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WEBマガジン, 新美貴之, ミドルクラスのモデル特集, パネライ

人気のパネライ15傑。30代、40代のエリートビジネスマンに選ばれる時計

最終更新日:

「30代、40代のエリートビジネスマンに人気のパネライにはどんな種類があるの?」
「パネライの人気モデルや魅力が知りたい」

熱狂的なパネライ愛好家―パネリスティ―は、国内でも少なくありません。

パネライの持つタフさや男らしさ、一目で「パネライの時計着けてる!」とわかるアイコニックなデザインなどは本当に魅力的です。

特に現在30代・40代以上の方は、パネライが牽引してきた「デカ厚ブーム」の真っただ中にいたため、ファン層が厚いことで有名ですね。

しかし一方で、どれも似た顔で見分けがつかない、どれを選んでいいかわからないという声も・・・

アイコニックとは言っても、実はパネライは膨大な数のモデルが存在することも原因でしょう。

30代・40代のエリートビジネスマンに選ばれている、パネライの人気モデルや魅力が知りたいという人は多いのではないでしょうか。

パネライの大きな魅力は、イタリア生まれの洗練されたデザインに上手く時代のテイストを取り入れていることでしょう。

この記事では30代・40代のエリートビジネスマンに選ばれる、パネライの人気モデル15本をGINZA RASINの売上データをもとに紹介します。

選び方やパネライに関する疑問の回答についても解説しますので、パネライに詳しくなりたい方はぜひ参考にしてください。

パネライ
※掲載する定価・相場は2023年1月現在のものとなります。

 

パネライの選び方

人気モデルをご紹介する前に、大まかなパネライの選び方をご説明致します。

まず、パネライのシリーズは大きく分けて「ラジオミール」「ルミノール」の二種類のみ。

これはケース形状によって分けられるもので、最も特徴的なことは「リューズプロテクタ―の有無」となります。
独特の「ロックレバー式リューズプロテクタ―」が搭載されたシリーズがルミノール、無いものがラジオミールです。

パネライ ルミノール ラジオミール

左:ルミノール/右:ラジオミール

ルミノールの方がいかにもパネライといった印象ですが、最初にパネライ史に名前が登場したのはラジオミール。
ラジオミールはクッションシェイプに大きすぎず厚すぎないクラシカルテイストで、ラインナップは革ベルトのみ。

一方ルミノールはスポーティーなテイストが強調されており、リューズプロテクタ―を始めとした、ダイナミックな外装が大きな特徴です。

また、ルミノールは派生シリーズが豊富となります。

 

■9時位置にスモールセコンドを持つルミノールマリーナ
■ステンレスまたはチタンで作られクロノグラフを搭載させたルミノールクロノ
■パワーリザーブインジケーターを持つルミノールパワーリザーブ
■特大ダイバーズウォッチのルミノールサブマーシブル(2019年から「サブマーシブル」の独立コレクションへ移行)
■厚さわずか10.5mmとスタイリッシュなルミノール ドゥエ

 

などなど、ざっと挙げただけでもたくさんの派生型を持つのです。

 

また、長年のベースデザインに大きな変化はないものの、より立体感と高級感が増した新型ルミノール「ルミノール1950」、ラジオミールとルミノールの良いとこ取りをした「ラジオミール1940」をラインナップ。

パネライ ルミノール ラジオミール

↑新型ケースのルミノール1950/ラジオミール1940

 

このシリーズの中から、ケースサイズや素材、ストラップなどを選んでいきます。

あまりにも大きすぎる時計はちょっと・・・という方もいらっしゃいます。
そんな方々に向けてルミノール1950、ラジオミール1940で42mmサイズがラインナップされているので、スーツの袖口から除く程度の大きさに収まります。好みによってサイズを選ぶというのも、腕時計の醍醐味ですね。

パネライ ラジオミール

左:42mmサイズのラジオミール1940/右:47mmサイズのラジオミール1936

 

また、2018年よりパネライ発となる38mmサイズがルミノール ドゥエから新登場。

ルミノール ドゥエ自体が上品な薄型時計のため、ビジネススーツにもとても映えますね。

もちろんただインパクトがあるだけではない、洗練されたデザイン性を有するのがパネライ時計の特徴であり魅力です。
小さくまとまらない「いかにも!」な男らしいパネライ時計は、むしろこの年代の方々にビシっと決めてほしいものです。

 

30代、40代のエリートビジネスマンに人気のパネライ時計

それではここからが本題です。今人気のパネライは一体どのモデルなのか?

