気モデルの中心へと上り詰めました。
これに合わせてアンティークミルガウスがプレミア相場を叩き出します。
初代ミルガウス(画像出典:https://www.rolex.com/ja/watches/milgauss/m116400gv-0001/magazine.html)
そんな背景があるため、どのようなミルガウスになるかはハッキリとはわかりません。
しかしながら前述のように初号機Ref.6541が投稿されていたことを鑑みると、そのリバイバルが来るのではないでしょうか。
Ref.6541は現行のスムースベゼルと異なり、回転ベゼルを有していました。そのため、近年の主流であるセラミックベゼルが採用される可能性が高いと言えるでしょう。
文字盤はスタイリッシュなブラック。秒針は先端の赤い白いイナズマ針。そして、ヴィンテージミルガウスを彷彿とさせる赤いロゴ印字・・・想像しただけでカッコイイです!アンティーク・ロレックスファン垂涎です!!
なお、そうなるとムーブメントも3200番台に移行でしょう。
ミルガウスはロレックス唯一の耐磁モデルであるため、ムーブメントも特別仕様のCal.3131。すると、3231へとシフトしていくことでしょう。
かなり待ち遠しい新作のうちの一つです。
ミルガウスがモデルチェンジ…であればエアキングの存続はいかに?
なお、ミルガウスがモデルチェンジになれば、それに伴いエアキング 116900の行方も気になるところ。
と言うのも、エアキング 116900は2016年に誕生していますが、ミルガウスと同様のムーブメントCal.3131を使用しているためです。「パイロットウォッチ」という立ち位置からミルガウスと同じように高い耐磁性能が求められたためでしょう。
エアキング自体の歴史は1940年代から始まっていました。
もともとはオイスターパーペチュアルの中の派生モデルでしたが、「航空業界へのオマージュ」というコンセプトでエアキングの名前が生み出され、これはロレックス最古のペットネーム(商品の愛称のこと。文字盤に表記され、ロレックス内での正式なモデル名となったのはエアキングがロレックス史上初)でもあります。
出典:https://www.rolex.com/ja
しかしながら2016年にリリースされた現行116900はオイスターパーペチュアルからは独立し、プロフェッショナルモデル(デイトナやGMTマスターII等と同様のスポーツモデルのこと)に分類されるようになりました。
また、他モデルとは全く異なる文字盤デザインが特徴的ですが、これはロレックスがイギリス発の速度記録専用自動車「ブラッドハウンドSSC」の開発プロジェクトの、スポンサードの一環として現行エアキング 116900をリリースした背景に拠るものです。
こういった「スペシャルエディション」的な立ち位置から、あるいはCal.3131の廃盤とともにエアキングが完全に生産終了となる可能性も…!
もっとも、「エアキング」の名前が完全に消えるとは信じられません。
確かに2015年、唐突にエアキングがロレックスカタログから姿を消しましたが、2016年に116900がリリースされたことで、再びレギュラー陣として返り咲くこととなりました。
そのため、さらに特別なオマージュモデルを用意しているのかもしれません。
ロレックスの秘密主義と相まって、期待で胸が高まるモデルの一つですね!
2022年ロレックス新作予想④ヨットマスターにメテオライト文字盤が登場
【新作予想】Ref.126655およびRef.226659にメテオライト文字盤追加!
近年のロレックスの新作発表のトピックとして欠かせないのが、メテオライト文字盤の復活ではないでしょうか。
メテオライトとは英語で「隕石」のこと。
宇宙空間から突如として地球に振ってきたこの隕石は、古来よりパワーストーンとして親しまれてきました。
このメテオライトを文字盤素材として採用するブランドはいくつか存在しますが、その代表格はロレックスでしょう。2003年に発表されたデイトナMETEOを筆頭に、デイデイトやデイトジャストに搭載させており。ベーシックな金属製とも、またシェルなどとも異なるその質感は、ロレックスウォッチを特別な存在へと昇華することとなりました。
さらにメテオライト、隕石だけあり高い稀少性もまた特徴となります。
天然鉱物であること。また収穫には制約があることから、メテオライト文字盤の量産は難しいとされてきました。事実、市場での流通は豊富とは言えません。
しかしながらロレックスは近年、現行モデルでメテオライト文字盤の復刻を行っています。
2019年にはGMTマスターIIで126719BLROとして、さらに2021年にはデイトナ 116505,116519LNなどでメテオライト文字盤をバリエーションに追加しました。
そこでデイトナに続き、ヨットマスターでもメテオライト文字盤が来るのではないか、と予想します!!
