パネライが好き!という男性は多いもの。
パネライの持つタフさや男らしさ、一目で「パネライの時計着けてる!」とわかるデザインアイデンティティなどは本当に魅力的です。
特に現在30代・40代の方は、パネライが牽引した「デカ厚ブーム」の真っただ中にいたため、ファン層が厚いことで有名ですね。
しかし一方で、どれも似た顔で見分けがつかない、どれを選んでいいかわからないという声も・・・
似ていると言っても、実はパネライは膨大な数のモデルが存在することも原因でしょう。
そこで今回は、東京 銀座に店を構えるGINZA RASINの売上本数を基に、当店屈指のパネライ好き―パネリスティ―が30代・40代のビジネスマンにおすすめしたいモデルを15本選んでみました!
また、同時にパネリスティがぜひともチェックしておきたい、「パネライに関する疑問」を掲載のうえ、回答しております。
ロレックスやオメガなどの「王道」もいいけれど、30代・40代の男たちにとってはパネライもまた格別!イタリアンブランドならではの洗練されたデカ顔で、大人の男を演出しましょう。
※掲載する定価・相場は2021年6月現在のものとなります。
パネライの選び方
厳選モデルをご紹介する前に、大まかなパネライの選び方をご説明致します。
まず、パネライのシリーズは大きく分けて「ラジオミール」「ルミノール」の二種類のみ。
これはケース形状によって分けられるもので、最も特徴的なことは「リューズプロテクタ―の有無」となります。
独特の「ロックレバー式リューズプロテクタ―」が搭載されたシリーズがルミノール、無いものがラジオミールです。
左:ルミノール/右:ラジオミール
ルミノールの方がいかにもパネライといった印象ですが、最初にパネライウォッチとして生まれたのはラジオミール。
ラジオミールはクッションシェイプに大きすぎず厚すぎないクラシカルテイストで、ラインナップは革ベルトのみ。
一方ルミノールはスポーティーをウリにしており、リューズプロテクタ―を始め厚めのガッシリした外装が大きな特徴です。
また、ルミノールは派生シリーズが豊富となります。
■9時位置にスモールセコンドを持つルミノールマリーナ
■ステンレスまたはチタンで作られクロノグラフを搭載させたルミノールクロノ
■パワーリザーブインジケーターを持つルミノールパワーリザーブ
■特大ダイバーズウォッチのルミノールサブマーシブル(2019年から「サブマーシブル」の独立コレクションへ移行)
■厚さわずか10.5mmとスタイリッシュなルミノール ドゥエ
などなど、ざっと挙げただけでもたくさんの派生型を持つのです。
また、長年のベースデザインに大きな変化はないものの、近年ではより立体感と高級感が増した新型ルミノール「ルミノール1950」、ラジオミールとルミノールの良いとこ取りをした「ラジオミール1940」をラインナップ。
↑新型ケースのルミノール1950/ラジオミール1940
このシリーズの中から、ケースサイズや素材、ストラップなどを選んでいきます。
あまりにも大きすぎる時計はちょっと・・・という方もいらっしゃいます。
そんな方々に向けてルミノール1950、ラジオミール1940で42mmサイズがラインナップされているので、スーツの袖口から除く程度の大きさに収まります。
左:42mmサイズのラジオミール1940/右:47mmサイズのラジオミール1936
また、2018年よりパネライ発となる38mmサイズがルミノール ドゥエから新登場。
ルミノール ドゥエ自体が上品な薄型時計のため、30代、40代ともなってある程度の地位の方が身に着けていてもとても映えますね。
もちろんただインパクトがあるだけではない、イタリアンブランドならではの洗練されたデザイン性を有するのがパネライ時計の特徴であり魅力です。
小さくまとまらない「いかにも!」な男らしいパネライ時計は、むしろこの年代の方々にビシっと決めてほしいものです。
30代、40代のエリートビジネスマンに選ばれるパネライ時計
それではここからが本題です。今人気のパネライは一体どのモデルなのか?
ご紹介をさせて頂きます。
①パネライ ルミノールマリーナ 1950 3DAYS PAM01312