当店GINZA RASINで、最も売れている順にご紹介をさせて頂きます。

 

①パネライ ルミノールマリーナ 1950 3DAYS PAM01312

パネライ ルミノール マリーナ 1950 3DAYS オートマティック アッチャイオ PAM01312

【材質】ステンレススティール
【ケースサイズ】44mm
【文字盤】黒
【ムーブメント】自動巻きP.9010
【防水性】300m
【機能】2針、スモールセコンド、日付窓

現在、当店で人気ナンバーワンのパネライと言えばコレ!ルミノール マリーナを現代ケースにおさめた一本です。

例年パネライの中では圧倒的に売れており、不動のナンバーワンの立ち位置です。

 

そんなPAM01312がどのようなモデルかと言うと、ルミノール1950の中の1モデルです。

ルミノール1950はルミノールが誕生した1950年代当時のモデルへのオマージュであり、そしてパネライのハイエンドコレクションとして製造されたモデルで、立体感・高級感がひとしお。「傑作」という言葉がふさわしい出来栄えです。

ディテールがより洗練されたことはもちろん、従来のルミノールマリーナと異なり日付の拡大鏡がなくなったことも大きな特徴となります。

また、新たにリューズガードに記されたREG.T.M.のロゴは、Registered Trade Markの略で、パネライのリューズガードが特許を取得していることを意味します。

ケースサイズは44mmとパネライらしくダイナミックな一方で、搭載されるムーブメントは薄型のP.9010。そのためケース厚は15.6mm程度。肉厚といったほどではなく、上品なです。

 

なお、PAM01312は2020年にマイナーチェンジを経ています。

デザインは大きく変わりませんが、旧型がシースルーバックであったことに対し、新型はソリッドバックへと変更になっております。

パネライ PAM01312

※旧型のPAM01312

 

また、旧型は夜光がベージュであったことに対して、新型はグリーンに。

パネライ ルミノール マリーナ 1950 3DAYS オートマティック アッチャイオ PAM01312

※新型のPAM01312

 

どちらも比較的よく流通しており、スペックは変わりませんので、お好きな方を選びたいところですね。

 

定価は1,091,200円(税込)ですが、新品並行相場は90万円台後半~、中古であれば状態にもよりますが70万円台~で手に入れることが可能です。

 

②パネライ ルミノール GMT PAM00088

パネライ ルミノールGMT PAM00088

【材質】ステンレススティール
【ケースサイズ】44mm
【文字盤】黒
【ムーブメント】自動巻きOP VIII
【防水性】300m
【機能】2針、スモールセコンド、日付窓、GMT

2番目に人気のあるパネライは、GMT機能を搭載したPAM00088です!

現在は生産終了しているものの昔ながらのパネライとして根強い人気を誇っており、例年人気ランキングのような集計を行うと、2番目か3番目にきます。直近一年間では、PAM01312とほぼ同率の売上本数を誇りました。

 

GMT(Greenwich Mean Time)はグリニッジ標準時ですが、腕時計では自分が住んでいるホームタイムとは別の時間帯を文字盤上で確認できる機能で用いられます。ロレックスのGMTマスターなんかは定番ですよね。

こちらのPAM00088はGMT針によって第二時間帯を表す、個性的なデザインを持つモデルです。

昔ながらのルミノールケースにデイトのサイクロップレンズ、また独創的な文字盤が、現行モデルにはないレトロな雰囲気となっております。

パネライのGMT機能搭載モデルは存在感が格別です!

 

ルミノール GMT PAM00088

文字盤外周に記された24時間スケールや、9時位置のスモールセコンドがどこか計器然としている一方で、長短針とGMT針の調和がきちんととれているため、GMTにありがちな「見づらさ」は一掃。軍用時計に端を発する、パネライらしい視認性と機能性が最優先されたGMTと言えるでしょう。

インデックス・針のディテールに夜光がしっかり塗布されているのも、パネライらしい心遣いですね。

中古市場での平均相場は大体50万円台半ば~となっておりますが、その人気から品薄傾向にあります。

 

③パネライ ルミノール パワーリザーブ PAM00090

パネライ ルミノール パワーリザーブ PAM00090

【材質】ステンレススティール
【ケースサイズ】44mm
【文字盤】黒
【ムーブメント】自動巻きOP-IX
【防水性】300m
【機能】2針、スモールセコンド、日付窓、パワーリザーブインジケーター