ヨットマスターはスポーツロレックスの中でも、「ヨットクルージングを楽しみながら」着用することを想定した、ラグジュアリーなコレクションです。
初出は1992年とロレックスの中では後発ですが、「必ず素材にゴールドまたはプラチナを用いる」「エンボス加工されて立体感を伴ったベゼルのメモリ」などの特別感が、時計愛好家の所有欲を満たしてきました。
ヨットマスターもまた、歴史的に素材使いや文字盤バリエーションが多岐に渡っています。
このヨットマスターの文字盤に、メテオライト・・・合わないはずがありません。
対象機は、みんな大好きエバ―ローズゴールド製126655,そして2019年、ヨットマスター初となるホワイトゴールド&ケースサイズ42mmとして堂々リリースされた226659と予想致します。
とりわけ226659は、デイトナ 116519LNに通じるスポーティーさを備えており、メテオライトの精悍な表情とよくマッチするのではないでしょうか。
なお、メテオライトは独特な模様を醸し出していますが、これはウィドマンシュテッテンと呼ばれる特殊構造を有するため。ウィドマンシュテッテン構造は鉄隕石の断面で確認できる結晶構造となり、これによってメテオライトらしいデザインを獲得しています。
天然ものであるため、二つとして同じものはなく、また現状では人工生成できないという点も、所有欲をくすぐりますね。
ちなみにGMTマスターII 126719BLRO メテオライトの定価は4,626,600円,デイトナ 116519LN メテオライトは3,880,800円,116505は4,976,400円となっております(全て税込)。
通常モデルと比べると8~9%程度、高価格帯に設定されていますね。ヨットマスターでもメテオライト文字盤リリースとなれば、ハイプライス設定が予測されます。
現行メテオライト文字盤、「高くても欲しい」というマインドから実勢相場は青天井の状態です。ただでさえ品薄続きのロレックス、2022年もメテオライト文字盤が憧れの的となることは間違いないでしょう。
2022年ロレックス新作予想⑤チェリーニにもメテオライト文字盤の登場
【新作予想】ベーシックな3針モデルでメテオライト文字盤のみ復活!?
デイトナやサブマリーナ,エクスプローラーといったスポーツウォッチとも違う。デイトジャストやデイデイトのようなポピュラーなクラシックラインでもない。
そんな異色にして通好みな存在がチェリーニです。
とは言えその歴史は非常に古く、初めてチェリーニの名が出たのは1920年代まで遡ることができます。
イタリア・ルネッサンス期の彫金・彫刻家として知られる「ベンヴェヌート・チェッリーニ氏」の美しい作品を志向して、チェリーニ プリンスが誕生しました。ちなみにこの初代チェリーニは、2000年代にリバイバルされています。
多くのスポーツモデルが1950年代~60年代の初出であることを鑑みれば、いかに歴史あるモデルかということが垣間見えますね。
※リバイバル後のチェリーニ プリンス
その後、今ほどシリーズとして体系立ってはいなかったものの、「チェリーニ ダナオス」「チェリーニ チェリニウム」などの名作の数々が同名コレクションから輩出されていきました。
そして2014年、このチェリーニにフルモデルチェンジが敢行されます。
それが現行チェリーニです。
「クラシシズムと不変のエレガンス」なるコンセプトのもと、ドレスウォッチとしてラインナップ。
ロレックスのアイデンティティでもあるオイスターケースを有しておらず、そのため優美かつ薄型フォルムの外装は50m防水に(もっともドレスウォッチとしては十分な日常生活防水と言えますが)。
また、センターセコンドの3針+デイト窓といった機能がスタンダードなロレックスですが、チェリーニはデイト無しやポインターデイト搭載機,あるいはムーンフェイズといったクラシカル寄りの機構が採用されていることも特徴です。
なお、このチェリーニ、ムーンフェイズ以外は2021年に生産終了になるといった話もあります。
まだロレックスのホームページにはラインナップされていますが、2021年8月の定価改定では特に定価変更されていなかったため、いずれカタログ落ちとなってしまうやもしれません。
しかしながらロレックスの王道クラシックウォッチであるチェリーニ、完全廃盤になるのではなく、ハイエンドとしてメテオライト文字盤が出ることをここに予想させて頂きます!
前項のヨットマスターでもお伝えしたように、メテオライトは隕石のこと。
実はチェリーニのムーンフェイズ部分には、このメテオライトが使われています。
全面にきたメテオライト文字盤・・・クラシカルなチェリーニに、特別感が付加されることとなり、ファン層を拡大していくのではないでしょうか。
完全廃盤になるのではなく、ぜひロレックスの中の特別な存在として息づいていってほしいものです。
2022年ロレックス新作予想⑥デイデイトにステラ文字盤のようなカラーが登場
【新作予想】オイスターパーペチュアルの成功を受けてデイデイトでステラ文字盤をリバイバル!?
