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頑張って買った高級時計。

しっかりと作り込まれたその腕時計は、一生ものとしてご愛用頂けるでしょう。

しかしながら高級時計と末永く付き合うために避けられないのが、「維持費」です。高級時計は維持するうえでメンテナンスが欠かせませんが、ご購入時にそこまで気にしていなかったという声は多いもの。また、予期せぬトラブルで修理が必要となった時、その見積もりに驚愕させられたと言った方もいらっしゃいます。

いったいこの維持費とはどのようなもので、どれくらいの金額がかかるのでしょうか。

この記事では、高級時計にかかる維持費を解説するとともに、当店GINZA RASINでの過去5年間の修理受付データをもとに、主要21ブランドの平均「維持費」をまとめてみました!

高級時計 維持費

 

高級時計にかかる「維持費」。その内容と費用の目安

高級時計にかかる維持費は、おもに「メンテナンス代金」と「修理代金」に分類されます。

それぞれの内容と、だいたいの費用の目安をご紹介致します。

 

高級時計の維持費①メンテナンス

高級時計を使っていくうえで、定期的に必要となってくるメンテナンス。

まず挙げられるのが、オーバーホールです。これは、高級時計の維持費の大きい部分を占めてきます。

オーバーホールとは時計内部の機械を一度分解・洗浄し、新しく注油して組み立てなおすといった作業です。また、「overhaul―徹底的に見直す―」という言葉通り、パーツ一つひとつに破損や劣化がないかも併せて綿密に確認し、必要であれば交換作業も行います。

このオーバーホールは、機械式時計であれば4~5年に一度、クォーツ式時計であれば7~8年に一度、定期的に行うことが推奨されます(ブランドやモデル,使用環境下により年数は変動します)。

高級時計 オーバーホール

オーバーホールの費用がどれくらいかかるかはブランドや機構によって変わってくるため一概には言えませんが、下記に目安を掲載いたします。

なお、各ブランドの平均費用については、後述する「主要ブランドの「高級時計の維持費」まとめてみました~ロレックス,オメガ,タグホイヤー等~」をご確認下さい。

 

◆オーバーホール(メーカーメンテナンスの場合)

駆動方式 金額
2針または3針 30,000円程度~
クロノグラフ 50,000円程度~
コンプリケーション(複雑機構) 10万円台~
クォーツ式 国産で5,000円程度~、海外ブランドで10,000円程度~

上記はメーカーでオーバーホールを受けた場合のだいたいの目安です。

ブランドによっては正規購入品を対象に割引価格を設定しているところもあります。

また、民間修理会社や時計専門店のアフターサービスを利用した場合は、もう少し安くなるケースがほとんどです。

なお、パーツ交換が発生した場合は、このオーバーホール料金にパーツ代金が上乗せされます。

ちなみにオーバーホールはだいたい1か月ほどかかりますので、その間は愛用の腕時計が使えなくなってしまうことも覚えておきたいですね。

 

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◆電池交換

高級時計 電池交換

クォーツ式の高級時計をご購入になった方は、「電池交換」もメンテナンス費用として考慮する必要があります。

クォーツ式の駆動力は一次電池となるため、2~3年に一度(最近では5~10年程度持つ個体もありますが)、電池交換を行います。電池が切れたまま放置しておくと内部で液漏れを起こしてしまい、ムーブメントそのものの劣化に繋がりますので、注意が必要です。

費用は正規の場合で5,000円程度~、一般的な時計屋で1,500円~が目安です。

 

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◆ベルト交換

高級時計 革ベルト

さらに高級時計のメンテナンスで忘れてはいけないのが、ベルト交換です。

基本的にベルトは消耗品です。金属ブレスレットの場合は比較的よく長持ちしますが、革ベルトだと2~4年程度で交換が必要となります(使用環境下によって前後します)。

革ベルトの交換費用は、どこでどんなベルトを交換するかにもよります。メーカー純正品をご購入になる場合は、30,000円程度~。革ベルト専門店や時計店の既製品を購入される場合は10,000円程度~。ベルト交換をメーカーや民間修理会社に依頼する場合は、手数料として数千円程度かかってくることもあります。

なお、金属ブレスレットやラバーストラップ交換の際は、数万円~20万円超かかることもあります。

 

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以上をまとめると、高級時計の維持のうちメンテナンス費用については、「オーバーホール」,「ベルト交換」、そしてクォーツ式時計であれば「電池料金」が含まれる、ということです。