現行モデルではないものの、「ルミノールパワーリザーブ」の第二世代として長年愛され続けてきたこと。そしてムーブメントにバルジュー7750-P1ベースのOP-IXを搭載していることから、中古市場で絶大な人気を誇るのがこちらのPAM00090です。

シンプルなのに大迫力なデザイン性もさることながら、パワーリザーブインジケーターが搭載されていることがこのシリーズの魅力の秘訣。残りのゼンマイの持続時間や、どの程度ゼンマイをフル巻きできたかわかることはとても便利ですよね。

パネライは全ての多機能モデルで文字盤バランスが称賛されますが、PAM00090の文字盤デザインもまた秀逸なことに言及しなくてはなりません。

ルミノールマリーナ PAM00090

パネライは多機能であっても各インジケーターを絶妙に配置することで、パネライ本来の視認性やシンプルなデザインを上手に表現しており、パネライのデザイン性の高さをこういった面でも十二分に感じさせられます。

こちらも中古市場からお探し頂くこととなりますが、2001年頃~2017年頃までの製造とロングセラー。そのため流通量が豊富なことも相まって、平均相場としては50万円台~と、手に入れやすい価格帯となっております。

 

ちなみに、2017年に後継機として誕生したPAM01090も人気が高いので、一緒にご紹介いたします。

 

④パネライ ルミノール パワーリザーブ PAM01090

ルミノールパワーリザーブ PAM01090

【材質】ステンレススティール
【ケースサイズ】44mm
【文字盤】黒
【ムーブメント】自動巻きOP XXXII
【防水性】300m
【機能】2針、スモールセコンド、日付窓、パワーリザーブインジケーター

PAM00090で愛され続けたデザインはそのままに、パワーリザーブメーターの最大値が50時間にパワーアップしています。

迫力のある44mmケースサイズを採用、ムーブメントに優れた精度を誇る「自動巻きOP-IX」を搭載していることはPAM01090においても変わりありません。

こちらは定価で976,800円(税込)、中古相場は60万円台後半〜で販売されています。

新旧で特にこだわりがない方は、スペックアップしたPAM01090を選ぶのも手です。

 

⑤パネライ ルミノールマリーナ PAM00104

パネライ ルミノールマリーナ PAM00104

【材質】ステンレススティール
【ケースサイズ】44mm
【文字盤】黒
【ムーブメント】自動巻きOP III
【防水性】300m
【機能】2針、スモールセコンド、日付窓

パネライ売れ筋ランキングを行うと例年トップ10入りする実力者が、こちらのPAM00104です!ちなみに2017年に後継機にあたるPAM01104がリリースされていますが、前世代のこちらの方が売上本数では先鞭をつけています。

ルミノール1950系とは異なり昔ながらのデカ厚ボリュームが、「This is the パネライ!」といった層から支持されているのでしょう。

ルミノールマリーナ PAM00104

ルミノールマリーナは9時位置にスモールセコンドを持ち、かつ3時位置の拡大鏡をつけたデイト窓が特徴的な一大コレクションです。

ベゼル・ケース・リューズガード全てにポリッシュ仕上げを施し、優美なスタイリングに仕上がっているため、どことなく品格が漂うことも人気の秘訣でしょう。

 

なお、搭載するムーブメントは薄型P9010系ではなく、昔ながらのOP III。そのためケース厚は約15.5mmと、ガッシリとしたデカ厚を堅持しています。

生産終了から5年以上経過する今なお中古市場で流通量が豊富ですので、比較的見つけやすい一本と言えます。相場も50万円台~と比較的お値打ちです。

 

⑥ルミノール マリーナ1950 PAM01392

ルミノールマリーナ 1950 PAM01312

【材質】ステンレススティール
【ケースサイズ】42mm
【文字盤】黒
【ムーブメント】自動巻きP.9010
【防水性】300m
【機能】2針、スモールセコンド、日付窓

次にご紹介するのは、第一位のPAM01312のデザインを踏襲しつつも、42mmへと小径化したPAM01392です!

