loading
Now Loading...
  • Twitter
  • LINE
  • Facebook
  • Instagram
  • weibo
  • WeChat

腕時計と車の世界は、親和性があります。

どちらもデザインやエンジンで人々を魅了し、各社が性能のブラッシュアップを図っていく・・・さらにブランドの歴史や価格・価値によって、市場でのポジショニングが見えてくる・・・運転の楽しさ(操作の楽しさ)も味わいたい・・・

 

そこでこの記事では、腕時計の人気ブランド18社それぞれを、車メーカー・ブランドで例えてみました!

もちろんユーザーご自身で「このブランドはこの車!」といったイメージもあることでしょう。ぜひ比較したりご自身で例えたりして、楽しんでみて下さいね。

※各メーカーの関係性を示すものではありません。参考程度にお読みください

 

腕時計ブランド18社を車に例えてみた!一覧表

人気の高級腕時計ブランド18社を、自動車メーカーに例えた一覧表がこちらです。詳細は、次項より解説致します。

 

パテックフィリップなら「フェラーリ」

パテックフィリップ ノーチラス

世界三大時計ブランドの一つ・パテックフィリップ。その価値やステータスは三大時計の中でも頭一つ抜きんでていると言われており、世界最高峰の呼び声も高い名門ブランドです。

パテックフィリップは1839年にスイス ジュネーブで創業して以降、高度な時計製造技術と卓越した審美眼を培い続け、さながら工芸品のように美しい腕時計を世に送り出してきました。

なお、同社には歴代顧客の台帳が存在しており、そこには錚々たるメンツが名を連ねると言われています。ヴィクトリア女王やローマ教皇の他、アインシュタイン、キュリー夫人、ワーグナー、チャイコフスキー、リスト、シャーロット、トルストイ、ウォルトディズニー、クラークゲーブル、チャリーシーン、ブッシュ大統領、徳川昭武、大正天皇、昭和天皇、今上天皇・・・いずれも、歴史に名を残す大人物ですね。

現代でも世界中の著名人、そして時計愛好家から憧憬のまなざしを向けられており、名実ともに最高峰ブランドとなっております。

パテックフィリップ

「名実ともに最高峰」と聞いて、車業界で思い浮かぶのはフェラーリではないでしょうか。言わずと知れたイタリアの高級車ですね。

フェラーリは、1929年の設立当初は富裕層のモータースポーツ愛好家を顧客とした自動車ディーラーでしたが、第二次世界大戦後にレーシングカー製造にも着手します。戦後は各国でモータースポーツが盛んに開催されるようになったため、市場のニーズを巧みに読み取っていったのでしょう。

そんな歴史を持つフェラーリ、現在ではエンブレムの跳ね馬のように凛々しくも美しい車体と、高性能スーパーカーを突き詰める先進性がきわめて高い評価と人気を得ており、今後も高級車市場を牽引していく存在であることは間違いありません。

そのリーディングカンパニーとしての性質。そして大量生産とは無縁の作り込まれた唯一無二のプロダクトを生産する技量において、パテックフィリップとの深い親和性を覚えました。

 

あわせて読みたい関連記事

 

 

オーデマピゲなら「ベントレー」

オーデマピゲ ロイヤルオーク10選 40代、50代以上

パテックフィリップ,ヴァシュロンコンスタンタンと並んで世界三大時計ブランドの一角を成すオーデマピゲ。1875年の創業以来、連綿と創業家一族による経営を続けている、大変稀有なブランドです。

19世紀末から既にコンプリケーション(複雑機構)で名を馳せていった由緒正しいブランドである一方で、老舗の名に甘んじない革新と進化を続けていることもオーデマピゲが世界トップレベルであり続ける大きな所以でしょう。

とりわけ1972年に生み出されたロイヤルオークは、ラグジュアリースポーツウォッチという一大ジャンルを時計業界に築き上げました。ラグジュアリースポーツウォッチに定義はありませんが、ラグジュアリーメゾンが製造するスポーツウォッチという意味合いのみならず、薄型上品で高級機然としていることが求められます。

スポーツウォッチとしての堅牢性を保ちつつも薄型を保つというのは、高度な技術力と設計力が欠かせません。また高級機らしく、丁寧な仕上げ・高い作り込みも求められます。そういった意味合いではロイヤルオークはラグジュアリースポーツウォッチの一つの規範と言え、ますます成長し続ける当該市場の、牽引役としても語られています。

オーデマピゲ ロイヤルオーク オフショア

そんなオーデマピゲは、ベントレーのイメージがとても強くあります。

ベントレーはイギリスの高級車メーカーです。1919年にロンドンで創業しており、高性能スポーツカーを得意としています。

もっともベントレーの魅力は性能に留まりません。ベントレーに魅了される方々は、同社のラグジュアリーかつエクスクルーシブなスタイルに惹かれている方が少なくないのでしょうか。とりわけ内装はまるでホテルのようとも称されるほど作り込まれており、これは職人の手作業によって生み出されています。

オーデマピゲもまた、熟練の職人たちの手作業により、ハイスペックながら美しさを存分に湛える名機を生み出しているという点で、ベントレーの経営姿勢に重なるところがあります。

 

あわせて読みたい関連記事

 

 

ヴァシュロンコンスタンタンなら「ロールス・ロイス」

ヴァシュロンコンスタンタン オーヴァーシーズ 5500V

同じく世界三大時計ブランドの一員・ヴァシュロンコンスタンタンは1755年創業と、超老舗スイス時計ブランドとなります。

ちなみに同じくスイスの時計ブランドとなるブランパンが創業1735年となり、ヴァシュロンコンスタンタンより古くなるものの休眠期間あり。そのため世界で最も長く経営を続けてきた時計ブランドとしては、ヴァシュロンコンスタンタンの名前を挙げて良いでしょう。

 

