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チタン製腕時計の魅力とは?お勧め理由と人気モデルまとめました

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時計で使われる素材というとステンレススティールやゴールドが長らく主流であり続けてきました。しかしながら近年、さまざまな素材が用いられるようになり、特に注目を集めているのがチタンです。

チタン素材には、軽くて錆びにくい、金属アレルギーも起こりにくいといった多くの魅力があります。

この記事では、そんなチタンを使った上質な腕時計の魅力を、人気モデル5選とあわせてご紹介いたします!

軽くて丈夫な時計が欲しい。肌が弱いユーザーに向けた時計が知りたい。そんな方々はぜひチタンの魅力に触れてみて下さいね。

ウブロ クラシックフュージョン チタニウム

 

チタンとは?なぜチタン製腕時計をお勧めするの?

まずチタンがどのような素材なのか、なぜチタン製の腕時計をお勧めなのかを解説します。

 

①チタンとはどのような金属か

チタンは銀灰色の金属で、元素記号は「Ti」。比重は鉄の約60%にもかかわらず、強度は鋼(鉄鋼)に匹敵すると言われています。また、チタンにはバネ特性があり、しなりやすく衝撃で割れたり折れたりしづらい構造のため、高い強度が必要とされる製品の材料として採用されています。ちなみにチタンの名前の由来はギリシャ神話の巨人「タイタン(Titanの英語読みと同音になる)」からきています。実用性に富み力強い。そんなイメージが込められているのでしょう。

さらに言うと耐食性にも優れており、錆びにくく航空・宇宙機体構造材やエンジン、海洋開発、熱交換器、タンクローリーなどの多数の工業的資源として利用されています。なお、この耐食性は生体適合性の高さにも繋がっており、金属アレルギーが起こりづらいため、アクセサリーや医療・食品分野などにも多く、使用されています。

※生体適合性…長期間、生体に影響を及ぼさずに素材の機能・耐久性を維持できること。生体適合性が低いと異物として生体が認識し、排除しようとした結果アレルギー反応に繋がる

 

このように魅力的な特徴を備えたチタンですが、粘性を持つ素材ゆえ加工の難易度が高く、また費用も高額になる傾向があります。そのため近年までチタン素材は他の金属と比べてあまり普及していませんでした。

しかし技術の進歩により現在では、多くの時計ブランドがチタン素材の腕時計を製造するようになっており、私たちにとっても身近にチタンのメリットを享受できるようになっているのが嬉しいですね。

 

②知っておきたいチタンの「グレード2」「グレード5」

ひとくちにチタン素材と言っても、いくつか種類があります。時計で使われるチタン素材は、大きく「グレード2」と「グレード5」の2種類があります。

グレード2が純チタングレード5がチタンに他の金属を混ぜたチタン合金です。当然、品質として優れているのは混ぜものをしていないグレード2のチタン。しかしチタンは前述の通り、加工がしづらく仕上げによって高級感を出しづらいという面もあります。そのため多くの時計ブランドが質感・仕上げ向上を目指し、グレード5の種類を使用しています。

もっとも今ではチタン加工の技術が進み、グレード5でもグレード2とほとんど遜色がない特性を有していると言われています。

 

③チタンの魅力は大きく分けて三つ

チタンには大きく、「軽量」「錆びづらい」「ステンレススティールに比べてシックな質感」という3つの魅力があります。

 

まず一つ目が、「軽い」こと。

チタンの一番の魅力は、なんと言っても軽量であると言えるでしょう。ステンレススティールと比較すると、こちらが比重7.9に対しチタンは4.51(同じ体積でも比重の値が高いほど、重量は重くなります)。

グランドセイコー スプリングドライブ GMT マスターショップ限定 SBGE015

※グランドセイコー チタン製スプリングドライブ SBGE015。セイコーは1975年という早い段階で世界で初めてチタン製ダイバーズウォッチの市販化に成功しており、チタン時計史を語るうえでは欠かせない存在。ちなみにシチズンはさらに先鞭をつけており、1970年に世界初チタン製ウォッチ「X-8 コスモトロン・クロノメーター」をリリース。以来、同素材のパイオニアとして高度な加工技術を駆使したモデルを基幹コレクションに据えてきた。

