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今こそ「スピードモデル」を振り返る。G-SHOCKの超ロングセラー5600系とは何なのか?

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「スピードモデル」と聞いて、郷愁を感じる昔ながらのG-SHOCKファンもいれば、よく知らないといったファンもいらっしゃるでしょう。

しかしながらスピードモデルと称されるDW-5600の、オクタゴン(八角形)のベゼルにスクエア型ディスプレイ,そして車のタイヤを彷彿とさせる無骨なケース・ブレスレットに象徴されるデザインは、G-SHOCKファンでなくともイメージとして定着していますよね。

今、このレトロ・フューチャーなデザインを有した「スピードモデル」熱が再燃しています。

1990年代、国内外で爆発的なヒットを呼んだG-SHOCKの名機DW-5600、通称「スピードモデル」とはいったいどのような時計で、どのような魅力を有するのでしょうか。

この記事では、みんな大好きスピードモデルを徹底解説いたします!

G-SHOCK スピードモデル

出典:https://www.casio.com/jp/

 

通称「スピードモデル」。G-SHOCK DW-5600とは?

G-SHOCKには数々のヒット作が存在します。

とりわけ近年では加工技術や新素材採用が顕著となっており、これまでには見られなかった高級機や、スタイリッシュなデザインのモデルが本当に豊富ですね。かつてはスケーターファッションやアウトドアのイメージが強かったG-SHOCKも、スーツスタイルやジャケパンスタイルで愛用している方が現代では少なくありません。

とは言え、やはりG-SHOCKを代表するデザインとなると、冒頭でもお伝えしたようにどこまでも武骨で計器然としたこの顔立ちではないでしょうか。

DW-5600E-1

出典:https://www.casio.com/jp/

この最もベーシックなデザインコードは1983年の初代G-SHOCK Ref.DW-5000Cに遡ります。そしてDW-5600の祖は、DW-5000となります。

 

カシオが時計事業に参入したのは1974年ですが、当時既に国内市場を席捲していたセイコー,シチズン等に勝つためには、これまでにない画期的な時計が必要だったのでしょう。1974年のカシオ初の腕時計「カシオトロン」もまた傑出した高性能時計でしたが、その9年後に実現したG- は、今なお鮮烈で革新的な発明品でした。

※カシオトロン・・・世界初のオートカレンダー機能搭載デジタルウォッチ。時分秒の他、月・日付・曜日も表示も可能な当時としてはきわめてハイスペックなフルカレンダー搭載機だったが、しかも大の月・小の月・閏年を自動計算によって表示させる機能をも備えていた。

 

なんせ、「落としても壊れない」時計というのは、加工・設計技術が格段に向上した現在でもなかなか難易度の高い仕様です。

G-SHOCK開発に携わった伊部菊雄氏は、この落としても壊れない耐衝撃構造(ショック・レジスト)を、公園で子どもが遊ぶゴムボールからひらめいたと言います。そのためG-SHOCKの耐衝撃性は中空構造で実現しており、モジュール(ムーブメント)・ケース間に緩衝パーツを組み込むといった構造となっています。

そんなG-SHOCKの初号機Ref.DW-5000にもアップデートを加え続けたカシオ。1987年に進化系のDW-5600を発売しました。

このDW-5600が「スピードモデル」です。初号機のDW-5000やマッドレジストモデル元祖と言われるDW-5500C等もデザイン的な特徴は多いですが、スピードモデルと呼ばれるのはDW-5600のみ。

DW-5600C-1

※スピードモデルと称される初代DW-5600(出典:https://www.casio.com/jp/)

 

スピードモデルのニックネームはファンによって付けられましたが、これは1994年に公開された大ヒット映画『スピード』に由来します。

主演のキアヌ・リーブス氏が、DW-5600C-1Vを映画内で着用し、かつ重要なシーンでもその腕元で確認できたことから、わが国でスピードモデルの愛称が広がっていったのです。ちなみにキアヌ・リーブス氏のDW-5600は、自前だとか!海外限定で販売されていたモデルです。