ヴァシュロンコンスタンタンはスポーツウォッチ人気が圧倒手的な現代では珍しく、クラシカルで正統派なラインナップを多数抱えています。

ラグジュアリースポーツウォッチとしてオーヴァーシーズもコレクション展開していますが、ドレスウォッチの「パトリモニー」や伝統を体現した「トラディショナル」、1921年発表のドライビングウォッチをリバイバル・再解釈した「ヒストリーク アメリカン」等、アッパーな装いに似合う製品を得意としてきました。

ヴァシュロンコンスタンタン ヒストリーク ロワイヤル

であるからして、ロールス・ロイスのイメージに近いのはヴァシュロンコンスタンタンではないか、とまず思ったものです。

ロールス・ロイスは1906年にイギリスで創業した、説明不要の高級車メーカーですね。

ロールス・ロイスの価格帯は数千万円~と超絶ハイプライスですが、それもそのはず。製造工程の大きい部分を職人の手作業に頼っており、さらに材質や加工,意匠にも並々ならぬこだわりが注がれています。ヴァシュロンコンスタンタンが生み出す、至高の銘品たちもクラフトマンシップに拠るところが多く、熟達した職員らの「手」による上質さは唯一無二の風格を放ちます。ベントレーにも当てはまることですが、こういった手作業は完成までに多くの時間を要します。工場での大量生産とは無縁ゆえ、どうしてもコストがかかってしまい、結果として高価格帯となっていきます。しかしながらこの手作業ならではの満足感は、工業製品では味わえないのではないでしょうか。

なおロールス・ロイスは社内の静謐さ、振動の少なさから「幽霊―ファントム―」の異名を取りますが、ヴァシュロンコンスタンタンのエンジン(ムーブメント)もまたスムーズな操作性をオーナーに提供しているという点でも、共通ですよね。

どちらも世界のVIP御用達メーカーであり、なかなか気軽に購入できる製品ではないものの、いつかは手にしたい憧れの象徴のような存在です。

 

あわせて読みたい関連記事

 

 

ロレックスなら「メルセデス・ベンツ」

デイトナ 116500LN

「時計を車に例えるなら」といった話題で、必ずと言って良いほどロレックスとメルセデス・ベンツの親和性が取り上げられます。

ロレックスは世界で最も有名かつ人気の腕時計ブランドですね。例え腕時計に興味のない方でも、この名前は知っているのではないでしょうか。

 

創業は1905年、イギリスのロンドンです。

ロレックスは圧倒的知名度とブランディングの巧みさが取り沙汰されることも少なくありませんが、長い歴史の中で実用性を追求し続けてきたことでも、大変高い評価を獲得しています。

例えば防水性を有したラウンドケース。日付のクイックチェンジ(日付がカシャッと切り替わる機能)。自動巻き機構。これらはロレックスが実用化に大きく貢献し、その後の腕時計の在り方に多大な影響を及ぼしました。そのためこの三つの機能を、ロレックスでは三大発明としています。

 

現代でもその最高峰の実用性は他の追随を許しておらず、堅牢かつ高精度,高性能なモデルを生産しています。なお、もともと圧倒的人気を誇るブランドでしたが、近年では需要が高まり続けて供給が追い付いておらず、常に品薄。これに伴い実勢相場が高騰し続けているブランドとしても有名です。

ロレックス GMTマスターII

自動車産業で圧倒的知名度と高い実用性・信頼性を備えるという面では、やはりメルセデス・ベンツの名が挙がるでしょう。

1926年にドイツで設立されたメルセデス・ベンツ。「ベンツ」と言えば高級車の代名詞的存在です。ちなみにベンツの礎を築いたと言うカール・フリードリヒ・ベンツは、1886年に世界初の自動車として初めて特許を取得していた人物です。

高級車と言うと「ものすごいスピードが出る」「内装にお金をかけている」といったイメージが先行します。もちろんメルセデス・ベンツも高性能と高級感を味わえる車メーカーです。一方でさらに評価が高いのが安全性と信頼性!エアバッグや衝突安全ボディなどといった安全装置をいち早く取り入れていること。また故障が少なく走行性能にも優れることから、万人に愛される、「実用高級車」なのです。

さらにメルセデス・ベンツが採用したデザイン・装備が競合他社へ影響を与えているという点でも、ロレックスと共通項ですね。

※3時位置に日付があるデザインコードはロレックスが広めたと言われています。またアウターベゼルにタキメータースケールを直接印字したクロノグラフや、修理体制の充実もロレックスが先鞭をつけてきました。

 

あわせて読みたい関連記事

 

 

オメガなら「BMW」

オメガ シーマスター300

ロレックスと並んで、圧倒的知名度を誇るオメガ。

さらにNASAの公式装備品として月面着陸に携行されたスピードマスター プロフェッショナル―通称ムーンウォッチ―や、映画『007』でボンドウォッチとして活躍したシーマスター等、ストーリー性あるコレクション展開も魅力の一つですね。

もっとも知名度のみならず、実用性の高さもまた、ロレックスと並んで業界トップクラスです。

オメガはスイスで1848年に時計工房を設立させたことからその歴史が始まりますが、1894年に自社製造したムーブメント「オメガ」が、そのまま社名となりました。ちなみに「究極」という意味を込めて、ギリシャ文字の最後「オメガ」と名付けたのだとか。

当時から自社でムーブメント製造を手掛けるほどの高度な技術力と高い生産力を強みに(19世紀は多くの時計メーカーがムーブメントメーカーが製造するエボーシュを載せていたため)、高精度かつ高性能な時計を市場に送り込みました。

 

さらに近年ではMETAS(スイス連邦計量・認定局)とタッグを組んで、独自の時計の品質規格「マスタークロノメーター」を確立。

このマスタークロノメーターという規格は、高い精度を誇ることはもちろん、15,000ガウスというきわめて高い耐磁性能を有した時計にのみが認定される、厳格かつ実用性高いものとなります。耐磁性能と言うのは時計の不具合の要因になりやすい「磁気」への耐性です。15,000ガウスは、時計業界では随一のハイスペックとなっております。