【材質】ステンレススティール
【ケースサイズ】44mm
【文字盤】黒
【ムーブメント】自動巻きP.9010
【防水性】300m
【機能】2針、スモールセコンド、日付窓
現在、当店で人気ナンバーワンのパネライと言えばコレ!ルミノール マリーナを新型ケースにおさめた一本です。
2位以下と売上本数では二倍以上の差をつけており、圧倒的な需要を誇ります。
そんなPAM01312がどのようなモデルかと言うと、ルミノール1950の中の1モデルです。
ルミノール1950はルミノールが誕生した1950年代当時のモデルへのオマージュであり、そしてパネライのハイエンドコレクションとして製造されたモデルで、立体感・高級感がひとしお。「傑作」という言葉がふさわしい出来栄えです。
ディテールがより洗練されたことはもちろん、従来のルミノールマリーナと異なり日付の拡大鏡がなくなったことも大きな特徴。
また、新たにリューズガードに記されたREG.T.M.のロゴは、Registered Trade Markの略で、パネライのリューズガードが特許を取得していることを意味します。
なお、新型ケースは裏蓋がシースルーとなっていることもメカ好きの多い男性にはたまらない進化ですね。ちなみに搭載されるムーブメントは自社製P.9010で、きわめて薄く上品な設計となっており、パネライの新境地を感じさせる一本です。
「ハイエンドライン」のため定価は946,000円(税込)ですが、並行輸入店であれば80万円前後~で手に入れることが可能です。
一方でこれまでのパネライには無かった新たな高級感は、30代・40代のビジネスマンこそ着けこなせるように思います。
②パネライ ルミノール1950 3DAYS PAM01359



【材質】ステンレススティール
【ケースサイズ】44mm
【文字盤】黒
【ムーブメント】自動巻きP.9010
【防水性】300m
【機能】2針、スモールセコンド、日付窓
次にご紹介するこちらのPAM01359は、最初にご紹介したPAM01312と同シリーズ&同スペックとなります。
しかしながらこちらはインデックス全てにアラビア数字を配したモデルとなります。どちらがいいかは好みにはなりますが、もともとパネライの文字盤と言うと「アラビア数字+バーインデックス」の組み合わせが多かったので、パネライの中でも変わり種が欲しい、オシャレさを重視したい。そんな30代・40代男性にはうってつけの一本と言えるでしょう。
なお、前述の通り機能は同じく自動巻き、パワーリザーブ約3日間、300m防水など申し分のないハイスペック。パネライのスピリッツは受け継がれ続けております。
定価は946,000円(税込)、新品並行相場は60万円台半ば~です。
③パネライ ルミノール GMT PAM00088



【材質】ステンレススティール
【ケースサイズ】44mm
【文字盤】黒
【ムーブメント】自動巻きOP VIII
【防水性】300m
【機能】2針、スモールセコンド、日付窓、GMT
最近人気のGMT機能。自分が住んでいるホームタイムとは別の時間帯を文字盤上で確認できる機能で、ロレックスのGMTマスターなんかは定番ですよね。
こちらのPAM00088はGMT針によって第二時間帯を表す、個性的なデザインを持つモデルです。
製造終了モデルでありながらも、現行モデルにはないレトロな雰囲気を持つため、年々評価を高めています。
売上ランキングにおいても常に上位に君臨しており、今熱いパネライと言えます。
パネライのGMT機能搭載モデルは存在感が格別です!
GMT針のみならず、9時位置のスモールセコンド・3時位置の日付窓と、ルミノールマリーナのアイデンティティをも備えます。
長短針とGMT針の調和がきちんととれているため、GMTにありがちな「見づらさ」は一掃。軍用時計に端を発する、パネライらしい視認性と機能性が最優先されたGMTと言えるでしょう。
インデックス・針のディテールに夜光がしっかり塗布されているのも、パネライらしい心遣いですね。
中古市場での平均相場は大体50万円前後~となっておりますが、その人気から品薄傾向にあります。
④パネライ ルミノール 1950 3DAYS GMT パワーリザーブ オートマティック PAM01321