パネライのダイナミックなケースは魅力の一つですが、42mmのベーシックなサイズ感になることで、よりファン層を広げたと言えるのではないでしょうか。もちろんルミノール1950由来のスポーティーなケースデザインは変わりませんので、目立たないとか地味すぎるなどといったことはありません。

ケース厚は13mm程度と、PAM01312よりもやはり薄くなっていることも、特筆すべき点です。

 

なお、PAM01392もまたマイナーチェンジによって、夜光の色合いと裏蓋仕様が変わりました。

パネライ ルミノール マリーナ 1950 3デイズ オートマティック アッチャイオ PAM01392

左が旧型・右が新型です。

これまたスペックは変わりませんので、好みで選びたいところですね。

ただしパネライ含むリシュモングループは近年新品の並行輸入市場への流通が減少してきており、入荷が難しい状況となっております。

中古でああれば70万円台~(新型や年式の新しいモデルだと80万円台~)と比較的お値打ちな一方で「いつもある時計」というわけではないので、欲しい方は見つけた時に買っておきましょう!

 

⑦パネライ ルミノール 1950 3DAYS GMT パワーリザーブ PAM01321

パネライ ルミノール 1950 3DAYS GMT パワーリザーブ オートマティック アッチャイオ PAM01321

【材質】ステンレススティール
【ケースサイズ】44mm
【文字盤】黒
【ムーブメント】自動巻きP.9002
【防水性】300m
【機能】2針、スモールセコンド、日付窓、パワーリザーブインジケーター、GMT

スモールセコンドから始まりパワーリザーブインジケーターやGMTと多彩な機能を持ちながらも、スッキリとシンプルにまとまった一本がこちらのPAM01321です。

多機能性は30代・40代以上の働き盛りのビジネスマンには有用ですが、他メーカーの多機能モデルだと視認性やビジネスにふさわしいデザイン性がイマイチかも・・・といった悩みをお持ちの方もいらっしゃったでしょう。

その点、こちらのPAM01321は、バランスよくシンプルに各インジケーターが配置されたことで、きわめて高い視認性と端正な顔立ちを獲得したモデルと言えます。

ルミノール GMT PAM01321

44mmとサイズは大きめですが、薄型自動巻きムーブメントP.9002を搭載していること。加えて、新型ケースルミノール1950の立体感や高級感が、この年代にふさわしい風格を漂わせています。

 

人気のGMT搭載モデルと言うこともあり、定価は1,306,800円(税込)、新品並行相場も100万円超。中古であっても80万円台~と若干お高め。

だからこそ若い頃からこのモデルを所有している方は少なく、30代・40代以上の男性陣が着けこなしたいハイエンドラインと言えます。

 

⑧パネライ ルミノールマリーナ PAM00048

ルミノールマリーナ

【材質】ステンレススティール
【ケースサイズ】40mm
【文字盤】黒
【ムーブメント】自動巻きOP III
【防水性】300m
【機能】2針、スモールセコンド、日付窓

パネライを語る時、しばしばボリューミーなケースが取りざたされます。

でも、実は40mmサイズのモデルもあるってご存知でしょうか?しかも、近年の路線拡充の一環、というわけではなく、約20年ほど前からパネライのラインナップを飾るロングセラーの中の一つです。

そのモデルは、ルミノールマリーナ PAM00048です!非常にシンプルで、ビジネススーツの袖口から控えめな存在感を放ちます。

ルミノールマリーナ PAM00048

ちなみに2017年、後継機としてPAM01048に移行し、生産終了となりました。

しかしながら平均相場40万円台後半~というお値打ち感と、無駄のないエレガントなデザインから、今なおよく売れるモデルとなっております。

 

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⑨パネライ ルミノールマリーナ PAM00050

パネライ ルミノール マリーナ PAM00050

【材質】ステンレススティール
【ケースサイズ】40mm
【文字盤】黒
【ムーブメント】自動巻きOP III
【防水性】300m
【機能】2針、スモールセコンド、日付窓

メタルブレスレットを備えたスポーツウォッチが主流となる昨今においても、ラインナップを多くのストラップモデルが占めるパネライ。しかしながら、メタルブレスモデルもパネライらしさが光ります!