パーツの摩耗や経年劣化を低減でき、オーバーホールスパンの延長に成功したコーアクシャル機構と併せて、現在オメガ人気を下支えする二大技術と言って良いでしょう。

オメガ スピードマスター プロフェッショナル

BMWもまた、圧倒的知名度と実用面の高さでオメガに例えられます。

BMWは「ドイツ バイエルン州の発動機製造会社」を意味するバイエリッシェ・モトーレン・ヴェルケのイニシャルを取った略称であることからもわかるように、ドイツの高級車です。1916年に設立された航空機エンジンメーカーが出自となり、ドイツ空軍にも航空機用エンジンを供給していました。

そんな出自があるためか、今なおエンジンの性能には定評があります。

BMW自身が「駆け抜ける喜び」をスローガンにしているように、非常に安定的な走りと快適なハンドリングをオーナーに提供しており、しかもこうした高性能エンジンを量産してくれるというのは、嬉しいポイントですね。

オメガ同様オシャレで洗練されたデザインの車種も多いため、老若男女幅広い層から憧れられる車メーカーでもあります。

 

あわせて読みたい関連記事

 

 

ウブロなら「ポルシェ」

ウブロ 人気おすすめモデル10選 ビッグバン

力強いデザインとアヴァンギャルドなコンセプトで、数々のヒット作を飛ばすウブロ。

各界とのコラボレーションもブランディングの一環として意欲的に行っており、サッカーやテニスといったスポーツ,アート,ファッションとのコラボレーションモデルを手掛けています。こういったコラボレーションの強さは、時計に興味のない層へも認知度を広げられることにあります。実際、ウブロがどんなブランドか知らなくても、同社のロゴマークをテレビや雑誌で見たことがあるといった方は多いでしょう。

 

もちろんブランディングのみならず、至極の腕時計製造についても定評があります。

とにかくカッコいいデザインと、ステンレススティールやゴールドだけに留まらない多彩な素材を伝統的な時計と融合させることによって、競合他社にはない唯一無二の存在感を獲得しました。とりわけ2005年に発売されたビッグバンは、時計業界に「デカ厚」「異素材の魅力」という旋風を巻き起こした、立役者となります。

ウブロ メカ10

そんなウブロを例えるなら、ポルシェではないでしょうか。

ポルシェはドイツを代表する高級車メーカーです。50年以上も歴史を紡いできた「911」や、高級SUVという概念を車業界に根付かせた「カイエン」等は、憧れの象徴のような存在ですね。映画やテレビでポルシェに一目惚れした方は少なくありません。

ポルシェの、誰をも魅了するデザイン性や憧れの対象であり続けるカリスマ性は、ウブロと相通ずるものがあるように思います。

 

ちなみにポルシェも、ウブロ同様に他業種とのコラボレーションによって、ファンをいっそう増やしているメーカーです。

最近はアーティストやファッションブランド、そして時計産業ではタグホイヤーなどとタッグを組んで、魅力的なプロダクトを世に送り出しています。ちなみにタグホイヤーはウブロと同じくLVMH(モエヘネシー・ルイヴィトン)グループ傘下のブランドです。そのためタグホイヤーがポルシェコラボを出しているのだから、ウブロも・・・密かに期待に胸躍らせている筆者です。

 

あわせて読みたい関連記事

 

 

ランゲ&ゾーネなら「メルセデス・マイバッハ」

ランゲ&ゾーネ

世界三大時計に名を連ねてこそいないものの、パテックフィリップに追随するブランドとして名高いのがランゲ&ゾーネです。

スイスと並んで時計大国であるドイツブランドであり、同地の中でも高級時計の産地・グラスヒュッテに本拠を構えます。ちなみにグラスヒュッテは今でこそモリッツ・グロスマンやグラスヒュッテ・オリジナル,ノモスなどといった名門時計ブランドが集いますが、この地に高級時計産業を根付かせたのが、何を隠そうランゲ&ゾーネとなります。

と言うのも19世紀、ドイツ グラスヒュッテは栄えていた銀鉱山が枯渇していまい、街全体の貧困が深刻化していました。そこで時計師のフェルディナント・アドルフ・ランゲ氏が1845年、グラスヒュッテに産業奨励の一環として工房を構えたことで、ドイツ時計製造の中心地として歴史を紡いでいくこととなります。

ランゲ&ゾーネ ランゲ1

そんなランゲ&ゾーネはそのブランド名通り(ランゲとその息子たち、を意味する)、ランゲ一族によって連綿と経営が引き継がれていきました。しかしながら第一次世界大戦・第二次世界大戦にランゲ&ゾーネは翻弄されていきます。冷戦時代のドイツ東西分裂も相まって、ランゲ&ゾーネの名は一度市場から消滅することとなりました。

しかしながら1989年のベルリン壁崩壊、そして翌年のドイツ東西統一によって、四代目当主ウォルター・ランゲ氏がランゲ&ゾーネの名を復興させます。

その後は「グラスヒュッテの伝統様式」と「繊細な手作業」、そして「並々ならぬプロダクトへのこだわり」を強みに、大量生産とは無縁ながら、美しくも精密精緻な高級時計を製造し続けています。その分お値段も超高級となりますが、ランゲ&ゾーネの精鋭職人らの手仕事によってしか生み出すことの出来ない至高の腕時計の数々を一目見れば価格にご納得頂けることでしょう。

※グラスヒュッテの伝統様式・・・フェルディナント・アドルフ・ランゲ氏が確立した、時計製造におけるムーブメントの定義。もともとはドイツらしい頑丈なムーブメントを指していましたが、現在では「グラスヒュッテストライプ装飾が入った3/4プレート」「丁寧なエングレービングが施されたテンプ受け」など、美しさと機能性を兼ね備えたムーブメントの一つの指標となっており、ブランディングにも大きく貢献しています。