【材質】ステンレススティール
【ケースサイズ】44mm
【文字盤】黒
【ムーブメント】自動巻きP.9002
【防水性】300m
【機能】2針、スモールセコンド、日付窓、パワーリザーブインジケーター、GMT
スモールセコンドから始まりパワーリザーブインジケーターやGMTと多彩な機能を持ちながらも、スッキリとシンプルにまとまった一本がこちらのPAM01321です。
多機能性は30代・40代の働き盛りのビジネスマンには有用ですが、他メーカーの多機能モデルだと視認性やビジネスにふさわしいデザイン性がイマイチかも・・・といった悩みをお持ちの方もいらっしゃったでしょう。
その点、こちらのPAM01321は、バランスよくシンプルに各インジケーターが配置されたことで、きわめて高い視認性と端正な顔立ちを獲得したモデルと言えます。
44mmとサイズは大きめですが、薄型自社製自動巻きムーブメントP.9002を搭載していること。加えて、新型ケースルミノール1950の立体感や高級感が、この年代にふさわしい風格を漂わせていますね。
人気のGMT搭載モデルと言うこともあり、定価は1,100,000円(税込)、新品並行相場は80万円台前半~と若干お高め。
だからこそ若い頃からこのモデルを所有している方は少なく、30代・40代で何かの節目を迎えた時に選ぶべきハイエンドラインと言えます。
⑤パネライ ルミノール サブマーシブル 1950 3DAYS オートマティック PAM00973



【材質】ステンレススティール
【ケースサイズ】42mm
【文字盤】黒
【ムーブメント】自動巻きOP XXXIV
【防水性】300m
【機能】2針、スモールセコンド、日付窓
ルミノールサブマーシブルは、1956年にパネライがエジプト海軍のために開発した、潜水特殊部隊用のダイバーズウォッチ「エジプシャン」をリバイバルしたシリーズです。
パネライは民生市場に向けて1993年頃から時計の販売を開始しましたが、それ以前は軍用時計のメーカーとして名を馳せていました。そのためルミノールマリーナを始め、パネライのほとんどのモデルは一律で堅牢なスペックを有している、という背景があります。そしてサブマーシブルは、そんな中でもさらに「潜水用」として開発された経緯があり、その上をいく屈強さを持ち合わせているのです。
さらに2019年にはルミノールから独立し、サブマーシブルとしての個別コレクションとなったこと。加えて47mmケースが主流だった従来モデルから、5mmもダウンサイジングしたケースが登場したことから、飛躍的に人気が高まりました。
ルミノールマリーナ等も300m防水とハイスペックですが、サブマーシブルはさらにインパクトのある逆回転防止ベゼル、そして大きい針やインデックスを備えたことで、よりスポーティーテイストが強くなります。
また、アイコニックなラバーベルトが付属されたことで、どのパネライとも違った独創性を獲得することとなりました。
定価は1,056,000円、新品並行相場は80万円程度~となっております。
なお、同年に一緒にリリースされた、PAM00683 も30代・40代の男性陣からよく選ばれているモデルですので、併せてご紹介させて頂きます。
こちらはベゼルにブラックセラミックを搭載させたことで、メタルベゼルとはまた違ったシックなデザインに落ち着いています。
こちらは定価1,188,000円(税込)、新品並行相場は95万円前後~と、メタルベゼルモデルよりもハイエンドの位置づけとなります。ご予算やご自身の好みと相談して、欲しい方をご購入頂ければと思います。
⑥パネライ ルミノール マリーナ PAM00722



【材質】ステンレススティール
【ケースサイズ】42mm
【文字盤】ブラック
【ムーブメント】自動巻きP.9010
【防水性】100m
【機能】2針、スモールセコンド、日付窓
こちらは2017年に発表されたルミノールマリーナの人気モデルです。
まだ薄型の自社製自動巻きCal.P.9010が前年に出たばかりで、42mmサイズ、しかもメタルブレスレットという珍しい仕様が、「新世代のパネライ」として大きな話題を呼びました。
実際、2017年からパネライはスタイリッシュ路線を強化しています。その路線の火付け役とも言うべきモデルが、こちらのPAM00722と言えるでしょう。
ルミノールマリーナではお馴染みの、9時位置のスモールセコンドの秒針がライトブルーに彩られており、おしゃれなアクセントとなっているのもポイントです。
ケースに合わせて、ブレスレットも厚みを抑えた設計となっているため、つけ心地も抜群です。
気になる定価は1,012,000円(税込)、新品並行相場は70万円台後半~となっております。
⑦パネライ ルミノール ドゥエ PAM00926