ステラダイアル・ステラ文字盤をご存知でしょうか。
ステラ、すなわち星を意味するこの文字盤は、1970年代、中東市場向けにロレックスが製造していたデイデイトのバリエーションの一種です。
もともとデイデイトは1956年に発表されました。
「デイデイト」とは日付・曜日を同時表示する機能に由来しますが、その実態はロレックス屈指のハイエンドライン。
外装素材はゴールドまたはプラチナのみとなり、プレジデントブレスレットと相まって、とにかくラグジュアリーな腕時計として完成されています。
ちなみにロレックスは前述の通り、ムーブメントを3100番台から3200番台へと移行しています。この先駆けとなったのは、バーゼルワールド2015で発表されたデイデイトでした。
デイデイトは50年以上に渡る歴史の中で、非常に多岐に渡るバリエーションを展開してきました。そのターゲットは、王侯貴族や国家の要人,あるいは経営者に大企業の役職者であったことでしょう。
そしてターゲットの代表として、中東顧客が挙げられます。
ロレックスは1960年代頃から貴石や稀少なストーン,鉱物を用いたデイデイトを生産しましたが、ステラ文字盤もまたそんなモデルのうちの一つです。
製造年は1970年代。
ステラ文字盤は、ハードエナメルによってレッドやブルー,グリーンといった様々なカラーリングとなっていることが特徴です。まさに星のように目立ち、鮮烈な発色をするといった意味合いで名付けられたのでしょう。
ちなみにステラ文字盤は「ポールニューマン」「ルートビア」などといったようにファンが付けたニックネームではなく、ロレックス自身による製品名であったことも大きな特徴です。
このステラ文字盤はエナメルということもあり、非常に手間をかけて高価格帯で販売されることとなりました。まさに中東の、オイルマネーで潤うリッチマンらのための時計であったわけですね。
一方で派手すぎたせいか、販売は決して好調ではなかったようです。確かにデイデイトであまりに奇抜なデザインはニーズとして薄かったのかもしれません。
そのため製造期間は短く、またロレックスが回収してしまったのか、現在市場でステラ文字盤はほとんど見かけません。
しかしながら2020年、このステラ文字盤を彷彿とさせるバリエーションが、オイスターパーペチュアルに追加されました。
出典:https://www.rolex.com/ja
グリーンにイエロー,コーラルレッド、さらにはターコイズブルーといった新作の数々は、ファンを大いに驚かせました。
オイスターパーペチュアルも比較的カラーバリエーションが多いコレクションではあったものの、ここまでカラフルなラインナップは未だなかったためです。
しかも、この新色オイスターパーペチュアルが大ヒット。
オイスターパーペチュアルはデイトジャストの廉価版として誕生しましたが、現在その実勢相場は定価超えのプレミア価格に。とりわけティファニーブルーやコーラルレッド等の、これまでに全く見られなかったような色合いが人気のようです。
この大成功を受けて、かつてのステラ文字盤を彷彿とさせるカラーリングがデイデイトに復活するのでは、と予想致しました!
現在は好みや価値観が多岐に渡っているため、こういったバリエーション豊かな色合いへの要請が高まっているとも感じます。
もし復活したら、オイスターパーペチュアル並みの人気になるかも!?
まとめ
2022年、ロレックスが発表するであろう新作モデルを、一足お先に予想してみました!
エクスプローラーII50周年を迎えたコンビモデル,デイトナ待望のエバーローズロレゾールモデル,いよいよミルガウスのリバイバル…
現在、私たちの胸を躍らせるラインナップは、今後どのように進化していくのか、目が離せませんね。
なお、冒頭でも述べたように、2022年のロレックス新作発表はまだ決まっておりませんが、恐らく春が見込まれます。社会情勢によってはまた変わってくるでしょうが、新しい情報が入り次第、おってご報告いたします!
文:鶴岡
この記事を監修してくれた時計博士



池田裕之(いけだ ひろゆき)
(一社)日本時計輸入協会認定 CWC ウォッチコーディネーター
高級時計専門店GINZA RASIN 銀座中央通り店(超ロレックス専門館) 店長
39歳 熊本県出身
19歳で上京し、22歳で某ブランド販売店に勤務。 同社の時計フロア勤務期に、高級ブランド腕時計の魅力とその奥深さに感銘を受ける。しばらくは腕時計販売で実績を積み、29歳で腕時計専門店へ転職を決意。銀座ラシンに入社後は時計専門店のスタッフとして販売・買取・仕入れを経験。そして2018年8月、ロレックス専門店オープン時に店長へ就任。時計業界歴18年