そんな珍しい「パネライらしさ」を存分に味わえるモデルがPAM00050です。

昔ながらのルミノールケースや9時にスモールセコンド・3時のデイトにサイクロップレンズを備えた顔立ちに、堅牢さを感じさせるブレスレットがなんともかっこいいですね。一方でケース直径は40mmとベーシックで、無骨な印象は感じさせません。

PAM00050は1999年~2011年まで製造されたモデルで、パネライにとっても「メタルブレス」「40mmサイズのケース」といった、アヴァンギャルドなモデルといった立ち位置だったのでしょう。

パネライ ルミノールマリーナ D番 PAM00050

サテン仕上げとポリッシュ仕上げがコンビネーションされたコマによって構成されるブレスレットは、高級機らしい風格を備えます。

また、重量は200g超と、ストラップタイプに比べればずっしりと重厚感を備えますが、コマがしなやかであるため装着感が悪いといったお声はあまり聞きません。

 

中古相場は状態にもよりますが、40万円台後半~。生産終了から年数を経てなお需要が止まないことから、「価格高騰するパネライ」としても囁かれております。

 

⑩パネライ ルミノールマリーナ PAM00111

パネライ ルミノール PAM00111

【材質】ステンレススティール
【ケースサイズ】44mm
【文字盤】黒
【ムーブメント】手巻きOP XI
【防水性】300m
【機能】2針、スモールセコンド

手巻きの傑作ムーブメント「ユニタス」をベースムーブメントとして搭載している、PAM00111は不朽の名作と言って良いでしょう。

ユニタスはキャリバーナンバーで言うとETA6497またはETA6498のことで、1950年頃から、懐中時計用ムーブメントとして製造されてきた歴史を有します。

パネライではユニタスをチューンアップし、「OP I」「OP II」(後にOP X,OP XIにアップデート)キャリバーとしてフラグシップのルミノールコレクションでラインナップしてきました。

パネライ ルミノール PAM00111

シースルーバックから丁寧に仕上げられたユニタスを鑑賞できるのも、このモデルならではですね。

懐中時計用とあって、腕時計にするとダイナミック。実際こちらのPAM00111も、ケース直径は44mmです。同時に、高い精度や堅牢性・信頼性を備えてきたことから、生産終了したパネライの中でも熱烈な支持を集めています。

ちなみに元女子サッカー選手日本代表の澤穂希さんが愛用していたのだとか!

 

中古相場は40万円台後半~

お求めやすい価格とは言え、いつも時計店にずらっと並んでいるといった類のモデルではありません。見つけた時に、すぐに買っておきたい一本です(多くの生産終了モデルに言えることですが)。

 

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⑪パネライ ルミノールマリーナ PAM00000

パネライ ルミノールベース ロゴ Q番 PAM00000

【材質】ステンレススティール
【ケースサイズ】44mm
【文字盤】黒
【ムーブメント】手巻きOP I
【防水性】300m
【機能】2針

同じくユタタスをベースムーブメントにした手巻きのパネライ。しかしながらこのPAM00000は、スモールセコンドやデイト窓を持たない、非常にシンプルな一本となっております。

さらに、6時位置に特徴的なロゴがご確認頂けるでしょう。このOPは、パネライがリシュモングループに加入する以前に使っていたロゴとなります。リシュモングループはかつてヴァンドームグループと称していたため、OPロゴを用いていたパネライの時期をプレヴァンドーム時代などと呼ぶことがあります。

このOPは現在でも一部のパネライに見受けられ、「ロゴ」の愛称で親しまれてきました。パネライの中でも特にクラシックで、またベーシックなモデルであることも示唆します。

パネライ ルミノールベース ロゴ Q番 PAM00000

このOPロゴをリシュモングループ加入後に復刻したのが、PAM00000でした。PAM00000の発表当時、既にPAM00001~PAM0004の型番製造していたにもかかわらず、PAM00000が与えられ当モデル。

そんな歴史も相まって、あえてシンプルかつベーシックな機構に抑えられたのでしょう。

 

中古相場は40万円台前半~

ユニタスベースでメンテナンス性が高く、年式を経てなお普段使いに適したユーズドパネライです。

 

⑫パネライ ルミノールマリーナ 1950 3DAYS PAM00312

パネライ ルミノール PAM00312

【材質】ステンレススティール
【ケースサイズ】44mm
【文字盤】黒
【ムーブメント】自動巻きP.9000
【防水性】300m
【機能】2針、スモールセコンド、日付窓

冒頭で一番人気のPAM01312をご紹介いたしましたが、その先代がこちらのPAM00312です。2009年から後継機が発表された2016年まで販売され、パネライ人気を牽引する存在として活躍してきました。