【材質】チタン
【ケースサイズ】38mm
【文字盤】ブルー
【ムーブメント】自動巻きP900
【防水性】30m
【機能】2針、スモールセコンド、日付窓
ルミノール ドゥエは小径サイズのパネライですが、PAM00926に至っては38mmとさらにダウンサイジングされています。
2018年に38mmサイズが追加され、よりクラシックスタイルを訴求することとなりました。
現在、時計業界は小径薄型ケースが流行りつつあります。もちろんデカ厚のかっこよさも人気が高いのですが、「クラシック・スタイルが好き」「体格が細め」と言った方々にとっては、やはり大きすぎるケースは敬遠しがちですよね。
そんな流れを受けてパネライもルミノール ドゥエをリリースするに至りましたが、これがまた大ヒット!ケースのボリュームは抑えつつも、パネライらしい顔立ちをそのまま落とし込むことで、より幅広いファンを獲得するようになりました。
そんなルミノールドゥエの中の当店での一番人気は、2019年に新色として追加されたディープブルー文字盤のモデルです。
定価は836,000円(税込)、新品並行相場は65万円前後、まだリリースされて一年ほどですが、市場にも出回ってきましたので、気になる方はぜひお問い合わせください!
⑧パネライ ルミノール マリーナ PAM01028



【材質】ステンレススティール
【ケースサイズ】42mm
【文字盤】ブルー
【ムーブメント】Cal.P9010
【防水性】100m
【機能】2針、スモールセコンド
ルミノールマリーナの中でも特に爽やかな印象を与えるブルー文字盤。
自社開発ムーブメントCal.P9010を搭載した2019年発表モデルで、ポリッシュとサテンの新型ブレスレットの採用など、新機軸となるスペック満載のモデルとなっています。
スモールセコンドの針は水色、デイト表示は拡大レンズなしのシンプルなデザインとなっており、スーツに合わせやすい一本として需要があります。
薄型設計のモデルではありますが、パネライらしいタフさやデイリーユースにピッタリのスペックは健在です。
水仕事が多い方やアウトドア好きからの支持が厚いのも頷けます。
価格に関しては、定価1,012,000円(税込)、新品並行相場は70万円後半~。
ややお高めのモデルではありますが、個性的なパネライをお探しの方にうってつけの一本だといえます。
⑨パネライ ルミノール ドゥエ 3DAYS オートマチック PAM00904



【材質】チタン
【ケースサイズ】38mm
【文字盤】グレー
【ムーブメント】自動巻き OP.XXXIV
【防水性】30m
【機能】2針、スモールセコンド、日付窓
同じく小径サイズのパネライですが、こちらは38mmとさらにダウンサイジングしたルミノール ドゥエ PAM00904です!
ルミノールドゥエとは、冒頭でも簡単にご紹介しましたが、パネライが2016年より打ち出している薄型シリーズです。さらに2018年には38mmサイズが追加され、よりクラシックスタイルを訴求することとなりました。
現在、時計業界は小径薄型ケースが流行りつつあります。もちろんデカ厚のかっこよさも人気が高いのですが、「クラシック・スタイルが好き」「体格が細め」と言った方々にとっては、やはり大きすぎるケースは敬遠しがちですよね。
そんな流れを受けてパネライもルミノール ドゥエをリリースするに至りましたが、これがまた大ヒット!ケースのボリュームは抑えつつも、パネライらしい顔立ちをそのまま落とし込むことで、より幅広いファンを獲得するようになりました。
そんなルミノールドゥエの中の当店での一番人気は、モダンな印象を与えるグレー文字盤のモデルです。
定価は756,000円(税込)、新品並行相場は55万円前後、まだリリースされて数年あまりですが、市場にも出回ってきましたので、気になる方はぜひお問い合わせください!
⑩パネライ ルミノールマリーナ PAM00104



【材質】ステンレススティール
【ケースサイズ】44mm
【文字盤】黒
【ムーブメント】自動巻きOP III
【防水性】300m
【機能】2針、スモールセコンド、日付窓
生産終了した今なお、例年パネライ売れ筋ランキングを行うと、トップ10入りする実力者が、こちらのPAM00104です!ちなみに2017年に後継機にあたるPAM01104がリリースされていますが、前世代のこちらの方が圧倒的な人気となっています。
ルミノール1950系とは異なり昔ながらのデカ厚ボリュームが、「This is the パネライ!」といった層から支持されているのでしょう。
ルミノールマリーナは9時位置にスモールセコンドを持ち、かつ3時位置の拡大鏡をつけたデイト窓が特徴的な一大コレクションです。
ベゼル・ケース・リューズガード全てにポリッシュ仕上げを施し、優美なスタイリングに仕上がっているため、どことなく品格が漂うことも人気の秘訣でしょう。
なお、搭載するムーブメントは薄型P9010系ではなく、昔ながらのOP III。そのためケース厚は約15.5mmと、ガッシリとしたデカ厚を堅持しています。
現在は生産終了していますが、中古市場で流通量が豊富ですので、比較的見つけやすい一本と言えます。相場も50万円台~と比較的お値打ちです。
⑪パネライ ルミノール マリーナ 1950 3DAYS オートマティック PAM01058