この他ではタイミング調整や機械点検,防水点検が必要になることもあります。これらは5,000円前後~となっておりますが、保証期間内であれば無償としているお店もあるので、購入店に問い合わせてみましょう。

 

高級時計の維持費②修理

高級時計 修理

定期的なオーバーホールとは別に、何らかのトラブルによって修理が必要となった場合も、料金がかかります。

例えば時計を落としてしまった,浸水してしまった,あるいは操作を誤ってしまった・・・長年一本の高級時計を愛用していけば、こういった思わぬトラブルは発生してしまいますね。

修理費用がどれくらいかかるかは、修理箇所にもよります。

よくある修理事例の交換費用の目安を掲載致しますが、メーカーやモデルによっても変わってきます。また、内部不具合はオーバーホールをセットで行うこともしばしばあるため、その場合は下記修理費用+オーバーホール代金が請求されることになります。

 

修理内容 金額
ゼンマイ交換 5,000円程度~
針の付け直し 5,000円程度~
リューズの巻き真やオシドリ交換 10,000円程度~
リューズ交換 20,000円前後~
カレンダー不具合 30,000円程度~(OH込価格)
脱磁 5,000円程度~
洗浄 5,000円程度~
外装仕上げ 10,000円前後~

 

※ゼンマイ交換・・・主ゼンマイが長年の使用によって劣化したり、あるいは切れてしまったりした場合に交換が必要になります。定期的なメンテナンスを行っていれば、オーバーホール時に交換となります。

 

※針の付け直し・・・衝撃によって、アナログ針にズレが生じる場合があります。この場合は取り付け部分(ハカマ)を締め直すことで対応できます。

 

※リューズの巻き真やオシドリ交換・・・リューズを固定する巻き真やそれを固定するオシドリは衝撃あるいは摩耗によってトラブルを生じ、リューズが抜け落ちてしまうことに繋がります。

 

※カレンダー不具合・・・機械式時計に設定されている「カレンダー操作禁止時間帯」に日付変更を行ったことで故障しやすい箇所です。

 

後述しますが、いずれも使い方次第で避けられる出費ですので、適切な扱いを心掛けたいですね。

なお、洗浄や外装仕上げは、オーバーホールとセットであればサービスでやってくれるところも少なくありません。

また、脱磁(磁気抜き)のみの場合は購入店がサービスでやってくれる場合もありますので、修理店などに出す前に購入店に相談しましょう!

 

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主要ブランドの「高級時計の維持費」まとめてみました~ロレックス,オメガ,タグホイヤー等~

「メンテナンスや修理でお金がかかるのはわかったけど、今自分が欲しい時計は今後どれくらいの費用がかかるんだろう・・・?」

そんな方に向けて、当店GINZA RASINでの過去の実績値をもとに、各ブランドの平均「維持費」をまとめてみました!

2017年~2021年までの5年間で、当店にご依頼頂いたメンテナンス・修理費用の平均を掲載しております。

もちろん症状やモデルによっても変わってきますが、ぜひ参考にしてみて下さいね。

 

メーカー メーカー工房 当店提携工房
ロレックス メーカー工房:44,146円 当店提携工房:28,203円
オメガ メーカー工房:46,829円 当店提携工房:33,789円
タグホイヤー メーカー工房:55,887円 当店提携工房:28,631円
ウブロ メーカー工房:99,820円 当店提携工房:28,558円
ブライトリング メーカー工房:68,441円 当店提携工房:34,400円
パネライ メーカー工房:65,271円 当店提携工房:21,752円
IWC メーカー工房:69,463円 当店提携工房:27,065円
ゼニス メーカー工房:70,730円 当店提携工房:25,796円
チューダー メーカー工房:43,632円 当店提携工房:19,993円
ジャガールクルト メーカー工房:76,582円 当店提携工房:30,371円
ブレゲ メーカー工房:52,969円 当店提携工房:27,520円
フランクミュラー メーカー工房:51,480円 当店提携工房:26,317円
グランドセイコー メーカー工房:31,492円 当店提携工房:19,580円
ノモス メーカー工房:32,924円 当店提携工房:18,056円
カルティエ メーカー工房:48,540円 当店提携工房:21,652円
ブルカリ メーカー工房:56,100円 当店提携工房:23,040円
シャネル メーカー工房:42,800円 当店提携工房:14,225円
ハリーウィンストン メーカー工房:56,100円 当店提携工房:34,340円
パテックフィリップ メーカー工房:87,030円 当店提携工房:36,453円
オーデマピゲ メーカー工房:94,002円 当店提携工房:37,200円
ヴァシュロンコンスタンタン メーカー工房:106,716円 当店提携工房:25,184円

 

※オメガのコーアクシャル搭載ムーブメントのオーバーホール・修理は基本的にメーカー対応なるため、当店提携工房の費用に当該機構のメンテナンスは含まれません。

 

高級時計の維持費を抑えることはできるのか?