ランゲ&ゾーネ ランゲ1 シースルーバック

出典:https://www.facebook.com/LangeSoehne/?ref=page_internal

超高級ながら美しく高潔という意味で、ランゲ&ゾーネになぞらえるならマイバッハでしょう。

同じくドイツ最高峰のメーカーとなり、もともとは20世紀初頭にエンジン製造会社として創業したブランドですが、2002年、同社を傘下に加えていたメルセデス・ベンツがその名を復刻。現在ではエグゼクティブな超高級車の代名詞的存在として、贅を尽くした内装やインテリア,そしてラグジュアリーな空間を維持するための静かな乗り心地といった、車とは思えないワンランク上の空間を提供しています。

少量生産ゆえ、マイバッハもランゲ&ゾーネも超高価格帯です。一方でこの価格が「特別感」「エクスクルーシブ」にも繋がっており、どちらもドイツを、そしてそれぞれの産業界の最高峰メーカーと言えるでしょう。

 

あわせて読みたい関連記事

 

 

リシャールミルなら「パガーニ」

リシャ―ル・ミル 腕時計

平均単価は数千万円という、超高額時計ブランド・リシャールミル。高級スーパーカーが購入できてしまう価格帯ですね。

もっともリシャールミルは、その製品もまた「スーパーカー」と言って良いでしょう。

エクストリーム・ウォッチをコンセプトに、既存の腕時計では考えられなかった高性能・堅牢性を備えた、スーパーな腕時計を生産することを強みにしているためです。

 

最も代表的なエクストリーム・ウォッチと言えば、「投げても壊れないトゥールビヨン」でしょう。

トゥールビヨンというのは時計の複雑機構のうちの一つで、テンプと呼ばれる繊細な時計の「脳」にあたる部分をキャリッジに収め、それを60秒で一回転させるという仕組みです。懐中時計の時代、このテンプはしばしば姿勢差の影響によって精度を狂わせていました。そのためテンプごと回してしまえ、という発想でできあがったのが、トゥールビヨンなのです。

もっとも腕時計は着用時に結構大きく動くため、今ではあまり実用性はありません。しかしながらトゥールビヨンが描く渦のような動きが(事実、トゥールビヨンは仏語で渦を意味します)美しくも精緻で、今では趣味性の高い機構として知られています。

 

とは言えこの複雑機構、ベーシックな機構と比べて機械的なパーツが多くなるため、どうしても衝撃や振動に弱くなりがち。コンプリケーションを着用して手を叩いたら壊れた、なんて話が昔はあったものです(今では耐震装置の発達によって、普通の市販された個体でこのような事象は稀ですが)。そのためコンプリケーションの実用性の強化は、近年のトピックの一つとも言えます。
リシャールミルではさらに一歩進んで、投げても(!)壊れないようなトゥールビヨンを生み出してしまったのです!

リシャールミル RM027

出典:http://www.richardmille.jp/watch/RM-027_BK.html

リシャールミルではムーブメント含む時計パーツを、チタンやカーボンといった、これまで時計での使用では考えられなかった新素材でまかなうことで低負荷・超軽量の機械式時計を作成することに成功しました。なお、使用する素材はスーパーカーや航空機体に用いられる最先端素材のこと。こういった素材は単価が高く、また加工・仕上げに高度な技術力を要します。そのため、リシャールミルの腕時計は他社に比べて、超高額になっているというわけです。

さらにケース自体も強靭な素材を用いることで、傷や変色に強い、まさにエクストリームな腕時計として仕上がっております。

 

こういった経緯から、リシャールミルは「腕時計界のf1」などと称されることもあります。

そんなリシャールミルを車に例えるなら、パガーニはいかがでしょうか。

リシャールミル

パガーニは、ランボルギーニでデザイナーを務めていたオラチオ・パガーニ氏が1992年に設立した、イタリアの車メーカーです。

大きな特徴は、リシャールミルとの共通点でもありますが、やはりその価格帯です。

パガーニもまた億超えが当たり前のプライスレンジとなっており、世界の富裕層御用達ブランドと言って良いでしょう。

 

なぜパガーニは、そんなにも価格が高くなるのか?

その理由はこだわりの製造体制を見ると、理解しやすいでしょう。パガーニはスーパーカーのみを取り扱いますが、デザイン・性能を究極なまでに追及しており、どうしても製造に時間も手間もコストもかかってしまうもの。ゆえに高価格帯は免れませんが、一方でその出来栄えは見事と言う他なく、パガーニの車を「工芸品」と称する愛好家もいるほどです。

またパガーニ自身も、ブランディングの一環で生産量を絞っているというのもあるのでしょう。顧客の希望に副ったワンオフモデルも生産しており、こういった「スペシャルなサービス」がパガーニの魅力の一つとなっています。

なお、エンジンはメルセデスグループから供給を受けているため、信頼性や安定性を有しているのも嬉しいですね。

超絶ハイプライスには、理由がある。どちらもそんなことを感じさせてくれる、超高級メーカーです。

 

あわせて読みたい関連記事

 

 

ブレゲなら「マクラーレン」

ブレゲ クラシック

「時計の歴史を200年早めた」と称される、天才時計師アブラアン・ルイ・ブレゲ。18世紀~19世紀、数々の時計に関わる発明を世に送り出した人物ですが、この時計師の系譜を引くのが、ブレゲというブランドです。

ちなみに「ロレックスが自動巻き機構を実用化した」「リシャールミルが投げても壊れないトゥールビヨンを作った」などのエピソードをご紹介致しましたが、懐中時計の時代、これらの原型を確立したのがブレゲとなります(ただし自動巻き機構はその数年前にアブラアン・ルイ・ペルレが発明を担い、ブレゲが実用化に至っています)。

機構に留まらず、「ブレゲ針」「ギョーシェ彫り」「コインエッジ」などといった外装技術においても開発を進めており、まさに「時計の歴史を200年早めた」というのは、決して過言ではありません。

 

そんな偉大な系譜を引くブレゲは、歴史的コレクションを多数抱えるブランドでもあります。

例えば、フラグシップのマリーン。クラシカルなモデルが多いブレゲでは珍しくスポーティーなラインとなりますが、これは大航海時代、ブレゲが開発した高精度海洋時計マリン・クロノメーターをインスパイアした一大コレクションとなります。