モダンでスポーティーなルミノール1950ケースにパネライらしい顔立ちは新旧で大きな違いはありませんが、PAM00312のムーブメントはP.9000です。

P.9000もまたP.9010の先代にあたり、2009年発表。これまで「パネライの自社製ムーブメント」というとハイエンドな機械が多かったものですが、P.9000はよりデイリーユースなスペックとすることで、良心的な価格設定を実現しました。3日間のパワーリザーブに高い精度と、高い性能は今も昔も変わらないと言って良いでしょう。

パネライ ルミノール PAM00312

P.9010はP.9000よりも薄型化されており、そのため先代PAM00312の方が2mmほどケースが肉厚です。とは言え、このデカ厚こそがパネライのアイデンティティの一つとも捉えられ、あえて旧型を選ぶ方も多いのではないでしょうか。

 

中古相場は50万円台前半~

現行モデルよりもお求めやすい価格となっておりますので、ご予算がある方はぜひPAM00312をご検討下さい!

 

⑬パネライ ルミノールベース PAM00112

パネライ ルミノールベース PAM00112

【材質】ステンレススティール
【ケースサイズ】44mm
【文字盤】黒
【ムーブメント】手巻きOP X
【防水性】300m
【機能】2針

またまたユニタスを搭載した、至高の手巻きパネライの登場です!

ユニタスは長年時計業界で親しまれてきた信頼性高い名機であるがゆえ、一大中古市場を築きます。経年に強く、しっかりとメンテナンスされた個体は日常使いに耐えうるため、今なお需要が高いことが背景の一つとしてあります。また、メンテナンスノウハウが出回っており、オーバーホールや修理が受けやすいといった利点もありますね。

PAM00112もまた、そんな優秀なユニタスを備えた逸品であり、かつシンプルゆえに非常に汎用性の高いモデルともなっております。

「ルミノールベース」とは、その名の通りパネライにおける最も基本なモデルです。1940年代にパネライが製造していた軍用ウォッチから範を取っており、視認性を最優先にした飾らない文字盤や堅牢さを思わせるケースフォルムは、パネライの歴史を体現しているかのようですね。

パネライ ルミノールベース PAM00112

PAM00112もまた、シースルーバックからユニタスベースの名機がご鑑賞頂けますので、機械好きにとっても特別な一本です。

 

中古相場は40万円台半ば~。稀少性が高いため、グッドコンディションであったり付属品が揃っていたりする個体は高値で売買されております。

 

⑭パネライ ルミノール サブマーシブル 1950 PAM00973

ルミノールサブマーシブル PAM00973

【材質】ステンレススティール
【ケースサイズ】42mm
【文字盤】黒
【ムーブメント】自動巻きOP XXXIV
【防水性】300m
【機能】2針、スモールセコンド、日付窓

ルミノールサブマーシブルは、1956年にパネライがエジプト海軍のために開発した、潜水特殊部隊用のダイバーズウォッチ「エジプシャン」をリバイバルしたシリーズです。

パネライは民生市場に向けて1993年頃から時計の販売を開始しましたが、それ以前は軍用時計のメーカーとして名を馳せていました。そのためルミノールマリーナを始め、パネライのほとんどのモデルは一律で堅牢なスペックを有している、という背景があります。そしてサブマーシブルは、そんな中でもさらに「潜水用」として開発された経緯があり、その上をいく屈強さを持ち合わせているのです。

 

さらに2019年にはルミノールから独立し、サブマーシブルとしての個別コレクションとなったこと。加えて47mmケースが主流だった従来モデルから、5mmもダウンサイジングしたケースが登場したことから、飛躍的に人気が高まりました。

ルミノール サブマーシブル PAM00973

ルミノールマリーナ等も300m防水とハイスペックですが、サブマーシブルはさらにインパクトのある逆回転防止ベゼル、そして大きい針やインデックスを備えたことで、よりスポーティーテイストが強くなります。

また、アイコニックなラバーベルトが付属されたことで、どのパネライとも違った独創性を獲得することとなりました。

現在は後継機のPAM02973がラインナップされたことで生産終了となりましたが、よく流通しているおかげか変わらぬ人気を誇ります。中古相場は90万円前後~と少しお高めですが、ダイバーズウォッチ由来の堅牢性を有しているため、状態の良いユーズド品が出回ります。

 