 

腕時計は長時間着用することが多いため、重量は見落としがちですが大切なポイントです。特に海外製の腕時計は日本人にとっては、少し大きめのため長時間着用していると疲れてしまうこともあります。その点チタンであればステンレススティールと比べて、同じケースサイズであっても軽量で疲れづらいという魅力があります。

 

二つ目の魅力は、「錆びづらい」こと。錆びとは簡単に言うと、金属表面が水や酸素に反応して腐食を起こすことです。金属のほとんどは錆びるものですが、チタンは圧倒的に錆びづらいと言えます。特に海水耐食性はプラチナに次ぐ強さであるがゆえ、船舶の材料としても採用されています。

腕時計は汗や雨、ダイバーズウォッチであれば海水が付着するなど、水にさらされる機会が多いため、錆びづらさはきわめて重要ですね。

ヴァシュロンコンスタンタン オーヴァーシーズ 49150/000W-9501

また、前項でも言及しているように、チタンの錆びづらさは対金属アレルギーにも有効です。

そもそも金属アレルギーとは、なぜ起こるのでしょうか。これは錆びと同様に、水や汗といった水分に金属が溶けイオン化し、皮膚のタンパク質と結合して新たなタンパク質へと変性します。人体がこの変性したタンパク質を異物とみなすため、アレルギー反応を誘発させるきっかけとなるのです。

チタン素材は、この金属アレルギーの原因であるイオン化が発生しづらいため、主な金属の種類の中でもっとも金属アレルギーを起こしにくいと言われています。

もっとも注意したいのは、チタン素材であっても、表面にメッキが施されていたり、裏蓋はチタン以外の素材だったりする可能性があるということ。金属アレルギーの方は購入前にしっかりと確認したいところですね。

 

三つ目のチタンの魅力は「ステンレススティールに比べてシックな質感」。ステンレススティールと比べてチタンは少し黒みがかった色をしており、よりシックな印象が強いと言えます。

好例としてIWCのオーシャン2000を挙げたいと思います。

ポルシェデザイン by IWC「オーシャン2000」買い取りました!

※ポルシェデザイン by IWC オーシャン2000

IWCもまた、チタン製腕時計を早い段階で取り入れたブランドです。これはIWCが、サングラスやスキーゴーグル、電話機、モーターサイクルなどのさまざまな工業製品を手掛けるポルシェデザインと共同開発を行ったことが背景として大きいでしょう。

1980年に世界初となるチタニウム・クロノグラフを発表し、1982年には軍用チタン製ダイバーズ「オーシャン2000」が広く知られるようになります。

このオーシャン2000がチタン素材になったのは、軍用時計のため耐磁性能を高めるためでした。しかし結果として、ポルシェデザインの機能美を生かしたデザインとチタン素材がマッチし、以降大切なデザインコードとなっていったのです。

IWCを皮切りに、現在では多くのブランドがチタン素材の腕時計を製造しています。特に近年では加工技術の進化から、ステンレススティール素材と遜色がない質感・仕上げをチタン素材でも出すことができるようになり(もっともその難易度の高さは健在ですが)、デザインの幅はますます広がるばかりです。

チタン製腕時計の人気モデル5選

それでは次に、魅惑のチタン素材を使った人気の腕時計を5選ご紹介いたします!