高級時計 オーバーホール

上記で「オーバーホール」「革ベルト交換」「修理費用」といった、高級時計を所持していくうえで欠かせない維持費についてご紹介致しました。

この維持費を、少しでも抑えることはできるのでしょうか。

基本的に維持費をなくすことはできませんが、抑えることは可能です。

そのためには適切な取り扱いを心掛けることが何より大切です。

例えば機械式時計のよくある故障の原因としては、時計に衝撃や強い振動が加わった、といったものがあります。これによってヒゲゼンマイ(機械式時計の精度を取る、心臓部のようなパーツの中の一つ)が絡んでしまったり、針やプッシュボタンが取れてしまったりといったトラブルは少なくありません。

また、磁気帯びや浸水を放置してしまったことで、オーバーホール・大がかりなパーツ交換が必要になってしまうことも。とりわけ磁気帯び・水入りはオーナーも気づかぬうちに生じてしまうことが多々あります。バッグのマグネットの部分に時計を近づけていたり、汗や手洗い時に水がかかってしまったりといった具合です。

普段から高級時計の取り扱いには気を付け、何かあったらすぐに修理に出すことが、最も維持費を抑えられるコツと言えるでしょう。

革ベルト 手入れ

また革ベルトも、しっかりとお手入れすることで寿命を長くすることが可能です。

革ベルトの劣化原因の一つに、汗や皮脂汚れが挙げられます。

ファブリックストラップのようにジャブジャブ洗うというわけにはいきませんが、使い終わった後はやわらかい布で丁寧にふき取る,レザートリートメントを塗布する・・・こういった簡単なお手入れを行うだけで革ベルトの寿命は延びてくれるもの。

その他には同じ革ベルトを使い続けず、複数本ローテーションする,きつく締めない,Dバックルを用いるといった長持ちのポイントもあります。詳細は下記をご覧くださいませ。

 

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なお、前項でご紹介した各ブランドの平均メンテナンス費用からもわかる通り、一般的にはメーカーの正規メンテナンスよりも修理専門店や購入店の提携工房でメンテナンスを受けた方が金額が安い場合が多いです。

しかしながらメーカーでしか直せない個体もあります。また、信頼できる修理店・時計店でないと思わぬトラブルに巻き込まれてしまうことも。「インターネットで調べた修理店に任せたら純正以外のパーツに黙って交換された」「時計を傷つけられた」といったトラブルは後を絶ちません。

高級時計のメンテナンスや修理の際は、まず購入店に問い合わせることをお勧め致します。信頼できる店舗であればアフターサービスが充実していますので、お客様のご希望に副った対応で進められます。

もっとも、繰り返しになりますが、維持費は大切な時計と末永く付き合っていくための必要経費です。あまりコストカットしようと必要なメンテナンスを怠ってしまったり、よくわからないお店に持ち込んでしまったりしては本末転倒です。

愛用の時計のためにも、維持費とは上手に付き合っていきたいですね。

 

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まとめ

高級時計を所持するうえで絶対に欠かすことのできない、維持費についてご紹介致しました!

オーバーホールにしろ、電池交換にしろ、修理費用にしろ、いずれも時計と長く付き合っていくためにはしっかりと理解しておきたいところですね。

なお、当店GINZA RASINでも、各種アフターサービスをご用意しております。当店独自の保証制度も設けておりますので、ご購入時,あるいはご使用時に気になるところがあれば、お気軽にお問合せ下さい!

 

 

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各種メンテナンスサービス


この記事を監修してくれた時計博士

廣島浩二(ひろしま こうじ)

(一社)日本時計輸入協会認定 CWC ウォッチ コーディネーター
一級時計修理技能士 平成31年取得
高級時計専門店GINZA RASIN 販売部門 ロジスティクス事業部 メンテナンス課 主任

1981年生まれ 岡山県出身 20歳から地方百貨店で時計・宝飾サロンで勤務し高級時計の販売に携わる。 25歳の時時計修理技師を目指し上京。専門学校で基礎技術を学び卒業後修理の道に進む。 2012年9月より更なる技術の向上を求めGINZA RASINに入社する。時計業界歴19年

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