※マリン・クロノメーター・・・かつて、航海の際に経度を確認するために載せられていた時計のこと。船の揺れは激しく、通常の置時計だと精度が大きく狂ってしまい、航海中は命取りになりました。また海上は寒暖差もきわめて激しくなるものです。そこで航海中も正確な経度測定法を獲得することは各国にとって重要事項であり、後にマリン・クロノメーターが開発されました。ブレゲはこれを大きく改良し、フランス海軍省や商船に供給しました。「海を制するものが世界を制する」と言っても過言ではなかった大航海時代、ブレゲのマリン・クロノメーターが残した功績の偉大さは計り知れません。

ブレゲマリーン

マクラーレン(マクラーレン・オートモーティブ)のプロダクトに、このブレゲとの共通点が多く垣間見えました。

マクラーレンは2010年からスタートした、イギリスの高級自動車メーカーです。メーカーとしての歴史は比較的新しいですが、F1界でマクラーレンの名を知らぬ方はいないでしょう。マークラーレイン・オートモーティブとは、このマクラーレングループの中の市販ロードカー部門として設立した背景を持っています。

F1が出自なため、製造するのは圧倒的スーパーカー!他社には真似できないスーパーカーとしての性能が、マクラーレンを車業界の中でも特別な存在に位置付けています。一方で扱いやすさや快適性にも定評があり、ユーザビリティの高さは随一です。F1界で鍛え続けてきた技術力があるからこそ、圧倒的パフォーマンスのスーパーカーをマクラーレンでは生産していくことができるのでしょう。

技術力に裏打ちされた銘品を手掛ける様は、ブレゲにも見られる姿勢です。

マクラーレンの技術やプロダクトの完成度に惚れ込んでいる方は、ぜひ時計もブレゲを選択して頂きたいなと思います。

 

あわせて読みたい関連記事

 

 

タグホイヤーなら「フォルクスワーゲン」

30代・40代の男性 タグホイヤー

前項のウブロでもご紹介した、タグホイヤー。車好きの方なら、タグホイヤーをご存知かもしれませんね。

タグホイヤーは1887年にスイスで創業された老舗時計メーカーですが、当時の社名はエドワード・ホイヤー・ウォッチ。1985年にTAGグループからの資金援助を受けたことをきっかけに、タグホイヤーの名前が誕生しました。ちなみにTAGとは、テクニック・アヴァンギャルドを意味しています。

 

タグホイヤーは長い歴史の中で、モータースポーツとの関わりを密接にしてきたブランドです。

モータースポーツとの蜜月を示す人気コレクションを多数ラインナップしていることからも、この密接差が伺えますね。

例えば1964年、伝説のロードレース「カレラ パンアメリカーナ・メキシコ」とF1チャンピオン「ファン・アニュエル・ファンジオ」へのオマージュとしてリリースした「カレラ」。1969年、世界三大カーレースにちなんで生み出した「モナコ」。1986年、F1チーム「マクラーレン」との関係性へのオマージュとなった「フォーミュラ1」等々・・・

レーシーなコンセプトに高性能、そして洗練されたボディを兼ね備えたタグホイヤー・ウォッチは、車好きはファンにならざるを得ないと言って、過言ではありません。

 

なお、タグホイヤーは名門でありながらも、優れた生産体制やコストカットによって、良心的な価格設定を実現しているブランドでもあります。そのため20代の初めて高級時計をご購入になる方にとっても、最高の選択肢となってくれることでしょう。

30代・40代の男性 おすすめ タグホイヤー

そんなタグホイヤーを例えるなら、フォルクスワーゲンです。

フォルクスワーゲンはドイツの自動車メーカー。車業界のコングロマリットとして、アウディやポルシェ,ブガッティにランボルギーニなどといった錚々たるメンツを抱えていることでも高名ですが、同社自身もまた上質な自動車生産を手掛けてきました。

フォルクスワーゲンの魅力は、なんといっても優秀なコストパフォーマンスです!

高級感のあるデザインに優れた操作性・燃費・安全性を有しているにもかかわらず、他の輸入車と比べると非常にリーズナブル。それゆえ世界的に人気が高く、販売数も豊富。そんな万人に愛されるメーカーとしての共通点から、タグホイヤーをフォルクスワーゲンに例えました。

 

あわせて読みたい関連記事

 

 

グランドセイコーなら「レクサス」

グランドセイコー

1960年、「舶来時計を超える高精度」と「国産時計の最高峰」を志してセイコーから誕生したグランドセイコー。現在は独立ブランドとして、わが国を代表する高級ブランドへと成長しています。並々ならぬ時計製造へのこだわりを強みに、海外市場でも高い評価を獲得してきました。

グランドセイコーは、ロレックスやオメガと比べると大人しいイメージが強かったかもしれません。確かに派手というよりも、ベーシックなデザインを基調としたモデルが多くなります。

しかしながら実機を見ると、大人しいなどと言うものではありません。とりわけ外装・デザインの風格は、他の追随を許しません。グランドセイコーでは「セイコースタイル」というデザイン文法に則って、外装造りを行っています。セイコースタイルには色々なルールがあるのですが、基本コンセプトは「燦然と輝く時計」。

しっかりと磨き込まれた鏡面部分は歪みがなく、また力強い針や切り立ったインデックス、高い作り込みによって完成されたケース・ブレスレットの輝きは、まさに極上。高級時計かくあるべしといった格を備えているのです。

 

近年ではスポーティーなデザインや、特殊加工を施した美しくもユニークな文字盤デザインをリリースしており、今後ますますそのファンを増やし続けていくことは間違いありません。

グランドセイコー SLGH003

そして同じく日本が誇る一大ブランドということで、グランドセイコーをレクサスに例える方は少なくないでしょう。

レクサスは、言わずと知れたトヨタの最高級車。もともとはアメリカ市場に向けて1989年から展開されましたが、現在では国内外で絶好調の成績を挙げている人気ブランドでもあります。

レクサスはわが国が得意としてきた最先端テクノロジーを駆使するのみならず、こだわりの素材やインテリア、そして洗練されたボディによってスペシャリティをこれでもかと押し出しすところに魅力があります。

さらにブランディングの一環として、徹底した販売マナー・サービスを提供することも、大きな特徴であり魅力ですね。

レクサスは小笠原流礼法なる、伝統的なおもてなしスタイルを接客に取り入れているのだとか!レクサス購入を特別な体験に昇華させるこの試みによって、ワンランク上のブランドであることを存分に周知させているのです。

ちなみにグランドセイコーも、この販売方法の高級化には意欲的に取り組んでおり、現在の成功の一端を担っていると言われています。

どちらも日本を代表するプレミアムブランドとして、今後の成長がますます楽しみでもありますね!