なお、同年に一緒にリリースされた、PAM00683も30代・40代の男性陣からよく選ばれているモデルですので、併せてご紹介させて頂きます。

ルミノール サブマーシブル PAM00683

こちらはベゼルにブラックセラミックを搭載させたことで、メタルベゼルとはまた違ったシックなデザインに落ち着いています。

PAM00683も後継機PAM02683へと世代交代しておりますが、出回り良好。中古相場は90万円前後~と、メタルベゼルモデルよりもハイエンドの位置づけとなります。ご予算やご自身の好みと相談して、欲しい方をご購入頂ければと思います。

 

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⑮パネライ ルミノールマリーナ PAM00049

パネライ ルミノールマリーナ PAM00049

【材質】ステンレススティール
【ケースサイズ】40mm
【文字盤】黒
【ムーブメント】自動巻きOP III
【防水性】300m
【機能】2針、スモールセコンド、日付窓

第7位でPAM00048をご紹介しましたが、こちらはそのルミノールマリーナの爽やかなホワイト文字盤です。

パネライというとブラック文字盤のイメージも強いかもしれませんが、基本はシンプルなため、様々なカラーとマッチする懐の深さを持ち合わせていると言えますね。

PAM00048だと夜光が塗布されたインデックスもブラックで、代わりにインデックス外周に夜光カプセルが備わりました。

パネライ ルミノールマリーナ PAM00049

扱いやすい40mmサイズですので、パートナーとシェアウォッチにするのもオススメです。

 

中古相場は40万円台後半~です。

 

 

Column;今更聞けない!パネライの疑問を徹底解説!

1998年のジュネーブサロンでデビューを果たし、デカ厚ブームを巻き起こしたパネライ。

ルミノールとラジオミールの2大コレクションを武器に、これまで幾つもの名作を生み出してきました。

ここではパネライに関する様々な疑問について、お答えしていきます。

 

パネライはどの国のブランド?

パネライTOP

出典:https://www.panerai.com/ja/about-panerai/history.html

パネライは1950年ごろ、イタリア フィレンツェに創業されたブランドです。

時計店から歴史をスタートさせ、軍用時計の開発を受け持ったことから、時計製造メーカーとして名を馳せました。

1997年にはヴァンドームグループ(現在のリシュモングループ)の参加に加わり、1998年に民間向け腕時計市場に参入しました。

 

なぜパネライはデカ厚なのか?

パネライ

パネライの時計がデカ厚設計で作られているのは、イタリア海軍向けの防水時計がルーツとなっているからです。

軍用時計の製造は過酷な軍事作戦にも耐える強靭さが求められます。当時のパネライはその要求に答え、独自のデカ厚ケースを生み出しました。

オリジナルモデルは47mmで製造されましたが、民間向け腕時計としては大きすぎたため、現在は44mmが基準となっています。

なお、2016年ごろからは薄型モデルの製造にも力を入れており、42mmのラインナップも充実し始めています。

 

パネライのケースにはどんな種類がある?

パネライ ルミノール

パネライに採用されている主なケース素材は「ステンレススティール」および「チタン」です。

軍用時計をルーツとするブランドであるため、堅牢性、耐久性重視の素材を採用しています。

ステンレスにチタンコーティングを施したPVD仕様も人気があり、パネライをケース素材違いで複数所持する方も多いです。

パネライ ラジオミール

また、イエローゴールドやピングゴールドを採用したモデルも展開されており、こちらはラグジュアリーな存在感を放ちます。

ゴールドをあしらったモデルはラジオミールに多く見受けられます。

 

パネライの文字盤にはどんな種類がある?

パネライは一目でパネライだとわかる特徴的なデザインが魅力です。多少の個性はあっても、パネライのアイデンティティを崩すデザインは見受けれません。

ただ、細部を見渡すと様々なバリエーションがあるのがわかります。

パネライ バリエーション

左:ホワイト(ロゴ付き) 中央:ブラック(ドット・インデックス) 右:ブルー

カラーリングにおいては定番のブラック以外にホワイト、ブラウン、ブルーなどが展開。

旧パネライロゴがあしらわれたモデルや文字盤にカーボンが採用されたモデルも存在します。

生産終了品も含むと豊富なバリエーションが展開されているので、変わり種のパネライを探してみるのも面白いと思います。

 

パネライのブレスレットにはどんな種類がある?