90年代はアメリカでG-SHOCK人気に火が付き、やがてその波が世界を席捲していた時代です。映画『スピード』でG-SHOCKユーザーになった方も、少なくないでしょう。

 

DW-5600は大ブレイクを果たし、以降、現在に至るまで進化を遂げつつ、カシオ屈指のロングセラーG-SHOCKとして名を馳せています。

ちなみに芸能人・有名人の愛用でも有名で、タレントの木村拓哉さんや俳優の向井理さん。お笑いタレントの岡村隆史さんやワッキーさんの愛用が有名です。

もっともDW-5600は原点とも言える存在。そのため実際には、もっとたくさんの所有者が芸能界にもいるのでしょうね!

 

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通称「スピードモデル」。G-SHOCK DW-5600の系譜と進化

「スピードモデル」と呼ばれた初代DW-5600Cは、9年間の長きに渡って製造されました。

初号機としては生産終了になります。しかしながらカシオらしく最新技術を盛り込みながらアップデートが行われながら、5600型として連綿と系譜を紡いでいくこととなりました。

その軌跡と進化の過程をご紹介いたします。

 

初代~ソーラー化まで

何度かご紹介しているように、初号機として誕生したのがこちらのDW-5600C-1です。

DW-5600C-1

出典:https://www.casio.com/jp/

DW-5000の進化型として発売され、またスピードモデルの愛称で親しまれていくこととなりました。

キアヌ・リーブス氏が身に着けていたのは海外市場向けのDW-5600C-1Vですが、同型となります。

前述の通り、9年間愛され続けたロングセラー商品であり、ご所有している方も多いのではないでしょうか。

 

その後1996年にモデルチェンジしたのがこちらのDW-5600E-1です。

DW-5600E-1

出典:https://www.casio.com/jp/

こちらのDW-5600Eは、現行品でもあります。

外観は先代と大きく変わりませんが、ELバックライトを搭載したことで暗所での視認性を確保した、死角のないアクティブウォッチとしての地位を確立しました。バックライトとは液晶背面から発光させる機能のことですが、ELではElectro Luminescence(エレクトロ・ルミネッセンス。有機EL)を用いたものとなります。

現在も非常に人気の高いシリーズで、基幹モデルのRef.DW-5600E-1も税込み価格12,100円というお値打ちさが魅力の一つ。一本持っておきたいG-SHOCKですね。

 

そして2002年、ついにソーラーモデルのG-5600-1が登場します。

G-5600-1-JF

出典:https://www.casio.com/jp/

これまで型番にDW(デジタル+防水を意味するウォーターレジスト機能の意味)が冠されていましたが、新たに「G」としてラインナップに追加されたのが、こちらのタフソーラーモデルです。ちなみにGは現在ではベーシックな防水×タフソーラーウォッチに付される型番です。

実はこの「タフソーラー」の歴史は2002年から始まりました。

使い捨ての一次電池ではなく太陽光によって充電できるシステムがソーラーウォッチですが、カシオの「タフソーラー」では低消費電力かつ大容量蓄電池が自慢。多機能機においても負荷をものともしない安定駆動を実現しており、現行G-SHOCKの基幹技術と言えるでしょう。

カシオの原点―ORIGIN―である5600型にいち早く搭載されたのも、納得ですね。

なお、小型ソーラーパネルの開発にも成功しているため、G-5600-1は直径43.2mm×厚さ12.7mmとDW-5600と比べてもややスリムに設計されました。

耐衝撃性を担保する中空構造や落としてもプッシュボタンが地面に直撃しないボタンガード構造等、初代から受け継ぐコンセプトと伝説はそのままに、現行で今なおラインナップ。非常に高い人気を誇ります。

 