 

あわせて読みたい関連記事

 

 

パネライなら「アルファロメオ」

パネライ 一番人気

軍用計器やウォッチのサプライヤーとしての出自を持つパネライ。

1860年にイタリア フィレンツェで創業して以来、軍事下での使用に耐えうる、高性能かつ高信頼性に富んだプロダクトを得意としてきたブランドです。余談ですが1930年代にはロレックスの協力を得て軍用時計を開発(もともとは計器サプライヤーであった)し、その後もロレックスからムーブメント供給を受けていくつかのモデルを生み出しています。ロレックスは徹底した秘密主義のため断言はできませんが、ロレックスか他社へ唯一ムーブメント供給したのがパネライと言われているものです。

 

なお、現在のパネライは軍用サプライヤーではなく、人気時計ブランドとして不動の地位を確立しています。

1993年に民生市場に打って出ることとなりますが、軍用時計としてのルーツを感じさせる精悍なモデルや一目でパネライとわかるアイコニックなデザインを強みに、熱狂的なファンを増やし続けてきました。パネライのファンは、特別に「パネリスティ」と称されることに、その熱狂の程を感じさせられるのではないでしょうか。

ちなみに2018年、日本人アンバサダーとして初めて反町隆史さんがパネライに起用されました。タフな役柄を演じることも多い反町隆史さん(そして、ご本人自身もタフでワイルドなイメージです)とパネライの相性は言わずもがな。国内市場で、いっそうパネライ人気が高まっていくのではないかと、そう期待しています。

パネライ

そんなパネライを例えるなら、アルファロメオはいかがでしょうか。

アルファロメオもまた、イタリア生まれの高級自動車メーカーです。ちなみに特徴的なロゴは、本拠地のイタリア・ミラノ市の紋章がモチーフとなっております。

アルファロメオはスーパーカーらしい高回転エンジンや優れた乗り心地・操作性の魅力もさることながら、最大の特徴はとにかくカッコいいデザイン!

アルファロメオが手掛けた車は本当に洗練されており、このカッコよさに魅せられてハマる方は少なくありません。まさにパネライの、アイコニック・デザインと重なりますね。

そうそう、アルファロメオのファンを特別にアルフィスタと称する・・・そんな熱狂的ファンを多数抱えていることも、パネライとの共通点です。

 

あわせて読みたい関連記事

 

 

フランクミュラーなら「アウディ」

フランクミュラー トノーカーベックス

1992年、同名のカリスマ時計技師によって創設された、フランクミュラー。老舗の多い時計ブランドの中では比較的若いものの、人気、業界でのポジショニング、そして製品そのものの魅力は、古豪らと比べて決して劣るなどということはありません。

むしろ、曲線美が美しいトノー(樽)型が特徴の「トノーカーベックス」やレクタンギュラーケースがスタイリッシュな「ロングアイランド」といった、個性的なコレクションを柱に独自路線を突き進んでおり、今では一大ブランドに成長。WPHH(World Presentation Of Haute Horlogerie)といった独自の新作見本市を催したり、パティスリー経営を行ったりと、多角的に活躍することとなりました。

 

なお、フランクミュラーはオシャレな腕時計の代名詞的存在でもあります。

前述の通り個性的なフォルムがデザインの基調となりますが「奇抜」というわけではなく、むしろ美しいギョーシェ装飾をあしらった文字盤や伸びやかなインデックス,美しい針などは至高のエレガント。スポーティーなモデルももちろんラインナップされていますが、そのいずれもが上品なイメージを損ないません。

さらにフランクミュラーでは同一コレクション何でサイズや素材展開を豊富に行っているため、ユーザーがご自身の好みに合った一本を選択しやすい傾向にあります。これはすなわち、あらゆる層をターゲットに加えていると考えられ、フランクミュラーが万人から愛されている理由を垣間見ることができるでしょう。

フランクミュラー ロングアイランド

そんなフランクミュラーに例えたいアウディは、4つの円が重なるロゴが象徴的な自動車メーカーですね。フォーシルバーリングスです。

このロゴは、アウディの前身がアウトウニオン社であることにちなみます。アウトウニオン社は1932年のドイツで、ホルヒ、アウディ、ヴァンダラー、DKWの4社を合併して創業した自動車メーカーかつ自動車連合です。そのため現ロゴも、左からアウディ、DKW、ホルヒ、ヴァンダラーを象徴しているとのことです。

そんなアウディの魅力は、やはりエレガンスながらも、都会的で洗練されたデザインにあるでしょう。重厚感ある高級車ももちろん魅力的ですが、アウディはモダンなデザインも大切にしており、幅広い世代にとって「オシャレ」と感じられる車体が多いのではないでしょうか。

高級車らしく内装インテリアもこだわり抜かれており、乗り心地に良さにも定評があります。ちなみにフランクミュラーのケース・ブレスレットも装着感が多分に考慮されており、どちらもオシャレと機能性を両立している銘プロダクトであることがわかります。

 

あわせて読みたい関連記事

 

 

ブライトリングなら「プジョー」

ブライトリング 時計

「時計ではない、計器である」

ブライトリングの腕時計は、このように表現されることがしばしばです。

なぜなら1884年の創業以来、プロユースを想定した信頼性高い時計開発に尽力してきたためです。とりわけパイロットウォッチとしての功績は大きく、1942年の初代クロノマット(現在のナビタイマー)や マーキュリー計画に携えられたコスモノートなど、現在にも語り継がれる名作やその活躍シーンを挙げると、枚挙にいとまがありません。