パネライの時計は、よく見ると複数のブレスレットが存在します。

その中でも最もメジャーなブレスレットが、リューズプロテクターのブリッジ上の形状をモチーフにした「ダブル・リンク・ブレスレット」です。

パネライ ダブル・リンク・ブレスレット

ダブル・リンク・ブレスレットはネジを使わず個々に独立しているので、手首のフィット感が抜群です。

堅牢性もあり、見た目も個性があります。

2010年代に入ってからはシンプルデザインのブレスレットが主流となり、一時姿を消していましたが、2017年以降は再びパネライの基本ブレスレットに返り咲いています。

パネライ ブレスレット シンプル

ちなみにこちらはシンプルデザインのブレスレット。パネライらしさは弱くなりますが、価格が抑えられているため、ダブル・リンク・ブレスレット採用機より相場が安めです。

普通のデザインが良いという方も多く、こちらも人気があります。

 

リューズプロテクターの役目ってなに?

ルミノールのケース3時側には特徴的なリューズプロテクターが備えられています。

このリューズプロテクターはパネライが特許を習得しているレバーロック機構をより現代的にブラッシュアップしたもので、防水性を高めると同時に時刻合わせがスピーディーに行えるようになっています。

ロックレバー式リューズプロテクター

リューズプロテクターはロックを解除すると、写真のような形に変貌を遂げ、時刻合わせが可能となります。

戦場においては1分1秒が生死を分けるため、より手短に時刻合わせが出来るよう、この機構が採用されました。

また、時計本体を衝撃から守るプロテクターとしての機能としても優れており、リューズやケースだけでなく、ムーブメントの損傷からも時計を守ります。

リューズプロテクターは、まさに軍用時計としてのタフネスを象徴とする機構です。

パネライ リューズ

 

なお、近年製造されているルミノールにはリューズプロテクターに「REG.T.M」の刻印が刻まれています。

この刻印の意味は登録商標であり、深い意味はありません。

あまりにも偽物の出回りが多かったため、コピー対策として刻印されたのでは?と推測されています。

 

パネライの時計は全て限定生産なの?

パネライ ルミノール

パネライはモデルごとに、その年に製造する本数を決めています。

大量生産することは売上の増加に繋がりますが、無闇に生産すると「時計の価値」を下げてしまうデメリットがあります。

そのため敢えてパネライは限定生産体制を取り、プレミア感を演出しています。

この手法はロレックスにおいても使われており、高級時計においては割とメジャーな戦略です。

パネライ シリアルナンバー 刻印

また、パネライのモデルには裏蓋にシリアルナンバーが刻印されています。

ナンバーの法則としては、1998年をAとし、毎年アルファベットが増えていくシステムが採用されています。

例えばDなら2001年、Kなら2008年製、Oなら2012年製です。その後に続く、「001/500」においてはその年における何番目のモデルかを表しています。

 

 

まとめ

パネライは古今を通して、デザインに大きな違いはありません。

さすがイタリア生まれのブランドと言うべきか流行に迎合することなく、しかし上手に時代時代のテイストを取り入れており、そこが一過性の人気にとらわれないパネライ魅力のうちの一つなのでしょう。

また、デザインとは裏腹に、スペックの進化は超画期的。

パネライはかつては汎用ムーブメントを搭載していましたが、近年では超ロングパワーリザーブを備えた自社ムーブの開発に積極的。

今回ご紹介したP.9010をさらにさらに薄さで上回るP.1000を開発するなど、新たな局面への挑戦の手は止みそうにありません。

まさに30代・40代の、バリバリ躍進を続ける男性陣のようなブランドが、パネライというスタンダード!

今回ご紹介した人気定番おすすめモデルの他にも、白を始めとしたカラーリング豊富な文字盤や珍しいタイプのスポーツモデルも多々ラインナップ。お気に入りのパネライに出会えることでしょう。

ロレックスやオメガとはちょっと異なる、「パネライ」という選択肢をとってみてはいかがでしょうか。

 

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この記事を監修してくれた時計博士

新美貴之(にいみ たかゆき)

(一社)日本時計輸入協会認定 CWC ウォッチコーディネーター
高級時計専門店GINZA RASIN 店舗営業部 部長

1975年生まれ 愛知県出身。
大学卒業後、時計専門店に入社。ロレックス専門店にて販売、仕入れに携わる。 その後、並行輸入商品の幅広い商品の取り扱いや正規代理店での責任者経験。
時計業界歴24年

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