 

①グランドセイコー ヘリテージコレクション SBGV231

グランドセイコー チタン SBGV231

ケースサイズ:直径40mm×厚さ約10mm
素材:ブライトチタン
文字盤:ブラック
駆動方式:クォーツ
ムーブメント:Cal.9F82
防水性:10気圧
定価:396,000円(税込)

前述の通り、世界初のチタン製ダイバーズウォッチを1975年という早い段階から市販化させたセイコー。現在では「ブライトチタン」によって、独自路線を突き進みます。このブライトチタンとはセイコーが腕時計のために開発したチタン合金の名称であり、純チタンよりも約1.5倍の硬度があります。また従来のチタンでは出せなかった光沢をセイコーの技術により可能としています。

グランドセイコー グランドセイコー ヘリテージコレクション 9Fクォーツ SBGV231

さらにこちらは、セイコーの上位ブランド・グランドセイコー―もっとも2017年よりセイコーから独立を果たしていますが―から発売されているブライトチタンモデル。腕時計の本質や機能、デザインを落とし込んだヘリテージコレクションの一ラインとなります。無駄なものを一切排除し、研ぎ澄まされたデザインになっているのが特徴ですね。ブラックの文字盤が精悍さを一層高めています。

重量も85gと一般的なステンレススティール製腕時計と比べて軽量であることがわかります。

ケースサイズ40mmとちょうどいいサイズ感も魅力のひとつです。

②チューダー ペラゴス 25600TB

チューダー 定価

ケースサイズ:直径42mm×厚さ約14mm
素材:チタン
文字盤:ブルー
駆動方式:自動巻き
ムーブメント:Cal.MT5612/パワーリザーブ約70時間
防水性:500m
定価:495,000円(税込)

チューダー(チュードル)はロレックスのディフュージョン(廉価)ブランドとして1926年に誕生したブランドです。当時ロレックス本社があったイギリスでの市場拡大を目的に創立されました。もっとも現在はロレックス譲りの高性能,チューダーらしい独創性溢れるデザイン,そしてコストパフォーマンスの高さから、独自人気を確立しています。

そんなチューダーの中でもさらにユニークなシリーズがぺラゴスです。2012年にコレクションに加わりました。

これはチューダーのフラグシップ・ブラックベイ同様、1950年代~1990年代に同社で製造されていたサブマリーナを現代風にリファインしたコレクションです。なお、ぺラゴスは通称「イカサブ」と呼ばれる、1960年代というごく初期に製造されたモデルを特にインスパイアしています。スクエアインデックスにまるでイカの頭のような針を持つことが非常に特徴的と言えるでしょう。

チューダー ぺラゴス 25600TB

もちろんスペックも現代版。500mというきわめて高い防水性はケース直径42mm×厚さ約14mmという比較的大振りな外装によって堅持されている一方で、素材にチタンを用いているため重量はわずか146gほどです。

チタンらしいシックな質感がそのまま活きており、男らしさを思う存分ご堪能頂ける逸品ではないでしょうか。

なお、ムーブメントは自社開発のMT5612を搭載しています。ちなみにこの機械はブライトリングでもベースとして採用されていますね。

日差-2秒以内+4秒以内とロレックスにも劣らない精度の高さを実現しており、パワーリザーブ70時間という長さと併せて優れた実用性を発揮していると言えるでしょう。

③オメガ シーマスター プラネットオーシャン 600M 232.92.38.20.03.001

オメガ シーマスター プラネットオーシャン 232.92.38.20.03.001

ケースサイズ:直径37.5mm厚さ約15mm
素材:チタン
文字盤:ブルー
駆動方式:自動巻き
ムーブメント:Cal.8520/パワーリザーブ約50時間
防水性:600m
定価:858,000円(税込)

オメガ シーマスターの中でも、高い防水機能と耐磁性能を誇るプラネットオーシャンの、チタン素材モデルです。

ダイバーズウォッチと言うととかく大振りなケースが多い中でこちらは直径37.5mmとオーセンティックなサイズ感。チタンを使っているがゆえに重量75gと、軽やかにお使い頂けますね。

一方でダイバーズウォッチらしく、ブルーの文字盤にチタン素材のケース、そして白いステッチ入りのラバーベルトなど海を想起させる爽やかでスポーティなデザインです。日付表示やヘリウムエスケープバルブ、逆回転防止ベゼルなど、ダイバーズウォッチに欠かせない多機能を搭載しているのも嬉しいポイントと言えるでしょう。