【材質】ステンレススティール
【ケースサイズ】44mm
【文字盤】ブルー
【ムーブメント】自動巻きP.9010
【防水性】100m
【機能】2針、スモールセコンド、日付窓
かつて「デカ厚」時計として一世を風靡したパネライですが、2016年に厚さわずか6mmしかない自社製ムーブメントP.9010を発表し、そのイメージを大きく覆します。
それから3年が経過した2019年。満を辞して登場したのが、このPAM01058です。
PAM01058は爽やかなブルー文字盤にメタルブレスレットを配したパネライとしては個性の強いモデルで、そのスタイリッシュな薄型デザインから一躍人気モデルの仲間入りを果たしました。
とりわけ厚さが13mmといえば、通常のシンプルスポーツウォッチより薄いほど。
もちろんパネライらしさは健在で、シンプルで余計なもののない文字盤は一目でそれとわかるでしょう。
ちなみにデザインだけでなく、3日間ものロングパワーリザーブを誇る機能性・実用性も「パネライらしさ」ですね。
定価は924,000円(税込)、新品並行相場は70万円台後半~です。
⑫パネライ ルミノールマリーナ PAM00048



【材質】ステンレススティール
【ケースサイズ】40mm
【文字盤】黒
【ムーブメント】自動巻きOP Ⅲ
【防水性】300m
【機能】2針、スモールセコンド、日付窓
パネライを語る時、しばしばボリューミーなケースが取りざたされます。
でも、実は40mmサイズのモデルもあるってご存知でしょうか?しかも、近年の路線拡充の一環、というわけではなく、約20年ほど前からパネライのラインナップを飾るロングセラーの中の一つです。
そのモデルは、ルミノールマリーナ PAM00048です!非常にシンプルで、ビジネススーツの袖口から控えめな存在感を放ちます。
ちなみに2017年、後継機としてPAM01048に移行し、生産終了となりました。
しかしながら平均相場50万円前後~というお値打ち感と、無駄のないエレガントなデザインから、今なおよく売れるモデルとなっております。
⑬パネライ ルミノールマリーナ 3DAYS オートマティック チタニオ PAM01351



【材質】ステンレススティール
【ケースサイズ】44mm
【文字盤】黒
【ムーブメント】自動巻きP.9010
【防水性】300m
【機能】2針、スモールセコンド、日付窓
次にご紹介するルミノールマリーナPAM01351は、完全自社製自動巻きP.9010キャリバーを搭載する薄型のパネライです。
ケースにサテンチタンが採用されていることから、軽量な仕上がりとなっています。
2017年にリリースされ、以降パネライの人気ランキングの常連に君臨。
ブラウン文字盤とダークブラウンのカーフストラップの組み合わせが美しく、おしゃれなパネライをお探しの方から絶大な支持を集めています。
P.9010を搭載していることからスペックも申し分なく、約3日間のロングパワーリザーブを有するなど、実用性は非常にハイレベルです。
迫力のある44mm径モデルなので、パネライらしい力強さも存分に感じとることができます。
比較的新しいモデルであるため、平均相場は80万円台前後~とややお高めの価格設定です。
人と被らないパネライが欲しい方は、PAM01351の購入をお勧めいたします。
⑭パネライ ルミノール パワーリザーブ PAM01090



【材質】ステンレススティール
【ケースサイズ】44mm
【文字盤】黒
【ムーブメント】自動巻きOP-IX
【防水性】300m
【機能】2針、スモールセコンド、日付窓、パワーリザーブインジケーター
PAM01090は先ほど紹介したPAM00090の後継機として2017年に登場したモデルです。
愛され続けたデザインはそのままに、パワーリザーブメーターの最大値が50時間にパワーアップしています。
迫力のある44mmケースサイズを採用、ムーブメントに優れた精度を誇る「自動巻きOP-IX」を搭載していることはPAM01090においても変わりありません。
こちらは定価で946,000円(税込)、新品並行相場は60万円台後半〜で販売されています。
新旧で特にこだわりがない方は、スペックアップしたPAM01090を選ぶのも手です。
⑮パネライ ルミノール パワーリザーブ PAM00090