この歴史を体現するかのような計器然としたデザインも、ブライトリングの魅力の一つです。堅牢なケース・ブレスレットや機能性を詰め込んだ文字盤デザインは、男心をくすぐります。

一方で高級時計らしいエレガンスを有しており、ビジネススーツへの相性が抜群という側面もあり!堅牢性・機能性の押し出しが強いデザインはともすればスポーティーに偏りがちであるにもかかわらずビジネスとの親和性が強いのは、ブライトリングの設計力と作り込みの高さゆえでしょう。

ブライトリング ナビタイマー

ブライトリングに例えたいプジョーは、フランス発・世界最古の量産自動車メーカーの一つです。創業はなんと19世紀前半から!自動車製造を手掛け始めたのも1882年と自動車の黎明期に当たり、いかに深い歴史を持つメーカーかがおわかり頂けるでしょう。

プジョーもまた、上品さは持ちつつも力強いアイコニックなデザインが魅力の一つです。フランス企業らしい、高いデザイン性を感じますね。コンパクトカーであっても存在感の強さはしばしば話題になっており、このデザインに惹かれてプジョーを所有した方も多いのではありませんか?

ドイツやイタリアの有名メーカーと比べると、知名度でこそ後塵を拝するかもしれません。しかしながら歴史に裏打ちされた信頼性や高いデザイン性によって、根強いファンを獲得し続けていることは事実です。

 

あわせて読みたい関連記事

 

 

IWCなら「ジャガー」

IWC ポルトギーゼ クロノグラフ

スイスブランドとはなるものの、ドイツ語圏にあたるシャフハウゼンを本拠に構えるIWC。これはインターナショナル・ウォッチ・カンパニーの略称です。

「スイスの企業なのに、社名がフランス語でもドイツ語でもない・・・」と思うかもしれませんが、創業者がアメリカン人時計技師フロレンタイン・アリオスト・ジョーンズ氏であることに由来しています。こういった背景もあってか、ドイツらしい質実剛健さも備えつつ、アメリカらしい合理的な近代工業生産スタイルを早い段階から取り入れたブランドでもあります。

※スイスはこの二言語に加えてイタリア語が公用語になるが、時計メーカーで多いのはフランス語圏

とは言え、現在のIWCが手掛けるプロダクトは、質実剛健な職人魂による作り込みの高さが伺えます。

美しく歪みのないケースや見やすいながらエレガントな文字盤・針は言わずもがな。自社でのムーブメント製造にも一家言持っており、高い堅牢性や信頼性を保ちつつ、鑑賞することも想定した美しさも訴求しており、内外ともに死角のない銘ウォッチによって時計愛好家の心を魅了してきました。

IWC マークシリーズ

このプロダクトの特徴やブランドの姿勢は、ジャガーを彷彿とさせます。

ジャガーはイギリスの名門自動車メーカーです。英国王室や英国政府高官の御用達になっていることでも有名ですね。

1922年、イングランド北西部のブラックプールでサイドカー販売を手掛けたことでその歴史が始まりますが、1935年には独自の新型車の開発に成功。第二次世界大戦での混乱を経つつも、優れたスポーツカーを手掛けるメーカーとして台頭していくこととなりました。

そんなジャガーもまた、内外ともにこだわり抜かれた自動車生産には定評があります。

とりわけ内装の造りは、さながら高級ホテルのよう。デザインや素材、仕上げにはこだわり抜かれており、オーナーはゆったりとしたくつろぎの空間をお楽しみ頂けます。もちろん車としての性能も優れているので、まさに内外ともに死角のないIWCと例えるのが良いのではないでしょうか。

 

あわせて読みたい関連記事

 

 

チューダー(チュードル)なら「ボルボ」

チューダー 79830RB

チューダー(チュードル)をご存知でしょうか。

1930年代、ロレックスの創業者ハンス・ウイルスドルフが創設したブランドです。イギリス市場でロレックスの知名度を上げるため、ロレックスの技術を用いつつも、ロレックスよりも廉価な価格帯で販売していたことがチューダーの大きな特徴となります。なお、イギリス市民に親しまれるために、チューダー王家からその名をちなむこととなりました。

わが国には長らく正規店はありませんでしたが、2018年に本格進出。それまで国内で用いられていた「チュードル」の呼称を改め「チューダー」として、日に日にファンを獲得し続けています。

 

なお、かつては「ロレックスのパーツを用いながらもリーズナブルな価格で購入できる」といった性格が強いものでした。チューダーでありながらロレックスの王冠マークを使ったパーツなどが用いられ、このWネーム感が面白いと個人的にも思います。

一方でチューダー独自のコンセプトやデザインによって、ロレックスにはできない路線を突き進んでいるのも事実です。ブラックベイというダイバーズウォッチラインを中心にチューダーならではの世界観を演出しており、「ロレックスの姉妹ブランド」というよりも、チューダーそのものの魅力に惹かれるファンがほとんどと言って良いでしょう。

現在ではロレックス譲りの高性能・高信頼性を備えつつチューダー独自のスポーティかつエレガントな製品を展開しており、ラインナップも豊富に用意しているため、初めて機械式時計を購入する方にとっても時計愛好家にとってもお勧めできるブランドとなっております。

高級時計 チューダー 魅力

そんなチューダーを例えるならボルボです。

ボルボはスウェーデンで1927年に誕生した自動車メーカー。北欧らしく、機能性や安全性を柱とした商品開発を行っていることが特徴であり魅力です。

とりわけ安全性については創業以来から理念として根付いてきました。市販車に初めて3点式シートベルトを搭載したり、「衝突回避」や「CTA(クロス・トラフィック・アラート)」をいち早く開発したりと、伝統的に安全にかけては一家言持つのがボルボという自動車です。