待望の標準電波対応へ

前述したタフソーラーに電波時計としての機能を持たせた進化系が2005年に発売されました。こちらのGW-5600J-1です。

GW-5600J

出典:https://www.casio.com/jp/

型番のGWはウォーターレジスト+電波ソーラーを意味します。

電波時計とはご存知、標準電波を受信することで、超正確な時刻表示を可能とする機能です。標準電波は「原子時計」と呼ばれる、なんと100億分の1秒しか狂いのない時計を基準としているため、この恩恵に預かれる腕時計とはまさに「世界一正確な時刻表示をする腕時計」といった過言ではありません。

しかしながら標準電波は送信局によって周波数が異なり、非対応の地域ではクォーツ時計として機能することとなります。ちなみに標準電波の受信範囲は1500~3000km程度です。

わが国には福島県と九州の二か所に送信局が存在しますが、国外に出てしまうとその電波をキャッチすることがきわめて困難となります。

 

そこで2008年、GW-M5600-1が誕生しました。

GW-M5600-1

出典:https://www.casio.com/jp/

これは、世界の5つの標準電波局に対応する「マルチバンド5」を備えた機種となります。

そして2012年、現行モデルの中でも屈指のハイスペックを誇る「マルチバンド6」搭載のDW-M5610-1Bが登場しました。

GW-M5610-1B

出典:https://www.casio.com/jp/

なお、型番が「5610」となりましたが、5600を継承するコレクションとなります。

世界には標準電波送信局がわが国の二か所を含め、計六か所があります。

つまりマルチバンド6とは、中国,ドイツ,イギリス,アメリカの標準電波にも対応可能なハイスペック機ということを意味します。ちなみにこういった高機能用途の電波受信アンテナは大型化しがちですが、腕時計サイズに収めているところも、さすがカシオですね。

スピードモデルとしてのDNAを受け継ぎつつ、最先端技術を享受できるGW-M5610。税込定価22,000円~26,400円なのも嬉しいところと言えるでしょう。

 

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さらに進化を続ける5600系「スピードモデル」

2012年のマルチバンド6やタフソーラー搭載のGW-M5610がリリースされたことで完成されたと思っていたスピードモデルこと5600系。

しかしながら2018年、Bluetooth搭載型の最新機種GW-B5600をカシオがリリースし、再び大きな注目を集めるに至りました。2018年はG-SHOCK誕生25周年だったこともありいくつかの特別モデルが発売されましたが、とりわけGW-B5600は輝いていたものです。

GW-B5000

出典:https://www.casio.com/jp/

Bluetooth搭載により、スマートフォンとのリンクが可能となったGW-B5600。

マルチバンド6に対応していることはもちろんですが、スマートフォン上での時刻修正やワールドタイム機能の都市設定が可能となりました。

ちなみに従来の5600系は樹脂バンドが主流でしたが、GW-B5600の中でもRef.GW-B5600BCでは新構造の樹脂製コンポジットバンドを採用。ぱっと見でメタルのような質感を実現しているのみならず、ブレスの中駒に樹脂を、外駒にメタルパーツを埋め込むことで、さらなる強靭さを手に入れました。

GW-B5000

出典:https://www.casio.com/jp/

この利便性高く、かつスピードモデルのDNAも味わえる名作が税込定価23,100円~33,550円というお値打ち価格には驚かされますね(2021年10月現在)。

 

さらに2019年、近年のカシオ G-SHOCKのトピックの一つともなっている「メタル化」が、5600系でも実現されることとなりました!

こちらの、GM-5600です!