【材質】ステンレススティール
【ケースサイズ】44mm
【文字盤】黒
【ムーブメント】自動巻きOP-IX
【防水性】300m
【機能】2針、スモールセコンド、日付窓、パワーリザーブインジケーター
現行モデルではないものの、「ルミノールパワーリザーブ」の第二世代として長年愛され続けてきたこと。そしてムーブメントに「永遠の名機」とも称されるバルジュー7750-P1ベースのOP-IXを搭載していることから、中古市場で絶大な人気を誇るのがこちらのPAM00090です。
シンプルなのに大迫力なデザイン性もさることながら、パワーリザーブインジケーターが搭載されていることがこのシリーズの人気の秘訣。残りの持続時間や、どの程度でゼンマイをフル巻きできたかわかることはとても便利ですよね。
パネライは全ての多機能モデルで文字盤バランスが称賛されますが、PAM00090の文字盤デザインもまた秀逸なことに言及しなくてはなりません。
パネライは多機能であっても各インジケーターを絶妙に配置することで、パネライ本来の視認性やシンプルなデザインを上手に表現しており、パネライのデザイン性の高さをこういった面でも十二分に感じさせられます。
こちらも中古市場からお探し頂くこととなりますが、平均相場としては50万円台半ば~と、手に入れやすい価格帯となっております。
Column;今更聞けない!パネライの疑問を徹底解説!
1998年のジュネーブサロンでデビューを果たし、デカ厚ブームを巻き起こしたパネライ。
ルミノールとラジオミールの2大コレクションを武器に、これまで幾つもの名作を生み出してきました。
ここではパネライに関する様々な疑問について、お答えしていきます。
パネライはどの国のブランド?
出典:https://www.panerai.com/ja/about-panerai/history.html
パネライは1950年ごろ、イタリア フィレンツェに創業されたブランドです。
時計店から歴史をスタートさせ、軍用時計の開発を受け持ったことから、時計製造メーカーとして名を馳せました。
1997年にはヴァンドームグループ(現在のリシュモングループ)の参加に加わり、1998年に民間向け腕時計市場に参入しました。
なぜパネライはデカ厚なのか?
パネライの時計がデカ厚設計で作られているのは、イタリア海軍向けの防水時計がルーツとなっているからです。
軍用時計の製造は過酷な軍事作戦にも耐える強靭さが求められます。当時のパネライはその要求に答え、独自のデカ厚ケースを生み出しました。
オリジナルモデルは47mmで製造されましたが、民間向け腕時計としては大きすぎたため、現在は44mmが基準となっています。
なお、2016年ごろからは薄型モデルの製造にも力を入れており、42mmのラインナップも充実し始めています。
パネライのケースにはどんな種類がある?
パネライに採用されている主なケース素材は「ステンレススティール」および「チタン」です。
軍用時計をルーツとするブランドであるため、堅牢性、耐久性重視の素材を採用しています。
ステンレスにチタンコーティングを施したPVD仕様も人気があり、パネライをケース素材違いで複数所持する方も多いです。
また、イエローゴールドやピングゴールドを採用したモデルも展開されており、こちらはラグジュアリーな存在感を放ちます。
ゴールドをあしらったモデルはラジオミールに多く見受けられます。
パネライの文字盤にはどんな種類がある?
パネライは一目でパネライだとわかる特徴的なデザインが魅力です。多少の個性はあっても、パネライのアイデンティティを崩すデザインは見受けれません。
ただ、細部を見渡すと様々なバリエーションがあるのがわかります。
左:ホワイト(ロゴ付き) 中央:ブラック(ドット・インデックス) 右:ブルー
カラーリングにおいては定番のブラック以外にホワイト、ブラウン、ブルーなどが展開。
旧パネライロゴがあしらわれたモデルや文字盤にカーボンが採用されたモデルも存在します。
生産終了品も含むと豊富なバリエーションが展開されているので、変わり種のパネライを探してみるのも面白いと思います。
パネライのブレスレットにはどんな種類がある?
パネライの時計は、よく見ると複数のブレスレットが存在します。
その中でも最もメジャーなブレスレットが、リューズプロテクターのブリッジ上の形状をモチーフにした「ダブル・リンク・ブレスレット」です。
ダブル・リンク・ブレスレットはネジを使わず個々に独立しているので、手首のフィット感が抜群です。