オメガ シーマスター プラネットオーシャン 232.92.38.20.03.001

ちなみに搭載するムーブメントにも言及しなくてはなりません。

こちらは、オメガが興るコーアクシャル機構を採用したCal.8520。どういうものかと言うとオメガ独自の脱進機(エスケープメント)によってパーツの摩耗が著しく低減されており、オーバーホールスパンが従来品より約2倍ほども延長されているのです。

実用時計にかけては他の追随を許さないオメガらしいチタン製モデルに仕上がりました。

④ウブロ クラシックフュージョン チタニウム 542.NX.1171.LR

ウブロ クラシックフュージョン 542.NX.1171.LR

ケースサイズ:直径42mm厚さ約10mm
素材:チタン
文字盤:ブラック
駆動方式:自動巻き
ムーブメント:Cal.HUB1110/パワーリザーブ約42時間
防水性:50m
定価:847,000円(税込)

伝統的なゴールドやステンレススティールに、いち早くラバーベルト,チタン,セラミックを融合(フュージョン)させてきたウブロ。そのため特殊素材の加工技術に対しては一家言有しているブランドでもあります。

そんなウブロの中でも、シンプル薄型コレクションがクラシックフュージョンですが、さらにチタンをケースに採用することできわめて軽量かつ装着感に優れた一本に仕上がりました。

ウブロ クラシックフュージョン 542.NX.1171.LR

ブラックの文字盤にシンプルな3針、チタンケースにクロコダイル風ラバーベルトと、シンプルながらも存在感のあるデザインにも、ウブロの重要視するフュージョンが体現されています。

⑤ゼニス デファイ クラシック 95.9000.670/51.R584

ゼニス デファイ クラシック 95.9000.670/51.R584

ケースサイズ:直径41mm厚さ約11mm
素材:チタン
文字盤:ブルー
駆動方式:自動巻き
ムーブメント:エリート670 SK/パワーリザーブ約50時間
防水性:10気圧
定価:748,000円(税込)

ゼニスのデファイクラシックにもチタン素材が活用されています。レトロな印象が強いデファイクラシックモデルとチタン素材は相性がよく、デザインがマッチしていますね。そこにブルーのサンレイパターンを採用した文字盤に、同じくブルーのレザーストラップを備えることで、モダンな印象をも強めることとなりました。伝統的な印象のモデルとチタン素材のレトロさと、モダンな文字盤とベルトを合わせることで、絶妙なバランスを取っているモデルと言えるでしょう。

ゼニス デファイ クラシック 95.9000.670/51.R584

チタンのため重量も軽く、一日つけていても疲れません。スーツやジャケットのスタイルから、チタンの無骨さを生かしたカジュアルなスタイルまで、幅広くあわせることが可能です。

まとめ

腕時計に使われる素材の中でも、近年特に注目を浴びているチタンについてご紹介いたしました。

チタンには、軽量,錆びにくい,ステンレススティールにはない質感など、多くの魅力があります。近年では加工技術が進化しており、多くの時計ブランドがチタン素材の加工が可能になりました。チタンの魅力を生かした時計市場は、ますます広がっていると言えるでしょう。

ぜひ、一度手に取ってチタン素材の腕時計の質感や軽さを体感してみて下さいね。

当記事の監修者

廣島浩二(ひろしま こうじ)

(一社)日本時計輸入協会認定 CWC ウォッチ コーディネーター
一級時計修理技能士 平成31年取得
高級時計専門店GINZA RASIN 販売部門 ロジスティクス事業部 メンテナンス課 課長

1981年生まれ 岡山県出身 20歳から地方百貨店で時計・宝飾サロンで勤務し高級時計の販売に携わる。 25歳の時時計修理技師を目指し上京。専門学校で基礎技術を学び卒業後修理の道に進む。 2012年9月より更なる技術の向上を求めGINZA RASINに入社する。時計業界歴19年


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