GM-5600

出典:https://www.casio.com/jp/

元来、メタルとG-SHOCKの耐衝撃構造はあまり相性が良くありませんでした。と言うのもメタルのように重量のある素材は衝撃緩衝効果が薄かったためです。

しかしながら時計の高級感やクラス感を出すためにメタルの採用は欠かせないとカシオは考えていたのでしょう。1996年、「第二のマテリアル」としてメタルを掲げ(第一は樹脂)、MR-Gをリリースしました。これは外装がフルメタルでありながらも耐衝撃構造を堅持した画期的な一大コレクションで、現在ではカシオ屈指のハイエンドラインに位置付けられます。

近年では各シリーズのメタル化を図っており、2018年には初代5000系を受け継いだメタル製GMW-B5000をリリース。

そして翌2019年、5600系でもこちらのGM-5600を新たに打ち出した形となります。

GM-5600

出典:https://www.casio.com/jp/

長年外装加工で一家言持ってきたカシオならではの丁寧な仕上げが施されたメタル素材でありながら、税込定価は24,200円~28,600円の、優れたコストパフォーマンスも初代から受け継ぎます。

 

1990年代、キアヌ・リーブス氏を始め全G-SHOCKファンを魅了した5600系は、今なお私たちの腕元で超正確な時を刻んでくれることを、これらの系譜は示唆します。

 

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通称「スピードモデル」。G-SHOCK DW-5600の魅力

DW-5600

出典:https://www.casio.com/jp/

マルチバンド6やBluetoothを搭載した最先端GW-M5610,あるいはメタルが洗練されたGM-5600も良いですが、やはり元祖スピードモデルとしてDW-5600をチョイスするファンも多いのではないでしょうか。

現在、DW-5600はベーシックなDW-5600E-1を始め、オールブラックや可愛らしいパステルカラー等、多岐に渡ったモデル展開をしており、男女問わず愛されていることがわかります。

 

その理由は、やはりスピードモデルの系譜を引くシンプルさが気軽に時計を楽しめること。またかつて「ダサい」などと言われたこともあるようですが、オクタゴンが映えるレトロフューチャーな外観が「これぞG-SHOCK」「これぞ日常の相棒」といった様相であるがゆえではないでしょうか。

とりわけ「レトロフューチャー」は、現在多くのプロダクトにとてトレンドの一つです。

レトロフューチャーとは1970年代~1980年代に流行していた、「当時の近未来像」をデザインに落とし込む概念です。この時代は宇宙開発やモーターレースが盛んだったこともあり、プロダクトにも世相が反映されました。

それらはオーセンティックではなくかなり独創的で、ともすれば奇抜とも捉えられかねないデザインです。スピードモデルもまた、オクタゴン型フォルムや計器然とした無骨な外装が、まさにレトロフューチャーを体現していると言えるでしょう。

そんなレトロフューチャー回帰によってスピードモデルことDW-5600系人気が、再燃してきているのです(もちろん、ロングセラーだけありコンスタントに人気はありました)。

また、樹脂製ゆえに軽量で扱いやすく、近年の「デカ厚」ブーム以前からサイズ感は変わっていないため、ゴツゴツしすぎていないのも良いですよね。

ぜひ往年のG-SHOCKを楽しみたい方は、キアヌ・リーブス氏も愛したスピードモデルをご検討下さい!

 

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まとめ

スピードモデルとして1990年代に一世を風靡したDW-5600および、その進化版であるGW-M5610やGM-5600等をご紹介いたしました。

文中でも述べた通り、映画『スピード』によって大ブレイクを巻き起こしたG-SHOCKの不朽の名作DW-5600。

現行でもお求めやすい価格で出回っておりますので、気になる方はぜひお手に取ってみて下さいね。

文:鶴岡

 

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この記事を監修してくれた時計博士

新美 貴之(にいみ たかゆき)

(一社)日本時計輸入協会認定 CWC ウォッチコーディネーター
高級時計専門店GINZA RASIN リテール(本店、ナイン店)、メンテナンス マネージャー

1975年生まれ 愛知県出身。
大学卒業後、時計専門店に入社。ロレックス専門店にて販売、仕入れに携わる。 その後、並行輸入商品の幅広い商品の取り扱いや正規代理店での責任者経験。
時計業界歴24年

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