堅牢性もあり、見た目も個性があります。
2010年代に入ってからはシンプルデザインのブレスレットが主流となり、一時姿を消していましたが、2017年以降は再びパネライの基本ブレスレットに返り咲いています。
ちなみにこちらはシンプルデザインのブレスレット。パネライらしさは弱くなりますが、価格が抑えられているため、ダブル・リンク・ブレスレット採用機より相場が安めです。
普通のデザインが良いという方も多く、こちらも人気があります。
リューズプロテクターの役目ってなに?
ルミノールのケース3時側には特徴的なリューズプロテクターが備えられています。
このリューズプロテクターはパネライが特許を習得しているレバーロック機構をより現代的にブラッシュアップしたもので、防水性を高めると同時に時刻合わせがスピーディーに行えるようになっています。
リューズプロテクターはロックを解除すると、写真のような形に変貌を遂げ、時刻合わせが可能となります。
戦場においては1分1秒が生死を分けるため、より手短に時刻合わせが出来るよう、この機構が採用されました。
また、時計本体を衝撃から守るプロテクターとしての機能としても優れており、リューズやケースだけでなく、ムーブメントの損傷からも時計を守ります。
リューズプロテクターは、まさに軍用時計としてのタフネスを象徴とする機構です。
なお、近年製造されているルミノールにはリューズプロテクターに「REG.T.M」の刻印が刻まれています。
この刻印の意味は登録商標であり、深い意味はありません。
あまりにも偽物の出回りが多かったため、コピー対策として刻印されたのでは?と推測されています。
パネライの時計は全て限定生産なの?
パネライはモデルごとに、その年に製造する本数を決めています。
大量生産することは売上の増加に繋がりますが、無闇に生産すると「時計の価値」を下げてしまうデメリットがあります。
そのため敢えてパネライは限定生産体制を取り、プレミア感を演出しています。
この手法はロレックスにおいても使われており、高級時計においては割とメジャーな戦略です。
また、パネライのモデルには裏蓋にシリアルナンバーが刻印されています。
ナンバーの法則としては、1998年をAとし、毎年アルファベットが増えていくシステムが採用されています。
例えばDなら2001年、Kなら2008年製、Oなら2012年製です。その後に続く、「001/500」においてはその年における何番目のモデルかを表しています。
まとめ
パネライは古今を通して、デザインに大きな違いはありません。
さすがイタリアンブランドと言うべきか流行に迎合することなく、しかし上手に時代時代のテイストを取り入れており、そこが一過性の人気にとらわれないパネライ魅力のうちの一つなのでしょう。
また、デザインとは裏腹に、スペックの進化は超画期的。
パネライはかつては汎用ムーブメントを搭載していましたが、近年では超ロングパワーリザーブを備えた自社ムーブの開発に積極的。
今回ご紹介したP.9010をさらにさらに薄さで上回るP.1000を開発するなど、新たな局面への挑戦の手は止みそうにありません。
まさに30代・40代の、バリバリ躍進を続ける男性陣のようなブランドが、パネライというスタンダード!
今回ご紹介した人気定番おすすめモデルの他にも、白を始めとしたカラーリング豊富な文字盤や珍しいタイプのスポーツモデルも多々ラインナップ。お気に入りのパネライに出会えることでしょう。
ロレックスやオメガとはちょっと異なる、「パネライ」という選択肢をとってみてはいかがでしょうか。
■ルミノールかラジオミールか。よくわかるパネライ腕時計の選び方
■パネライ解体新書 ルミノール&ラジオミールのお勧めモデルは?
■パネライ ルミノールを徹底解析!7つのバリエーションを見極める秘訣
■速報!2020年パネライ新作モデルを発表!by Watches & Wonders Geneve
この記事を監修してくれた時計博士



新美貴之(にいみ たかゆき)
(一社)日本時計輸入協会認定 CWC ウォッチコーディネーター
高級時計専門店GINZA RASIN リテール部門、メンテナンス部門マネージャー
1975年生まれ 愛知県出身。
大学卒業後、時計専門店に入社。ロレックス専門店にて販売、仕入れに携わる。 その後、並行輸入商品の幅広い商品の取り扱いや正規代理店での責任者経験。
時計業界歴25年
タグ:20代、30代、40代, パネライ, ラジオミール, ルミノール, 年代別