チューダーもまた、高い性能と信頼性で人々の生活をサポートしてきました。人々の生活に自社のプロダクトが息づいていくことを存分に理解したうえで、その人々が安全で快適に生きていくことに寄り添うのが、この二社なのです。

 

あわせて読みたい関連記事

 

 

ロジェデュブイなら「アストンマーティン」

ロジェデュブイ

出典:https://www.rogerdubuis.com/jp-ja

1995年、同名の時計師とデザイナーのカルロス・ディアス氏によってスイスで創業したのがロジェデュブイです。

ちなみに創業者のロジェデュブイ氏はロンジンやパテックフィリップで働いていた経歴を有します。そのため、完全マニュファクチュールという、新興ブランドとしては驚くべき生産体制を確立していることが、ロジェデュブイの大きな特徴となります。

マニュファクチュールというのは時計業界では自社一貫製造といった意味合いを持ちます。

今でこそムーブメントの開発・設計・組立からケーシング(ケースにムーブメントを収めること)を行うブランドは増えつつありますが、伝統的にスイスの時計製造行は分業制(エタブリスール)が採られていました。

とりわけムーブメント開発・製造には高度なノウハウが求められるため誰もができることではなく、ムーブメント会社のエボーシュ(半完成品)を使って各社でリファインしたりそのまま使ったりするのが普通です。

しかしながらロジェデュブイでは創業当初から完全マニュファクチュールを確立。しかも、パテックフィリップやヴァシュロンコンスタンタンといった一部の名門メーカーのみが取得できるような厳格なジュネーブシール準拠のムーブメントを製造しており、いかに技術力に秀でているかがおわかり頂けるでしょう。

 

一方でムーブメントのみならず、インパクト絶大な外装デザインもロジェデュブイの魅力です。

ロジェデュブイ

出典:https://www.rogerdubuis.com/jp-ja

フラグシップのエクスカリバーを基幹コレクションに、文字盤を大胆にスケルトナイズしたり、複雑なフォルムのベゼルによって力強さを押し出したりと、一目見てロジェデュブイの仕事であるとわかるモデルをラインナップしています。

内外ともに作り込まれているとあって、価格帯は1000万円超が当たり前!少量生産ゆえに「人と被らない」という側面もあり、各界の著名人御用達のブランドともなっております。

 

そんなロジェデュブイを例えるなら、やはりアストンマーティンでしょう。ジェームズ・ボンドの愛車ですね。

実はロジェデュブイはランボルギーニとコラボレーションしているためこちらとも迷いましたが、アストンマーティンのラグジュアリーかつダイナミックなスーパーカーが、ロジェデュブイのイメージととても重なります。

どちらも超高級かつ少量生産なため、なかなか気軽に入手できるというわけではありません。しかしながら憧れの世界を象徴する存在であることは間違いありませんね!

 

あわせて読みたい関連記事

 

 

ハリーウィンストンなら「キャデラック」

ハリーウィンストン メンズ

極上のダイヤモンドで世界中のセレブリティを魅了してきたハリーウィンストン。ブライダルでもとても高名で、ハリーウィンストンの結婚指輪を選ぶカップルは北川景子さん・Daigoさんご夫婦や松嶋菜々子さん・反町隆史さんご夫婦等、錚々たるメンツですよね。

ジュエリーのイメージが強いかもしれませんが、1989年から時計事業にも参画しました。

ハイグレードなダイヤモンドをセッティングしたアヴェニューがフラグシップとなる一方で、本格的なメンズ機械式時計も製造しています。

とりわけプロジェクトZはハリーウィンストンの高い時計製造技術を象徴する一大コレクションです。

2004年から続くコレクションで、ザリウム(zalium)という新素材を用いていることからこの名が付けられました。宇宙工学の分野でも採用されるザリウムはきわめて優れた耐久性と耐腐食性を誇る一方で加工・仕上げが難しい一面があります。

しかしながらハリーウィンストンは複雑な造形と持った力強いモデルをザリウムで実現しており、メカニックなデザインと併せて唯一無二の存在感を示します。

ハリーウィンストン プロジェクトZ

そんなハリーウィンストンはアメリカ ニューヨーク発のブランド。そのため自動車で例えるなら、同郷のキャデラックはいかがでしょうか。

ハリーウィンストンと同様、アメリカの多くの著名人に愛され続けてきた自動車メーカーです。大統領の専用車としての歴史も高名ですね。高性能なエンジンを持ちつつ、高級自動車らしくしっかりと作り込まれた外装も魅力的。

どちらも特別な存在感を演出できるプロダクトです。

 

あわせて読みたい関連記事

 

 

まとめ

人気の高級時計ブランドを、自動車メーカーで例えてみました!

フェラーリにベントレー、ベンツにBMWにアウディ・・・しっくりくる例えはあったでしょうか?

車好きの方が腕時計のご購入をご検討する際は、ぜひ参考にしてみて下さいね。

 

 

あわせて読みたい関連記事

 

 

この記事を監修してくれた時計博士

田中拓郎(たなか たくろう)

高級時計専門店GINZA RASIN 取締役 兼 経営企画管理本部長
(一社)日本時計輸入協会認定 CWC ウォッチコーディネーター

当サイトの管理者。GINZA RASINのWEB、システム系全般を担当。スイスジュネーブで行われる腕時計見本市の取材なども担当している。好きなブランドはブレゲ、ランゲ&ゾーネ。時計業界歴12年

監修記事一覧

  • アップルウォッチ VS ロレックス 勝つのはどっち?マーケティング戦略考察

  • タグホイヤーは何故こんなに安いのか?高級時計メーカーのブランド戦略考察

  • 40代男性にお勧めしたい高級腕時計6選

  • フランクミュラーはなぜこんなに人気があるのか?高級時計メーカーのブランド戦略考察

監修記事一覧 >>監修者一覧 >>


IWCのブログ一覧


WATCHES AND WONDERS2024

買取専門WEBマガジン
販売サイトへ
買取サイトへ

中央通り店
メンテナンスガイド
腕時計入門ガイド

 

人気記事ランキング

ページトップへ